171 獣[せんせい]と少女
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
― 茜空に浮かぶ鷲 ―
[ >>3:360 結局 ミィの「ねがいごと」はひとつしか聞き出せないまま 鳶と並んで 大きな翼は風を斬る。
「 とても遠いし、何も無い岩山ですよ 」
そう言っても、頑なにこちらを向き続ける青い瞳が 迷いなく己を、ひいては己の過去を見るものだから
( 皆、そういうものなのだろうか )
貴方の故郷を見たい、と言う少女は珍しくない。 がっこうが恋しくなってきたけえど 戻るのはちょっと格好悪いから…なんて そんな理由で強請った子にも 大鷲は変わらず掌を差し出すのだ。]
(29) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
[ 重い雲を追いかけるように、北へ北へ。 一晩などでは到底着かぬ距離は 風の加護と翼をもってなお 数日を要する。
途中の街で、ミィへ暖かなコートを都合したり 保存がきく食べ物なども 彼女を乗せる揺り籠に一緒に乗せて。
あの日>>3:360から、ベッドで眠る日よりも 鷲の羽毛で包んで眠る日が増えた。 大樹の幹の上や、枯れ葉のベッドの上 場所はさまざまだけれど ミィはきまって己の胸元で穏やかな寝息を立てる。
( …おやすみ、安らかに。 )
明らかに眠る時間の増えた彼女を抱いて 今日も大鷲は、殆ど眠らぬ夜を過ごした。*]
(30) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
― 風の谷 ―
此処が私の、生まれた場所です。
[ 露出した鼠色の岩肌が聳え その隙間から幾許かの植物が顔を出すだけの 命の影薄い、鋭く切り立った崖ばかりの土地。
大鷲は人間のすがたに変わることなく ミィを身体に下げたまま、低めに山肌を滑降する。
いきものを覆い隠すような樹など ひとつも生えていないのに 見つけることができたのは 垂直な崖に立つ、鹿が2頭だけ。
”故郷”と呼ぶには枯れすぎた、天の最北端。]
(31) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
[ 「ひと」の間で囁かれる伝承には
天の最北端に、ひときわ巨大な大樹あり。 3つの根は岩を貫き 風だけの世界に命を生み出し続け 根本にある泉の水を ひとたび口にすれば この世の大きな知識を得るだろう。
と、記されている。
泉を目指して、水のない岩だけの道程を 時折「研究者」と称した者が訪ねるが 大概は、還ることすら叶わずに 骸を岩肌に遺してゆく。
けれどそれが次の来訪者の目に留まる事はない。
何故ならフレースヴェルグの二つ名は ]
(32) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
「 死体を餐みこむ者 」
(33) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
[ この谷には
死の痕跡すら残らない 死が
風になって吹き続けている。
「 ギェエエエ 」
唯の鷲が一匹、岩の尖りの上で啼いていた。]
(34) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
[ 岩しか見えない山に大樹などありはしないと 「ひと」に空飛ぶ技術があったなら そう云うものも現れるのだろう。
小さないのちを乗せた大鷲は 岩と岩の隙間を縫って飛ぶ。
落ちたら絶対に死んでしまうような 暗闇しか見えない岩の隙間 その下に、行こうという者など存在しないが
ほの昏い岩に抱かれた内側で 大樹は 岩山すべてを支えているのだ。]
(35) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
[ ぴちょん、ぴちょん。
洞窟のように響き渡る水音。 けれど、どこからか吹く風はやわらかく 見上げた岩の隙間から差し込むひかりは 細いびろうどのカーテンのよう。
まるで木肌のように見えるそれが 大樹の根のうちのひとつというのは 己も誰から聞いたのか、今も信じられぬが 確かめる術はどこにもない。
ただ、知っているのは 己が此処から飛び立ったということだけ。
大鷲は翼をひろげて やわらかく着地する。 彼女に降りても良いと促して 撫でてくれ、と頭を垂れた。*]
(36) kanko 2015/10/17(Sat) 16時半頃
|
|
― 北方の小さな街で ―
[ 衣料を扱う店のなかは、もうすっかり冬模様で 厚手のコートやセーター、もこもこ羊毛の手袋に 狐の毛皮でできた帽子に襟巻き、長めのブーツ。
店のだんなに「これの小さいのはあるか」と 数回尋ねれば、これもどうだ、こっちはどうだ、と ミィの前に可愛らしげな冬支度が並ぶ。
「旦那にはこれですかね」と 聞いてもいない ロングコートを薦めるあたり、成程商売上手らしい。]
風で護るにも限界がありますし… それに、可愛いでしょう?
