35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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[温かい腕に包まれる。 「僕は酷いな」という相手に、返事をしようとするけれど声にならなくて。代わりに何度も何度も首を横に振る]
――――――――――……。
[そして、最後に問われた言葉。 答えは考えるまでもなく決まっている。けれど、それを口にしてしまったら、もう歯止めが利かなくなりそうで]
私、私は……
(101) nekosuke 2011/08/22(Mon) 01時半頃
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………私は、戻りたくない。ずっと此処にいたい!!
[顔を上げ、泣き腫らした顔のまま、間近で源蔵を見つめながら声をあげた]
恐ろしいのです。 私が此処にいることが、この村の人たちに、未来の人たちに、 一体どのような影響を及ぼすのか。
本当は帰らなくてはいけない。いけない、けれど、帰りたくない。 離れたくない。ずっと、御傍にいたいです。
ずっと、ずっと、ずっと…
[歳相応、否、歳より幾許か幼くすら見える様子で、言い募る。 相手を困らせてしまうだけだと分かっているのに、もう、止まらなかった]
(102) nekosuke 2011/08/22(Mon) 01時半頃
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――――――――……ずっと、此処に。傍に…。
[本来の流れからはずれて、この場にとどまるということ。その過ちも、恐れも、全て認めた上で源蔵は傍にいてほしいと言ってくれる。此処にいることを、許してくれる。 自分が何を求めていたのか。何を望んでいたのか。…伊綱の言葉の意味が、分かった気がした]
ふふふ、…源蔵様でも、怖いことがあるのですね。
[赤い眼をして、それでも何処か冗談めかして笑う]
居たい…。居ます。居させて、ください。 私の居場所はここだと思うから。……心から。
[祈る様に呟いて、源蔵に抱きついた**]
(107) nekosuke 2011/08/22(Mon) 02時頃
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一平太は、|_・)
nekosuke 2011/08/22(Mon) 21時半頃
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―通り―
―――――――……団十郎様?
[人気の少ない村通り。大きな背中は、殊更に良く目立つ。 彼の思案をしてか知らずか。そこにかけられる、いつも通りの声]
嗚呼、やっぱり団十郎様でした。 御祭りの役員さんになったと伺っていたので、 見間違いかと思ってしまいました。
[お早うございます、と頭を下げる少年の手には、白い花束]
(134) nekosuke 2011/08/22(Mon) 22時頃
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[大きな声を出した団十郎に驚いたように瞬いて、振り返る彼と目が合えば少しだけ肩を揺らした]
――――……ふふ、びっくりさせちゃいましたね。
[尋ねられた問いに、開いた僅かな間。花束を持ち直せば、白い花弁が一枚舞った]
はい。会いました。会って、大切な御話をしました。
…団十郎様。団十郎様も、御存じだったのですよね。 いいえ、きっと。誰より早く、 気づいていらっしゃったのかもしれない。
[そっとかがみ込むと、地面に花束を置いた。 其れから立ち上がり、真っ直ぐに相手へ向き直る。一度見上げた後、深く頭を下げた]
ごめんなさい、嘘を吐いて。沢山、沢山、騙してごめんなさい。
(142) nekosuke 2011/08/22(Mon) 22時半頃
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私は学者になれば良いって、団十郎様が仰ったとき。 私、凄く嬉しかったのに。本当に嬉しかったのに。…だから。
守れないと思いながら、約束をしました。
―――…きっと忘れてしまうだろうから、 約束を破っても良いだろうなんて。本当に身勝手。
[それから、ゆっくりと頭を上げた]
でもね。
やっぱり私、此処に居たい。 何がこの先起こるのか、とてもとても不安だけど。
源蔵様は、ずっと一緒に居ると、言ってくれたから。 何が起こるか分からない。後悔することになるかもしれない。 けれど、どちらを選んでもきっと後悔するなら、 私は此方の道を選びたい。
(143) nekosuke 2011/08/22(Mon) 22時半頃
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私、この村に残って、学者になりたい。 そして、夜の星を見上げながら、皆さんと御酒を飲むのです。
頑張ります。どんなことでも、頑張る心算です。
だから、だから…。
私が学者になることを、まだ、応援して、くれるでしょうか。
[とても、図々しい御願だとは、分かっているのだけれど。 何時も気にかけてくれた団十郎は、少年にとっては家族にも近しい存在であり。だから、今は、包み隠さず本心を告げた]
