231 自由帳の中で、僕たちは。
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/* さー、冬休み前最後のHRはじめるぞー。
というわけで雑談もろもろ
どうぞご自由にお楽しみくださいメリークリマスマス!!!!!
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To:友田 千彰
From:入江 礼留
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おはよう!熱も下がったので送ってみましたぜ(両手を挙げる絵文字)
まだ咳は出るけど、誕生日までには治ってると思う!(マスクをした絵文字)
だかられーる君生誕18周年をちょー祝ってね(笑顔の絵文字)(ピースする絵文字)あっきゅんの誕生日祝いは皆でカラオケ行ったよな、楽しかった(マイクの絵文字)(音符の絵文字)
雪だるまなんてまだまだ子供ね〜( ・´ー・`)でも少年の心を忘れない男の人って素敵(ハートの絵文字)(青ざめた顔でそれを見ている絵文字)
あいつから聞いたんだけどさ、差し入れ買ってきてくれたのあきなんでしょ?
ありがとうな、すっごい助かったしメールも嬉しかった。
ほら、弱ってるとなんか心細くなるじゃん?だからそーいう時に友達から連絡くるのってなんかさー、いいよね。
なんちゃって。(舌を出して笑う絵文字)出来るだけ早く机を奪還しに戻るからな待ってろよ!!
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― 三学期放課後・図書館にて ―
[放課後>>4:+23に、図書館に来る。 この後色々と物色はするつもりだけども、 まずはノートだ。
さっきは見逃していたけど、ゆきうさぎが増えている。 かっっわい。また、矢印をひいて、「かわいい♡」と書いた。
同じく見逃していたお礼の言葉に確かに、と思う。>>4:4 誰が置いたかは解らないけどいきな演出だ。 悩んでる後輩からの返事が見えた。>>4:20 見えたかも、の文字に頬が緩んでうんうん、と一人頷いて、>>4:23の文字を読んで、少し目を眇めた。 わかる、とひとつ、口の中で呟く。
>>3:31そして、きむちなべとあついほうじ茶。]
しっぶい好み。
[でもいいなあ、とおもったので、帰りにほうじ茶を買って帰ろうと思う。 そういえば、トーコの彼設定すっかり忘れてたな。と思ったので、]
(89) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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いいですね。 彼とのデートの参考にします♡ トーコ
(90) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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[そんな書き込みを書いてみて、 ―――…、なんとなく、苦笑して。 トーコのサインのあとに、肉球のマークを付けた。]
(91) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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[そして、その一言が目に入る。
あれかし
の文字を見ると、緩く瞬く。 これは誰への返事だろう。 そうあるといいな、希望。どうあるといい?
例えば卒業生の将来への希望だったり、 後輩の幸せだったり、 好きなものを好きだと言える世界であったり、 受け取り方は受け取る人次第、といった一言。
受け取り手は自分ではないのに、 なんとなく、じんわりと優しさのおすそ分けを貰った気持ちになる。 ここに追記するのは無粋かな〜どうかな〜と、悩んだけれど。]
(92) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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ひかり、あれ
(93) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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[そこから下に、一言、自分の筆跡でそう書きこむ。 もちろん記名なんてしない。
クリスマスみたいなことを言ってしまった。 でもそう思う。
全ての展望に光がありますように。]
あれかし。
[そう一言呟いて、ノートを閉じた。*]
(94) soba 2017/12/29(Fri) 12時頃
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[入江からの返事がくると、まず一文目でほっとした。
読み進めながら、自分の誕生日を思い出して小さな笑い声がもれる。 皆でワイワイするのが楽しくて、春先、その時付き合ってた彼女より優先して振られたのも良い思い出だ。いやだってこっちのほうが断然楽しそうだったし…。こういうところが駄目なんだともよく言われる。
笑いながら見ていって、 少し改まったような文章が見えると緩く瞬く。
