278 冷たい校舎村8
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[縄張りを守る黒い馬が、虚構の世界から消える。
ちゃんとしてる委員長だなぁ、って思ってたし、
実際どこにも澱みは見えなかったから凄いよね。
嘘は誰にもバレずに突き通すもの。
当然あなたのほうが正論だったし、耳が痛くてしょうがなかった。
くだらない理由で死を選んだことが明るみになったら、
その時はスッキリした顔をしてくれるんでしょうか。
やっぱり理解できないって頭を抱える?]
[原稿用紙を睨み続ける深緑色のフクロウが、虚構の世界から消える。
作家としてより、気安い友達だという印象のほうが強くて、
素直で可愛いなぁって思ってた。
何かを証明しようとしていた、その結果はどう?
嘘が真実になることもあるって、たぶんあなたが一番知ってたんじゃないかな。
わたしからのファンアートはどうか、本来の作者に届けてくれたらいいな。]
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— 朝 —
[>>4:628昨夜は、誠香ちゃんと2人で保健室で話をした。 女の子は2人だけになって、保健室は広いなぁって、そんなことを話して、 千夏ちゃんにメイクを教えてもらう話には、いいなぁって相槌を打った。
いつの間にやら眠って、目覚めた時には誠香ちゃんは既にどこかに行っていたっけ。
わたしは身支度を整え、家庭科室へ。 心乃ちゃんが先に帰ってしまいましたので。 今残っている人たちの胃袋はわたしが掴むよ! ……と、意気込んで朝食の準備をする。
昨日のおにぎりは全部平らげられていたか、それとも残っていたか。 残っている量が少なければ、それはわたしがいただいちゃいます。 多ければ……まぁ、また後で食べよう。]
(0) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[昨日はガスコンロを見て、気分が悪くなってしまったけど。 今日こそは温かい料理を! と意気込み。 鍋にお湯を入れて、火にかける——]
(1) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[ ——あ。]
(2) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[チャイムが鳴ったその瞬間、弾けるように全てを思い出す。]
(3) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[死ななきゃいけないな、と思った。]
(4) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[>>1:40>>1:41——オオカミ少年の話。
嘘ばっかり吐いて信用を失った少年は、 誰にも言うことを信じてもらえなくなって、そして死ぬ。
さて、この少年が村人たちに信じてもらうには、 どうすればよかったのでしょうか。
ひとりきりの部室で、夕陽に照らされながら、 その答えをずっと考え続けて、出した結論。]
(5) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[言葉ではなく行動で示さなければいけない。 少年は、今まで吐いた嘘の謝罪を残した上で、 村人たちが見える場所で自ら首を吊るべきだ。
自分の死と引き換えに、 真実が残る可能性があることに賭けて。 やってくるオオカミから村を守るために。]
(6) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[だから、どうしようもない嘘吐きのわたしが、 真実を証明するには、自分の命ぐらい捨てる覚悟が必要だ。
その結論に至って、 なんだ、じゃあ簡単じゃん、と笑ってしまった。
わたしにはもう何も残っていないし、 これから何を成すつもりもない。
いいや、無理なんだ。 今まで生きてしまってごめんなさい。]
(7) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[わたしは死んで、いなくなるから。 その代わりに、わたしが残したものは真実だったと、
……『いい思い出だった』と、証明が成されますように。]
(8) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[クラスメートのみんなをここに呼んだのは、 その証明が成されたことの確認のためだ。]
(9) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[嘘が真実になる瞬間を知っている。 ……その反対に、真実が嘘になる瞬間も知っている。
いずれにせよ、 嘘が赤い色として見えない世界では、葉野紫織は生きられない。
思い出深いこの校舎だけが、わたしにとっての真実。]
(10) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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……なぁんだ。
[全てを思い出して、肩を落とす。 どうして忘れていたのか。 いいや、思い出したくなかったのかもしれない。 実際、忘れたままみんなと過ごしたこの数日間は、 得体の知れない不気味さを含みつつも、楽しかった。