(144) nekosuke 2011/08/22(Mon) 22時半頃
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一平太は、慰められて、元気が出たよ。ありがとう、ありがとう。
nekosuke 2011/08/22(Mon) 23時頃
あとは、ゆうと、明之進もか。
先に明之進のほうにでも行くかな。
どうせ、この熱い日差しじゃ外には出てこれねーだろうしな。
ちょっとお土産でも持っていくか。
[...は端末を使って、何やら仕込んでいる]
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―――――――…わ、わわっ。
[頭をわしわしと撫でられれば、「もう子供じゃないのだから」と普段は慌てているのだろうけれど]
…えへへ。
[今日ばかりは、心底安堵した表情で笑みを零した。 長い眼で見れば、それはこの場の感情に流された選択なのかもしれない。それでも。この村で、彼らとなら、きっと頑張れる気がするから。
朧のことを問われれば、ぴたりと固まって]
いいえ。兄様には、私がこの時代の人間ではないことを…。 御祭の日には帰るのだと、伝えたきりで。
半ば、飛び出してきてしまったのです。
(156) nekosuke 2011/08/22(Mon) 23時半頃
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[困ったように俯いた]
―――――………戻って来た時には、 御祭の役員に任命された様で、既に御姿がありませんでした。
きちんと、伝え直さなくては、いけないのですが………。
[言いなおしながら、地面に置いていた花束を拾う]
勇気が足りなかったので。だから、父様と母様に、 少しだけ勇気をわけて貰いに行くところだったのです。
(157) nekosuke 2011/08/22(Mon) 23時半頃
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――――――――……ありがとうございます、団十郎様。
[花束を抱きしめながら、薄く微笑んだ]
そうだ。源蔵様の御祭用のからくり、完成したんですよ。 凄く素敵な出来あがりなんです。 今年も、皆で見物しましょうね。
[あんなに恐れていた「約束」が、今ではとても待ち遠しく思える。 深く頭を下げると、墓地の方へと歩いて行った]
(162) nekosuke 2011/08/23(Tue) 00時頃
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[...は、夕顔も朝顔と一緒に未来に行く事は、まだ知らない**]
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―村の傍の墓場―
[墓石は丁寧に磨かれていた。きっと、兄が訪れたのだろう。 白い花を墓前に供えて、一度日が高くなり始めた空を見上げた。青い。何処までも、青い空]
――――……父様。母様。今年も御戻りになるのでしょうか。
[「精霊伝説」は、未来人の時間旅行の口実でもあっただろうが。 それでも人が、その星空に先祖が戻ってくることを願うのならば、全てが嘘にはならないと想う]
私は、何も、打ち明けることの出来ないまま。 貴方達はお亡くなりになってしまった。 私を最期まで実子と信じ……。 それは今ではもう、取り返しのつかないことです。
[風が吹き込み、白い花弁を散らしていく]
それでも私にとっては、父母は、貴方達しかいないのです。 何の言い訳にもならないかもしれないけれど。 本当の父様と母様だと、思っていました。…今でも思っています。
(187) nekosuke 2011/08/23(Tue) 01時頃
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朧様は、…兄様は、 こんな私を自慢の弟だと言ってくれました。
そう。私にとっても。 何時だって、どんなときだって、朧様は自慢の兄様でした。 私が望んで押しつけた縁を、 あの方は、貴方達は、受け入れてくださいました。
それだけでは、ないのです。 私、この村で、大切な人が沢山出来ました。
みんな、みんな、―――――…宝物です。
(188) nekosuke 2011/08/23(Tue) 01時頃
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戻らないって言ったら。……兄様は、呆れるでしょうか。 それとも自分で考えて決めたことなら、 許してくれるかな…。
あれだけ大騒ぎしておいて、ちょっと、格好悪いな…。 でも、格好悪い位は大丈夫。
それでも私は、ここで生きていきたいから。
[祈りは静かに流れる]
父様、母様。私をまだ、息子として認めてくださるなら。 ――――――…どうか応援していてください。
(189) nekosuke 2011/08/23(Tue) 01時頃
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一平太は、源蔵に飛びついた。(もはや定期!)