すぐにごまかしが入る辺り、なんとなく本心だな、と思ってしまって、表情が緩んでしまった。]
へへへ…
(95) soba 2017/12/29(Fri) 13時頃
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To:れーるくん
From:千彰
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やったじゃん、俺らの祈りが通じたね!(太陽×5)
(キラキラ)(クラッカー)(誕生日ケーキ)(クラッカー)(キラキラ)
ジェニファーせんせはさそった?(にやり顔)せんせがオッケーくれたならそっちを優先するんだよ(さむずあっぷ) 当日じゃなくても盛大にお祝いするからね(にやり顔)(爆弾)(マイク)(音符)
(雪だるま)(スコップ)(踊ってる人)(倒れてる人)
まだまだ子供心は忘れてないから…(キラキラ×3)
(腕で丸を作ってる男)(サムズアップ) 割り勘したけどね! ちゃんとゴミ片づけてる? いつでも心に平穏を。(ピース)
いや正直な話、礼留いないとやっぱ寂しかったからさ。 これから卒業して、それぞれ別んとこいって、気軽に差し入れもできない距離になっちゃうんだろうし。それまではそんくらいしたいじゃん。
湿っぽい話はあんまり向かない俺たちだけど、きっとみんなもそう思ってる…と、いいな。
まあ連絡だけならとれるしね!この先もね! 机ちゃんがおれに惚れて手遅れになる前に帰ってお〜いで(ハート)
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[打ち終わって、迷ったら送れなくなると思ったから、そのまま送信する。 なんだかもっと、たくさん時間があるような気がしてたけど、もうないんだよなあ、って。噛みしめながら。
佐藤へのメールは悩んでしまって返せてない。かえせてない…。 色々決めたら、ちゃんと、送ろう。それだけは、心に決めていたけど。*]
(96) soba 2017/12/29(Fri) 13時頃
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― 終業式の日 ―
[今日も今日とて普通の日。 終業式だからって特別な事は何もない。
あ、お昼で帰れるってのはあるか。
HRで担任をちらちらと盗み見する。 今日言うか、言うまいか。うーん。
進路変更をするなら今のうちに願書を…いやでも…、 でも、今からでも大丈夫なんだろうか。
それでも、ここ数日読み漁った哲学書はどれも、もっと読みたいという魅力があった。もっといろいろな世界が知りたかった。いろいろな考えが知りたかった。自分の世界が狭く感じた。ひろい世界を見たかった。
だけど、今まで志望してた学校は理系なんだよな。 ガラッと変えすぎじゃなかろうか。怒られやしないか心配だ。
でも。なんか。]
(97) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[ ――― 推薦落ちてよかったなぁ。
とか。思うレベルに、大学選びが楽しくて、少し苦笑する。同じクラスの優等生とも、今度こそ本当に仲良くなれそうだと思った。
人文学部で哲学専攻がある大学は割とある。 一人暮らしは視野に入れながら、 でもどこにしようかはまだ決めかねていた。
国立はもちろん受けるとして、滑り止めに私立も受けるつもりだけど、考えた末の大学が同じ大学>>36かもしれないのは知る由もなく。実際将来、どうなるかも解らない。]
(98) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[哲学・心理学、うーん。 詳しい話はやっぱり進路指導に、うーんでもなーうーんいやでも。
凄く言いたくない。
めぼしい大学の出願期間は先に調べる。 ネットでも出願登録ができる昨今は、ギリギリでも間に合う気がした。
冬休み明けかぁ。 その時には、もっと。――― もっと、この気持ちは固まっているんだろうか。
冬休みの間も、図書館は解放しているだろうし。 時間が空いたら読みに来よう、と思う。]
(99) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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― 終業式 ―
[クラスは違えど体育館。整列中に佐藤の姿を見かけた。 お、と思うものの、返してないメールに心苦しく少し隠れてみたりもする。 でも。
…… 久々に、見かけたな。
何だかそんな事を思ってしまって。 少し俯く。口元が緩む感覚があった。この気持ちは何だろう。
嬉しかったメールを思い出した。
しぬほどうれしい、と返事を書いたあのメール。 泣きそうなくらいに嬉しくて、でも、泣きそうだと書くと、ほんとっぽい気がして、照れ隠しで誇張したあの表現。顔を見ると、その気持ちを今にも思い出しそうで、ヤバいな、と思って、俯いたまま。
佐藤の顔がまともにみれないなんて、思ってもみなかったから。 違うクラスで良かった。 そう思う。幸い整列中に話しかけてくるようなやつはいなかったので、そこも、助かった。
終業式は、滞りなく終わり、人知れず、ほっとした。]
(100) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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― 終業式の日・放課後 図書館 ―
