171 獣[せんせい]と少女
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そんなことを言われたら、…… 君とお別れしたくなくなってしまう。
[君だって理解しているはずだ。 獣と少女の行く末を。
おねえさん、鶏の世話、本の知識、 せんせいとの会話、少女らとの語らいから、きっと。
君は確かにわるいこだ。 子どもみたいな我儘>>279で、 傍にいたいと口にする癖に、]
………、君は優しい《イジワルだ》な。
[結局、さいごはひとりにしてしまうんだろう。]
(387) 2015/10/12(Mon) 21時頃
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[忘れようたって忘れられなかった。 だから幸福だと何度も言い聞かせていたのだ。 ひとりで生きるのがどれ程孤独なことか分かっている。
途方もなく生き延びることを自分は耐えられなかったから、記憶に縋り、記憶と繋げ、記憶とする。
繰り返しの出来事。 そうやって少女らと関わっていたのに。]
(388) 2015/10/12(Mon) 21時頃
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俺は、イジワルだから優しくなんかしてやれない。
[本質を表すように能力だって、 空を飛んだり怪我を癒したり、何かを生み出したりすることは出来ない。
手に入れたってきっと、大した力ではない。]
瞬間移動も出来ないし、絵本も大して読んでやれないし。 …空の散歩も、絵を描くことも。 気の利いたことも言えない。 そんな俺でもいいのなら。
[区切る。 体を起こしてその時は相手と向かい合う。]
(389) 2015/10/12(Mon) 21時頃
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みんなのせんせいをやめて、 ミツボシ、君だけのものに。
[いつかの別れ。 何枚もあるフィルムのように光景が脳裏を過っては心臓を苦しめるのだけど。
目の前にいる少女を見据えて、選ぶ。]
………星を探しに行こう。**
(390) 2015/10/12(Mon) 21時頃
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旧知の友よ、同胞よ。
我が主が、旅の幸せを願って守りを編んだ。
暇あらば発つ前に、手渡すことはできるだろうか。
喚ばれれば、何処へでも鷲が飛ぼう。
そうでなければ、まなびやの出口で待っている。
貴殿達と、唯一の主へ
私達も此処に居た思い出を贈らせて欲しい。
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[まだまだないしょにしていることはある。 垣間見せた一面以外も、自分の能力のことも。
おそろい>>417は柔らかな響きだけど、また自分の中のないしょのはなしが彼女の目尻を涙で濡らしてしまうこともやっぱり、何処か頭の片隅で描いてしまったのだけど。
それでもいいといいとその唇が紡ぐ。 自分にとっては流れ星のように瞬く間に過ぎる数年が。 彼女にとってはかけがえのない一生を。]
………君は、
[一体何者なんだ。 問いかけることは出来ずただ、小さく笑った。]
(451) 2015/10/12(Mon) 23時半頃
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[伸びきった前髪さえも見透かすような瞳>>421は少しだけどきりとさせるものだったけれど、]
………困ったな。あんまり目は良くないのに。 君のお願い事ならば叶えてやるしかなさそうた。
[唇は欠けた月のように弧を描いている。 彼女が望むのは三つ並ぶからすきの星>>1:27だろうか。…それとも。
まだ真意はわからないのだけど。 いつかのこと>>1:95を思い出した。]
まだ、外に出かけるには時間がある、か。 きらきら星が見えるのは夜だ。
笑顔でお別れ、するんだろ。 [ここまで来て勘違いだったらそれはそれで笑ってしまうのだけど。]
(452) 2015/10/12(Mon) 23時半頃
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泣かせたからな。 このまま連れ去って君の怒りを買って気が変わったら! ………なんて言われたら流石にショックだ。
[彼女が笑みを浮かべるならば、しんみりとした余韻は今は昼の日差しの中に隠してしまおう。
だから切り替えるように少し唐突にトーンを変えて、でも伸ばした右腕は一瞬躊躇いつつも小さな頭に向けられて。]
………君のやりたいように従うけれど、まさか歌だけがわたしの荷物!じゃないだろ? ……挨拶がまだなら行こうか。ガールズトークとやらなら流石に立場は弁えるが。
[口ではそう言うものの、ないしょの場所とのお別れも今日によって完結するのだろう。
だから、ちょっとだけ惜しむ気持ちはそのまま微かに涙の跡の残る頬に向けては、一度だけ、掠るように撫でた。*]**
(453) 2015/10/12(Mon) 23時半頃
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……、クラリッサへと、伝えました。
[獣にしか使えない響きを、短く返す。
と同時に、何か自分からも贈り物が出来ないだろうかと考えた。
贈り物になりえるようなものは、なかなか思いつけないけれど**]
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[きっと>>458 教え子から、いや主人から…というのもまだ慣れてはいないのだけど、彼女からの希望だというのならば、]
………よし、任せとけ。
[ハードルくらい蹴飛ばそう。
よくいう>>459 どこでそんなセリフ覚えてきたんだか。 胸中でゴチながらも少しだけ緩んだ口元は微かに笑って。]