nekosuke 2011/08/23(Tue) 01時頃
しっかし、あれに印刷してよかったんかな。
まあ洗濯か、風化で消えるから、問題ないだろう。
[先ほど残した書き置きの事を考えて、問題が無いと判断する]
[顔を赤らめながら、ポーズを取る]
海岸へ 行こう〜。
[星降る海岸に歌う声が響く]
乗り込んで行こう〜。
[そして何やら脱力感たっぷりの踊りを行っている]
星空流れて おかえりモード〜。
[歌い踊り終わると、恥ずかしさの余りうずくまった]
カッツ=オオバヤシ。
[端末に自分の名前を認識させ、プログラムを起動する。
星が流れていく。
海に微かな光が伸びていき、道を作る。
その先は、おぼろげになっていて、よくわからないが
あれが時空のひずみ…帰るための時渡りの入口なのだろう]
あー、なるほど。
端末持ってないと、渡れないわけね。
[好奇心が疼いて、海上の光の道に対していくつか試してみていた。
端末を持っているやつと一緒なら、この道は渡れるのだろうか。
そんな事を考えていると、誰かの気配を感じた]
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―夜・海岸付近の道―
[――――――…墓参りの後、村の中を、朧の姿を探して、探して]
[けれど、なかなか見つからなくて]
[漸く見つけた頃には、もう日も落ちていた。 海岸傍、一人満月の輝く星空を見上げる姿]
…… っ。
[声をかけようとして、呼び方に迷い、一度躊躇し]
兄様!
[けれどはっきりと、その背に呼び掛けた]
(215) nekosuke 2011/08/23(Tue) 21時半頃
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[光の道を往く。
遠くからは、星の降る光が海岸へ映っていると思うだろう。
そしておぼろげになっているそれへと飛び込む。
その先の時空では、大型の時空航空機が待っていた。
...の時代では、まだ個人が所有できるレベルの小型の時航機はなかった。
それを考えると一平太は先の時代のやつなんだろうな。そう思う。]
…またな。
[そして...は元居た時代へと、帰るのであった*]
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――――――――…御祭り、は。 まだ何も見ていませんが。
[振り向いた朧に一度、立ち竦み。静かな足取りで近くまで駆け寄ると、隣に並んだ]
だって、一緒に見回りをするって、 …約束していたでしょう?
(224) nekosuke 2011/08/23(Tue) 22時頃
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『I love you forever, My Angel. UTO 』
[発信機の底部に刻まれた銘は、愛しい娘へのメッセージ]
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[相手が言いかけた言葉の先は分からなかった]
兄様と一緒なら、私は何でも楽しいです。
[俯き気味の顔に、月明かりが影を作る。ゆっくりとした歩調に合わせて、彼の隣を並んで歩く]
………兄様。私の住んでいた街では、星も月も見えないのです。 青い空が無いのです。 上は一面、冷たい冷たい、暗いキカイに覆われて。
他の人と会話をすることは愚か、会うことも稀で。 偶に会うことがあっても、 それはただ、生きていることを確認するだけのこと。
未来の人間が、街が、全てそうだとは思いません。 けれど、私が住んでいた場所は、酷く寒々としたところでした。
(237) nekosuke 2011/08/23(Tue) 22時半頃
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だから、私、逃げ出したのです。後先も考えず。 勝手に黙って時を渡って、行き先も分からぬまま。
―――――――……そして、この村に着いた。貴方に、出会った。
[そっと腕を伸ばす。叶うなら、相手の手を握ろうと]
兄様が最初にくれたのは、繋いだ手の温かさ。 兄様が最初に教えてくれたのは、 二人だと寂しさも怖さも半分になってしまうということ。
………………………。
(238) nekosuke 2011/08/23(Tue) 22時半頃
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あのね、兄様。私、考えました。 色んな人に迷惑をかけてしまうかもしれないことも、 沢山考えました。
