158 Anotherday for "wolves"
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 03時頃
[せんせいの持っていた燭台が床に落ちると
くすぶった臭いとそれから広がる炎。
きっとその時なら消せたんだろうけど]
地獄の炎に焼かれればいいんだ。
[興奮してたわたしはそう言い捨ててその場を後にしました。
それから家のベッドに潜り込んで窓から教会の方を
吹き上げるように燃える火を
眺めていました。]
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― 深夜 → 早朝 ―
[そのよる。
ふわふわ、
浮きたつような、奇妙な夢をみた。]
[ 墨をそのまま、ひっくり返したそら。 太陽も、月もない。
星のひとかけらもない。 真っ暗 そう、真っ暗。 ]
[ 取り残された世界で。 そ、っと、黒い狼が、 (あの夜の、ねえさんだ。)
付き添って アタシのてのひらに、あかい石を落とす。]
(2) 2015/05/17(Sun) 03時半頃
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[血よりも、紅蓮に揺らめき。 焔のような色を湛えた、 まっかな まっかな、石だった。]
( どこかでみたような、 そうだ、 スティがつけてたような、)
これ、どうしたの?
[問いかけても、返事はない。 柄杓の耀かない空の下、狼は、儚げに首を振るう。 それを、不思議そうに、みつめて。
みつめて、 みつめていた、はずなのに。]
[ぱちり。]
[またたくと、漆黒の毛並みは姿を消して。]
(3) 2015/05/17(Sun) 03時半頃
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[ ワタシは、不気味な黒の天球に、 取り残されていた。 ]
…… ねえさ、
… カイド、 ううん。
…マルガレーテねえさん?
… スティ?
[返事は、ない。 奈落のような、ただただ不安にする底無しが。 風の代わりに、どろり どろり、
湿り気が、濡れ羽色を、撫ぜるだけ。]
( ひとりに、しないで ) ( 違う、わたしたちは、 『ぼくは』、ひとり、じゃ )
(4) 2015/05/17(Sun) 03時半頃
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「 …… なにを、寝惚けているの?
『つめたくなった手を離した、 ――― あの日から』
ずっと ひとりだったくせに、ねえ? 」 [ アタシであって。 ぼくでない。 記憶を閉じ込めていたはずの、 『ワタシ』が、嘲笑うこえが、した。 ]
[ 見開くひとみが。
瞬かれ、 開いたとき。 闇色は、窓から差し込む月に薄らいでいた。*]
(5) 2015/05/17(Sun) 03時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 03時半頃
─昨夜─
[村には活気が溢れているようでした。
それは決して、いい意味のものではなく。
喧騒、木の燃える、『人々』の声。
小さな彼女は無事に復讐を果たしたようです。]
素敵な火柱。
とぉっても綺麗ね。ふふっ。
[地獄の業火に焼かれていくのは、可哀想な(やさしい)『死神』。
私はただ、鈴を転がしたように。
もしくは、しゃぼんが割れるように。
あるいは、泡沫の夢のように。
くすくすと、笑って見ていました*]
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― 診療所 ―
…… 、 …… っは、 ほんとに、夢見が悪いなあっ……!
[跳ねるように、目を醒ます。 『一日ぶり』の目覚めだけれど、 彼女が猫の代わりにすごした時間は。
いくつかの記憶の欠片に、 空白の頁をつくりながらも、 器の主がすごしたように 書き換えられていた。 ]
[ それを、微塵も疑わない。 疑えない。 ]
(11) 2015/05/17(Sun) 04時頃
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[自警団の同僚に、『変わってもらった』夜警。 (‟彼女”が頼んだことも、 また ‟彼”が頼んだように変わって、)
だから、いつもよりもはやく。 ……遠退いた現実の、(ルーおじさんの) ことばが辛うじて残るあたまで。
また、酒を飲まずに、 寝台に潜り込んだ(ことになっていた)。]
[ それが、幸か 不幸か。 ]
[ どこか、まだ朝にははやい、 仄暗い時間だっていうのに、 風が。 空気が、騒がしいような。]
…… ?
(12) 2015/05/17(Sun) 04時頃
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[ ぺたり。
寝るために脱いだ、裸足のまま。 部屋を出る、
ざわめきが、煩いのに。 (夢のせいか、鼓動さえ、) ―― なのに、やけに静かだ。 ]
[ 月夜を吸い込んだ仄暗い青年の瞳は、 猫に成り切れず、台の上の、 ランタンを灯して、昏い部屋を彷徨う。 ]
[ 背筋に奔る、嫌な予感。 ] [それを、大袈裟だって、 いつもの皮肉で笑い飛ばして欲しかったんだ。]
…… スティ、 ――― スティ?
(13) 2015/05/17(Sun) 04時頃
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せんせー? …… おかしいなあ、
[そんな冗談っぽい呼び方をしても、 返事も 気配も、一向にない。 狗は、舌打つ。 ]
…… どこいったんだ、夜中にさあ。 急患でも、来たなら騒がしくって きっと寝ちゃあ居られなかっただろうし。 …散歩でも行ってるのかい、あの医者は。
( …散歩なんて、こんな時に? )
[――― 信じてる。 信じてるはずなのに、 ]
(あの死神を気取って、 悪者になろうとしてるやつが、
犯人なわけ、…『悪魔』なわけが、ないだろ。)
(14) 2015/05/17(Sun) 04時頃
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[ なんでだろうな。 血の気のひくような、感覚がしたのは。]
…… どーせ、すぐ戻ってくるでしょ。
[心配なんかした、とか思われちゃあ。 馬鹿にされそうだから、あほらし。と。 一抹の不安を、奥底に隠す。
それでも、 醒めた頭と、寒気すら感じる肌では 眠れもしない。
酒は無いから、ホットミルクでも作ろう。 そう、ぺたり、
床を踏んだときだった。 ]
[ ―――― バンバンッ、] [ 乱雑に戸が打ち鳴らされたのは。 ]
(15) 2015/05/17(Sun) 04時頃
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「教会で火事なんだ、 人が足りないから消すの手伝ってくれ!
それと、怪我人が出たときのために、 先生を呼んでこいっていわれたんだけど、」
[戸を開ければ、覚えがある、 昨日『代わり』を頼んだ明るいブラウンの青年。 渋い顔を、当然浮かべかけて。 こんな時でさえ、 「スティは今居ないから、 入れちがいにならないよう、 帰ってきたら一緒にいくよ」
と、狡くも、後回しにしかけて、 ふ と。 出歩いているなら。 ] ( この狭い村だから、 探されているなら見つかりそうだよね )
(17) 2015/05/17(Sun) 04時半頃
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[そんな 考えが。
背筋の悪寒を、 『別方向』に毛を逆立てかけさせたが、 否。 まさか、 ね、 ]
[ そう思うのに、なんで、息苦しいのだろう。 ]
「なら、先生は俺が探しとくから! アルは先に教会に行ってくれよ! ひとりでも、猫の手でも借りたいくらいなんだ」
[――アタシが、その猫なんじゃなかろうな?
