158 Anotherday for "wolves"
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[サイラスって、こんなに大きかったんだ。 俯いたままでもサイラスの威圧感が伝わる。]
マーゴのうちに……。 遊びにいってた。
遊べなかったけど。
[問答無用に浴びせられる質問に その威圧感に 段々恐怖を感じながら。 きっと顔を見たら怖くて泣いてしまうから 俯いたまま]
(274) 2015/05/16(Sat) 22時頃
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拾ったの…。 でも…、その後にあんなことが起きて……。 怖かったから…。
[その先は言えなかった。 サイラスが口を開くのが早かったか。 兄がサイラスを引き離すように 地面に叩きつけたのが早かったのか。]
(275) 2015/05/16(Sat) 22時頃
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わたしが…。 わたしがマーゴにお花あげたから…。
死んじゃったのかな…。 殺され…ちゃったのかな。
[誰にあてるでもなく呟く。 今日はずっと、胸が高鳴りっぱなしで 気持ちは擦り減っていく一方。]
(277) 2015/05/16(Sat) 22時頃
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お父さん…、ごめんなさい。
わたしのせいで、お父さんが殺されちゃったん…だよね。
怒ってるよね…。
ごめんなさい。
お父さんの仇は打ちたいけど
それが済んだら、わたしも…
死んだ方がいいのかな…。
[声なき声はだんだんとか細く震えて。
嗚咽に混じって 溶けた。]
……なに、あなた死ぬつもりでいるの?
[聞こえてきた声に、返すのは。
高く澄んだ嗤う声でもなければ。
やわらかく誘うような声でもなく。
無機質に、色も温度もなく、落ちました。]
死にたくないけど…。
お父さんがもし
すごく怒ってたら……
って思うと…。
[低くくぐもったような声のお姉さん。
いつもの声と違う。
高くもなければ
楽しそうでもない。
怒らせたのかな、そう思って
咄嗟に]
ごめんなさい…。
[と謝った。]
[聞こえ来る少女の震える声に意識が向く。]
――…キミのお父さんはキミを守ろうとしていただろう?
彼はキミが生きることを望んでいると僕は思うよ。
グレッグも、かなしむよ。
[静かに柔き音色をのせて。]
父親の仇をうったら、追いかける?
同じ場所にいきたいのなら、いつでも私が殺してあげるわよ?
ああでも。
あなたのそれも父親譲りね。
残される彼(グレッグ)の気持ちも考えないの。
殺された彼(ルパート)の思いも考えないの。
[それから、鈴の音がころころと鳴るでしょうか。
まるで取り繕ったような音。
よくできた、それはよくできた模造品の鈴。]
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[小さく呟くサイラスは 幼心にも痛々しくて 何も声を掛けられるでもなく。
力なく座り込む男>>279を見て また俯いた。]
[それから兄の声に 顔をあげて 心配そうに尋ねる兄に]
……うん。
[と返した。 兄の声>>281に その表情は歪んで 目頭が熱くなっていった。]
(282) 2015/05/16(Sat) 22時半頃
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ああ、ごめんなさい?
怒っているわけじゃないの。
あなたの命だもの。
あなたが思うままに生きるといいわ。
[私は優しくなんてないから、
『かなしい』なんて思わないけど。]
仇を打つっていう『約束』は守ってあげる。
だから怖がらないで?
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[重たいふいんきを 破ったのは兄の言葉>>286>>287>>288]
ドナルドおじさん…?
[グレッグがドナルドに よくない感情を抱いてるのは 知ってる。 それだ何故かは知らないけれど。
ドナルドは自分にとって顔が怖いけれど まだ会話し(いじり)やすい印象だった。 だが、彼がどういう人間なのか なんて、そんなの知らなくて。]
でも…。 マーゴを殺したい人って いるの…?