それでも、此処に居たいです。残りたいです。
共に生きることを祈り願ってくれる人がいるから。 将来の夢を支え応援してくれる人がいるから。
あんな、大騒ぎして。 とても、恥ずかしいし、情けないのですが。
私、残ります。この村に居ます。ずっと、ずっと。 次の御祭も。その次の御祭も―――…。
(239) nekosuke 2011/08/23(Tue) 22時半頃
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一平太は、朧が茄子と結婚しないかがとても気がかりである。
nekosuke 2011/08/23(Tue) 23時半頃
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――――――――…。
[小さく笑った兄を見上げる。 此方もほっとしたように笑みを零した]
はい。……絶対に絶対に、御無事で御戻りください。 そうでなければ。 今度こそ本当に、私が都へ駆けつけてしまいますから。
[見回りを再開、との声に頷いた]
…………兄様、兄様。 私の兄様でいてくれて、ありがとう。
[再びゆっくりと再会した歩みの中、小さな声で囁いた**]
(255) nekosuke 2011/08/23(Tue) 23時半頃
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―白石源蔵邸―
[祭りが終わり、皆を沸かせ無事に役目を果たしたからくりは、今は屋敷の片隅に置かれている。 主人へ御茶を運びに行く折、その姿が目にとまってふと足を止める]
……………………。
[羽衣伝説には諸説あるが、多くの場合、天女は男と子を残す。 子は天へ連れて行かれることもあるが、地上へそのまま留まってしまうこともある。
天女の子はその時代を必死で生き抜き、 その血は脈々と受け継がれていくのだろう]
――――――源蔵様が、未来人の子孫だと仰るならば。 私は未来からこの村に渡り、この地で恋をし子を為した、 その方に御礼を言わなくてはいけませんね。
だって、源蔵様が今ここにいるのは、そのおかげなのでしょう?
[書斎で御茶を出しながら、不意に思い出したように、口を開く]
(266) nekosuke 2011/08/24(Wed) 00時半頃
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未来は、いつ決まるのでしょうね。
此処には居ない筈の人間が、何かをすることで未来を変える。 未来を変えてしまうというのは、 とても恐ろしいことなのかもしれないけれど。
でも、少なくとも私は、その御蔭で救われました。
私は自分の我儘を通して、この村に残るのだから。 だから、せめてその分、源蔵様の御先祖様のように。 誰かを幸せにするような、生き方が出来たら、良いな。
[にこりと一度微笑むと、「御無理なさらず」と付け足して場を辞しかけて、ふと立ち止まり]
嗚呼、そうだ、源蔵様。 今日の御夕飯は、何にしましょうか?**
(268) nekosuke 2011/08/24(Wed) 00時半頃
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一平太は、団十郎の頭を撫でた。
nekosuke 2011/08/24(Wed) 00時半頃
[きゅるきゅると、ここで、未来で、まわるゼンマイ]
はろー CQ はろー CQ
こちら じゅりえっと つー わん のべんばー ろめお ぜろ
[青い空の下で。微笑みの傍で。愛しい、愛しい人を思って]
星降る海岸より
[きゅるきゅると、愛を、囁く**]
―お祭り翌々日―
[後頭部をさすりながら、レポートを書いていた。
いつか、これらの結論をまとめて、論文を一本書き上げよう。
もっと先の子供たちのために。
そして、ここに生きる人たちのためにも]
それには、もうちょっとデータが必要だな。
っつーわけで、こっちにもちょくちょく来ねーとな。
[ほっぽいたらここの時代の6年後にいやーな事になりそうと俺の直感は言っている。()]
悲しくなる思いをしねーように。
仕組みを俺が変えてみせる!
(…の、予定)
[と、これにていったん...の物語は閉幕閉幕**]
一平太は、げんぞうさまだいすき!
nekosuke 2011/08/24(Wed) 02時頃
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