普段なら、そんな冗談のひとつふたつ。 余裕で飛ばしてくものだけれど、 いまだけは、そんな言葉もでなかった。
そうして、促されば あとはもう、 一度部屋へ、ブーツに足を通し、 ]
(18) 2015/05/17(Sun) 04時半頃
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[ 厚い、死神の衣のよな 外套を闇に同化させながら、 (神なんて信じる気もないのに)
祈れるものがあれば。 祈りたいよな気持ちになるのは。 不思議なようで、薄情だと、そうおもう。]
[ そして地を蹴り、駆ける最中、 まだ東雲の夜明けにははやい ] 夜から、朝へ。 ]
[移り変わる天球は、 夢と違い、いつもの群青をしていて。 すこし、こころを軽くする、反面。
ちょうど、雲間に隠れた死兆星が 見えなかったことに、眉根を顰める。 ]
(19) 2015/05/17(Sun) 04時半頃
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― → 教会/ →早朝 ―
[ ――― めらり めらり、 紅蓮は、 紅炎は 天に届き、全てを呑み込む。
奥の方は手も付けられない程 轟々 燃え上がっていた。 ]
[どこかで見せられた、 聖書に残る、ソドムの業火のように それでいて、魔女を燃やす火刑のように。]
[思わず教会嫌いの狗でさえ、 小気味いい、と思うことが出来ない。 目が釘付けになり 息を呑む。
ひとの罪を裁き。 焦がす為に神が自ら放ったような 傲慢な火柱にすら、見えた。 ]
(20) 2015/05/17(Sun) 05時頃
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[ 薄らわらいとは無縁の、険しい顔をする。 ]
…… こりゃ、凄まじいな
[ 外套の内側のポケットが、 熱くなるような気がした。
けれど、陽炎に揺ら 揺ら、 焼け落ちる教会の前では 気付くはずもない。 ]
[ 先に居た、人間の住民の目が痛かったけれど、
慣れっこだと言わんばかりに逸らし。 指揮を執る自警団の仲間にあわせて、 消化してゆく。
もっとも、凄まじい勢いで昇る火炎は 井戸から水を汲んでぶちまけたところで、 衰えをみせるわけもなく。 ]
(21) 2015/05/17(Sun) 05時頃
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[早朝までかかって、かろうじて、 入り口が焼け焦げながらも形を残す 半焼で済んだ、けれど。
――― 奥まで、手は回らなかった。]
[ は と、 息つく暇もなく。 ]
( …… そういえば、 スティはちゃんと見つかったのかねえ、) [ はた と、気付いて、 周囲を見渡して、自警団の連中に 声を掛けようとするのと。
『おい、死体があるぞ!』 と、聞こえてくるのは、 調子を併せたように、ピッタリだった。]
(22) 2015/05/17(Sun) 05時頃
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…… 死体?
[怪訝な顔をして、 肩を叩きかけた手を ひっこめる。 ――― 蒼は、声に応じるよう 骨組みだけを遺した空間を見ていた。
膨れ上がる、 背筋の『嫌悪』みたいな『悪寒』は。 『見ちゃあいけない』と、囁きかけるよう。]
( …… なんでもない、 ただ確認するだけだよ )
[それが、死体であること、でない。 知ってるひとじゃあ。
せめて、スティでないことを 朝の空に薄らいで、ぼけた星に いつのまにか、願っていたのはなんでだろう。]
(23) 2015/05/17(Sun) 05時半頃
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( 『アタシが死んだらね、 あんたを、道連れにしてやるからな。』)
[そんなことを言った、 あの日が、遠く 遠く、
吼えた声は、いまでは すっかり飼い慣らされていたことに、 冥府の猟犬も、情が湧いていたことに。
狗は、見て見ぬフリをしてきていた。]
[燃え尽きた、無惨な残骸。 梁の倒れていないところを探して、 燃え尽きた哀れな骨組みの合間、
犬猫のよに 身軽に擦り抜け、]
(24) 2015/05/17(Sun) 05時半頃
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[かつり] [硬質を強く鳴らし。] [くだらない神とやらを祀っていた 祭壇の方へ、のぼる。]
[そこにあったのは、 朽ちた棒きれに、胸を貫かれて 炭化した 男女とも分からない黒焦げの塊。]
[吐き気も、嫌悪もない。 『死体』だけなら、幾らでもみている。 近付けど 精々、顔を顰めていくくらい。]
…… ――― 、
( これじゃあ、誰かわからないじゃないか )
[不謹慎に、安堵が零れかけ、た。
全焼する程の火事でいて、 明確な形が残るわけがない。それは、そのはず、で、]
(25) 2015/05/17(Sun) 05時半頃
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…… あ、
[触れようか、触れまいか。 すこし、逡巡したけれど
燻る、肉の焦げた嫌なにおいに、 ひんまがりそうな嗅覚の嫌な鼻。 こんなところ、あまり居て気分のいいものじゃあない。 『触らないで、さっさと去ろう。』 …… そう決めかけて、 焦げた、その身に、触れてしまって、]
[こつり、] [そのはずみで、遺体からなにかが落ちる。]
[ それは。
硝子がどろり融け、フレームも原型を留めない。 けれど、確かに『眼鏡』だと、わかるもの。]
(26) 2015/05/17(Sun) 05時半頃
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――― !!
[ 拾う、
狗が良く知る、眼鏡の人物はふたり。 そして、煤に紛れて、黒いけれど。
この、色と。 曲がって、再度、冷えて固まった形。 大凡の、原型を推測すれば。 ]
[ 安堵しかけた、吐息を飲みこんだ。]
…… そんな、ね、
まさか、本当にアタシより、 … っ、ぼくより、なんてっ …!!
(許さない。 そんなの、許さない、)
(27) 2015/05/17(Sun) 06時頃
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[縋るように見た、遺髪は。 煤けて、焦げていたけれど。
――― 一部、昏い金が、 仄暗い朝日に 煌めく。]
……っははァ、… 冗談、きついよ、
そうだ、腕の、 あの、石 ―― …。
[昨日の、記憶が途切れた空き頁は。 ‟彼女”は、託された石のことを、 遺していかなかった。
それは、『本人に聞けばいい』と。 言う意味合いを籠めて、のもの。
…… けれど、 今はただ、マイナスにしか、ならなかった。]
(28) 2015/05/17(Sun) 06時頃
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[遺体の腕をまくっても、 回りを見ても。
スティがつけていた、 (そう、つけていたはずの) 柘榴石は見当たらずに まあるい、銀の塊がひとつだけ。
『誰かが持っていった』なあんて。 そんな可能性も、考えもしないで、 『これがスティじゃない』理由を探そうとした。]
…なあんだ、 人騒がせだなあ。 やっぱり、 違うじゃあ 、 ―― …
[ こんっ ]
(30) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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[項の冷や汗を感じながら、無理矢理、わらって。 元々おかしかったのが、更に、おかしくなりそうだ。
さっさと、スティを探そう。 ついた膝をあげようとした時、だった。 渇いた音が、焦げた絨毯に吸い込まれたのは。 …… マントから零れ落ちて、 数度 跳ねて、ころがる。 炎を閉じ込めたような、柘榴石。]
…… 、
( …… なんで、 今、ポケットから、 )
あ、 …… っ、 …、ふふっ、
[ 思考は、 ホワイトアウトしかけて、 ]
(32) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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あっ、ははははははははははははっ!!! ――― やだ、やだなあ!!!
[三日月が、 すべてを、塗り変えるよう、 ぐい と、 持ち上がり、
他の連中なんて、しらない。 狂ったわらいが、静寂の朝に、響きわたる。 ]
[狂喜すら宿す蒼が見開き、 焦燥と、どろり、自らにすら向く疑念。
(噫、なにかも放り投げてしまいたい)
『自分すらも信じられない』記憶に 空白の頁に縋り求めながら、 脆い焼死体を揺さぶって、揺さぶって。
… まるで、『眠ったひと』を起こすように。]
(33) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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なんって、趣味の悪いいやがらせ! あんたらしいよ、スティ!!
[ 信じたくないよ。 信じられないよ。
ねえ。 違うよねえ。 問い掛けながら、なんでぼくは、 『これ』がスティだって。
…… 認めてしまってるんだろう? ]
…… 起きてよ。
なあっ、馬鹿だって笑い飛ばせよ!! こんな冗談、いらない。 …ねえっ、
(34) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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[ 蒼は、彷徨う。
どこかに、隠れてるんじゃあないかって。 驚かせるために、わざわざ、なんて。
――― あるはずないのに、
捉えられたのは、 あるべき場所に無く、おちてもいない十字架。 吸血鬼を仕留めるような杭は、きっと。
…… 十字架で、 そんな芸当が出来るのは、 『人狼』くらいの、ものだってこと。]
[ぽたり 、 ぽたり 、 ]
[ 落ちる雫は、
時間は、 もどらない。 ]
(35) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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… あんたが、死神につれられちゃあ、 …… 意味、ないだろ。
泡吹かせようとする前に、 ぼくをっ、 …置いていきやがってっ…、
[ 頬を、あたたかいものをつたって、 こんな感情を味わうのは、
ああ。 『置いてかれた』痛みを感じるのは。 (二回目なのに、) 初めてかもしれない。
黒焦げの肩を、ぐ、と掴みながら、 落ちた、まっかなガーネットを拾う。 きらきら、 昏い色をして耀いていた。 ]
(36) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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…… 殺してやる。
――― 絶対に、見つけてだして、 犯人も、同じ目にあわせてやるっ……!!
