158 Anotherday for "wolves"
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[そうして、路に出たとき。 >>491ちいさな『ありがとう』の声が届けば。
ふる。 黒絹の毛並を揺らし。 に。と、無邪気が浮かんで、
…それから。 氷のように固まる瞳に、 >>492融かすように、呼ばれた名。 その意が届くには。 ――― 一歩 遅かった。 ]
[ オブシディアンの色彩が、揺れる。 ] [ 青年にしては長い睫毛が、下向く。 ]
(そんなの、)
[水面に浮かぶ聲は、冷酷なまま。]
(554) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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…… ワタシも、だよ。
――― 人が人とも思われないよな、 奪い奪われ合うよな戦場じゃあないのに。
覚悟なんて、…逃げ道があるときには。 したくもない、できないのは、仕方ないよ。
[ けれど。
語り口は、どこぞ優しい。 けれど、どこか自分を正当化するような 甘さも孕んでる事に気付いて。
ぐ と、猫は手に力籠めた拳に 爪を食いこませ。 ]
(555) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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[あの時の老いた男の口振りには気付いていましたが
私はその言葉にだけ、わざと何も返しませんでした。]
人を食らう人狼を見抜く術、
かくれんぼ、ねぇ。
いいんじゃない?
[何がいいのかまで口にしないのは
これが独り言のようなものだからでしょう。]
素敵な『楽園』の為にも
見つけたら食べてしまわなくちゃいけないわ。
[まるで何も考えていないような言葉を落とします。
軽い調子には、軽い調子で。
耳につくのはころころと鈴の鳴るような笑み。]
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[それから、金色が混ざれば、
緩く視線を向けられた先、 微かな笑み>>497が見えると
それを、 ほんのり細め。 診療所の方へ、すたり。
―― 歩き出し、招く。 ]
[… ただし、我がもの顔をすれど、 『他人の家』だというのは。 ]
[ ひとまず、閑話休題。 ]
(563) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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― 診療所 ―
まあねえ〜。
だーって 一年も住めば、 自分の家みたいなものでしょ?
[迎えいれながら、 侵入経路には気取られぬように ふっ、 と微笑み誤魔化す。
>>503ゆるり、頭を下げて招き入れ。 自分が家主のように、 テーブルの方へ誘導するとキッチンの方へ。
茶ひとつ入れるのに、派手な物音を立てて 荒らしながらもひとつの缶を手に取る。]
(572) 2015/05/15(Fri) 00時半頃
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[故郷の頃から なじみのある、茶葉。
猫が買った 茉莉花のものを、 不器用な手つきでカップに四人分注げば ミルクや砂糖と共に差し出しておく。
ほんのり注いだ量に差が出たから、 ちゃっかり自分のものを多く、 渡り鴉のものを少なく小細工…
… なんていうのは、置いておいて。]
[ ――― 家主が戻るのを、待つ。 * ]
(573) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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[ それから、しばらく。 >>514軋む戸のおと。
困惑した様子の飼い主には、 へらり わらって。
>>551『犬』の弟が 告げ口をしたならば、 『あっ!』と、短い静止にもならぬ音で 机を ばんっ と、揺らした。]
[(普段の仕返しをされた気分――
と、 こそっと思った。 そもそも見透かされていたけれどね…>>566)]
[じろり。>>566睨まれれば。 何処吹く風で、口笛でも吹くよに そうっと何も知らぬみたいに目を逸らした。]
(578) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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…… あ、それで 、
… ――― スティ、
[ふ と。
一連が流れるように (重い空気が嘘のように、)
過ぎ去ったころ。
重い 重い、 黒が張り付くよな 陰鬱な隙間風が通れば ああ。 と、本題を、思い出す。
眉尻を下げて、それを口にしようとすれば >>542先に、飛んで。過ぎゆき。 ]
[ …… ―― >>523語られるのを、聞く。]
(585) 2015/05/15(Fri) 01時頃
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あなたが持ってるの、それ。
[ちんけな銀の薔薇細工。
悪避けのつもりかしら、銀なんて。
古い伝承よね、狼人間には銀が効くなんて『逸話』。
まるで死を呼ぶ花のよう。
これを下げられた『人』は、次々に死んでいくの。
そんな物語があっても面白いわ。
私は首元を見つめながら、くすくすと嗤っていました。]
いいえ、なんでもないの。
気にしないでお姫様。
ああ、私たちのことなんて『視え』ないのだったかしら?
[くすくす、くすくすと。]
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…… レリー?