わたしの願い通り、完全再現とはいかないみたいで。 そこは口惜しいところではある。]
(11) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[けど、もう終わりだ。 十分に証明は済んだ。ありがとう。
今まで付き合ってくれたみんなに、さよならを。]
(12) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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— 校舎の変化 —
[昇降口に叩き付けられていた黒いインクは、 いつの間にか消失している。
この冷たい校舎からはもう帰ることができると、示すように。]
(13) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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[そして、既に元の校舎の階数よりも多くなったこの校舎に、 更に8階が積み上げられる。
その場所は——*]
(14) 2020/06/22(Mon) 00時頃
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— 保健室 —
[ふらりとそのまま保健室に戻ってきて、 誰もいなくなったその場所で、息を吐く。
あと、何人が残っているんだろう。 大丈夫、もう苦しい思いをしなくても帰れるから。
保健室の入り口近くの台に、 メモを置き、そこにペンを走らせる。]
(15) 2020/06/22(Mon) 00時半頃
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『昇降口が開いていたので、先に帰ります! みんなも早く戻ってきてね! 外で待ってるから! 紫織』
(16) 2020/06/22(Mon) 00時半頃
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[……これを確認して、みんな素直に帰ってくれますように。 最後の嘘。に、なればいいな。
書き置きだけを残して、そのままふらりと校舎を歩く。*]
(17) 2020/06/22(Mon) 00時半頃
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— 昇降口前 —
[黒いインクは全て綺麗さっぱり消えている。 ここを開ければ、元の世界へ出れるだろう。
……と、その脇に、 たくさんのマネキンのような、柔らかい人形が積み重なっている。>>3:879 これは消すことができないから、しょうがない。
そこから引っ張り出されたマネキンには、 既に毛布が被せられていた。]
まなちゃん、ごめんね。
[エンドロールの終わる映画館には、観客はいられない。 最後まで楽しんでくれたかなぁ。 くだらない話で、申し訳ないけれど。
昇降口前をそのまま通り過ぎて、ひたひたと歩く。*]
(19) 2020/06/22(Mon) 00時半頃
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― 2階:廊下 ―
[廊下の端。本来そこは行き止まりだけど、 その先には増設された歪んだ部室棟がある。
……その手前に、マネキンが転がっている。>>4:625 邪魔だなぁ、って思って蹴ったりはしないよ。別に。]
何を踏んだの?
[汚れた靴底が気になるけど、わたしはそれを察することもない。 帰って聞けば教えてくれるのかもしれないけど。 その約束は、果たせないね。 まあ、しょうがない。
委員長が他のみんなにしてあげたみたいに、 布をそっと被せてあげるべきなのかもしれないけど。
>>22誰かが来そうな気配がしたので、 気付かれる前にふらり、そこを立ち去る。*]
(30) 2020/06/22(Mon) 00時半頃
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— 1F:空き教室 —
[……見つけるのが大変だった。
>>4:650磨りガラスが白くなっていることになかなか気付かなくて、 少しの間、校舎を無駄に往復してしまった。
扉を開けようと手を掛けて、あ、これはやめたほうがいいな……と離れる。 マネキンを確認したかったけど、なんとなくわかる。 この中に誠香ちゃんがいることが。]
(48) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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……潰れそうな重みから、 助けられるのは、わたしじゃないや。
[ごめんね、と心の中で謝る。 誠香ちゃんが抱えているものを解決できるのは、外の人だけだ。 この校舎の中からは祈るしかできない。
嘘の重みってつらいよね、って、 気持ちを共有できた未来があったのかなぁ。
扉はそのまま開けずに、ここを離れた。 >>37きっとね、王子様が助けに来てくれるよ。*]
(49) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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[わたしは卑怯者の嘘吐きだからさ、 ……きっと、真正面から正直に話すことはできない。
