35 星降る海岸に纏わるエトセトラ
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[些か挑戦的にも見える夕顔の顔つき。まさか悔しがられているとも思わずに、微かに首を傾げる]
空飛ぶ円盤、だそうだ。仁右衛門さんに貰った設計図をもとに作った。 ……といっても設計図があまりにも不完全だったから、外側の形だけ似せてつくった模型だけどね。
気になるかい?
(86) 2011/08/14(Sun) 23時半頃
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うん。少し不思議だね。 彼は僕みたいな「数字」や「仕組み」が得意な学者と違って、「文献」や「伝承」を紐解くのが得意なはずの学者だから。 もしかしたら、何か「伝承」を調べるうちに、これを手に入れたのかもしれないねぇ。
[役員騒ぎで忙しいだろう彼に、改めて問うのも難しかろう。 仁右衛門の話に訝しげな顔をしている夕顔を、じっと見詰めて]
……学者ってやつはね。自分の大事なひとつを突き詰めたい人間がなりやすいもんだから、ちぃっと視野が狭くなる時がある。学者だってことを言い訳にするつもりはないけどね。 あの人はあの人で、大事なことのために一生懸命なんだよ。
[そして、ぽりぽりと米神のあたりを掻いて]
それはそれとして。昨夜は気を悪くさせて、すまなかったね。 僕もまた、人の心に対する思慮に欠けておった。
[そう言って、居住まい正すとぺこりと頭を下げた]
(95) 2011/08/14(Sun) 23時半頃
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[慌てて頭を下げ合う格好になった夕顔に、小さく微笑んで頷く。 そして、夕顔が呼吸を整えてからぶつけてきた質問。それをじっと、ひとつひとつ聞き漏らさぬように耳を傾けて]
じゃあひとつずつ整理してみようか。 伝承はこうだ。 「お祭りの晩」「海岸に」「星が降る」。それは「御先祖様が帰ってくる」ためだから「見ちゃいけない」。
さて、これが誰か「何かを知ってる人」が作ったお話しだとして。 その人は、誰に……、 いや、「この話を聞く村の人たちに」、どうして欲しくてこの話を作ったと思う?
[それはいつもの講義と同じように。正答を強いるのでなく、想像を求める調子で]
(105) 2011/08/15(Mon) 00時半頃
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[知らない人は作らないのか、という夕顔の呟きに、ふむ、と顎に手を当てて]
いい着眼点だ。検討事項に加えよう。
さてなるほど、話を作った目的が、海岸を見に行きたくさせるためだと仮定しよう。……というかやっぱり勝丸はそうなんだな。
[ぽつりと遠い目で呟いた後、「失敬、話を戻そう」と仕切り直して]
その人は、どうして海岸を見に行ってほしかったんだろう。 もちろん行ったことないんだから僕らにわかりゃしないんだが、 たとえば、お話の中にその手掛かりがあるとすれば、どれだと思う?
(112) 2011/08/15(Mon) 01時頃
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[言葉の途切れてしまった夕顔に、急かすわけでなくひとつ頷く]
詰まってしまった時は、違う問題に視点を移してみよう。
知らない人はお話を作らないのか、だったね。僕はこれは、あると思う。 何かよくわからないものを見た人が、それを自分に理解できる何かに言い換えて人に話したりとか。そういう可能性はあると思う。
さて、もしその方向性だったとして。その「よくわからないものを見た人」が、言い換えた部分は、伝承のどの部分だろう?
(116) 2011/08/15(Mon) 01時半頃
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そうだな、祭の日と海岸は、この村にとって馴染み深いものだから、そうそう間違えはしないと僕も思う。
星。空できらきら光るもの。空の遥か遠くからでも、はっきり光って見えるもの。ホタルもぴかぴか光るけれど、ホタルは海の上を飛ばない。祭りの日にだけあらわれる、とても強く光る、空から降りてくる何か。
[夕顔の連ねた言葉を、反復するように捏ねて並べて]
ふふ。ただのオバケだったら少し怖いな。 でもご先祖様なら、幽霊でも怖くない気がしないか。
[少し怖がるようなそぶりを見せた夕顔に、小さく笑って]
……きっと、それ見た人は、怖い想いはしなかったんだろうねぇ。ただのオバケだとは思わなかったんだもの。 まぁ、祭りの日に現れたからってことで、単純にご先祖と結びつけただけかもしれないけれど。
(120) 2011/08/15(Mon) 02時頃
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[怖いから、覚えていない。それも一理ある話なのだけど。 夕顔がどこか安堵めいた微笑みを見せるものだから、思わず口にしそびれた。 それと同時に、彼女が一番問いたかった部分は、ここだったのかもしれないとも思う]
さて、ここから先は、おゆうと僕の宿題にしておこう。 なんだったら、あさや神楽殿にも一緒に考えてもらうといい。
そろそろ、あさと日向が心配しとるんじゃないかね?
