人狼議事


266 冷たい校舎村7

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【人】 諸葛八卦村 ヤン

[パソコンの傍に家族の写真と、
母さんの写真が置いてある。

小さい頃プレゼントした小鳥の小物が転がっていて、
遠い昔に新婚旅行で行った時に買ったんだ、とか言っていた
外国のアクセサリが、そのまま残っている。

「ちゃんとせんたくもんにださなきゃだめだろ!」って
小さい頃からよく叱ったのに
相も変わらず布団の傍には脱いだ靴下が散ってる。]

(866) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[家族の痕跡はあるのに、
それは取り返しようもなく壊れていて

そこに生きていた証はきちんとあって
別にもう死んだわけでもないのに
家の中からは、誰かがたてる物音すらしない。


……
俺が生まれて、育って、生きてきた「家」は
時をとめたようにしんと静まり返っている。]

(867) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

 

 とうさん。かあさん。
 …………ただいま。
 ただいま、ただいま。…………

 

(868) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[おかえりなんて、誰も言わないのに
俺は笑って呟いて、泣いた。

あの人たちなんかに似たくないって
死ぬほど嫌いで、憎んでいるのにね。

それでも、俺は、この場所が捨てられなかった。*]

(869) さねきち 2019/06/23(Sun) 14時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

―― 起訴の話 ――

[起訴、が決まったんだって。]

[そんな事をいわれても
せいぜい喫煙のルールを破るのが関の山な18歳には
ちょっと理解が及ばないんだけれど
ともかくも親父は犯罪者になるらしい。

見つかった体液とか。血液とか。
そこらへんの話を聞き流しながら
俺は偉い人の話を聞いている。
この人、刑事さんだっけ。それとも弁護士?検察官?

始終俺に突き刺してくる「かわいそうに」って目が痛いので
そこらへんもよく見ちゃいなかったけど、
5年以上の有期懲役、って呪文が、>>697
ちゃんと日本語として認識されてしまったので、俺は頭が痛い。]

(870) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[薄暗い面会室で縮こまるように座っている
親父の姿を見ている。

ガラス越しに、まるでドラマの1シーンみたいで
俺はそれを、来るところまで来ちまったんだなあ、って
なんだかおかしな気分で見つめていた。]


 親父。


[小さく声をかける。
差し入れとか、できなくてごめんな。

ほんとうはてんとうむしパンとかカツサンドとか
買ってきてやろうと思ったけど
家族から直接は渡せないらしい。]

(871) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[うつむいたまま、
「ごめんなあ」って壊れたように言う親父は
いったい誰に謝っているんだかわかりゃしない。
母さん? 俺? 

俺は困った顔をして、許せるかを自分に問いかけた。
…………許せるわけ、ない。

ふっとため息をついて、こう切り出す。]


 あのさ。親父。
 帰ってくるまで、俺、あの家守ってるから。
 …………もしも刑務所から出てきたら。

 もう、終わりにしよう。
 「かぞく」でいるの。


[声が震えるのは隠せなかった。]

(872) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

 

 家も売っていい。土地も売っていい。
 売った後親父が何しようが、いいんだよ。
 もうしばられなくていい。

 生まれてきてごめんな。
 10何年間を棒に振らせた。

 だから、もう、いい。

 ……それだけ。

 

(873) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[いいたい事を言い切ると、
俺はゆっくりと部屋から出ていく。

出て行く瞬間、「愛していたんだ」って言葉が聞こえて
…………どうにか振り向かずに扉を閉めた。]

(874) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[帰りの電車の中、
俺は文化祭の写真をじっと見つめていた。
皆で笑って、皆で楽しかった文化祭。

……ここで止めたい、とまで思った
最高の思い出だ。

それがあるから、まだきっと、俺は頑張れる。
…………大丈夫。

頭の痛みを封じ込めて、ただ祈るように目を閉じて
色んな人のいろんな人生が詰まった電車に揺られてた*]

(875) さねきち 2019/06/23(Sun) 15時頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

―― 後日譚 ――

[ハートのぬいぐるみと、ねこのぬいぐるみは、
ういのは「先生にでも渡してやれよ」>>184
……といったけれど
正直、子供にとって文化祭がどれだけ楽しかったか、って
大人にはわかってない、と俺は思うので、
僭越ながら、うちで大切に保管しておくことにした。