だから、ひっそりと隠れることにするよ。 この校舎が静かになるまで。]
(52) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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— 8階 —
[階段を登り切れば、そこに広がるのは真っ直ぐな廊下だ。 一直線に、廊下だけが伸びている。扉はどこにもない。
壁や天井には、紫色のインクが付着している。 この世界の主の名前を示す色だ。
窓の外の景色に目をやれば、 まるでビデオが上映されているかのように、 文化祭で3年8組が上演した劇が、そこに映し出されている。 窓を開ければ、音も声も聞こえてくるはずだ。]
(54) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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[長い長い廊下の、壁側に。 A2サイズのフレームに収まった、CG作品が順番に掛けられている。
騒がしく飛んでいる、オレンジ色の金糸雀。 陽気な笑い声を上げながら転がっている、黄色い羊。 走ることなく、生きている姿が美しい空色の豹。 動物たちの群れをじっと見ている、白色の子鹿。 この星を抱いて微笑む、深い青色の牛。 規律に従って縄張りを守る、黒い馬。 原稿用紙を見下ろして目を閉じる、深緑色のフクロウ。 群がる魚から逃げるように海底へ潜る、濃い桃色の熱帯魚。 雪の上に寝転んではしゃぐ、赤い眼鏡をかけた水色の兎。 無表情なのにどこか優しい顔つきの、紺色の狼。]
(56) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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[わたしの解釈で描いた世界、虚構の動物たち。 この世界からわたし以外の人間がいなくなるけど、 大丈夫、寂しくない。
この世界には、わたし以外の人間は居てはいけない。 居ればわたしは嘘を吐くし、収拾のつかなくなった嘘は歪んだ校舎を増やす。
だから、これで終わり。 さようなら、大好きなみんな。]
(58) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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[てく、てく、てく……。
窓の外の上演を眺めながら、8階の長い廊下をただ歩いていく。 足音が冷たい音を立てて反響した。*]
(59) 2020/06/22(Mon) 01時頃
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[どこまでも続く廊下を歩く。 窓の外の劇を眺めながら、校舎が静かになるのを待っていた。
それなのに、ああ、やっぱり。 あなたたちは、わたしの嘘を見抜いてやって来る。>>104>>110>>114
足を止めて振り返る。]
(115) 2020/06/22(Mon) 19時半頃
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……ごめんごめん、先に帰るって書き残してたんだけど、 ちょっと最後に校舎を見て回りたくなったから、つい。
心配しなくても帰るよ、見終わったら。 ね、みんな待ってるもんね。 めいっぱい雪合戦しなきゃね。
[えへへーと笑顔を向けてみせる。]
(116) 2020/06/22(Mon) 19時半頃
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……ほら、みんなで作り上げた舞台が見えるでしょ。 懐かしいよねぇ。
あ、夏美ちゃんが驚いたところ。 本番は上手く行ってよかったよね。
[>>1:241>>2:242>>2:243稽古ではすったもんだあったけど、 なんやかんや夏美ちゃんの演技もブラッシュアップされて、 わたしはバスケットの底に果物ボールをしっかり固定して、 そんなこんなで上手く行った本番のこと。 再現される映像を見て、それを思い出す。]
(117) 2020/06/22(Mon) 19時半頃
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颯真くんだ。 メイクも衣装に似合ってたねぇ……。
あ、辰美くんの出番。 こうして見ると、うん、いい表情してる。
[窓枠に寄りかかって、ただ眺めている。 ここに来てくれた3人が何を思うかなんて気にしない素振りで、 わたしはただ、再現される劇を一緒に見ようと促して、 ……普段通り、呑気な顔をしてる。*]
(118) 2020/06/22(Mon) 19時半頃
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……何言ってんの? 違うよ、わたしじゃない。
そもそも間違ってたんだよ、 誰かが死にかけてるとか、世界の主とか……。
[目を合わせるわけないじゃん。 嫌だよ。絶対に。]
(123) 2020/06/22(Mon) 20時半頃
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辰美くんは楽しくなかったの。 楽しかったって言ってくれたの、もしかして嘘だった?