……………困ったな。
[ただ、押し付けられる柔らかい頭>>462の感触には、恐々と。 ばれてるぞ、とは口に出さすにもう一度だけ親指で旋毛を撫でた。]*
(466) 2015/10/13(Tue) 00時半頃
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[準備は万端なようで。 自分の荷物ももとより多くはないから厨房で適当に幾らか日持ちする食材やらを盗…取ったりしたり。
その間もきっと手を引っ張られながら>>462足を動かす。 その途中だったか、頭に響く声>>442 体の動きを止めて耳を澄ませるように黙り込んだ。]
………旅の幸せ、か。
[ちらっとミツボシへと視線を向ける。 そう言えば、そう言えば。 口を開くことなくそっと自分も頭の中で返す。]
(467) 2015/10/13(Tue) 00時半頃
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ミツボシと星を見に行くことにした。まあちゃんと伝える。
[事前報告である。
いやしかし、贈り物か。
厨房で何かを残してもいいのだけどそれこそ野暮になりそうだ。
また、旅に荷物は多いよりは必要なものがあればそれでいいと考える自分からすれば…。]
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ミツボシ。
[場所が何処であろうと跪けばいいのかもしれないけれど、自分はしゃがむこともせずにただ目下へと視線を向けて、]
俺の全てを与えよう。 御身が───…朽ちるまで、御護り申し上げる。
[仰々しい言葉遣いに彼女はどのように感じただろうか。 分からないけれど、少しだけまだ言葉に躊躇いを残しつつも続ける。]
(468) 2015/10/13(Tue) 00時半頃
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まなびやの出口でミッシェルとオズワルドが待っているみたいだ。 もしかしたら、みんなにも会えるかもしれない。
[もう既に巣立った可能性はあるけれども、きっとみんな集まるだろうと。 勝手に目論んで。]
………俺たちも何かプレゼント用意できるもんかな。
[ただ、この一言だけは困ったように呟いて彼女のアイデアを強請るのだった。]**
(469) 2015/10/13(Tue) 00時半頃
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……分かった。
必ず、向かおう…。
[応えて…。
少しだけ…、昨夜見た、ミッシェルの白い髪を、思い出す。
恐らくはもう…残されてはいない、時間…。
なぜこうも…少女たちの命は、短いのだろうか…。]
出口だな、わかった。ありがとう。
お守り……すごい喜ぶだろうな。
[簡潔な返事の後。
さっき、忘れられた家の端に、落ち葉で言葉のようなものが書かれた跡があったのを見つけたのを思い出して。
そんなことをしそうな、器用な風使いなんて…1人しかいない。
そのあとの言葉は…口下手だけれど、心からの感謝の言葉。]
……ありがとうな。コリンを励ましてくれて。
― 少し前 ―
……なんだ、バレたか。
[ くつくつ、と喉鳴らし。彼等が手を取り合って
「忘れられた家」の扉をまたぐとき
脇から入り込んだ風は、落ち葉の文字を吹き飛ばす。
くるくる、くるくる、つむじ風。
橙、山吹、焦茶に紅、まだ温かい秋の色。
風の遣い手の腕が鈍っていなければ
彼らの旅立ちを祝うように、
ちらちらと舞う秋色のライスシャワーが
ふたりの周囲を彩ったはず。*]
お守りか…。
昨日のアヤワスカといい、みんな本当に
良い子たちだね。
オズウェル君の手を煩わせるでもないよ。
僕らみんなそちらへ向かうのだから。
僕は、クリスマスと行くよ。
[聡明な鷲の声に返ってくる言葉に
それぞれの少女がそれぞれのせんせいを見つけ
それぞれの主人がそれぞれの従者と契約を交わしたと悟る。]
ユージン君。
よかったよ、君の少女はやっぱりコリンじゃないと、ね。
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[さっきはポロポロと雨粒みたいに涙してたこの子が、笑っているものだから。 どうして笑ってるんだ? 教えて欲しくて尋ねた。
その答え>>527には少し眉を下げて、 そんな彼女にこんな風に返しただろう。
おかしなこ。朝寝坊は出来ないかもしれないが、な。 なんて。 その割に微かに緩んだ口元は見られてしまったかもしれないが。]
(554) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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[傾く体に咄嗟にこちらへ引き寄せようとしたけれど、何とかなったらしい。 だからすこしだけ詰まった息を吐き捨てて、こちらを見るふたつの瞳に向き合った。
息を飲む音>>529を耳にしながら、 他ならぬ君の声を待った。 それは時間にしては数分の出来事だったかもしれない。 だが、心臓から指のつま先まで送り届けられる僅かな時間が、一瞬だけ止まって見えた。]
………そうか。 なら、…なら。……全部、貰い受けよう。 君が、俺のそばにいてくれる間は。
[絞った声は真夜中の明かりのように揺らいでしまったけれど、笑みを浮かべる彼女に不相応だ。
だから自分も真似するように息を大きく吸い込んでは静かに笑んだ。]
(555) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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[それも腕を引かれる頃>>535にはいつものように口角を上げていたのだけど。
でも、彼女の案には口元が丸の形に開く。]
………おんなじことを考えてたって言ったら、君は笑うか?
