260 【R18ペア村】“Bloody Curse”
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[ 眼鏡の奥の "違う色"に あれ? と 尖った声は折れてしまって、 いくつか瞬いた。
見間違いだったろうか、 ほら、"黒"だから、光の加減で似るものだし、
──── 左手の痒みが酷くなった気がして、 其処で思考をぱつん! と 切ってしまった。 せっかち なのは 何時ものこと、 ……此れは唯、 目を背けただけだろう。 ]
(105) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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" ──── 殴りに来るっつってたのに "
(106) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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[ そういう"好奇心"だけは、 認めていた。 "故人"の存在に慣れても、結局は "ゆるし"を向けたことはなくて、
都に出てくると言うのなら、道案内くらいは。 "オノボリさん"なんて馬鹿にされたくないだろ?
……なんて軽口も そういえば、ひとつ前の里帰りの時で
葬式は きらいだから。 後から聞いたからと言って、怒りもしないが… ──── 厭、 やっぱり 何処か いちばんに話を 貰いたかったような
"未だ"左に収まったままの ぎんいろを 思わず 見下ろしてしまいながら さて、どんな顔をしていたのやら もう 覚えていない。]
(107) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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[ ───── 唯、 めのまえのおとこの顔からは 目を背けたことだけは 鮮明に記憶している* ]
(108) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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──── え? 嗚呼……
[ "右"手を、ソファに擦るように宥めながら、 "世間話"に 頭を戻す。 どうにも昔を思い出す、 ふしぎ。 ──── この男が、 此処に 居なかったなら、]
(109) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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……此処に来なくなるだけだろ。
[ "さみしい"とか …そう言う前に "こんなとこ"に帰ってくる理由なんて もう たったひとつしか 無いのだから、
"帰る場所"を 無くすだけだろう。
さみしい とか 思うんだろうか 抑、……棺桶を覗くことが、 出来るのか とか 考えているうちに世間話の体を越えたので、 頭を振って 諸々を追い出し、 ]
(110) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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──── でも『猫の額亭』の看板娘殿が言ってたが、 "したたか"な奴は長生きするンだと。 お前なんてそう簡単に死なねえよ。
[ ……本文は"強かな女"だったが、 ひとつ、 消しておこう。
──── "故人"もまた 好奇心が旺盛で、 "したたか"な奴だったと 思うから。**]
(111) 2019/03/10(Sun) 23時半頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2019/03/10(Sun) 23時半頃
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[ ──── 本来、里帰りといえば、 親兄弟の元へ帰ることを言うのだろうし、
今回の職場 …… 教会に設けられた『のろいをとく』という奴に特化した とある 部署に 確かに所属はしている。 其処でだって 長期休暇で故郷に帰る、なんて伝えたら
" 親孝行してこいよ " と …性格を揶揄したとしか思えない送り文句を 背中に掛けられたものだったが、
──── もう、 とっくに死んでるンで、
そう、 打ち返してやれば ソイツの笑みだって固まっていた。]
(146) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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[ 故郷に帰る理由なんて、 ただひとつしか無い。
"こんなとこ"から一度も出たことがないという、 "コイツ"に自慢してやるためさ! ]
(147) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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[ 室内で待っていようと思った。 利き手ではない とは言え、 ずるずると長い袖は不便だし、
これは全身蕁麻疹が出るやつだ、 と
確かな予感があったから 其処ら中のモノに当たってしまいそうだ。 ( 悪い癖だという自覚はある… )
アルコールなんか入れたら もっと大変なことになってしまうし、 大人しくしているのが 一等良い。 ]
(148) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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[ 殊勝にも、…いやこれは体質への諦めか、 此処にいる、という選択をして 態度ばかりは殊勝でもなんでもなく 体重をかけてソファに沈み、
出ていくおとこに ふらっ、 と 擦ったせいか、 赤く色を変えている右手を 振った ───── 直ぐだった! ]
(149) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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[ "すごい音" が 室内にもしっかり聞こえた。
はあ!? って …当事者よりも驚いた声を上げて 飛び出してみれば 地におちたおとこの姿
階段を駆け下り地面から数段のところで ──── 見下ろした。 覗き込むように階段に座り込んで、 まァ 打撲ですんでそうだ。 それだから ───── ]
(150) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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─── 珍しい顔してんな。
[ 心配の声より先に にんまり笑った。 数段上に落ちていた眼鏡をついでにつまみ上げ、 頭上に ─── 空に、 吊るしてやろう。** ]
(151) 2019/03/11(Mon) 07時半頃
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[ ぶら下げた眼鏡を もう一度 ふら と 振るも、
"ずれた"ゆびさきと 視線は 音のみを追っているように思えた。
見下ろした先には 確かに、 "故人の色"を宿した ──── 赤黒いような、 ぼんやりとした 瞳があって、 それなのに 目が合うことはなく ………、 ]
(169) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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──── それ、 やっぱ どーでもいいわ。
[ 薬の件、 と 見下ろして 言葉だけをぽつり と 落とす。
眼鏡を摘まんだ指を下ろして、 鼻先に触れるくらいにぶら下げてやれば 流石に "見える"だろうか それとも "鼻に触った"と 辿るのか、
…きっと "珍しい顔"をしている。 真剣そのものに、 悪戯めいた行動で。 ]