楽しかったなら、ずっと見ててもいいじゃん。 ねぇ。
[嘘吐きはわたしのほうなのに、 彼の言葉を嘘呼ばわりするのは、罪深いかな。
いいんだよ、許してくれなくても。 とっくにメールで伝えてあるじゃない。*]
(124) 2020/06/22(Mon) 20時半頃
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[>>126みんなでワイワイ騒ぎながら。 ああ、いいなぁ……それ。 もう叶わないことだから、途端に虚しい気持ちが胸の中に渦巻く。]
……そうだね。 だから、後で必ず帰るから。 先に行って、準備しててよ。
お願い、颯真くん。
[目は合わせない。無理だって。 優しい君ならわたしの言葉を信じてくれるよね。 最後のお願いだよ。*]
(128) 2020/06/22(Mon) 21時頃
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[>>130肩を掴んでくる。 強引にそちらを向かせられる。 ほんと、そういうの、ずるいよ。 正しい言葉はいつだって、正しくないものや不誠実なものを叩き潰してくる。]
離してよ。 それ、威圧感あって、怖いんだよ。
[>>4:519昨日は否定した言葉をあえて投げつける。 男の力で強引に振り向かせようとするなら、こっちだって逃げるために遠慮しない。 傷付けることをお構いなしで吐き出した嘘。
無理矢理合わせられたわたしの目には、きっと怯えの色がある。]
(144) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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……嘘を吐く才能なんてものがあったら、 こんなに、生きるの、苦しくないよ……。
[やめたかったのに、どれだけ時間が経っても矯正できなかったわたしの虚言癖。 やめろ、やめろ、って何度言われたかもわからない。 だからこんなの、理解されるはずがない。]
(145) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[氷室くんから逃れられても、 >>134>>135>>138辰美くんの言葉からは逃れられない。
わたしが帰らないことで、みんなの思い出が壊れる。 楽しかった思い出が、楽しくなくなってしまう。 なんだよ、それ。 そんなこと言われたら、さあ。 せっかく証明できたと思ったのに、どうして上手くいかないんだろうな……。]
(146) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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嘘だよそんなの。 そんなわけない。 楽しかった思い出が無くなるわけじゃない。 思い出は、そんなに弱いものじゃない。 1人くらいさ、いなくたって、いいじゃん。
[何をどう取り繕おうとしていたんだっけ。 声はガタガタになって、呼吸が上手くできない。 やめてよ、わたしのせいじゃない。 わたしを責めるな。わたしを責めるな。
>>142>>143更に突き刺さる颯真くんの言葉。 無意識に胸元をぎゅっと押さえていた。]
(147) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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……みんなで一緒に卒業できたら楽しいだろうなぁって思うよ。 でも、……卒業したら、それで終わるから。
消えてなくなるなら、 わたしは、思い出を永遠にするほうがいい。
(148) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[なんでそんな目でこっちを見るかなぁ、 辰美くんも氷室くんも颯真くんも。
嫌だ、もうこれ以上顔を見られたくない。
数歩後ずさって、こちらに伸ばされた手を強引に振り切って、 振り返り、もたつきながら、走って——逃げる。]
(149) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[紫色のインクで彩られた通路を、走る。走る。 運動は得意じゃないから、きっと追いつかれてしまう。 その前に廊下の行き止まりに到達して、扉を開けた。
その中は、夕陽が射すあの日の部室だった。]
……はぁ、はぁ、はぁ、
[肩で息をしながら、後ろ手に扉に鍵をかける。 例え追いつかれても、顔を見られないように。*]
(150) 2020/06/22(Mon) 22時半頃
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[>>154>>155>>156ドアを背にして、 ドア越しに投げられる言葉を聞く。 閉じこもっていても、すり抜けて来る言葉が耳に痛い。 >>160扉を叩く音がする。ドアに密着した背中に、ダイレクトに衝撃が伝わる。
わたしはいつもこうやってさ、 嘘吐くし、誤摩化すし、逃げるし、向き合わない。 だからさっさと愛想を尽かしてくれればいいと思ってたのに。 若菜ちゃんみたく、わたしに背を向けてどこかへ立ち去ってくれればいいと思ってたのに。 友達なんて簡単にいなくなるって、知ってたはずなのに。 なんで、なんで、なんで。]
(173) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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……じゃあ、じゃあ、いいよ! それで。 忘れればいいじゃん。わたしのことぜんぶ。 わたしは忘れないから。 それでいいよ。 つらいこと、こんなバカな奴がいたってこともぜんぶ、 忘れていいよ。忘れてよ。