[それが可笑しいな、と緩む頃には頭をゆるく振って>>537]
だめ…そうだな。
[一度言葉を濁した後は、歩幅を広げて彼女の隣に立とうか。]
(557) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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特等席は頂戴したからな、俺と君でお裾分けしてやろう。
[なんてあまりに捻くれた言い方が彼女な伝わるかどうかは分からない。 つまりは、一緒に歌をプレゼントしようということ。
そのまま今度はエスコートでもするようにゆるく腕を引く。 まだ、すこしばかりぎこちない動きだけれど歩幅は合わせて共に、迫る出口へと向かって、歩いていこう。]*
(558) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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─まなびやの入り口─
[空を飛ぶことも風に乗ることも時空を捻じ曲げることも海を渡ることも、そんな芸当など出来ないけれど。
歩く速度を合わせることくらいは出来る。 たどり着いた先、他の獣や少女の姿はあっただろうか。]
そういや、まずはどこに行きたいんだ。後で考えといてくれよ。
[裾野でお祭りもあるだろうから、もしかしたらそこで会える可能性だってある。 入れ違いに会えなかったとても寄り道は大いに結構。
ただ、獣だけが聞こえる声で為されていた会話を思い出せば一眼くらい会いたい気持ちはあるのだけど。]
(560) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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[そうしてたどり着いた場所で待っていたのは誰だろう。 到着すれば声の主とその主人に視線をやっては言葉を待つのだが。]
(561) 2015/10/13(Tue) 23時頃
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よう、久しぶりだな。鷲のオッサン
元気してたか?
今からそっち行くけど・・・・・・何だか懐かしいな
あの時のことが何百年も昔のように思えるよ。・・・まだ300も生きてない娘が言うにはオヤジくさいかもしれないけど
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[どれだけ歌ってもなくならない>>569 喉がすこし枯れてしまうことはあるかもしれないけれど、いつまでも耳に馴染む声は確かに失われることはない。]
………、……、 …。
[時が経てばそれは、何処にも残らなくなるとも、思っているけれど。 今は、背伸びする姿に、情けない口元を引き結んでは歩いた。
赤い目尻はすこし気にはなったけれど。]
(593) 2015/10/14(Wed) 00時頃
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お祭り、行くか。 コインの使い方は覚えてるか。 ないとは思うがぼったくられても知らないからな。
[希望>>571を耳にすれば頷く。 ただ、未来の地図はまだ思ったよりも真っ白だ。
綺麗なばかりではないとは思うのだけど、機体に花咲くこの子に野暮なことを口にする唇は閉ざしてしまおう。]
あぁ、急いで転けたら元も子もないからな。
[取り留めのない言葉を代わりに置いて。 でも、不透明な未来はすこしばかり不安で、道が見えないけれど、嫌だとは思わなかった。]
(594) 2015/10/14(Wed) 00時頃
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[それは出迎えてくれた声>>573に、その台詞に思わず鼻を鳴らしてしまう。
いつか彼が口にした言葉>>0:268を自分はまだ覚えている。 まなびやで暮らしていた少女が新たに旅立つこということの意味を彼は知っているだろうけれど。
小さな仲間意識。 まだ、言葉は、口にしないままこちらを見上げる二つの瞳>>582に向き合う。
歌えるよって、答えるように息を吸い込んだ。]
(595) 2015/10/14(Wed) 00時頃
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Twinkle, twinkle, little star. How I wonder what you are…
[歌い出しは彼女の目を見て、共に。 合わせるように開けた。 口元から溢れる声はプレゼントというにはささやかなもの。 いつかの聖誕祭の時のように指を灯らせ光で照らしたりすることは、しなかったけれど、]
so high, Like a diamond in the sky.
[宝石のように散らばる星々が、 旅人達を照らせばいいと。
それはここを去り行く同胞にも、そして、見送ってくれる彼女と彼にも。]
(597) 2015/10/14(Wed) 00時頃
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Twinkle, twinkle, little star, How I wonder what you are!
[きらきらと光る星が輝くことを、祈って。]*
(598) 2015/10/14(Wed) 00時頃
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