…… オーレリアって。…今…、
[たまに、 そう たまに。 気紛れに寄るだけになった、宿と謂えど。
そこに居るレリーの存在を、 知らない程疎遠だった訳じゃない。
普段縁遠い あの鬱蒼とした漆黒の茨のよな。 黒銀の髪の族長よりも、まだ遥かにちかい。
麗しく、綺麗な白銀のいろを思い出し。 現実感のある名前は。逆に。 ]
(604) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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[噫、非情にも『浮いた存在』になる。 やだね。ここは、違うはずなのに。
――― 戦場に居たときと、同じ。 死んだって聞いても、実感がないんだ。 すこうし前に、一緒に飲んだ相手が。
数時間後に、物言わぬ屍になっても。 その赤乱れた死体を見ても。
… 『死の恐怖』に怯えていた時よりも。 過ぎ去ったあとの方が、現実感がなくって。]
[そのうちに、 『人形』のようにさえ見える。]
(605) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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[ 深いもので、あって、 も、 ] [死んでいるのに。] [死体でさえ。]
[ いきてる、と、 ]
[ ――― ざざっ、 ] [ また ノイズ。 ]
…… っ、
[あたまが、痛い。
口一文字に縛り、眉間に皺寄る。 今朝の『悪夢』のよな。
なにか 思い出しそうで 『思い出してはいけない』 ]
(606) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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(「そうしたら、消えかかっているのに、 本当にねえさんが、… 」)
[上書かれた記憶が、ずきずき。
顔を顰め 頭を抑える様子は、 傍から見るものがいれば、話に悼むよう、 (傭兵だったのに、滑稽に見えるか … それとも、違和にみえるか。)
けれど。 そうじゃあなくて、 ]
[神へ、じゃあない。 死者への背徳さえ覚えながら、
続くはなしをきき。
終わるころには、頭から手は 離れる程度には、痛みは消えていたが。]
(607) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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[だって可笑しくて仕方がないのです。
涙が浮かんでしまうほどに、愉快で仕方がないのです。
死んだと判れば
すぐにでも過去として処理してしまう、彼女(マーゴット)が。
すぐにでも過去として処理されてしまう、彼女(オーレリア)が。
可哀想ねと呟くのは、小さく。
『味方』にも届かぬ音で、唇だけを動かしました。
今宵、私に食べられるあなた(マーゴット)。
彼方が死ねば、みんなあなたを過去にするでしょうね。
それって、ああ、なんて。]
滑稽なのかしら。
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[ >>532絡められ、 語られるお伽噺には。 顔を強張らせ、 …… ――― 。 ]
[ 口を 閉ざす。 ] [ 犬の、ばさばさ揺れる尻尾の音>>551。 それが、傍らに耳にはいるも、
雑音が邪魔するなかで 誰が誰の貌をみあってるか、 なあんて。
そんなのを観察する間まではなかった。]
(620) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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[ただ。 『投票』の話になって、 流れた視線と。
それの示すところには>>560 流石に気付いて。
いつものへらり、とした 薄ら笑みは浮かべずに
金色をじい と見てから。 赤毛の鴉へ、 泳ぐ。 ]
( さっきの、
…… 『起こるのが 知っている風だったのは』、)
(622) 2015/05/15(Fri) 01時半頃
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[私怨なら。
それに すこうしの偏見を加えれば。 >>394答えを得られたと言え、 間違いなく、票をいれやすいのは
ワタシにとって、渡鴉で。]
[ こそり。
端を、耳にいれても。 さっきの微かに聞こえたはなしは 輪郭が浮かぶ前に 消える。]
[ 別の意味で、眩暈がしそうだね。]
(625) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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[ でも。 こっそり。
『昨夜』の話を冗談にする気はなく。 破軍星の煌めきを、渡鴉へ向けたまま。
――― 星陣を、 『もしも』、の、ときに備えて 。 ]
[ …… 琥珀色を横目で見るも、直ぐ伏せる。]
(627) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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…… 疑わしきは、罰せよ 、
[過去を 空に浮かべて ぽつり。]
… っていうからねえ。 結局どんな手をもっても。
私怨を咎めたとしたって、 『自分が殺されないために』 無実が無実を 声高に、糾弾したなら、 それはどうなることやら。 結局 その方法をとるなら魔女裁判や、 …異端審問以上には成り得ないんじゃあないの。
[そして、それはどうして咎められようか。 けれど 多分。きっと、それ以上の方法はない。]
(638) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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( あのころに戻るんだろうか。 )