[ まぁるい金色毛皮の帽子を、ミィの白い髪の上に乗せ うんうん、とふたつ頷いてみせた。 ]
(80) kanko 2015/10/18(Sun) 15時頃
|
|
[ 「着ていかれますか?」の声に勿論と頷いて 宵のはじめに、背後から差す店の明かりに包まれ ひらり 裾を翻す華が一輪>>68 ]
冬の精に見間違えてしまいそうだ。
[ ほう、と笑った呼気は薄い白霧になって 微かに視界をぼやかす。
雪の精に、と喩えてしまったら 触れたところから解けてしまいそうな白さに 黒目がちの瞳を細めて、手を差し伸べた。
眩しいものを見るような あの日から毎日変わらないしぐさで。]
(81) kanko 2015/10/18(Sun) 15時頃
|
|
[ この手が、どうか一日でも長く暖かくありますよう。]
(82) kanko 2015/10/18(Sun) 15時頃
|
|
[ 額の上を滑る手のひらを、 クルルと喉を鳴らして受け取って 時折首を捻るようにして擦りつける。 ]
…あるのは伝説だけで、なにもない。 私がわたしとして意識を持ったのが此処でした。
[ 礼>>77には「いいえ」と、空気を震わせて 生え際の心配をされているとは露とも思わず 嘴に触れた温度に、半分瞼を下ろした。
一族と呼べるものはなく、彼女らが「故郷」へ 思い浮かべる暖かさのようなものは無い世界。
「つまんないの!」と云った娘もいた。 「哀しい場所ね」と云った娘もいた。 ]
(88) kanko 2015/10/18(Sun) 17時半頃
|
|
ミィは此処をさいごの場所に選ぶと、
……そう、ですか。
[ ( 貴女は、そう云うんですね。)
じぃ、と見上げてくる瞳には、もう蒼すら無く 微かにグレーがあるかどうか。
肌も、髪も、白くて 真新しいコートと、襟からのぞいた青薔薇だけが 浮き立つような色彩を放っていた。
びっくりした?と微笑むすがた>>79を 取り逃すことのないよう瞳のなかに刻んで ]
(89) kanko 2015/10/18(Sun) 17時半頃
|
|
びっくり、というよりは…少し申し訳ない。 此処がもっと綺麗な場所なら良かったのだが。
花が咲いていて、暖かくて 歌が聞こえてくるような そんな、
[ そんな自分の言葉は、きっと彼女に遮られて 鳥のままの風貌では苦笑がどれだけ伝わるものか わからないけれど、思わず苦く笑ってしまう。
微笑んでくれる>>79ことへのせめてものお返しに]
せめて、美味しいお弁当を持ってきたら良かった。
[ なんていう、冗談を返そうか。]
(90) kanko 2015/10/18(Sun) 17時半頃
|
|
最後のお願いは、まだ秘密?