[ それと、おなじように。
天使の蒼は、 冥府へ誘う、死天使の色に、堕ちてゆく。 いつの間にか、気を遣ってか。
自警団の連中も 近隣のひとも、 居なくなった世界で、 しばらく、誰かが来るまで、身動ぎもせず。 静かに 閑に、 嗚咽をあげていた。 **]
(37) 2015/05/17(Sun) 06時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 06時半頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 07時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 18時頃
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― 教会 ―
[滴るものが、枯れたとき。 瓦礫を踏みならす音が、した。>>47 重く、ぎこちない動作で首が回る。 肩に手を当てる存在は、また珍しい。] …… ジョー、 …… っふふ、随分冷静だなあ こういうことにも、慣れたかい?
[いつもの、猫目が皮肉交じりに、わらう。 頬を伝う雫の、乾ききった一筋を拭いながら。
仄暗い狗のひとみは、 殺気にも近い澱みを抱え 蒼を濁らせる。 カチリ カチリ、 時計が逆向きに回転するよに 戻らぬ針を 記憶だけを、書き換えようとする。]
…… 。
(60) 2015/05/17(Sun) 18時半頃
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そうだなあ、『スティなら』、 鞭打ってやるくらいで丁度いいけど ――― 、
( ぼくが『死神』の役目を、 審判を下すより(そのつもりも無かった癖に) 逝くなんて、 …… 逃げるなんて、 )
…… 『別のひと』だもの、ねえ?
[こころのなか。 『元』の、『個』があった時の一人称に、 鏡写しに語られるものでない 『ぼく』に。 ちいさな黒犬のような存在に、戻りながら。]
[確に在る金色に、上目を遣い、問いかける。 それはさも、‟そうであること”を望むように。 頼むから、否定してくれ。そう、追い縋る。
焼けた遺体から手を離し、掌の残る灰を、 払おうともしないまま。 ]
(61) 2015/05/17(Sun) 18時半頃
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[口に出されない言葉を、 飼い主だと。問う声がないことをいいことに。 ……‟悪いクセ” ―― 『逃避』が働いていた。
『いつものように』現実が離れていってくれるのを 待ってるのに。願っているのに。]
( ――― 分かってるさ、本当は )
( なんで、この嫌な風は。 焼けた臭いは、ぼくを引き戻そうとするんだ。)
[いつもなら掛けられそうな、悪趣味な問いは。 この時ばかりは 途切れ、潰え。
切れた言葉に、きょとり。 憂う少女とは異なる、無理矢理造られた空洞を ひとみにぽっかり開けて みつめる。 ]
…… それとも? … なんだい、
(62) 2015/05/17(Sun) 19時頃
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[顎先を、緩慢に持ち上げ。 促すように問うた。
手にした、紅い塊を。 ―― ガーネットを 見ないよう、 無意識の心理が働いて、外套に仕舞う。]
[ 犯人を、殺してやる。 …… でも、なら。スティは。]
[背反に 振り子は揺ら揺ら、] [殺意と、喪失感と。澱みだけが、残る。]
…… っはは、 死体愛好家でもないのに、 持って帰るわけ、ないでしょ。
このひともね、埋めてあげないとな。
(63) 2015/05/17(Sun) 19時頃
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[布を被せるまで、頭の回ることのない狗は。
思い出したかのように、 死体が持っていたらしい まあるくなった、銀を手に取る。
――― 回る 廻る、 呪われたような、銀の薔薇。
その形を 所在を、 何故『彼が』もっていたかを、知らないから。 拾いあげるだけ拾いあげ、不思議そうに見る。]
[ >>42赤毛の鴉の存在は、 未だ、狗も気付いていない。 気付く余裕も、ない。*]
(64) 2015/05/17(Sun) 19時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 19時頃
[少女の呼びかけに応じて教会の十字架に細工をする。
根元への傷は牙や爪を使わず道具を使用した。
彼女の仇討ちは、
彼女の強い思いを受けての協力。
メアリーの事を、ルパートの事を、
グレッグの事を思うなら、
もう少し彼女と相談したほうがよかったのかもしれない。
それでも、強き思いを抱えたままでは苦しいだろう。
思いを抑えることの苦しさは身にしみていて
“味方”として協力は惜しむことなく、共犯の咎を負う。*]
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[紅蓮が鎮まっても、 内に燻る憤怒の炎は、 ――― … 熱で死んでしまわないための、 逃避の氷に、閉じ込められ。]
[けれど、ちょっとした弾みで 零度の氷は灼熱に融けてしまうくらいに、 はたらく防衛機制のクッションは、柔い。]
[>>70淡々と語られる口に、 死体に‟慣れてしまっている”身からすれば それを疑わしいなんて、思うこともなく。
―― それも、仕方のないこと。 … そうとさえ、思う。 ]
[ 噫。 それでも。 …… 揺るがぬ姿に、 蒼氷の奥の焔は。 食いつきかねないほどに躍れど、 ‟今は”封じられていた。]
(81) 2015/05/17(Sun) 22時頃
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…… おっそろしいねえ、
戦場でもないのに、 …… こんな村で、 平和だった村で、 『慣れる』なんて。
[だから、それは。 人に対する嫌味であり、『状況』に対する嘲り。 嗤うよに、息を宙に吐き出す。 傍らの問い、>>70『別人のよう』と。 評された言の葉に、こころあたりはない。
『いつもの‟猫”だった。』
そう、書きられた記憶が、頭が痛みかけて。 逃げるよう、その疑問に、怪訝を灯した。]
(避けるはずの、墓場に、なんで付き従ったのか) (『記憶』はあっても、『理由』は思い出せない。) (自分自身の違和に、ぐるぐる、見ないフリ。)
(82) 2015/05/17(Sun) 22時頃
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… 昨日の、墓穴掘り、かい? ――― 別人って、何を言うんだよ。 ぼくは、いつも通りだったじゃあないか。
[自分をこれっぽっちも 疑うことのないように (疑いを閉じ込めて、) 狗は、さも不思議そうに、薄らと笑みを浮かべる。]
[が、 追い縋る縄が。 一条が、叩き折られれば、 濁った蒼は、 曇り硝子のように、
更に 更に、 深まり、影を差す。]
…… 、 …… 。
やだね。 いつもの仕返しかい? … スティも、 あんたも、
本当に趣味が悪いんだから、 … ――、
(83) 2015/05/17(Sun) 22時頃
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[三日月が力を失くすよう垂れさがり、
一文字に結ばれて 解れた糸を、直そうとする。
千切れた糸は。 決して、元には戻らないのに、
慌てて、繋ぎ直そうとした糸を、 振り払う、ナイフが、飛んできた。] [ 操り人形の糸は切れ、項垂れる。 ]
(84) 2015/05/17(Sun) 22時頃
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[ 護る氷を突き破り、 焦がれる漆黒の焔が 再び、蒼を覆った。
そのまま、すとん、と、
足から力が抜けて、座り込む。 ]
…… わかったよ。
…… 考えたくない。 全部、あんたに任せる。
[狗は、拗ねた子猫みたいに。 乱れた漆黒を、枝垂れさせてうつむく。
>>72投げっぱなしのようで、 どこか優しささえも感じる金色に。 浮かんで、すぐ消えるシャボンのよう、 そんなつぶやきは、届いたか 割れたか。]
(90) 2015/05/17(Sun) 22時半頃
|
|
[ ――― そうして、 黒犬連れる『弟』が、あの金が、戻るまで。 狗は、手元の銀を、その塊をみつめる。
同時に、懐の、柘榴石。 なんで、ぼくが、持っていたのか。 ]
[ 乖離しゆく感覚と、 歯抜けの記憶、
苦い顔をして、 …『独り』、取り遺された感覚に。 ああ。 意地悪なんて、しないから。 さっさと、戻ってきなよ。
(そう思うのは、誰に、対してだろう。)
自分でさえ、わからぬまま。 ]
(92) 2015/05/17(Sun) 22時半頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/17(Sun) 23時半頃
|
[>>93灰を掻き集めたよな、 ふたつの石が、細まる。
スティに感謝などとのたまう双眸を、 ぎゅう と力の入る めだまは、 いつのまにか睨めつけていて。]
… どこが、優しいっていうのさ?