[いつもより早い放課後だ。 優等生と話したり、なんだりして、そのままの足で図書館に行く。
あんなに億劫だった向ける足が、今では真っ先に向かってしまうのはちょっと笑えた。
いつもの通りに何冊か本を手元に持ってきて、机に座り、――― 頭を抱える。
頭の中は、終業式でのことと、メールの返事で一杯になっていた。 ひとつずつまとめていこう。ひとつずつ。 額を机に押し付けて、ぼんやりと借りて来た本たちを見る。見ながら。
…… まとまるかなあ。
と、ひとりごちた。]
(101) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[まず、 わかりやすいっていってくれて、うれしかった。 頭でだけでも理解してくれて、うれしかった。 何か見つかると嬉しいっていってくれて、うれしかった。
まわりを理解しようとする佐藤を凄いと思って、 佐藤も不安を感じることがあることに驚いて、出もまた少し嬉しくて、
おれのちょっとした言葉を思い出してくれて、 こーして、きいてみてくれて、 よくわかんないことをいったかもしれなかったのに、 仲良くなれそうなんていってくれて、あまつさえお礼までくれる。
いいやつだ。やさしいひと。 嫌味なんて感じない文面は、本当に元の人柄なんだろうなと思う。
嬉しかった。本当に嬉しかった事はなんだろう。 全部嬉しくって、でも、それだけじゃない何かを感じて、言葉にできなくて。
ここだ、ここ。どうして、なにを、言葉にできないのか。 ここを解明しなければならない。]
(102) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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――― しぬほどうれしかった。
[書いた文面をもう一度呟く。 もらった、優しい文章を思い出す。
内面を見せて、それを認めてもらった気持ちになったのか? いや、もっと単純な気もする。
たとえば、]
……… あ?
(103) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[いやいやいやいや。 思い当たる考えを瞬時に打ち消した。
さすがにそれは単純すぎだろう、と。 しかも相手も相手だ。俺も俺だ。違うだろう。
それでも、思いついてしまった考えに、 思考が割と支配されて行ってしまって、また頭を抱える。]
(104) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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… あったら、どーしようね?
[新学期になっても、 顔なんてみれないんじゃないだろうか。
好きなものなんてないっていって、 好きなものなんてたくさんあって、
好きな人なんていなかったなんていって、 ほんとはもしかしたら、ずっと。
話しかけられなくなった、あの時には既に、だったりしていたのなら。
自分は相当の馬鹿だなあと思うし、 気付くのが今で良かった、とも思う。
手が届かなくなるまでの期間が、すごく短いから。 あとすこしと割り切れてしまうだろうから。]
(105) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[女の子に恋は出来なかった。 それは対象が違っていたからなんだろうか。 心当たりは割とある。 いろいろな別れ際を思い出して、緩く凹んだ。
悩みが一つ解決したと思ったら、 また悩みが一つ増える。
これが本当に恋だとしても、違ったとしても、 ――― 卒業までは、あと少し。
頭をあげて、立ち上がるとノートへ向かう。 ぺら、めくった。ぺらぺら、めくっていく。
土岐の書きこみを、見ながら遡っていく。
じんわり、じんわりと。 人物像が一致する、その文面を読みながら、勝手に重ねて、また少し泣きそうな気持になったけど、新学期には。メールを返せるようになるころには、もう少し。
――― …強くあれるといい。]
(106) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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To:きーちくん
From:千彰
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結局へんじが冬休みになっちゃった!(手を合わせて謝るポーズ) 死にそうなくらい嬉しかったから、棺桶でいいんだよ。(ピース)
(握手)(握手)
いろいろ有難う。
教えてもらった本全部読んだよ。
おかげで色々、将来の展望が見えてきました。
好きな本、見つけてくれるって言ってたけど、
最初に選んでもらった本が、おれにとっての大事な本になりました。
だから、ありがとう。
本当に、ありがとう。
すきなもの、みつかったよ。
いえい!(ピース)
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青春を 振り返っても 後悔で 楽しい思い出 忘れられずと
後輩へ
好きなものたくさんみつけてこう たくさんたくさん考えて、 青春の無駄遣いはしないよーにね(ピースの絵)
先輩より!