………どうしよう、とは………
[ 言いよどむ>>79理由が、鈍い獣には推し量れず もふもふとした首をきゅるりと回して ミィの様子をのぞきこむ。
ふいと見上げた空洞のそら。 周囲に変わらず何の気配もないのを確認して おおきな羽ばたきを2度。
伸ばした翼はみるみると短くなって 黒いロングコートを着た人の手に変わった。 ]
(91) kanko 2015/10/18(Sun) 17時半頃
|
|
[ すっかり ”おねえさん” になった彼女の腕を引いて 優しく胸に抱きとめる。
落とすことばは、彼女の耳元へ。 いつも>>0:4とおなじものだけれど すこしの翳りが声に乗るのは、赦してほしい。
もうこれ以上の景色を貴女と見られないって 理解しようとしているところだから。 ]
(92) kanko 2015/10/18(Sun) 18時頃
|
|
[ 僅かに震えた唇が、彼女の耳を掠めて
だれもいない洞のなかに 願いのようなことばが逃げていった。 *]
(93) kanko 2015/10/18(Sun) 18時頃
|
|
[ ぽうん、ころころ
ついこの間買ったばかりの毛皮の帽子。>>138
いつもなら、落ちる前に風で拾ってみせるけれど 転がって動きを止めても、毛皮の帽子はそのまんま。
拾わなかったのは 「帰り道」にそれが必要ないことが 哀しいから。
抱えきれない思い出は持たないと だいぶ昔に決めたから 持っていく思い出は、掌に乗るぶんだけ。
だからこれは少し、手に余るけれど ]
………御意。
(158) kanko 2015/10/19(Mon) 01時半頃
|
|
[ その返答は、 彼女の望むものではなかったかもしれないが 泣きそうな顔>>138を受け止めきれずに 頬を包む暖かさのなかで、困ったように言葉は続く]
でも、私はモスキュートのように 純白のドレスやブーケは出せませんよ。
[ ”そんなこといいのに” と 言われるだろうが せめて、と 胸元のスカーフを取り出して ]
せめて綺麗にできると、いいが……
[ 風に包まれた白い布が、宙に浮く。]
(159) kanko 2015/10/19(Mon) 01時半頃
|
|
[ ”与えるだけの力”>>3:-93と、一角獣は言ったけれど
( 何も増やせない、削り取るだけの力。)
時間を凝縮した風が、 布の繊維を少しずつ少しずつ壊してゆく。
穴をあけるわけではないぎりぎりの破壊は 布のふちをなぞって色濃く残す場所と 向こう側が透けるほどに薄くする場所にわかれて
ふわりと なにも乗るものが無くなった ミィの頭におちていく。]
ヴェールだけなら、ここにあります。
[ 幾重にもなる薔薇の模様があしらわれた レースよりも繊細な薄布が、白い瞳の視界を遮った。]
(160) kanko 2015/10/19(Mon) 01時半頃
|
|
[ 見下ろしたミィの姿は白ばかり。 見上げてくる瞳も白ばかり。
胸元の蒼が異質なもののように、目に刺さって 表面をひとつ撫でたあと 静かに指で持ち上げる。]
ミィ。 この石を私に貰えませんか。
[ 生み出すことのできない自分は、 いつだって削ることしかできないから 何もないこの場所で「あれ」を作るには どうしても、元になる石が必要で。
彼女がひとつ頷けば 誓いの石は、何より”誓い”に適したかたちに
真っ青の2つの指輪へ、姿を変えることだろう。*]
(161) kanko 2015/10/19(Mon) 01時半頃
|
|
有難う、ございます。
[ 己のいつもの言葉を真似るように ヴェールの向こうの唇が是を紡げば、>>203 胸に石を繋ぎ止める編み紐を、指の腹で擦る。
あの日からほつれることもなかったそれは まるで細い粘土のように、千切れて
ふわりと浮いて、彼女の首から逃げ出せば 石すらも研ぐ風は、いとも容易く繊維を溶かし 煙が昇るような霧と共に消してゆく。
………ィィィィ、
微かな音と共に、翼に抱かれた薔薇は中央を窪ませ 白い彼女の姿が円のなかから顔を出した。 ]
(216) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
[ ひとつの宝石から生まれたふたつのリングは ほんとうに小さな薔薇の花を その中央に。 あまりにも細いから、 ふたつを重ねなければ一輪にならないけれど
( それもまた、一興か。)
つぶさに見守る瞳>>203に、ぱちり、と 小さく片目を瞑ってみせて、完成の合図。