[そう言って、小さく首を傾げた**]
(125) 2011/08/15(Mon) 02時半頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2011/08/15(Mon) 02時半頃
勝君、勝君
記憶操作の準備、出来たけれど
皆の様子を見て、今日は勝君が決めてね
私、今日は夕ちゃんと一緒にいるから
[そんな通信を、一方的に送っておいた]
[そんなところに通信が入る]
あ、さんきゅなー。
つーか、お前仁右衛門に恨みもっただろ。
こんなに早く動かなくてもよかったのによー。
まあ、俺が長のところに行くなんて
とっても変な行動だし、そのほうがよかったんだけれどよ。
[そして伝えられる通信に音声メモのごとく呟く]
あー、今日ねえ。
あの後の経過を聞くに、行くフリじゃなくて
本当に何人か行きそうだしなー。
志乃は超行きそうだからなあ。
まあ、最後だしな。
いっぱい思い出作っておけばいい。
[惜しむ別れは、...にはないはず。]
ここなら見張ってても問題ないだろ。
そーゆー事で、俺はいったんここで様子を見るな。
あさの居るほうで
ダメだこいつ止めなきゃ!
ってやつがいたら教えてくれよ。
[そう連絡を送っておく]
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―書斎―
[夕顔を見送ってから、暫し、作りかけのからくり細工を引き出して弄る。祭りのためのからくり芝居。金具が滑らかに上下動して、仕掛けの中央で天女を舞わせる]
……これも、「お話」だなぁ。
[見世物としてからくりをひとつと言われた時に、自分で選んだのがこの演目であった]
言いたいことを、そのまま言えないから、「お話」に託す。
[かくん、と首傾いだ天女の眼差しが、羽衣を持つ青年の眼差しと交わる]
よく出来た、ありふれた「仕組み」だな。
[溜息混じりに、呟いた]
(202) 2011/08/15(Mon) 23時頃
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―廊下―
[ひとしきりからくりを弄った後、客間の様子を見に行こうと廊下に出ると、当の患者本人の姿が見えた>>168]
ん、具合はもういいのかね。顔色はだいぶ良くなったみたいだけど。
[旅館へ戻ると言われると、微かに眉を上げるが。自分が言いそうな言葉を全て読まれているらしい、先手を取った言い訳に、小さく肩を竦めた]
くれぐれも、無理は禁物だぞ。3日後にはまた経過を見せに寄りなさい。 それと今日一日は、激しい立ち座りや、暗い場所で目を酷使するような仕事は避けるように。
[丁寧に頭を下げるみつに、お大事に、と小さく頷いて、立ち去る様子を見送った]
(210) 2011/08/15(Mon) 23時半頃
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[講堂の様子を見に行く途中、日向とも行きあって。丁寧に挨拶する彼女に、自分も礼を言ってから見送った]
あさとゆうはどうしたかな。もう帰っただろうか。
[看病していたみつが帰ったのだからと思いつつ、一応客間へと足を向ける。すると向かう途中で、仲睦まじく手を繋ぎ合う二人の姿が見えて]
……、
[何か思い出したように、しぱしぱと目を瞬いた。ようやっと気を取り直すと、二人に声をかけて]
二人とも、おみつさんの看病、ありがとう。とても助かった。 そろそろ二人も帰るかい? もうみんな帰ってしまったようだよ。
(214) 2011/08/15(Mon) 23時半頃
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[二人並ぶと、本当によく似ていると思う。慣れれば仕草でわかるが、そうでなければ鏡うつしのよう]
あぁ、また明日。
[そう言って夕顔に笑みを返して]
……ん? どうした、あさ。
[質問、という言葉に、 朝顔の方へ向き直った]
(229) 2011/08/16(Tue) 00時頃
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[朝顔からの意外な問いに、小さく目を瞬く。そうしてゆっくりと考えてから]
……規則というものは、特にそれが長く積み重なって形作られたものならば、そこには様々な理由がある。そして多くの場合、それは「全体」の流れや仕組みを整えるためのものだ。あちらを立てればこちらが立たず。それを如何にうまく整えるか。 だから、個人の感情と、規則が対立することは珍しくない。
[いつも以上に迂遠な言い回し。彼女が問い方を考えたのと同じように、こちらも答え方を考えて]
……大事な人のためと思って、大事な決まりを破ったら。後になってから、大事な人を傷つけることになってしまったということも、よくあることだ。
僕の身内にも、そういうのがひとりいた。長ーく悩んだそうだ。自分の勝手を、相手にまで背負わせたのではないかと。
[そこで一度言葉を切って、朝顔の目をじっと見据え]
……よく考えなさい。大事な人のことを。できるのならば、その人と一緒にな。
(244) 2011/08/16(Tue) 00時頃
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[朝顔の返事と、頷く様子に、そっと眼差し緩めて頷いた]
うん、いってらっしゃい。 僕でよかったら、いつでもおいで。
[大事なこと、ゆっくりたくさん、話せるといい。 迷い悩みや間違いは、生きていくにはつきものだけれど。 後悔に長く苛まれることのないように。
歩いていく二人が見えなくなるまで、その場に佇んで見送った]
(254) 2011/08/16(Tue) 00時半頃
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朝起きるのは頑張ってるって!