いつかは色あせてしまうだろう ねことハート。
その色がすぐにはくすんでしまわないように>>619
保存場所には気をつけて]

(922) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[少しずつ、クラスから活気が減っていく。
皆が試験に勤しんでいる時に
俺は登校してたりするので、
その気配がよくよくわかるのだけれど

がらんと誰も座っていない机を見渡して、
そろそろか、と思ったりもして

長ったらしい先生のお話があったり
誰がどこに受かった、なんて話が漏れ聞こえたり

暖かさが戻ってくるにつれてそういう変化が見え
やがて、おしまいの日がやってくる。]

(923) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

 

 悟。あのさ。
 やっぱり、うどん屋置いてくれないかな。
 ……親父の事とかで忙しくって
 落ち着いて探せなくてさ。

 
[何かあったら支援してくれるてt
親父の妹さんは言っていたけれど
三人も子供がいる家庭に何かをいうわけにはいかないし

維持していくにも、貯金していくにも
とにもかくにも、働かなきゃいけなくて
でも、俺はこの家をあまり離れたくないので

ひとまずは幼馴染の店で働きながら
別の仕事を探すことにしたのが、卒業間近のこと。
ご両親に挨拶もして、結果がどうだったかはわからないけど
傲慢だった俺はようやく、友達に頼ることを覚える。]

(924) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[高校生活のスケジュールは、
簡単に俺の気持ちを置き去りにしていってしまって

気づけば、もう、桜の蕾が膨らむ頃だ。

受験の時は姿を消していたクラスメイトが
全員そろって壇上を見ていて
ひとりずつ名前を呼ばれ、卒業証書を受け取っている。

見知った顔が、ひとりずつ壇上にのぼっていく。
そうして3年7組のおしまいごろになって
「養拓海」って名前が呼ばれると

俺はおもわず「はい!」って大きな声で返事をして
校長先生のもとまで歩いていった。]

(925) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[卒業証書は卒業証書であって、
別に「3年間がんばりました」で賞じゃないんだけど
俺はそれを誇らしげに受け取って、自分の席に戻る。
歌詞が覚えづらかった仲冬の校歌だってもう歌い納めだ。

卒業式、って、用事がないやつはさっさと帰ってしまうので
皆が散り散りになる前に、
俺はやっぱり「撮らせて」って走り回っただろう。

帰らないで休息をとってる「ともだち」を
こっそり、見つめて撮ってやったりもしながら>>913]

(926) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[――…………]

[卒業式の後、なんの区切りもなく
「今からあなたは高卒です」みたいなアナウンスもなく

そう、びっくりすることに
ほんとうに何のお知らせもなく
生きていくための戦いがはじまる。

裁判所から示された期間は6年間。

過去の友人たちが大学にいって、
就職するまでの間
親父は刑務所の中で暮らすのだし
俺は俺で、この家を守らなきゃいけない。

悟の親父さんに頭を下げて、
朝から晩まで働いて、
自分の生活費以外は贅沢を控えて……]

(927) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[そんな生活の延長線上に、

四月一日を越えて、
ともだちと遊びにいくこともあっただろうか。
進学先とかも全然きいちゃいなかったけれど

俺は、ともだちのつもりなので、
「遊びにいかない?」ってメッセージが
たくさんのペットからの愛に埋もれませんように。]

(928) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[それから、ここから多分そう遠くない家に
休みの日は足を運んで、
勝手知ったる風に鍵をあけて、
そこの住人に「遊ぼう」なんていったりも、したかもな。

手にしているのはカードゲームとか
あるいは携帯ゲーム機とか
兎角、インドアなものばかりだけれど

二人の気が向いた時は、
美しい景色を二人で見に行ったかもしれないね。]

(929) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[季節は簡単に移り変わる。
19歳になる頃、アルバイトを変えて事務の仕事をはじめた。
めまぐるしく世界は変わっていく。

生きることに必死で、死のう、って感情がなくなった頃
やっと、親父の呪縛が融けていることに気がついた。

「父さん」じゃなくて、「あの人」になった瞬間から
少しだけ自由になれた気がして
……きっと戻ってくれば
すぐに呪縛は元通りになってしまうのだろうけれど

ともかくもそんな21歳の折。
俺は久しぶりにメールを開いて、
そこにある届けそこねた遺書メールの本文を消して
こう、書き記した。]