わたしだけ覚えてて、 ずっとこの校舎で、みんなのこと見てるから……。
[売り言葉に買い言葉。 いいや、そういうわけじゃない。 せっかく証明できたと思ったわたしの真実、 忘れ去れるのは悲しいし、寂しいけど、 これ以上、自分の中から失われるよりはマシ。]
(174) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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みんながわたしを殺さなくても、 わたしはみんなを殺すよ。
[心臓が痛い。それでも声を絞り出す。]
喜多仲くんの首をへし折って殺した。 千夏ちゃんを突き落として殺した。 まなちゃんを埋めて殺した。 心乃ちゃんに箒を突き刺して殺した。 委員長を邪魔だから殺した。 誠香ちゃんを原稿用紙で押し潰して殺した。
ぜんぶ、わたしの罪だよ。
[自分が殺した記憶は無いけど、この世界でみんなが苦しんだ責任が、 世界の主にあるのなら、それはわたしのせいだ。きっと嘘じゃない。]
(175) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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わたし、生きててもみんなに迷惑かけるだけだからさぁ、 友達もいなくなるし、みんな忘れ去るんだよ。 でも、それもしょうがないじゃん。
卒業して続くものなんて、ないし。 全部なくしておしまいなんだよ。 わたしが一番わかってるよ。
[>>162新しい思い出を作ればいい、とか、 >>169卒業したって終わらない、とか、 それを信じるほど純粋じゃなくなってしまったのは、 ひとえに自分のせいだし、実際に終わらせてしまった縁があるから。]
(176) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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ずっとこうなんだよ。 小さい頃も、小学生の時も、……中学生の時も、 わたしのこと覚えてる人なんて、いないよ。
やだよ、もう。 友達なくすの、やだよ。 好きな人たちがいなくなるの、やだよ……。
(177) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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[理解されないワガママなんだろうか。 だから、きっとわたしは人間よりも劣った何かなのだろう。 赤色と青色が混ざった、ドロドロした紫色の虚実のキメラ。 嘘を吐きすぎて自分のことすら信じられなくなった。
>>161>>168扉を蹴破る相談が聞こえる。 やめてほしい。そんなことをされたらわたしはもう抗えない。 ……逃げ場所は無い。
窓から飛び降りるしか、無い。*]
(178) 2020/06/22(Mon) 23時半頃
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[——わたしが死んで、みんながわたしという友達を失くすという矛盾。 >>180そんなの考えたくなかった。考える機会がなかった。 わたしは失くす側ばかりで、逆の立場を想定できてはいない。 >>181だから、氷室くんの声に心臓が張り裂けるほどの痛みを感じた。]
……じゃあ、どうすればよかったの……。 これからどうやって生きてきゃいいの……。
[>>185辰美くんの挑発が聞こえる。 殺してみろと彼は言う。 ああ、怖いなぁ。彼と最初に出会った時のことを思い出す。 殺そうとしてもまた壁ドンされて追い詰められるのがオチだ。 無理だ、殺せない。]
(199) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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……わたしがずっと仲良くしてた親友も、いなくなったもん。 どれだけ仲良くても、いなくならないなんて言えない。
みんなのせいじゃないよ、わたしのせいだ。 だからわたしは、 もう、……死ななきゃ!
(200) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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[扉から離れて、窓のところに走る。 夕陽が差し込んで眩しい。 ここからの景色は、雪景色なんて感じさせないあの日のまま。
窓を開ける。 そして近くの机を踏み台に持ってきて、 少しもたついたけど、準備はできた。
男3人がかりなら扉もこじ開けられてしまう。 だから、それよりも早くここから飛び降りて、 自分という存在を完全に消してやる。]
(201) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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[——踏み台に足をかけた、その瞬間だった。
>>190>>191颯真くんの声をした、誰かの言葉が聞こえた。]
(202) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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……え、 覚えてる、って、そのこと……。
あの時の、