[破軍星に対峙して、 大敗した (させてやった)
バカなやつらを嘲った日を、おもいだす。 敵軍の兵に見せかけて、自軍を裏切って薙ぎ払い。
ついでに 金はじゅうぶん、あったから。 …… 逃げてやった。 ]
[ ―――― そのまま、冥府まで 獰猛な牙で『誰か』の心臓をかっさらって 還ろうとすれば 拾われた。 ]
( けれど また、 )
[ 殺伐とした日々に、戻るしかないのか。] [ ぐるぐる 馬鹿なあたまを働かせながら。]
(639) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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でも、
…もし、犯人が『ひとり』じゃあないなら、 下手に投票をやったとしても …、
うまく、してやられそうだけどねえー。
[ そもそも、族長を殺せるおおかみが。 ひとりなのか。 と。
不意に、おもう。
けれど、ひとりでも。 この平和を崩すものがいるなんて あまり考えたくないから。
――― 言うだけに、留めて。 ]
[それから、だろうか。 戸口が軋み 声が漏れ聞こえてきたのは。]
(640) 2015/05/15(Fri) 02時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 02時半頃
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[ どこか、剣呑な雰囲気が どろうり 流れこんでくる。
けれど まだあまり減っていない カップに口をつけながら、 (お茶が美味しいと言ってもらえたのは、 さっき 仄やかに嬉しく思えた)]
スティのことだから、大丈夫でしょう。 案外、面の皮は厚いもの。
[ ひとのことを棚にあげながら、 >>632ちら と見た際に顔を曇らせる鴉。
…主が見ぬうちに皮肉をとばしながらも、 猫も ちらり と見ていたのだけれど。]
(646) 2015/05/15(Fri) 02時半頃
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[それよりも、小突かれれば、 へん 、 と 鼻を慣らし。
すこうし、また。 狗のいろが、覗いた。 ]
…… 誰が鴉ごときに怯えるっていうんだい? 別に、怖くなんかないねえ。
‟星が『見張ろうと思えば』” アンタは逃げられないもの。 逆に、アンタが怯えてるんじゃあないの?
[はは。 と、
冗談だか冗談でないんだか。 分からぬ声で にやり。]
[ 口角をゆがめて、 わらう。 ]
(647) 2015/05/15(Fri) 02時半頃
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[幼い彼女とすれ違うことができたなら。
私は醜い唇を、ニタリと歪ませて見せたでしょう。]
ごきげんよう?
[別れ際にそんな挨拶を落としたのは
意地悪な私が、また意地悪に。
声の正体を教えるためでありました。]
[血が出たのは殺したからじゃない。
おとなになったから。]
[おとなはこれから人を殺す相談をしてる。
そしたらわたしがしたことだって
何の違いがあろう。]
[耳から聞こえる声も
頭に響く声も]
[食べる 正す 投票]
それって全部…。
[殺すってことじゃん……。]
もう、ぐちゃぐちゃだ……。
あたまのなか。
助けて…、お父さん。お兄ちゃん。
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― 夜 ―
[ ――― 北天に。また。
宵の星、昇る頃。 猫は、不器用に、一枚。
教育を受けたこどもより ずっと ずっと へたくそな おおきな文字を書き上げて。 ]
[ 投票、が そのひ。
行われたのだったか、どうだったか。 …… ぼう と、外を見ながら。]
( …ひとの心配より、 案外 ワタシの番、かもねえ。 )
(662) 2015/05/15(Fri) 03時頃
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[多くを殺し。救うよりも、更に多く。
神も信じない、救うものなんていない。 噫。 ほかのひとよりも。
疑われるとするならば、 きっと。
(あの金が載せた 私怨ということばと、 『自業自得』ということばに、 皮肉気に 、 わらう。) ]
( …… きっと、 罰されるには いちばん 相応しいし、
…… 疑いやすい、もの。)
(663) 2015/05/15(Fri) 03時頃
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[ そして。
やってもいないことを。 身に想いながら、 宣告を待つ兵は。
こんな気持ちだったのか。 そう 思う。 ]
[ああ。 結果はどうなんだろう。
でも。
今更だけれど、 ここで死ぬとすれば、
( さみしいな )
[ そう 思う。 ]
(664) 2015/05/15(Fri) 03時頃
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[ こういうとき、繋がれる手は、
…… 温もりは。
やっぱり、 …… ]
[でも。
それよりも。 ワタシは、
アタシは 、 ぼくは。
自分が死ぬことになっても、 殺されることになっても。 ]
(665) 2015/05/15(Fri) 03時頃
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[あの日 『死ぬのなら道連れにしてやる。』と。 噛みつこうとした存在。
…野垂れ死にかけた犬が いつのまにやら、 飼い犬になってたことに ようやく気付いて、
ああ。 生きてほしい、なんて思うし。 死ぬなら、それこそ。
――― 猫のように、 姿を晦まして、居なくなりたいと思っていた。*]
(666) 2015/05/15(Fri) 03時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/15(Fri) 03時頃
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