[いつもと、形成逆転。 村の空気が変わってから、 移り変わる猫の気と、
ちょっかいを出される獲物が、 まるで 反転したかのような。]
(110) 2015/05/17(Sun) 23時半頃
|
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…へ、
逃げてばかりのアンタに。 ぼくが、
… アタシが、負けるはず、 あると思ってるのかい。
[静寂に轟々燃ゆる 犯人への憎悪の炎を燻らす傍ら、 いつも揶揄する存在の下にいるのが嫌で。
炯炯、狗は 精々の虚勢を張る。]
誰が、泣き喚いてやるか。 ……『ちょっと』、動揺しただけだよ
(111) 2015/05/17(Sun) 23時半頃
|
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[涙の筋をごしごし、外套で掻き消して。 自分のためか、弱みをにぎるためか。 それとも、 ……手駒に取るためか。
それ以外か。
目論見は知らず、 けれど 逃避して、地を焦がす程の 狂気に手離してもいいとおもった、 自我は、手元にようやく帰ってくる。]
[ちょっとだけ、感謝を覚えた。] [けれど、 焔は、
下火になれど消えることは、ない。]
(112) 2015/05/18(Mon) 00時頃
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…… っ、
[そうして。 呆けるように 銀をみつめた、あと。 >>94あたまに軽い衝撃が、奔る。
軽く、舌を噛みそうになった。]
[ ちょっと、むっとして、見あげる。]
…… 弱ってるってわかってるなら、 もうすこし、気を遣ってくれてもいいじゃあないか。
[頭がはたらかない、なあんて、 きっと猫には言われたくないようなことを 肩を竦めて、 ぶつくさ。
それでも、下を垂れていた頭をあげて。 緩慢に、 頷きはしないけれどたちあがる。 ]
(122) 2015/05/18(Mon) 00時頃
|
|
…… わかったよ。
――― やけ酒って言っても、
酒を飲む相手も、 ずいぶんいなくなったけどねえ、
[濡れ羽がすこし、暗がりのなかに寂寥を宿す。 今し方ジョーが持ってきた白布を、 そ と 掴んで。
ふわり、
別れを告げるよう、 光か 闇か 。 分からぬ道に、分岐点のまえに、 座り込んでしまった足を、動かし。 ]
[ 布を、掛けてやった。 ]
(125) 2015/05/18(Mon) 00時頃
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…… 終わったら。 … アンタが、付き合ってくれるかい?
[同時に、ぽっかり 空いた洞に、 蓋がされるような感覚。 胸に突き刺せられた『罪の証』を。 華奢な腕に似つかわしくない、 剛力で 布の下から引き抜いて ―――
(焼けていた分、木の中は空に軽く。。 だから、人の身でも事足りた。)
教会の床に
打ち捨てられた木は、軽い音を鳴らして その身を、崩す。 ]
[ それを見届け、振り返って、ひとつ、誘いを。]
(130) 2015/05/18(Mon) 00時半頃
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[ 鴉の気配がしたのは、 そんな折だっただろうか。>>68
――― 白布を被せ。 暫く、したところで。
皮肉る存在が、 またひとつ。 今日は普段遊べる相手の犬でさえ、 小憎たらしいのに 鴉まで。 ]
……は。 鴉は、アンタだろう。 ――― … 鳴いてなんかないよ。
[ 焦げた絨毯を踏み、やってくるすがた。 赤く擦れた涙筋を見ればバレバレの嘘をひとつ。
放り投げたところで掴んだままだった銀色>>69を、 目敏く見つける様は まさに鳥のよう、]
(136) 2015/05/18(Mon) 00時半頃
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…… これ? ――― これ、は、
[布の下。 『人』だった 形を遺すものの方を、ちらり。 くすんだ銀を握りながら そういえば。
鴉は、そういった工房に属している。と。 どこぞで 耳に挟んだことがあったよな。]
…… 死体が、
[ 名を告げかけて。 やっぱり、止まる。
けれど、 ちらり、金色に逸れた目。 優しく、『教えられる』のは、勘弁だもの]
(138) 2015/05/18(Mon) 00時半頃
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─宿屋─
[泣きながら。
偽りの悲しみに泣きじゃくりながら。
私の裡側はただ、嗤っていました。
幼馴染みを目にしても、それは変わることなどありません。]
悲劇のヒロインぶるのも、板についてきたかしら。
[くすくす、くすくすと鈴は鳴ります。
そう、昨日の教会でも。]
|
[…… ――― ためらう薄唇が、 振り払う強い意志をもって、動く。]
そーだよ。
… スティが、持ってたんだ。
そういえば、銀のところっていえば、 アンタのところ、だろう? なんか、心当たりでもある?
[丸みを帯びて、原型の無い『薔薇だったもの』。
その正体を、狗は、知らない。 渡鴉が望めば、それを、ひょいと渡す。
『見終わったら返しなよ』 なあんて、 ちゃっかり、所有主を気取りながら。]
(141) 2015/05/18(Mon) 00時半頃
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[教会へほどこす仕掛け。
優しくしてくれたお医者さんを見殺しにする、咎。
共犯を担い、重い命の星ひとつ背負いましょう。
細工は、ベネットさんと同じく人の道具を使いました。
それは私が『ひと』であるという主張。]
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[>>119噴き出されば、ぱちり。 すこうし、小憎たらしく思えてたから。 否定しようとして、
――― >>144むっとした様子を、 その声を捉えれば。
今し方、したことと その相反が、おかしくって。
( 感触ののこる、髪に、 そ と 、 手が触れた。 )
…… ふふっ、…
[…… 自然に、息零れるよう、 いつものように、‟笑えた”ものだから。]
(147) 2015/05/18(Mon) 01時頃
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あれえ、否定することでも、 恥ずかしがることないじゃあない? ねえ、ジョー。
いまさっき、何したっけえ?
[ それをいいことに。 これみよがしに、茶化してやった。]
[形成逆転を、ひっくりかえそうって、 そんな魂胆の、 『仕返し』。 ]
[ ――― 一抹。
そんなやりとりの中に、 一昨日のよな 嫌味めいたスティの声が 響くことがないのが、やっぱり、 どこか 寂しいけれど。 ]
(150) 2015/05/18(Mon) 01時頃
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[ >>119共闘 と、 音を聞けば、
艶を消した漆黒が、 斜めに、揃う。 ]
…… 共闘 ?
――― おもしろそうな、お誘いだけどねえ、
[>>144耳に挟む。
ちょっと、わるい顔の仮面をつくって。 有無を言わさぬように、ひとみを覗く。]
そーだなあ、 埋葬が終わってからなら、聞くよ。 鴉のも、ここに来たんだから。
…… 無論、手伝う、だろう?