(107) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[そのメールが送られたのも、へったくそな短歌とその追記が、無記名でノートに書かれたのも、冬休みの間にだ。
まあそんな事を書きつつ、あんまり後悔なんてしてないんだけど。 だって友達とわちゃわちゃとしてたのは楽しかった。その時間は本当だ。
ただ、―― ただ、ひとつの心残りを。 話しかけないようにならなければどうなっていたのかとか、もっと仲良くなれたんだろうかとか、もっと早く気付いてればどうにかなっただろうか、とか、そんな事はきっとないんだろうな、とか。
ひとつの心残りをあの時のメールのように誇張して、 そのノートに置いた。
ああ、高校、楽しかったなあ。と思う。噛みしめて。 これから先の未来をも、思う。*]
(108) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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― 三学期・放課後の図書館 ―
[今日も今日とて本を漁る。 冬休みの間に割と量は読めた気はするけど、量だけではまだまだだと思う。でもまずは知識がなければ話にならない。 こんなふうに、本にのめり込めるなんて思ってもなかった事を考えると、やっぱり改めて佐藤にはお礼を言わなければならない。
あれから、 やっぱり佐藤はよく図書館に来るので顔をあわせないという訳にもいかなかった。最初にこっちが見つけられたなら心の準備ができるのでいいとして、急に話しかけられるとびっくりする。 その辺りはたぶん、向こうがこっちを視界に入れるより早く、こっちがむこうを見つける方が早いので。事なきを得ている。
よし今回も。誰かを探しているような様子だから、邪魔しちゃ悪いかな?とも思いながらも心の平穏のためなので。>>88]
あ、きーちくん
[やっほお、と手を振った。]
調子はどお?
(109) soba 2017/12/29(Fri) 14時頃
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[>>110かえってきたメールには、かえってきただけで嬉しかったけど、長々と返していくのもためらわれたからそのままだ。 佐藤がこちらを向くと、近付くと、少し内心どきりとするんだけど、そこは三年彼女関係を隠し続けたおれのポーカーフェイスだ。余裕である。]
はあ〜、改めて言葉にすると、もうそんなかぁ。 おれ? おれはよゆー。
[ピース、して笑った後、眉を下げて苦笑にかえて。]
なんてね。ちょっとウソ。 国立はさすがに高望みだったかも。
[ピースの先の指をゆるく折った。]
勉強は楽しいけど、時間がたりないや。
(111) soba 2017/12/29(Fri) 14時半頃
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へっへっへ〜。 いちおうねー。ダメ元ダメ元。 滑り止めも決めてるからいいのいいの。
[隣に座る様子に、少し椅子を動かして身体をそちらに向けた。 将来の展望、と言う言葉を佐藤から聞くと、少し瞬いて。
なんだか照れくさいような気持ちになってしまって、少し視線をそらしてしまった。]
……、… 多分、そうだと思う。 すきとか興味があるとかって、 なんかすごいね。 自分がここまで頑張れるとは。
理系から文系に転向しちゃったしね。
[机の上に置いてた哲学書の一冊の表紙を見えるようにたてて、また戻した。]
(113) soba 2017/12/29(Fri) 15時頃
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はは、さっすがにここまで責任とってなんて言わないってぇ。 完全に自己責任、本の影響、…というよりは、 おれの気持ちの持ちようって感じだしね。 あっいや〜、責任とってなんていったのはおれか。