[記憶を辿れど、思い当たるのは1人だけ。 中学の時、颯真くんのことをよく知らなかった時、 わたしが落ちていた文房具を届けた——ああ、よく覚えてる。 すっかり忘れられたのだと思っていて。]
(203) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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[踏み台に足をかけたまま、戸惑って、硬直して、
……きっと、強引に突入されたなら、>>198 飛び降りる寸前で引き止められてしまう。*]
(204) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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[鍵をかけて閉じこもるほど見られたくなったわたしの顔は、 涙を拭う暇も無く、ぐちゃぐちゃに汚れている。**]
(205) 2020/06/23(Tue) 01時頃
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[>>207右腕を掴まれ、>>209左腕を掴まれ、もう逃げることもままならない。 >>212ハンカチを受け取ることもできずに、べそべそと泣いている顔を晒すだけ。]
なんで……なんで……。 もうやだぁ……。
[せっかく終わりにできると思ったのに、 みんなはそれも許してくれない。
つらくて、苦しい思いをするのに、 それでも生きなきゃいけないという、意味がわからない。
友達イコール、わたしにとって都合のいい人たちのはずなんだけどな。 おかしいなあ。全然都合よくいかないや。]
(214) 2020/06/23(Tue) 17時頃
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……どうせみんな、怒るんでしょ……。 人騒がせだって、責めるんでしょ……。 やだぁ、帰りたくない……。 やだやだやだ……。
[ぐずぐずと泣き喚きながら、ワガママを言う。
……死を選んだはずの理由、ここに残ろうとしたはずの理由、 並べ立てたそれらの理由はいつの間にか掻き消えていて、 最後に残ったのは、そんなくだらないワガママだけだった。**]
(215) 2020/06/23(Tue) 17時頃
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離してよぉ……。 おねがい……。
[右腕も左腕もがっちり掴まれているから、 ハンカチを受け取って顔を拭うこともできない。 >>220されるがままに颯真くんに拭われる。 とても惨めで恥ずかしい。]
(222) 2020/06/23(Tue) 20時頃
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[謝らなくちゃいけないことは分かってるけど、 やっぱり責められたくないし、怒られたくない。 きっとまた逃げちゃうんだろうなって。
……でも、今更、だなぁ。>>217 言われてみれば、何度もそれを繰り返してきたんだし。 またひとつ増えただけなのかなぁ。]
(223) 2020/06/23(Tue) 20時頃
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[>>219一緒に謝ってくれるのも、 >>221みんながついててくれるからというのも、 こんなワガママにそこまで付き合ってくれるなんて、贅沢すぎるし、 でも、それに縋り付いて引き摺られたいほどには、嬉しかった。 ……嬉しいに決まってるじゃんか!]
……見捨てないでよ、 こんな、わたしを生かすんだから、 わかってんの、ねぇ……。
努力はするけど、さ、どうしても、嘘ついちゃうし、 逃げちゃうこと、たくさん、あるし、
……死んでたほうがマシだったって、 そう、思ったら、死ぬからね、わたし。
(224) 2020/06/23(Tue) 20時頃
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[最低な自分が、それでも生きてもいいの。 嘘が真実にならなくとも、嘘が嘘のままで生きてもいいの。 紫色の化け物でも、みんなのところに居ていいの。
泣き腫らした顔で、情けなくしゃくり上げながら、 ——こんな嘘吐きを連れ戻そうとする、“共犯者”たちの顔をようやく見つめた。*]
(225) 2020/06/23(Tue) 20時頃
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[間違えすぎて、失ったものはたくさんある。 これからもたくさん間違えるかもしれない。
自分の気持ちが真実であると証明する手段は結局何もないけれど、 信じてくれる、見捨てないでくれる人がいるんなら、 わたしはそれを信じてみようと思う。
……自分のことを信じて欲しいと願っている本人が、 他人の言葉を信じないなんて道理が、通るはずもなかった。]
(234) 2020/06/23(Tue) 21時半頃
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|
……怖いよ、それ。辰美くん。 追いかけられたら、やっぱり逃げるよ。
[最初に詰問された時のことを思い出して、 泣きながら、笑いが零れた。]
ずっと見ててくれるなら、 こっちも……親孝行しないといけないじゃんか。 お父さん。
[>>4:36彼にしては珍しかった冗談を引っ張り出して、 悔し紛れのような感情を投げ返す。]
(235) 2020/06/23(Tue) 21時半頃
|
|
颯真くんは、……さっきの話、さ、 また改めて聞かせてよ、えっと、 ……もう1人のほう。名前は?