(152) 2015/05/18(Mon) 01時頃
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[墓は、苦手だ。 鴉を厭う理由のように、感情の吹き溜まりだから。 なにもなくても、不安定に、揺らされる。
… けれど、今日は、 今ばかりは そんなことを、 言う気にもならなかった。
恩人を。 飼い主を。 … 時に、生かされたことに、 怨みを抱いたときも、あったけれど。
――― 見送りたかった、から。]
(153) 2015/05/18(Mon) 01時頃
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[ 曇りまなこに、 哀を湛えかけたところで、 >>145『手放してもいいかもしれない』と。 どこぞ 意地悪でもなさそうな、 めずらしい忠言にも似た響きに、 (今日は、 そう、珍しいことばかり。) 鴉の隻眼から、灰に 一点、注が集まる。]
…… 『アレ』? なあに、曰くでもあるっていうの、
[そこまで言い掛けて。 スティ、マーゴ、レリア。 渡鴉以外、出てきた名が亡くなっていることに。 (しかも、 ―― 襲われていることに、)
まさか。 と、一拍遅れて気付いたけれど、 ふるり。 可能性を消すよに、首を振るった。]
(156) 2015/05/18(Mon) 01時頃
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[最初、ひん曲がりそうな。 いやな、肉が 髪が、 ひとが、 ものが ――― 、 焦げた匂いも、暫くいれば慣れさえする。]
[猫が落ち着きを取り戻したころ、 >>151ひとつの姿が見えれば、 ]
…… ―― サイ、
[どこか、申し訳なさそうな様子に、 ふるり 首を振う。
あっさり、骸を見せる気概も、 何とか気を浮上させたとて、そんな気分にも。 やっぱり なれやしなかったけれど。
その事実を認めるように、蒼は、 ――― 被せられた、白布の方に落ちただろう。*]
(163) 2015/05/18(Mon) 01時半頃
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悲劇のヒロイン……。
みんな誰もが自分の世界ではヒロインだよ。
マーゴもヒロインだったし、ラディスお姉ちゃんもヒロインだよ。
[と、何となく呟く。
わたしがヒロインの話はどんなだろう。
嘘と疑いと甘えで固められたお花の砂糖漬けを
摘まむような。
そんなお話なのかな。]
[狩り以外には己の爪も牙も使わない。
道具を使うはベネットにとってはそれだけの理由。]
[ラディスラヴァの声に反応するように
メアリーの言葉が聞こえる。]
――…ならキミもヒロインだね。
ヒーローはグレッグかな。
……とても大事に思われてる。
[グレッグの言葉を思いながら、ぽつ、と紡ぎ。]
ふふ、私がヒロイン?
やめて、ガラじゃないわ。
[幼い声が綴る声に、私は目を細めます。
私はただの『ヒロインかぶれ』。
やがてまたこたえるように声が聞こえたなら]
そう。
あなたみたいな可愛い娘が、ヒロインっていうのよ。
素敵なヒーローもいるじゃない、羨ましい。
[側にいてやってくれと謂われたのだったでしょうか。
そうして、想われていることは。
とても羨ましいことでした。]
[誇り高い獣の彼も。
想う人が居るのでしょう。
手にかけたマーゴさんにも。
十字背負ったスティーブン先生にも。
みんな、私にはないものを、持っているから。]
キミもヒロインだろう。
幼馴染たちはヒーロー候補にならないのかい?
[ガラじゃないという彼女に意識を向ける。]
謂ったでしょ、ガラじゃないって。
[グレッグくんには、メアリーさんが。
ドナルドくんには、きっとクラリッサさんが。
私なんかよりも大事な人が。
私なんかよりも似合う『人』が。
きっといるでしょうから。]
いいのよ、私は。
主人公になんてなれないから。
[その声はどこか、ぽかりと心を空洞にさせたような音で響くでしょう。]
そうやって諦めてしまうのかい?
[主人公になんてなれないという彼女の声に
ゆるやかな声を向ける。**]
諦める?
[ええ。]
いいえ。
元から望んでいないのだもの。
[緩やかな声に、私は。
ポツリと、落としていました*]
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― 少し前 ―
[>>126焼失の鎮けさに似つかわしくない、 仄やかに、浮かびあがる喜色。 それにまた、 なにが可笑しいんだって。 なんでそんな色を浮かべられるんだって。]
[ 憎たらしさ、 妬み、 怒り、 そんなのがごちゃまぜになって。 ]
[ ひとつ塊になれば、
―― … こんがらがった、 綺麗じゃあないいろの、色水しか残らない。
そんな感情も ひとつ ひとつ、 打ち消し合って、段々と無色に戻って。 …… 何度も何度も、繰り返す。]
(191) 2015/05/18(Mon) 07時頃
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……へん。 そりゃあ、随分狡いこって。
[>>127それは、また。 鼻を鳴らしあげて、 非難するでも 抗議するでもなく、
窮鼠に噛まれた猫のよな、 おとなしさを孕むよで ちょっとずつ。 『いつも』を、積み重ねるよう取り戻してゆく。]
――― 負けそうな喧嘩も、 案外戦ってみれば、 おもしろいもんだけど、ねえ。
[そのなか 猫らしく、 本音のなかに、ちょっぴりの反抗を織り交ぜて。]
(192) 2015/05/18(Mon) 07時頃
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[普段、敏感な獣の嗅覚も、仄暗さに鈍る。 だから、『犬の飼い主』がなにを考えてるか。 そんなことは、わからないから、
……飼い主を失くした 迷い猫のような、黒い一匹は。 犬のように尻尾も振らず、 飼い主の代わりを求めることも出来ずに、 ひとりのせかいで、
『軽さ』を取り戻しながらも、表側。 … 誰かに懐くことは、諦めかけていた。
(だって。懐いても、 …… 呆気なく、居なくなるだろう。)]
[ それでも、普段らしくない、 迷い猫に構うよな姿は、 どこか あたたかくは、みえたなあ。 ]
(193) 2015/05/18(Mon) 07時頃
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[ 宿の主人、 飼い主の医師。
――― 順に思い浮かべて、
風吹くように現れては あそんでもらっていた、学者さえ。 居なくなったことは、まだ知らない。 ]
(194) 2015/05/18(Mon) 07時頃
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…… 酷いねえ、。
… もしかしたら、申し訳なさそうに 謙虚にしてるかもしれないじゃないか?
[ にぃ、とわらう顔を、蒼に収めて。 逆にアンタが弱味に増長してるじゃんか。
はん、っと、嘲れば。 そう言って、 引っ掻いてやろうかと思った、けど、 無駄に気を組むような、
そんな様に、 勘弁してさしあげよーか。]
――― … それに、一生なんてさあ、 そんなに面倒みてくれるつもりなのかい?
(195) 2015/05/18(Mon) 08時頃
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[代わりに、まるっきりの冗談を添えて、
いつもの、毒たっぷりな 有害でしかない笑みとは裏腹に。
浮かべるつもりもなかった、 ( …… 狗自身気付くことない。 )
閑かな、 そう、静かな。 そんな寂寥を。 ゆるうり、無理にあげた口に、浮かべた。 ]
[『働かなければこのまま』、とどやされりゃあ。]
…… 。 はいはい、
[すこうし 黙ったあと。 まだちょっぴり、うまく力の入らない足を 無理矢理 緩慢に、『よ』、とたたせ。]
(196) 2015/05/18(Mon) 08時頃
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[ふたつ、返事をしながらも。 白布を取る、その手前。 ―― 『 …… そりゃあ、ね、』
苦みを帯びた笑み混じりに、 一年前のいまごろを思い出して、
とおく とおくを、みる。 ]
無理矢理助けられたとは言え、 命の恩人の、飼い主だもの。
[ そこは、まあ、お気遣いに乗らせてもらうよ。 …… ――― ありがたく、さ。 ]
(197) 2015/05/18(Mon) 08時半頃
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……ふ。
[ やさしいようで、儚い笑みのいろが。 昏い 天の蒼を、しとり、と、染める。 随分とまあ、突き放されるのを覚悟で。 言ったもんだから、おおきな目を開いたけれど。]
…… やっぱり、意地悪なんだか、 やさしいんだか。
わっかんないなあ、 アンタ『も』さあ。 ( …… スティみたいに。 )
[ ‟意地の悪い”ということばを、 そのまま訂正するのは癪だから。
スティにしてたように、 皮肉を 嫌味を 織り交ぜ、 黒い柱の合間から 天を仰いで、 ―― 星のない蒼空を、 みた。]
(198) 2015/05/18(Mon) 08時半頃
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なら 『どうしても』 ――― 、 って、アタシの我儘に付き合えよ。
いい酒を飲むためならねえ、 案外、気前はいいんだ。
…… 酒くらい、奢るさあ。
[そんなことを、言って。
死者を偲ぶ酒を、 まだ 『全てが終わっていない』としても。
…… 生きてるうちに、 盃をあわせようと思うなら、 きっと おそらく、 それは許されるだろう。
… ま、怒られても、気にしないんだけどな。 *]
(199) 2015/05/18(Mon) 08時半頃
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[ 憎たらしいほどに、清々しい陽を浴びて。 かるく、 かるく。
…… 浮かび上がれた『借り』は、 酒の分ででも、チャラにさせてもらおう。]
[ こうして、『記憶を書き換えないでも』 まだ嘲ることのできる自分に。自分自身に。
どこか、安心できている、狗がいた。]
[>>155自重したよに、 留まる手には それをいいことに。
に。
『いつも通り』 ほくそ笑んでやる。]
(200) 2015/05/18(Mon) 08時半頃
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やだ。 アタシゃ、痛いのが趣味だとか そーいう嗜好は生憎持ち合わせてないからねえ、
… … それ以外もあった気がするけどなあ〜?