[もしかしてあんな軽口を気にしてたのかな、と思うと申し訳なさ半分と、真面目だなあと嬉しくなる気持ち半分だったので、ごめんごめんと軽く付け加える。 少しの笑みが見えて、また、瞬いて。…少しの間。]
……うん
[頷いて、言葉に迷って、まあここまできたら言っちゃうかあという心持ちでぽつりと零す。]
しょーじき、誰かに助けてほしいって思ってたし。 でもどうせ、どうにもならないって諦めてた。
……ほんとに、喜一君に頼んでみて良かった。 ありがとう。
[最後はどんな顔して言っていいか解らなくって、複雑な照れたような気まずいような表情で、軽く後ろ頭をかきながら。やっぱり視線は合わせられなかった。笑顔で言えばよかった、と気付いたのは後からだ。]
(115) soba 2017/12/29(Fri) 15時半頃
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[てれくさいままで、居心地も悪く自分からしていくスタイルだ。はずかしくなってきている。こういう時こそポーカーフェイスをがんばろう。]
あー、こ、この本読んだし、 返してまた別の借りてくるね。
そろそろセンターに集中しなきゃだしなぁ。
… お互い、がんばろう。
[そう笑って。 少し悩んだ後に、手を差し出した。握手のかたちで。
そして、もう一回、へへへ、と笑った。*]
(116) soba 2017/12/29(Fri) 15時半頃
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―――――――――
To:友田 千彰
From:佐藤 喜一
―――――――――
合格通知来た。友田も受かってたよな?
次は国立大だな。友田なら受かると思ってるよ。応援してる。
|
― 二月のある日 ―
[私立の合格通知が届く。 まあ当然だ。郵便機関さえしっかりしていれば何一つ問題なんてなかったから。
それでも届いた通知を見て顔が緩むのは、この合格通知はちょっと特別なものだからだ。
―― まさか、同じ大学を志望してるなんて思ってもなかったし、行けるとも思ってなかったし、そもそも行こうという発想がなかった。 実際、同じ大学への切符を手にしてみると、これを捨てなくてはならない可能性が惜しい。
既に願書は出している。競争率と成績を考えると受かるかは五分五分だ。]
(129) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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[チラッとよぎる、手を抜く。という選択肢。 考えてしまって、ふるふると首を振った。]
だめだだめだ。
[でもこんな心持ちじゃ受かる気はあんまりしない。 国立に行きたいという気持ちは確かなんだけど。 それより勝る気持ちがありそうで、始末に負えなかった。
片手の平を見おろす。 あの日握手した、手のひら。
自分の手がちょっと熱くて、汗ばむと嫌だったからすぐに離したあの時。 お互い頑張ろうっていったじゃんか、と自分に言い聞かせる。
そんな時にメールの着信音がきこえて、ビクッと肩を震わせた。]
う、うおあ…うわさをすれば…
(130) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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[噂ではないけど。 メールの文面を読んで、緩く息を吐く。
受かると思ってる。 応援してる。
そりゃそうだ、そりゃそうだ。おーけー、解ってる。 うん、うんうん…。
スマホと合格通知を重ねて額に押し当てた。]
はぁ〜〜〜〜〜〜〜〜……
[だいたい、同じ大学行ってどうすんだよ。 片思いロスタイム開始ですってか?ロスタイムあってもどうなるもんじゃねーって。逆にこのままここでいいともだち。って思われたままフェードアウトしていくくらいが、良いイメージのままなんじゃん?]