ひとつ、問題があるとすれば 彼女の指のサイズには自信があるけれど 自分の方はさっぱりだということ。]
では、此方をミィに。
[ おおきなほうを、彼女の無垢な手のひらに。 ちいさなほうを、 己の死に濡れた掌に。]
(217) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
………、 そう、ですね。
[ そわそわ、 ちょっと落ち着かない様子>>204が愛らしい。
彼女が望む式を、彼女の望むように。
向き合って、恭しく片手を取って ヴェールにつつまれ 胸元の蒼もなくなって ほんとうに白い白い花になってしまった彼女を 真っ黒の瞳で見下ろしながら
唄われる誓い>>205を 受け止めよう。
”あまえんぼう” には、つい くすりと喉を鳴らしてしまったけれど。 ]
(218) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
……天にまします、我らの神よ。 今日ここで、私達は、結婚の誓いをします。
この結婚を神の導きによるものと受け取り その教えに沿って 常に愛し、敬い、慰め、助けて、変わることなく あなたの全てを護ります。
私の手を取ってくれたあの日の貴女に感謝し 暖かさを分け合った日々に感謝し いま、再び私を選んで下さったことに感謝します。
死が2人を分かつことはありません。 死してなお、いちばんそばで 私の命の日が続くかぎり 久遠の時を傍らに 寄り添うことを
――― 誓います。
(219) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
[ 上気する頬を隠す色がないものだから 両手で隠した口元よりも 鮮やかないろが 己の目を縫い止めていることに 無邪気な笑顔>>206は気付いているのだろうか。]
………ミィ、左手を。
[ 手の中の輪を、ゆっくりと 持ち上げたたおやかな手に滑らせて
ゆっくりとひとつ 頷いたあと 左手の黒皮の手袋を外し ミィの前へと差し出した。 ]
(220) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
[ ふたつの蒼が、互いの指を飾るころ
乗せていただけの薄いヴェールを持ち上げる。
いつものように、額にひとつ くちづけて
微笑みと共に、左手が辿るのはか細い顎のした。
僅かにそれを持ち上げれば 衣擦れのおと。
己の黒い影で 真白の彼女を覆い尽くして
触れるだけの誓いのキスを。
落ちてしまった白いヴェールを 拾うものは、だれもいない。* ]
(221) kanko 2015/10/20(Tue) 01時頃
|
|
[ ( なんとも、まぁ。)
かっちこっちの、こっちこち。>>332
さっきまでの穏やかな誓いの言葉はどこへやら 見上げる表情にも声にもぎこちなさばかり。
( ……けれどそのほうが、いつものミィらしい。)
彼女の手元で跳ねたリングを 風で拾うことにならずにすんで、ひと安心。 滑りこんだ半分の薔薇は、無事に白い薬指を彩った。]
(471) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ ミィの前に差し出した骨ばった左手は、 慣れぬ様子で手持ち無沙汰にしている。
いつも撫でたり、支えたり、包んだりで、 彼女の手に支えられていることは とても珍しい 自分の手。
そんな感傷に浸っていたものだから、指輪が 第二関節の節を越えられずに四苦八苦する姿を ぼんやりと見てしまっていて。
( ………あぁ、やっぱり…… )
緩いのはどうしようもなくなってしまうけれど 小さければ削ればいい、と思っていたそれは 意図せず、むにむにと懸命に指を弄る 可愛い彼女を見せてくれたから ”てきとう” にしておいたのも悪くなかったかな、と
ちらりと見上げる彼女>>334 へ微笑んだ。]
(472) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ 熱を持ったままの唇を 惜しむように 閉じたままでいた瞼を持ち上げれば 何もない岩ばかりの中で彼女の足元だけが 雪で覆われていて。>>336
あの日>>81、かき消したはずの雪の精が 己の目の前に立っていた。
擡げた首も、傾けた背中も戻ることなく 唯 あたたかな雪に吸い込まれるように。
己を縫い止める手>>343を愛おしげに包んで 再び触れた小さな感触に、頬と目元を綻ばせた。]
怒る理由が、何処にありますか?