[ にやにや、 上っ面を、持ち上げて。 おっと 殴られてしまうまえに、]
… なあーんて、 『なかったこと』にしてやるよ。
[ ひらり、 ひらひら、 お手をあげて、痛いのは、勘弁と。 ひとみを、閉じる。
>>187気の利かない鴉に、 『まあ、気のせいってことでさあ』と、 ひとつ、適当なことばの球を放り投げた。]
(201) 2015/05/18(Mon) 08時半頃
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[合間。 渡した銀に、惜しむよう目を凝らせど。
>>166見下ろす灰色が あんまり真剣だったもんだから、 面食らっちまって。 少し悩んだ、けれど。
──はふり、息を吐く。 ]
……そこまでアンタらが言うなら、わかったよ。
[ただしな。>>187鴉の人のわるい、 相変わらずの笑みには、報復を忘れない。
目を細め、軽さと同時に 戻ってきた悪戯心に、早速 口元をへの字の『逆』に歪めてやった。]
(202) 2015/05/18(Mon) 09時頃
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……生憎、忠犬は忠犬でもさあ、 主の「仇を取る」役目を果たさない限り 死んでも死に切れないからねえ。
[ ゆらり、
ふらり、風のような戯言には 似つかわしくない、
熱するようで底冷えを誘う 本気のほのおが、蒼に過り、 ── すぐに、通り抜けた。 ]
それに、化けて仇を取る前に。
顔がわからないと 逆恨みで鴉の魂でも引っ張りそーだから、 ……大人しく、引くよ。
(203) 2015/05/18(Mon) 09時頃
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[犯人が、わからない以上。 星陣は、鴉を向き続けたまま。
軽やかな音に紛れてはいるが、 これも実のところ、冗談ではなくって。
それに、『脅した』鴉は気づいてても 可笑しくない気はするけれど、 さあて 狗は気に留めもしない。]
[>>188掻い摘んで話される中。 メアの名を聞けば、
…… 蒼は、苦渋を宿しながら、 ふうん と、通り抜ける音に ひとつひとつ 咀嚼してゆく。]
(204) 2015/05/18(Mon) 09時頃
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うん、わたしのお兄ちゃん、とっても優しい。
わたしのこと、「大丈夫」って励ましてくれる。
[ベネットの言葉に
嬉しさがこみ上げる。
が、続くラディスラヴァの言葉に
気まずそうに続ける。]
ふたりは、どこが『終わり』なの?
[あと何人殺したら終わるのだろう。
グレッグお兄ちゃんは大事。
何ものにも替えがたい
わたしの大事な家族。
きっとベネットにも同じように思う誰かが
他にいる。]
[じゃあラディスラヴァは?]
ラディスお姉ちゃんは守りたい人、いないの?
|
……そういや、あの子さあ。
ルーおじさんが…、処刑された日に。 スティを、悪魔呼ばわりしてたっけ。
[『死神』じゃあなく、『悪魔』。
やけに耳に残る悲痛が、 逆に、炎に焚き木をくべるように、 今となっては不快が増長されて止まない]
……そんなことを言う子こそが、 悪魔なんじゃあ、って思ったけど、
── アタシはな、 …少なくとも、スティを、…こんなっ…、 火刑にかけるような。
まるで、罪深い存在みたいな殺し方をするのは、 ……あの子以外に居ないと思ってるよ。
(207) 2015/05/18(Mon) 09時半頃
|
|
[他にも恨みを買ってたのかもしれない。 でも。確かな耳で聞いたこと以上に、 疑わしきが固まることは、ない。]
[噫、
あの、炎の柱を、 思い出す程に、 暗がりが喚ぶ幻聴。
それに抗う気もなく、 風に黒い澱みを載せたままに 軽さに反した重く、黒い感情を
ただ ただ、並び立てる。] 今日、投票があるなら、 少なくともあの子の名前以外には 書くつもりは、ないね。
(208) 2015/05/18(Mon) 09時半頃
|
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/18(Mon) 09時半頃
[問う声はどこか気まずそうに響きました。
いつ、終わるのかと。
これ以上殺すのか、と。
そんな風に問われてさえいるようで。
どこが『終わり』なのか。
きっと始まってしまった時からもう既に『終わって』いて。
だから全てが消えて、私が何もかも喪うことが
私の『終わり』。
或いは……]
守りたいものなんて、私にはないわね。
[その言葉には、あなたたちも含まれていると理解したなら
あなたたちのペン先が綴る名前は、変わってしまうのかしら。]
……、そう。
なんだか、悲しいね。
[それだけ口にして]
ありがとう…。昨日は助かった。
わたし一人じゃ仇討てなかったから…。
ふたりは…わたしがいなくなっても
元気でいてね。
[気まずい話題を変えようと。]
なくすものがないのは、楽よ?
[悲しいといわれたなら、そうねと肯定を返して。
それから続くのは、「わたしがいなくなっても」
なんて言葉だったでしょうか。]
……謂われなくても。
[鈴はころころと響きます。
模造品が立てる音は、高く澄んだ音でした。]
[失われたはずの女の声に
少しだけ困ったような笑みが吐息として漏れる。]
望まぬ者など本当に居るのだろうか。
[俄かに信じがたい旨が言葉となる。
彼女の言葉から推察出来る事はあれど
それを言葉とするは躊躇われ、飲み込む。]
[少女の声は嬉しそうに聞こえ
グレッグを慕っているだろうことが伝わる。]
いいお兄さんだね。
[相談しにきたグレッグがベネットに向けた言葉と
同じ意味の言葉を和む声で少女に返す。]
[守りたいものはないという彼女に声は向けず。
感謝と別れを思わせる言葉を紡ぐ少女にも、
その時は、聞いている旨だけ示すような一音を漏らすのみ。]
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/18(Mon) 17時半頃
|
あいにく、アタシは荒くれ者だからね。 …… まあ、でも。
[濡れ羽色へ手を沈め、 引っ掛かる、ぼさぼさの髪を思い出したように。 数日前、言われた身形の指摘がふっと浮かぶ。
他はどうしようも無いけれど。 髪くらいは、 と、手でがし、と梳きながら。]
どんなのでも売られた喧嘩は買うけどな、 売られなきゃ吹っかけはしないさあ。
…べっつに、やりあいたい訳じゃあないよ。 ただ、負かした面を見てやりたいって、 そう思っただけさあ。
( そういえば、)
(253) 2015/05/18(Mon) 19時頃
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[普段は野良猫だとか。
呼ばれた名を、呼ばれた気がするけれど。 …… やっぱり、気紛れかねえ。
澄んだ青空には、濁った雲はひとつもない。 こーんな。晴れ晴れした天気でも、
心を変えて、雨でも降らないだろうな。]
(254) 2015/05/18(Mon) 19時頃
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おっかしいなあ、 こないだ ぶあっつい辞書で 引いたばっかりだったんだけどねえ、
間違ってたのかねえ、アレ。
[>>228調べてみろ、なんてのたまわれれば。 唇に人差し指を ちょん、っと当てて。
わざとらしく、都合のいいことばかり書かれた あたまのなかの辞書を、開いてみせるポーズ。]
…… それは残念。 ―― 心はいつだって、少年なんだけどなあ
[きっぱり断れれば、ああ 残念。 大仰に肩を竦めて、軽口をひとつ。 止まった時計の盤は、強ち間違っても居ないけど。]
(255) 2015/05/18(Mon) 19時頃
|
|
…… じゃあ、 そういう事に『しといて』やるよ。
もの覚えは、おもしろくないことには。 そんなに、宜しくないからねえ、
[きっと、こんな絵画があるならば。
不吉と、不幸を集めたような、 黒絵具で塗り固めた、一面の漆黒か。 はたまた タロットの13番目か。] …… スティにも、 ボケてるって言われたくらいには。お墨付きだよ。
[呵、 普段 意地悪してる分、弱いときくらい、 ( 下に敷かれれば、手を噛むが ) 彼の言い分に付き合ってあげても悪くない。]
(256) 2015/05/18(Mon) 19時半頃
|
|
…… そう、『仕方なく』ね。
[柔らかな。
―― 青白磁の染め色が、 繰り返しを ふんわり、包んで。 まぶたの奥に、それを持ち帰る。]
…… っくく、
そりゃあそうだよ。
アンタ『たち』よりも ずぅーっと アタシはこころやさしいからなあ!