[こんなわたしのことを覚えていてくれてありがとう、って。 伝えなきゃいけない。伝えさせてほしい。 どちらが「颯真」なのかわからないし、 もう1人のほうに名前があるのも、わたしにはわからないけど。]
(236) 2020/06/23(Tue) 21時半頃
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氷室くんの、昨日のことは、 そうだね、最後まで見届けたいや。 ……思い出したら、心残りになりそう。
さっきはごめん、 怖くなんてなかったよ。ほんとう。
[彼が誠香ちゃんに抱く思いの行方を、 にやにやしながら見届けるこの立場を手放すの、 やっぱり勿体無いよなぁって、思い出して。
……まだこの先の未来を見ることが、楽しみになってしまう。 ずるいよ、ずるい。みんなして、そんな面白そうな、さ。]
(237) 2020/06/23(Tue) 21時半頃
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[離された右腕で、乱暴に目元を拭う。 夕陽が目に染みる感覚を覚えた。]
……帰る。
[3人の共犯者が何度も呼び掛けてくる「帰ろう」の言葉から、 逃れる方法はもう何もなく、拒絶する心も折れて。
真実も嘘も何もわからない、 赤い色のインクさえも見えない、 けれど未来がある世界へ、 帰ることを選びましょう。*]
(238) 2020/06/23(Tue) 21時半頃
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[オオカミ少年が嘘を吐いたことを許してもらって、 さて、心を入れ替えて嘘を吐かないように健全に生きられるのか。 簡単にそうできたら苦労はしないのだけど。 でも、村人の中の少しの友人たちと、 できたらオオカミ本人とも仲良くできれば、 悲劇は何も起こりません。めでたしめでたし……。
どうなんでしょうね。 0点か100点かは分かりません。 でも、わたしの白紙にはこれを書いて再提出することにします。]
(250) 2020/06/23(Tue) 22時半頃
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[>>240案外寂しがり屋な共犯者も、 >>243もう1人が内にいる共犯者も、 >>246本来の格好に戻ることに決めた共犯者も、 やっぱりわたしの中の思い出を構成する大切な友達だから、 掛けられた言葉は信じます。信じさせてください。]
(251) 2020/06/23(Tue) 22時半頃
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ここ、8階だから……。 降りるの大変だ。 ごめん。
[夕陽の射した部室を出る。 2人で過ごして、3人になって、そうして1人になったわたしの居場所。 もう振り返ることはない。]
(252) 2020/06/23(Tue) 22時半頃
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[紫色に染まった廊下を引き返すように歩く中、 >>56順番に並んだ動物の作品群を目にする。
……ああ、これ、ちょっと間違いがあったな。
赤い眼鏡をかけた水色の兎。 これは1匹ではなく、2匹だったらしい。
虚構は虚構。現実には勝てるわけもなかったらしい。]
(253) 2020/06/23(Tue) 22時半頃
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[——嘘も虚構も、寂しいわたしの心を満たしていたもの。
ありがとう、そして、さようなら。*]
(254) 2020/06/23(Tue) 22時半頃
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— 昇降口 —
[1階まで下りる階段は長くて、 昇降口に到着するまでに、いろんなことを考えていた。
出口であるその場所には、もう黒い色は何も無い。 いつでも出られることを示すように、光を湛えて開いている。]
一緒に帰るから。 ……大丈夫、嘘じゃない。
[4人が横並びで、一緒に帰ろうか。 それとも順番にここから出ようか。 いずれにせよ、わたしは逃げないってことを告げる。 信じてくれるかな。]
(258) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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……あのね、
[昇降口の光に飲み込まれる一瞬、 みんなには聞こえないと思って、呟く。]
ありがとう。 これからも、わたしのこと見ててね。
[伝え損ねていた感謝の言葉を、最後に。*]
(259) 2020/06/23(Tue) 23時頃
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[みんなとの文化祭の思い出は、 本当にかけがえのないものでした。]
(272) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[すべてを失ったわたしにとって、眩しいほどに大切なものでした。]
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[どうか、それだけは信じて欲しかったので、このメールを遺します。 許してくれなくてもいいので。]
(273) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[信じてくれることを疑っていなかったけど、責められることを恐れていました。]
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[さよなら。 今まで生きてしまって、ごめんなさい。]
(274) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[でも、今まで生きていたから、かけがえのない思い出ができました。]
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[——結局、これらも嘘ということになってしまうのだけど。 仕方ないよね、だってわたしは嘘吐きだから。
自分の中にある紫色の中には、嘘の赤が含まれている。 でも、赤色に混ざる青色が何を示すのかは分からなかった。
今ならなんとなくわかる。 わたしの中には赤色も青色も含めて、いろんな色があって…… 経験や、記憶や、みんなの存在、 それらすべてが混ざり合っているうちの、紫色だったんだ。]
(275) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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[真実を示す色は、わたしの中にあるみんなの色だった。*]
(276) 2020/06/23(Tue) 23時半頃
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