[ 問いは、ふわふわの砂糖菓子のように甘く消えて ]
(473) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
……それに、怒られるのはきっと私のほうです。
知ってた、と言ったら……
―――怒りますか?
[ くすくす。 昔話の本当か冗談かは、どっちだってよくて
ただ、目の前の表情が変わるのを見たいから。 ”まだ大丈夫”な幻を、見続けていたいから。]
(474) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ それなのに、脚に感じる重さ>>344が いつもより軽く感じてしまうのはどうしてだろう。
( ……嘘だ。 知っている癖に )
見送るたびに初めてのように思うけれど ひとが鳥に変わるような 芯のおもさが抜けてゆく感覚は まるで彼女たちの重いたましいが逃げていくようで。 空を飛べるはずの自分なのに それを追いかけることは叶わない。
( また、私は重くなるのだろうな。 )
腹の中のいのちの数は、己だけが知っている。]
(475) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ 思い出を紡ぐ笑顔>>344を、腕の中にかかえて
ええ。ええ。と頷きながら、蘇る景色をかぞえてゆく。
白い彼女の腕に回った左手は さっきの居心地のわるさが嘘のように馴染んでいた。]
あなたの生も死もすべて貰い受けると 「あの日」に誓いましたから……
[ ねむたげな目元>>345を そっと撫でて 彼女の眠りが安らかであるよう 祈り願うのも、いつもの夜と変わりない。
ちょっとその「夜」が 永いだけ。]
(476) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ 別れではないから 呼び戻すような言葉も、しぐさもいらない。
――唯只管 安らかであれと 眠りを護り続けると、誓って
ももいろの蝶が飛び立つのを見送れば 手元の薔薇は、白く 白く 白く 銀世界。>>347
薬指に咲く、欠けた薔薇だけが 蒼かった。 *]
(477) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ どれだけその場に居ただろう。
測ることはできないけれど、永くはない。 ……此処は、死を喰らう風が吹くから
爪先、髪の一本すらも 礼儀を知らぬ風には攫わせぬと
時を止めた白薔薇を、黒く深い夜の翼が包み込む。
夜が昼を のみこむように 死が生を のみこむように
フレースヴェルグは 名の通り 死があった事実すら 餐みこんで
後に遺るは、ラピスラズリのリングが独つ。 ]
(478) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
…… 美味しかったですよ、ミィ。
[ 残された囁きは、交わした約束のとおり
寸分違わず叶えられる。
それが摂理、それが約束。
それが……
( 噫、なんて 真綿のような甘い呪い。 )
此の存在を”呪い”と言った幼子は
あの小さな手を喪ったとき、何と喩えるのだろう。]
|
[ 泣くことの出来ぬ鳥からひと粒 小さな小さな月長石が 泪のかわりに 白いヴェールの上に、こぼれ落ちて
黒い翼は夜を斬る。
その後には 主を失った 金色毛皮の帽子と 主を喪った 獣のいちまいの黒羽が
谷の風に蝕まれ、 いつしか消えていることだろう。*}
(479) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
[ 臓腑にまたひとつ、大きな愛をのみこんで 怪鳥は独り そらを飛ぶ。
誰にも見せたことのない 巨大な躰の何処かに隠した 色とりどりの、数珠繋ぎの宝石たち。
数百年にいちど、色を増やしてきたそれは ひとつだけ形の違う蒼を繋いで
めぐるめぐる、円環の いのちのかたち。
薬指を飾る鮮やかな蒼は、遠い未来の先にまで ]
(480) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
|
「 ねぇ、せんせ! それなーに???」
「 あぁ……これはね。 先生の、宝物だよ。」
*
(482) kanko 2015/10/21(Wed) 23時頃
|
1
2
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る