[へん、と 煽り文句は、その辺りで自嘲を施して。 ついでに鴉も一緒くたに貶してやった。]
(257) 2015/05/18(Mon) 19時半頃
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[>>232遺品でもなんでもない。と。 言われれば、そう。と。
… なあんとなく、ふたりの口振りから そんな気はしたけれど、 ……。
顔を、伏せる。 ]
―― ま、 ね。
[外套の上から、『お守り』を、握る。 傭兵仲間から、聞いたことがある。 赤い 赤い 柘榴石は、兵士たちのおまもり。
…… 話半分で、そん時ゃ聞いていたけどな。 手元にある そんな石は。
どんな想いで どんな経緯で、 アタシがもっていたのか、空虚のまま。]
(258) 2015/05/18(Mon) 19時半頃
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[見るのが、辛かった。
億が一にも、そんなことはない。 ないと、思うけれど。
―― …… 犯人を許すまいと意気込む奥で。 微粒子の可能性が、 疑念が。
渦巻く泥沼に 自らの炎に。 紅蓮の石に揺蕩う赤炎に足を掴まれそうで。]
[そうして。 別のものに頼ろうしたけれど、 …… 分かってたはなしに、銀に、手を引く。
儚いひとひら、
散りかけた青い花弁は、 >>205聞き捨てならないことばに ぴたり。 落ちることを、踏みとどまった。]
(259) 2015/05/18(Mon) 20時頃
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…… あん? 誰が、仔犬だって。 その眼帯の掛かってない目も 節穴なのかい、鴉はよ。
[ じろり。 ]
[犬歯をちらつかせるように、 ジョーに向けていたむくれとはまた違う。
天敵に対するよに。 薄らわらいに紛れさせながらも 鋭利を向けることを、忘れない。]
――― … 懐く、なんてさあ、
[ ちいさく漏れた、その先は。 赤毛の鴉にだけ聞こえるような、
…… 水のさざめき。]
(260) 2015/05/18(Mon) 20時頃
|
|
…… さあってねえ、
すくなくても、喜び勇んで。 突きつけられた牙に飛び交うような。
自殺志願の馬鹿を、 あんまり犯人には思えないだけだ。
[ 罪悪なく、投票はしてやったけど。 ] [ そこは、ちょっと、お口チャック。 ]
[ >>206破顔して、伸ばそうとする手には … まあ、拒みはしないけど、 ( 撫でられるのは、嫌いじゃない )
…… よく撫でられる日だなあ。 ]
(263) 2015/05/18(Mon) 20時半頃
|
|
素直じゃあなくって、わるいねえ。 あいにく、可愛らし気もないのが性分だ。
… 男がかわいらしくたって、 どうしようもないし、別にいいだろ?
[ 傭兵によくいる、 男色の気の類のやつじゃあないんだから。 ちょっと、話だけ思い出して寒気がした。
[ 隻眼を見上げながら、
でも ちゃあんと 釘はさしてやる。]
… でもねえ、完全には信用してないよ。
(264) 2015/05/18(Mon) 20時半頃
|
|
なんで、鴉の手から渡った銀の持ち主が、 みーいんな死んでいるのか。
[ そして、贈り主の鴉は。 なんで、死んじゃあいないのか。 ] [ 話のピースと、登場人物を 組み合わせてゆけば、そうなる。]
… 本当に、『目印』だとしたら、 それは。 …… 、 一番、仕込めるのは、アンタ。だろう?
……ま。 もうひとり、銀を手に取って死んでない メアが仕掛け人の可能性も、あるけど。 …… アタシもな、一人じゃあないってのは、 ジョーと同じ考えだよ。
[ 理由よりも、物理的に曲がりなりにも族長を。 ――― あの少女が殺せるとは、思わない。 ]
(269) 2015/05/18(Mon) 20時半頃
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|
[こんな風に、一点。 罪を、少女だと謳う。 それが おなじ方向であっても。
『共犯者が、仲間を売らない』とも思わない。 そもそも うまく手を繋いでるのかも、 見えはしないから 『疑う』。 ]
[ 仲間を信じたい。
だから、それと同じように 仲間を売る狼は、いないだろう。
――― そんな甘い考えは、炎に『消えた』。]
(271) 2015/05/18(Mon) 21時頃
|
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[>>209追憶に 誰かを重ねるよに 細まる瞳を 狗は知らない。
ただただ、 いつものように、じゃれるようで。 猫目は 一々を、観ている。 ――― 見つめている。 ] [ >>210曇る顔に、
何故、雲がかかったのか分からなくって。 乱雑に梳いたばかりの髪が、揺れる。 ]
…… 、
[ 一拍。 ]
[爛々、意志の籠る闇は、耀る。]
(272) 2015/05/18(Mon) 21時頃
|
|
――― あってるけど、違うな。
[ まっすぐ、鴉の目を見る目は歪まない。 ]
…… 憎い。 憎いよ。 絶対に、犯人を殺してやるって『決めた』。 そこは、私情しかないけど、さあ。
[ どうせ、崩れた均衡は。 …… つり合いが無くなった秤は。 どちらが沈むまで、続く。 ]
[ そう。認めたくない。 認めたくなかったけど。 もう、 … 逃げられなくなった。 ]
…アタシは、『思い出した』だけだよ。
――― 『ルール』を破るやつは、 掟の元に、殺されなきゃなんない…ってな。
(276) 2015/05/18(Mon) 21時頃
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私情以上に、そうでもしなきゃあ。 仮初の『平和』でも、取り戻すことは出来ない。
…… アンタが言ったみたいに。 平和ボケしちまってたけど、 アタシはな、戦場でようく、知ってたんだ。
[淡々と、語るひとみは、死天使の貌をして。
>>211わらう顔と同じように。 ほほえんでいて、『わらっていない』。]
っははは…。
甘くないかい、 ドナルド。
[ 初めて、名を呼ぶ。 ]
私怨を混じえなくっても。 …… 『こんなことになった以上』。
(277) 2015/05/18(Mon) 21時半頃
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終わるまで、続くのはおなじだろう? アタシの私怨は、『殺したやつ』に向いてる。
[ さも、なにがおかしい。と。 無実を罪に塗るんじゃあない。
殺したから、居もしない神の代わりに 『罰』を与える。 それだけ。
元々、こんなことを しでかしたやつらが悪いんだ。 そんな、大っ嫌いな免罪符を盾に。 ]
[大義があるだけで、変わらないのかもしれない。] [けれど。結局は、それ以外に道なんて。
――― 狗は、見つけられなかった。]
(278) 2015/05/18(Mon) 21時半頃
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私怨で、今回に関わらない無実を、 なにも殺そうとは思ってないよ。
アンタこそ、そんな綺麗事を言ってさあ。 こうやって、いたちごっこを続けて ―― 最後に残るのが、自分ひとりだったとき。
…… どうするつもり?