……。
[暫くメールを眺める。眺めて、返事を打った。]
(131) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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To:きーちくん
From:千彰
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もっちろん(ピース)
きーちくんもおめでと!(クラッカー)
あ〜〜難関だ〜〜。
応援ありがと!糧にしてがんばる〜(気合の入った顔)
だめだったらなぐさめてね(ハート)
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[迷いに迷って、最後の一文。 これくらいなら許されるだろう。と思う。
……馬鹿な事を考えてないで、真面目に頑張ろう。おちたら多分気まずくもなるだろうし。]
(132) soba 2017/12/29(Fri) 23時頃
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―冬の幻 ―
[おれが二十八の頃。
あいつは十七――高校二年の冬が始まりだった。
最初はただの教師と生徒だった。
おれは二階で明日の授業の準備や、今日の片付けをしていて
あいつは校庭の花壇をせっせと世話していた。
いつからか声をかけるようになった。
「熱心だな」とか
「何が咲くんだ」とか
「今日も寒いな」とか
校庭の運動部の喧騒が遠く。
そこには穏やかな時間だけがあって。
たった数秒の会話はやがて、数分になり、数十分になり。
欠かせないものになるのは必然だったんだろう。]
[おれはそんなに口の回るほうではなかったし
あいつもそこまでお喋りなタイプではなかった。
二人でいても無言の時間なんて幾らかあったし
それも含めて苦になることは全然なくて。
重い肥料を運ぶのを手伝ったり。
雑草を引っこ抜いて尻餅をつくおれに笑ったり。
鼻の頭に土汚れをつけたあいつに笑ったり。
おれの食うものが体に悪いからって
たまに弁当を作ってきてくれたりするようなやつだった。
甘い卵焼き、タコの形のウィンナー。()
美味いと謂えば、嬉しそうに笑う顔があった。
おれが“声なき言葉”を教えたら、一生懸命に覚えて。
代わりにあいつは、おれに草花の事を話した。
おかげであいつは理科の成績だけやたらによくて。
おれは似合いもしない花言葉なんかに詳しくなった。]
[おれたちはお互いにわかっていた。
相手のことをどう思っているか。
そして、おれたちの関係性も。
だから謂えなかった。
だから、謂わなかった。
たとえその笑顔がどんなに愛しくても
おれはこの手を伸ばさなかった。
柔らかな髪に触れることもなければ
透き通る肌に触れることもない。
あいつも同じだった。
おれを名前で呼ぶことも無い。
連絡先もしらない。
でも、それだけで
おれたちは充分しあわせだった。]
[――いつからだろうか。
生徒たちのおれを見る目が少しずつ変化していったのは。
嫌われることはままあるが、そういったものとは違う。
好奇の眼差しがおれを撫で回すようになった。
「三年の倉科りさと理科の淵ってデキてるらしいぜ。」
今でも覚えてる。
どこの誰だったか顔は覚えてないが
おれに聞こえるように放たれた、その囁きを。]
[あそこで掴みかかっていれば、どうなっていたんだろうな。
一瞬頭に血が昇って、拳を強く握ったことは覚えている。
それでもおれは、何も謂えなかった。
何も、謂わなかった。
今おれがキレて手を上げて何の得がある?
おれは職を失うだろうし、あいつにも迷惑しかかからない。
あいつには将来がある。
おれにはそれを守る義務がある。
大人だから。
教師だから。
言い訳ばかりを並べて、おれは。
認めることから逃げたんだ。]
[三年の卒業は程なくして訪れた。
あいつは最後の日も花壇を弄ってた。
いつもと同じような会話をした。
何もなかったかのように話してた。
けれど突然思いもよらない言葉があって。]
「淵先生は何がすきですか?」
[わかってた。
その言葉は「おれがすきだ」と謂っていたことも。
その言葉は「おれにすきだ」と謂ってほしかったってことも。]
「……甘いもん、辛いもん、かな。
なんでそんなこときくんだ?」
「小さなことでも、すきなものをすきっていえるのって
しあわせだと、おもうから。」
「じゃあ、お前は何がすきなんだ?」
「わたしは、……お花かな。」
[会話をしたのはそれが最後だ。
卒業証書を抱えて、大きな瞳に涙をいっぱい浮かべて
あいつは高校を卒業した。
おれは校門を出ていくあいつを
見えなくなるまで、消えるまで
理科準備室から見ていた。
気付けばおれは、眉間に皺を刻んでいた。
もう、単純に笑うことなんて出来なかったし
でも、泣くことさえ許せなかった。
そして厄介ものを払うようにおれは転勤が決まり
男子校なら変な間違いも起こさないだろうと
この杏琵高校に赴任させられた。
今は―――*]
―――――――――
To:友田 千彰
From:佐藤 喜一
―――――――――
ありがとう。
もしだめだったら。友田の健闘を讃えつつ、来年度からもよろしくの会でも開こう。
|
[返ってきたメールを見る。 ダメだったら、のその先が見えた。
う、うぐ………
言葉に詰まる。開きたい。いやでも、血迷うな血迷うな………。深呼吸した。]
…………
[なやみ、なやみ、ぽち、ぽち………。]
(143) soba 2017/12/30(Sat) 00時頃
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―――――――――
To:きーちくん
From:千彰
―――――――――
だったら落ちても安心じゃん!