[理由があるとするならそれは何なんだろう、と。]
(302) 2015/05/16(Sat) 23時半頃
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[でもその時何があったかなんて 結局想像することしかできない。
不確実な疑念や猜疑がまた 負の連鎖を繋いでいく。]
(303) 2015/05/16(Sat) 23時半頃
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[よろりと立ち上がると ぎこちない微笑みを向けて 一人きりのサイラスは家を後にした。
頼みごとをして勝手口の方へと 向かう兄を追いかけて その背に抱き付いた。]
…お兄ちゃん、ありがとう。 さっき…、怖かった。
[思い出して、声が震えだす。 緊張の糸が切れたように 泪がじんわりと浮かんで。]
(308) 2015/05/17(Sun) 00時頃
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[しばらくして やわらにその背から離れると]
ごめんなさい。 じゃ…。
[と言いつけ通り、酒場の方へ向かって コップを2つ出して、椅子に腰かけた。]
―→酒場―
(312) 2015/05/17(Sun) 00時半頃
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―→酒場―
[人がいない酒場にぽつりと腰かけて 落ち着かない所作で兄を待つ。
不安な気持ちを紛らわそうと足を ぷらぷらと交互に動かして ぼんやりと、明日のことを考えた。]
マーゴが殺されたってことは…。 明日も 続くんだよね…。
[お父さんは無駄死にだったのかという思い。 けれどそれを掻き消すような 先刻の記憶>>261 明日は 我が身。]
死にたく…ない。 助けて…。
[震えないように、縮こまって肩を抱いた**]
(332) 2015/05/17(Sun) 01時半頃
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「あなたは、大丈夫ですか?」
「どうか。」
[それは彼の、心優しき医師の手のひらに乗せた文字。
本当は何と続けましょう。]
お父さんは、わたしを守ろうと…。
そう、かな…。
うん、そうよね。お父さん、わたしの味方って
言ってくれたもんね…。
お兄ちゃんも…悲しむかな……。
ううん、きっと悲しんでくれるよね。
[だって、わたしのお兄ちゃんだもん。
声には出さないが少し誇らしげに。]
『背後には気を付けて。
重い十字架(罰)が、降るかもしれませんから。』
……、お姉さんの言うこと、やっぱり
難しくてよくわかんないわ。
でもありがとう。
そうよね、わたし、お兄ちゃんとけっこんして
家族にならないといけないもん。
本物の家族に。
だからこんなとこで死にたくない。
[迷って、前に進んだと思いきや後ろを振り返るような。
そんな自分だけれど。
少女にとってそんな『仲間』の声が頼もしかったし
『仲間』に応えたいという思いが芽生えた。]
いいわ、判らなくて。
もっと大人になれば、きっとわかるから。
[くすくすと微笑んで見せましょう。
言葉の裡にある想いなど、判らなくていいのです。]
この医者(ひと)を殺すのね。
[優しい優しい、この『死神(ひと)』を。
私はすぐに訪れるであろう贖罪の未来に。
うっとりと、赤い瞳を細めては。
彼の熱伝わる指先を見詰めていたのです。]
―???―
「昨日はごめんなさい。
こうなっちゃったからには
仕方ないことだったのに。
みんなの嫌がること
進んでしてくれたのに
先生にひどいこと言って。
ごめんなさい。
お願いがあるの。」
[俯いたわたしの口からでる声。
まるで別人みたい。]
[わたしの話を聞く医者の眼は
冷え切った暗い琥珀。
鋭いその双眸を見つめながらゆっくりと
わたしの唇が動く。]
「おそう式をしたいの。
お兄ちゃんと先生とわたしとで。」
[しばらく黙って聞いていたけれど
先生はやがて重たい口を開いて、返事をくれた。
肯定。
けれどその眼は相変わらず睨み殺すような眼光で。
それは一見して彼が、その葬儀が茶番だと思った上で
頷いたとわかる態度。]
[けれどそれはきっとわたしとて同じことで。
冴え冴えとした目は睨むでもなく
先生の琥珀をじっと見つめたまま。
そしてきつく口を結んで、先生に対峙していた。]
―教会―
[先生が現れる。
教会には祭壇の上にろうそくが2本灯っているだけ。
薄暗い灯りの中、先生が
燭台を持ちながら祭壇の方へ歩みよる。
暗がりだけど、もう片方の手に何か持っているのが見えた。
気配でわたしを探そうとする先生。]
[わたしは十字架の裏でじっと息を潜めて
先生が十分近づいてくるのを今か今かと待ちわびる。
きっとこの真っ赤な眼がぎらついてる。
暗闇の中で鈍く、それでいて鮮やかに。]
[予め、お兄さんとお姉さんが傷をつけてくれていた
十字架の根本に足をけり下ろせば、その直下に、先生の身体。
もうすぐ、もうすぐだ。
そう思うとお父さんとお母さんの優しい声が
聞こえた気がした。]
先生は罪の意識から逃げたかったんだ。
だから一番にお父さんを殺したんだよね。
そうでしょ?
[わたしの声は反響して、聖堂中に広がる。
その声は力強く、遠くの仲間にも届いただろう。]
そんな男、神様が見逃してもわたしが見逃さない!!!
わたしのお父さんとお母さんを殺した罪!!!
地獄で味わえ!!!!
[絶叫とともにわたしは
足を振り下ろした。]
[例えば――。
「マーゴット」という名前ではあるけれど。
清い雫を纏い、煌めく 桃色の薔薇のような。
そんな、娘だったと思う。]
マーゴット。
サイラスと君を見ていてさ。
僕は、ね……。
(娘の幸せを願う父親のような顔をして
君を見送りたかった。
死出の旅路ではなく
ただ 幸せな未来へ旅立つ君を )
[―― もはや、 手遅れか。]
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