14 学校であった怖い話 1夜目
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っ………!!
[仲間の最後の言葉に、咄嗟に答えを返せなくて。
ただ、床に飛んだ赤い痕だけが目に焼き付いた]
…っ、あひゃ、あひゃひゃひゃひゃっ!!
良いザマだなぁ、小娘…!
ああ、やっぱり良い。ニンゲンの最期の表情ってのは、最ッ高だ…!!
[久しぶりの「殺し」の快感に、影は悶えるようにパティの喉を這う。
するすると体の元に帰る最中も、その興奮は冷めぬようで]
あひゃっ、あひゃひゃひゃひゃっ!!あひゃひゃッ!!
[その笑い声に答える者は、もう居ない。
最初はにぎやかだった"影"の声もいまや空しく響くだけだ]
あひゃ、ひゃっ……は、最高、だ…。…最高だよ。
最高に寂しくて―――最高に、ゾクゾクするっ……!
["血が滾る"とは、確かこういう時に使う言葉だったなと。
どこか冷めた頭でそう考えながら、影は笑い続けた**]
…お前なんか、いらねぇよ。
[ひとりぼっちの"影"の声は、低く小さく闇に溶ける]
生きてるやつが。愛されてるやつが。
俺の味方を、語るな。
ああ゛ぁっ……!
いらいら、するッ……!!
[救いたいと言われても、嬉しかったと言われても。
それを受け入れることはできない。
自分には、決して彼女の手を取ることはできない]
俺は、俺は。
今までずっと、寂しくて――――
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて
寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて寂しくて
ずっと寂しかったから、ここに居るんだ。
俺の仲間は、俺と似たやつだけだ。
寂しいとか、辛いとか、憎いとか、嫉ましいとか。
そういう感情で、「同じ」になれる奴だけだ。
少なくとも生きていられる奴に、俺の味方なんかできねーよ。
[いつもの笑い声は響かない。
ただ、暗く濁った感情だけがこの部屋に渦巻いている]
きーちゃんは独り残されて死んだって言ってたな。
お嬢はどうか分かんねーけど。
…この際、あのいけすかねぇセシルとかいう小娘だって。
感情でここに捕らわれたって意味じゃあ、「同じ」だよ。
生きてる奴に、俺らの気持ちが理解できる訳ない。
生きたくても生きられなかった奴の気持ちも、
生きていられなくなった奴の気持ちも、
分かるわけが、ねーんだ。
なのに―――どうして。
気づいてるんじゃ、ないのか。
知ってるんだろ……?
[訳がわからない。
本当は気づいてなどいないのだろうか。
頭が、混乱でぐるぐる回るようだ]
馬鹿じゃないのか、コイツは。
…いや、それどころじゃねーよ。
初めてだぜ、「ニンゲン」の癖にこんなにブッ飛んでる奴ぁ。
[メアリーの思いは、「鬼」には狂気の沙汰としか映らない。
…いや、正確には。
狂気以外でこんなことを言える人間の存在を認めたくなかったのだろう]
[その口から紡がれる言葉は、実のところ「ラルフ」が怯えていた内容そのままである。
ゲームに勝利したところで、そのために犠牲になった者を背負わなくてはならない。
だから「ラルフ」は、何もできなかった。
勝利の先の絶望を考えてしまったから。]
俺は、お前が嫌いだった。
ずっとこの体の中に居て、「こいつ」がいかにお前のことを思ってるか知っていたから。
誰かに思われているお前に、「俺」のことを知ったような風に言われるのが嫌だった。
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