[ 純粋な 無垢な、 こどもの 赤子のよな、 そんな目をして。
戦の血で手を染めた狗は、 素直な面とも ひねくれた面ともちがう、
――― 不安定な『根底』の前に巣食う 狂いの燭台に、
漆黒の炎を ぼうぼう 燃やす。 ]
(281) 2015/05/18(Mon) 21時半頃
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――― アタシは、覚悟出来てるよ。
…… もし、 もし、 その上で。 自分自身も 『殺さなきゃいけないなら』。
( 乖離した 抜け落ちたピースが、 『罪』を背負っているなら。 ) ( ああ、とっくに穢れた存在だけれど ) ( それよりも、深い深い、罪を。 )
…… 自分だって、 殺せるくらいに、ね。
[懺悔はしない。後悔もしない。 神は居ない、祈りもしない。
自分さえ信じられない、 こんな世界で貫けるのは、
――― ただ、 強い 『意志』だけ。]
(282) 2015/05/18(Mon) 21時半頃
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[ ―― 映りこむ、
永久の虚無も。 孤独の、夜天も。 ――― …… 取り戻して、
『蘇ってしまって』 いた。 ]
[ 『ねえさんは、もういない』 ]
[ そして、 飼い主もいなくなったまま。
どうあがいたって、 … 次の飼い主を乞うようで 求めようとしない 狗は。
ひとりっきりで、何れ弾けて消えるだけ。 ]
[ その星の爆発に、道連れを伴にするかは。 … 猫のような、きまぐれと星陣の向き次第。]
(294) 2015/05/18(Mon) 21時半頃
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[ そうして、 サイラスが入って来たとき。
>>170確認するよな その言葉に、 黒狗は、すこしばかり。 寂しそうな目をして、うなずいていた。]
[ >>175祈りに落ちることばに対し。
狗を 燃ゆり 、 燻る炎は 、
――― 鎮やかで。 ]
[ またころころ 変わる顔で、 サイの見解を、 耳に過ぎさせてゆく。 去り際、>>250『花』ということばに。
そういえば、と 、 ひとつ 供えたい花を、頭に浮かべた。 *]
(306) 2015/05/18(Mon) 22時頃
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― 墓場 ―
[ 昨日掘った墓穴から、
更に 足を伸ばすように、 傍の土くれを掘る。
重ねて。 埋めて。 重ねて、 … ]
[ "カイド・バナト・アル・ナアシュ" ] [ ( 大きい棺台の娘達の長) ]
[こんなことばかりしていたら、 本当に破軍星の名に、近付きそうだ。
――― 死神には、なってやっても。 …… 葬儀屋になるつもりはないんだけれど。]
(309) 2015/05/18(Mon) 22時半頃
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…… え?
ほんとだ、 ひとつ…、 ――― … いつの間に?
昨日、処刑はなかった、よねえ。
[>>235灰の瞳を、追いかけるように
猫はぐるうり、 一番 新しいふくらみに、瞳を向けて。 …… 感覚が麻痺しかけながらも、 スティのときよりはちいさくも。
されど、 ざわつくこころは。 誰かわからない、墓標に、視線が落ちる。]
(322) 2015/05/18(Mon) 22時半頃
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[ 不意に、 視線を彷徨わせるなか 一番ちいさなふくらみに >>161赤い花が、添えられてるのが過る。
――― 花のなまえは、 詳しいわけじゃあ、ないから、 何の花かは、しらない。
( 狗が知っているのは、
ほんの数種類だけ。 )
ただ その赤く可憐な花に、 なんとなく吸い寄せられるように。
――― じ。と 見。 ]
(323) 2015/05/18(Mon) 22時半頃
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[ 赤い花をみつめながら、
>>327処刑はない、と。 記憶通りの出来事に、 ほ、 と。
――― 不謹慎な、安堵を一度。 その提案に、こくり。頷く。]
そうだなあ。 本当に、このひとも『犠牲者』なら。 犯人が複数っていう裏付けにはなりそうだもの。 …… 何人いるか、までは。
『終わらない』限り、 分かりようも、ないだろうけれどね。
[終わったとして、 それが仮初かどうかも。わからない。 霧の中を、進んでいくような、もの。]
(330) 2015/05/18(Mon) 23時頃
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[けれど。 火事騒ぎのなかで、立て続けにふたり。 なあんて。見つかりに行ってるような、もの。
殺す順番が逆であれ。 同一犯だとしたら、不自然さはぬぐえない。 足りぬ頭で、ぐるぐる、考える。
―― 現実はそれよりも『酷い』と知らぬまま。]
[>>235茶化す響きに、 ようやく 赤い花から、視線をはずす。]
…… デートのお誘い、ねえ。 くくっ、野郎三人でデートなんて。 華が無いったら、ありゃあしないけれど。
… ひとり増えたくらい、 場所を貸してくれるんならいいよ。
(331) 2015/05/18(Mon) 23時頃
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…… いっつもなら、
鴉の家なんざ行けるかと、思うがね。 …… いまは、
[ 診療所には、
ひとり 閑な あのはずれには。]
[ 時間の問題だと言っても。
『戻りたくない』。
――― … そこまで言い切ることは出来ず、 ことばを、切ったけれど。
言わんと、伏せたことばを その色と 脈から察するのは難しくないだろう。]
(332) 2015/05/18(Mon) 23時頃
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はあ、全く呑気な腹の虫だねえ。
[>>327まあったく、と嗤いはするが。
それを、咎めも。反対もせずに。 埋め終わった、一番真新しい墓標の 土くれの天辺に そ と。
――― 手を触れる。
添えるものは、いまは、まだない。 ]
……ね。
誘いにゃあ断らないけれど、 アタシは行きたい場所があるからさ、
――― 先、 行っといてくれないかね。
(336) 2015/05/18(Mon) 23時頃
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[サイが、 『ついでに先生に供えるのも買ってくるよ。』と。 言ったことは、覚えているのだけれど。
…… 『世話になった礼』と。 いま、捧げられるようなものは、ないから。
―― …… すこし、
宛を、見繕ってこようと。 おもった。 *]
(337) 2015/05/18(Mon) 23時頃
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逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/18(Mon) 23時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/18(Mon) 23時頃
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2015/05/19(Tue) 00時頃
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― → 宿 ―
[ 先に向かうよう、二人に告げると 足取りは、皮肉にも羽根のように軽く、 それでいて どこか、
空に紛れて、消えそうな。 昨日が海の泡のようなら、
今日は、吹き抜ける風のよう。 ]
[ 足取りは、すこし悩み。
――― 花屋に向かおうとして、 ひとつのはなし>>351が、風に聞こえてくる。]
『宿の方で、獣のような唸り声が…』 『やあねえ。火事といい、またなにか…』
(381) 2015/05/19(Tue) 02時頃
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…… ? ――― …… まさか、ねえ こんな、昼間から なあんて。
[家畜の、喚き立てるおと。 ――― それから、女性の悲鳴。
波紋のように広がるはなしから 耳に入ったパーツに、 宿、というひとつの収束点。 さっき教会で話していた、一人の少女が浮かぶ。]
…… 、
[野次馬精神とも、事実確認とも。 どっちでもあるけれど、後者を盾に。 足取りを、 宿の方へ向ける。
さっき放り投げられたひとつの形を、 外套の上から、指でなぞった。 ]
(385) 2015/05/19(Tue) 02時半頃
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