ちょーがんばってるって!
けれどよ、夜になってからは
こっちの世界の不思議調べてるから、どうしても寝るのが遅くなっちまうんだ!
って、言いたい。はぁ。
[団十郎に反論したいが出来ない。うぐぐ。]
しっかし、今のところこの辺に来た連中は
見に行ったりはしなさそうだなー。
きっと。
[たぶんそうに違いない]
それじゃあ、わりいな志乃。
ちょっくら祭りの手伝いしに行ってくれ。
[ぽちりと端末を弄り、志乃が役員になるように手はずを整える。
失敗しなければ、明日には志乃は役員に任命されているだろう]
…――――
勝君、夜中にそんな事してるんだ
課題、終わってないんだね?
[通信機から漏れて来た言葉に、とっさに反応してしまった]
だめだよ、ちゃんとやらなきゃ
びびび、びっくりしたあ。
今のは不意打ち過ぎるぞ!
うちのあっちのせんこーみたいな真似しないでくれよー。
[どうやら驚かすのが好きな先生がついていたようだ]
まあ、レポートはさっぱりなんだよなー。
楽しかったです!いいところでした!
で終わればいいんだけどなー。
[二行に増えていた。素晴らしい進歩であった]
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さて。
[下駄をつっかけて、縁側から中庭に降りて。裏木戸を開けて、空き地の様子を覗く]
やっぱり今日もおったのか、おしの「先生」。 今日は私塾も解散だ。子どもらは帰ってしまったよ。
[鳩渓堂の看板を見上げる、志乃の横顔に声をかけた]
(266) 2011/08/16(Tue) 00時半頃
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びっくりする、かなぁ?
喋ったのは、勝君なのに
[凄く不思議そうに、私は首をかしげそうになったけれど
通信機だから、表情は伝わらない事を思い出した]
レポート、私は書いた
テーマは「科学は人を本当に豊かにしたのか」
ちゃんと書かないと、落第しちゃうよ?
ここで来るとは思ってなかったから、ものすごくびっくりしたんだよ。
確かに、通信オフにしてなかったのは俺だけどよ。
[そういえば切ってなかった。
まあ、今まで向こうの話が出来なかったから
その話が出来るのが、ものすごく久々で嬉しい]
うっ。
どうだったのか質問してくれれば、答えられるんだけれど…。
[けれど、痛いところを突かれて
声がみるみる小さくなっていった]
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―空き地―
いいんでないか? 子どもたちに教えるという形で、彼らの自由な発想を引き出している。なかなかの先生ぶりだと思うがね。
[ぽてぽてと、いつも子供らがいる辺りにまで出て行って。自分だけ立っているのもなんなので、その場にしゃがみ込んだ]
僕はどーも、教え方が小難しくていかんのだよ。 どうだ、おしの。今日は僕に「議題」を出してみんか。僕だって、たまには「生徒」になってみたい。
(276) 2011/08/16(Tue) 01時頃
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発明家 源蔵は、メモを貼った。
2011/08/16(Tue) 01時頃
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[志乃からの議題を、真顔でわくわくと待っていたのだが]
む。空に魚か。魚……。
[いざ出されると、これが意外に難しくて。志乃の笑顔と反比例して、むむむと眉間に皺が寄る]
秋の雲に鰯雲なんてのがあるが、そういうことじゃないよなぁ。 水のない所では魚は呼吸ができない。だから空で魚は生きられんはずだが、たとえば竜巻が川の水ごと空に巻き上げれば……。
[固い。子どもたちに比べて、発想があまりにも固かった]
おしの先生は、どう思うんだい?
[降参とは口にしないが、首を傾げて問い返した]
(284) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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[つらつらと志乃が述べる話に、目を丸くして聞き入る]
なるほど、な。雲の上は、海の底か。
[ぽけっとした様子で、空を見上げて]
……世界は丸い、日が昇るのは太陽でなく地面が動くから、人は猿から進化した。みんな、おしののような発想のできる人間が発見したのかもしれんなぁ。
[空が眩しくて、目をしぱしぱさせて。眼鏡をとって、瞼をこすった]
なんもかんも、わっかのように繋がってるのかもしれんな。空の上と海の底も。過去と未来も。全部。
(296) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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……祭の晩に振る星も、光る空の魚の群れだったりするのかな。 海に浮かぶ、大きな団子みたいな月影目指して降りてくるんだ。
[ぽつりとそう言って。眼鏡を掛け直し、「それじゃ他の日に来ない説明がつかんな」と、自分で言って笑った]
(297) 2011/08/16(Tue) 01時半頃
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