(170) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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たぶん ……お前を立ち上がらせようとしたら、 効く薬も効かなくなるやつだし。
[ 口調だって、努めて軽いが、 そういういい方しか知らないだけかも しれなくて。
───── くらくて せまいところを のぞきこむのは いやだったから。
都での ある程度の経験が、 頭の何処かを 冷静にしていたのか、 それこそ "優先度"が 変わっただけかもしれない。
空を泳いだゆびさきを掴み、 とりあえずは身を起こすよう、 背中を押し上げてみる。 ]
(171) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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[ ──── バチッ! と 己のなかだけで 静電気が流れたような ……内出血の音だ。 嗚呼、そう "いつも"の 反応。
"解呪専門"の聖職たちのなかで、 唯一重宝されている "過敏体質" その"痣"を見る前に "存在"を示してしまう
≪ Bloody Curse ≫ ……大層な 名前だ。
俺の方がずっと、 本当の痣になるって言うのに。 ]
(172) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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[ きっと "先ほど肩を掴んだとき" 既にやられていたんだろう。
触れた右手のひらを見れば、それとは違う赤紫で 痒みを越えたところがあった。 まず見た目がわりとグロい。やめてほしい。
まァ 今回ばかりは仕方がない " ゆるしてやろう " 今度は襟を後ろから引っ張ろうとして、 ]
(173) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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お前、 外でない方がいいぜ。 ……転んで死んでも、 知らないからな。
[ 寄せた耳許に尖った声を刺してやって、 用事があるなら行ってきてやる、とか
──── "いじめっこ"には 珍しい 提案さえあった。 ]
(174) 2019/03/11(Mon) 22時頃
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公安部 カガは、メモを貼った。
2019/03/11(Mon) 22時頃
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[ わらってンじゃねえよ、 とか 呟いてはいた。
──── 例えば、 "過敏体質"がなかったとしても 朝まではたぶん、ある程度見えていたんだろう奴が 急に"見えない"挙動をし始めたら、 ……近くにいたものは、真剣にだってなるだろう。 目の情報量が大事だってことも、 物置のなかで学んでいるし、
明確に"何"かわかるなら、寧ろ冷静でも居られる。 茶瞳の方の男は、そう言った状態だった。 …"解呪"の組織に属しているとは言え、 魔法やら法術の類いは使えないから、 この場では"冷静でいる"しか "使い道がない"んだ。 ]
(196) 2019/03/11(Mon) 23時半頃
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[ 一段、階段に座らせ、 その二段上くらいに屈んだ男は、
…心底 真剣で 真面目だったと言うのに! ]
(197) 2019/03/11(Mon) 23時半頃
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こ ッッッンの、…!
[ 重たく 地に落ちていった、 "世間話のつづき"に
嗚呼、 そうだ "わかっていた!" ・・・・・・・・・・ コイツは優先度が狂ってやがるんだ!
…そう、明確にキレたが、 続く暴言は …そういえば此処は往来に近い、と どうにか飲み込んで 額の青筋は隠さないまま、 ( きっと "普段であれば" "面白い顔"と にんまり笑う、 其れも見られたのだろうが、 )
"やさしく"なんてしてやらない、と 揺するように幾度も引っ張って ]
(198) 2019/03/11(Mon) 23時半頃
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───── 俺は葬式が嫌いなンだよ! でも てめェのは出ねぇわけにいかないだろうが!
それに 、 葬式用のあのダセェ服で此処に戻ってきたくないし、 お前絶対この街に 墓を作るし、 そしたらお前も居ないのに 年一度は帰ってこなきゃならなくなる……
(199) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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[ ────キレた勢いをそのままに、 幾つもの文句を並び立てた。 時折クソッ、ってまた、 誰にも向けない暴言を混ぜ、
…こんなことを言いたい訳じゃあないんだけれど、 あの呪いが、 時に死を招くことを、 どうしても"知ってしまって"いるから。 ]
(201) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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[ 一段落して 肩で息をついた。 "あのときは掃除までさせられて、"とか 昔の文句も混ぜた気がする。
" ゆるす "と言ったこと、 其れを否定したわけではなくて、
ひとつだけ、 ただ ゆるせないんだ。 "おまえ"が "あいつ"のように
"故人"のように わらうから! ]
(202) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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──── だから、 お前、 俺のために長生きしろよ。
"こんなの"でさっさと死んだら、
(203) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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[ はじめて そんなことを言った気が した。 ]
(204) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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[ …包帯 とか 焼きそばパン とか
まァそういうことは 覚えているんだけど、 やっぱり頭に血が上っていた。痒い。 つらい。 右手も左手もわりとグロテスクなのもきつい。
もう一度 長く息をついて、]
(206) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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…わかった。 罰ゲーム用の焼きそばパン用意してやるから、 首洗って待ってろ。
[ からいやつをぶちまけておいてやる。 そんな決意に満ちていた。 ※たべものであそぶのはやめましょう
階段を登らせて、 部屋につれていくのは…… 此方も彼方も 少々厳しいものがありそうだったから、 おとこのポケットに手を突っこみ、 ちゃら、 と 鍵の音を鳴らした。 ]
(207) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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[ そうして もう 自分の店かのように "close"の扉の鍵を開けてしまえば、 ]
…此処なら平面だし。 暇なら本でも読んでろよな、
[ "読めるもんなら、"って 冗談のわりには 尖ったいい口で、 "店長の席"まで 道案内。
≪Bloody Curse≫ …その"貰ったもの"の名は 結局 口にも しなかった。 ]
(209) 2019/03/12(Tue) 00時頃
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