(930) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

タイトル:「夢幻病棟」からのお知らせ


 こんばんは。おはよう? こんにちは。
 久しぶりです。養拓海です。

 皆、大人になったと思うので、
 久しぶりに会って遊びませんか。
 飲み会ってやつです。

 時期は、文化祭があった頃。
 場所は、仲冬の傍を予定してます。
 できれば、久しぶりに会ってくれると嬉しい。

 じゃあ、またね。
 

(931) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[その「招待状」で、何人が来るかは分からなかった。
わからなかったけれど、
もしも集まる日があれば
俺はしあわせそうなねことハートを会場に引き連れて
昔と変わらない笑顔で、皆に手を振るのだろう。]

(932) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

 
  止めてしまいたいと思ったほど、大好きな君たちへ。
  つながりが切れても、壊れてしまっても、

  これからずっと先の人生でまた出会えますように *
 

(933) さねきち 2019/06/23(Sun) 20時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

―― 回想 ――

[卒業式で「撮っていい?」と尋ねたら、
やっぱり灰谷は快く写真をとらせてくれた。

以前とは違って、目は二つだけ。
文化祭の華々しさとはまたうってかわって
卒業生として誇らしく、かわいらしく写真に写っている。
七月も写真に写りこむことがあったかな。

撮ったらそそくさといなくなろうとする俺を捕まえて
灰谷は一緒に写真を撮ろうとするのだから、
俺は面食らってしまって、
それから照れくさくなって、「いいの?」って笑った]

(989) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

 

 すっげぇ照れくさい…!


[そういいながら、聞き覚えのある掛け声を聞いて
青空が似合うように明るく笑う。

あとで写真を見返して、
がっつり映っている自分が気恥ずかしくもなったっけ。
全部ちゃんと、3年7組の皆がみられるように
アプリにアルバムでアップロードしたけれど。]

(990) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[約束ですらない
「またね」を交わすことがなくなっても
俺は何度かその写真を見返して
ひどく懐かしくなったんだよ。

……そういえば、同窓会には来るんだっけ?

ねことハートのぬいぐるみを携えて
もしも遅れてくることがあっても、なくても
その姿をみたなら、
また学校の続きみたいに挨拶をしただろう。

「久しぶり、灰谷さん」って。*]

(991) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

―― 真夜中に ――

[なんでベッドがその位置なんだっけ? >>941
窓から月明かりを見上げて、
ふとそんな事を思いもする。

不定期開催、
勝手に遊びに来て勝手に泊まっていくお泊り会――
の実行中だった俺は、
飾られたスケッチを一瞥してから
人形のように眠る部屋の主を見ている。

何のことはない。
別の場所で寝てた俺が起きてきただけだ。]

(992) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[ひまわり畑にいた初恋の女の子、じゃなくて
しっかりと男の骨格をした横顔を見つめて

世界が終わるときまで内緒、の話を思い出している。


「ずっと置いといてあげるし、
 どこに行ってもいいんだよ。」


……ほんとに? って言葉を空気に溶かした。
「君に死んでほしくないよ」って言ったときの
涙を思い出して>>5:192
それから苦笑を一つ。
 
目を閉じて白い手首に触れる。
今この地獄に生きている証として脈を感じて
規則正しく聞こえる呼吸音に耳を澄ませて]

(993) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン

[止めようと思えば止めてしまえるものを
止めてしまわない理由を

あるいは人ひとりを巻き込んで
死ぬ約束をするほど自分に価値があるか、を
それぞれ考えた。

執着。
って単語を、なぞって、消して、
やっぱり国語は好きじゃないな。
首を横に振る。]


 俺たち、ちゃんとまだ「ともだち」?


[笑いながら問いかけた言葉は、
眠っているひとに届けるつもりもないんだ。
俺はあっけなく手を離す。離してから、]

(994) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

【人】 諸葛八卦村 ヤン



 おやすみ。また明日。


[変わらぬ地獄を歩き続けるための暗号を吐いて
別の寝所に沈みこむ。]


[呪いの意味も、感情の名前も、
きっと地球が終わるまでわからなくていい]**

(995) さねきち 2019/06/23(Sun) 23時半頃

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