………ってゆー心のほけんをかけとくね。
受かってたら受かってたで、
祝勝会でもやりましょう。
心の支えでがんばります。
|
[気合を入れ直さないと。 そう思う。 そう思ったのに、……。
メールの文面を見返した。 本当に、うつつを抜かしてる場合じゃないのに。
これが恋なら本当に今までのは何だったんだ。 未だに連絡が来る元カノ・現友人とは良好な関係が築けそうだけど。
―――…、…]
がんばるかぁ。
[ぽつりと呟いて、机に向かう。 どういう結果になろうとも、これのせいだった、なんて言わないくらいに気合はいれよう。出ないと後悔する気がするから。 がんばるから、せめて滑り止めはもう一ランクあげたらいいのに、という言葉くらいは無視させてほしい。*]
(151) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
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|
― 卒業式 ―
[参加しながら、色々あったなあ、とぼんやり思う。
入江や佐藤、他の友人の名が呼ばれた時には壇上に視線をあげた。 入江は髪を染めなおしていて、友人間ではやし立てたものだ。 変わっていく様子は嬉しくて、やっぱりちょっと寂しかった。
おわっていく。高校生活が。 おわっていく。変わらない日々が。
いや、もう、とっくに変わってしまっていたんだけど。
皆も、そしてきっと、俺も。
かわるものや、かわらないもの。 それぞれたくさんあるんだろうと思う。
でも、大事なモノくらいは、変わらないものであってほしい。と言うのはワガママなんだろうか。]
(156) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
|
|
[皆が解散した後に、図書館へ行く。 すっかり仲良くなってしまった浅見先生に、最後のお礼も兼ねて。
まさかいるとは思わなかったけど、 卒業式後に図書館に来る人間は割といるらしい。 ふうん、と呟きながら。もしかして、今のはあのノートに纏わる話の一つなんだろうか。]
あのささみさんって、 あさみせんせだと思ってたんだよなぁ。
[違ったみたいだけど、と付け加えて。 あのノートってどんな人が使ってたの?とか、緩やかな雑談も。]
(157) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
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|
――― さいごに、みてってい?
[許可なんて今更だと笑う様子に、へへ…と笑みを返した。 ぺらり、めくって。増えている一文に、瞬いて。
なんとなく、思う事はあったけれど、それは確とさせずにただ少しだけ笑って、ノートを閉じる。
短い間だったけど、お世話になりました。 お前はおれのなかで割とかけがえのないノートだからな。 そう思いながら、最後に表紙をそっと撫でた。*]
(158) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
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|
― そして ―
[――― 結局。 年末からの巻き返しじゃ、前々から準備をしていた奴らにはかなわないんだけど。それはそれで、満足のいく結果になったとは思う。受かっててもおかしくない出来だった、と自負できるし。
まあそれはそれとして。 これからの事に頭を悩ませることにはなるんだけど。
どこかで望んでたことではあるんだけど、いざとなるとどうしていいかも解らないもので。とりあえずこのまま、このまま。仲の良い友人関係であれたら僥倖だ。
もともと佐藤の前ではボロが出やすくなる気がするから、そこはまた気合を入れて行かないとな、と思う。
両親や妹と、今後住む場所の話やバイトの話をして。 置いていく荷物の中で欲しいCDやら雑貨やらを妹が掻っ攫っていく。いや別にいいんだけど。
「ちーちゃん一人暮らしなんてできるの?」
という妹の言葉には頭を抱えたけど、なんとか。と絞り出した事でまあよしとされた。]
(159) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
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|
[もうすぐ春になる。 新居の場所は、気軽に行ける場所が良いな、とか。いやでも逆に…?と悩みながら。
*これからの事を、思って、メールを一通*]
(160) soba 2017/12/30(Sat) 01時頃
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