29 Sixth Heaven
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監視ではありません。 音がして、心配だったから来たんです。 …余計なお世話でしたら、申し訳ありませんでした。
[扉に向かって頭を下げる。 見えていないとわかっていても、自分の行動を曲げるつもりはない。 扉にはかかっていない鍵。 自分と牧師に与えられた選択肢を思えども]
…失礼、します。
[そっと、扉を押し開けた。 青碧はただ真っ直ぐに扉の向こう側にいるだろう 存在へと視線を向けた]
(125) 2011/04/16(Sat) 22時半頃
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「主は私を厳しく懲らしめられた。 しかし、私を死に渡されなかった」
…ある人は地獄の門と仰いました。 私は、義の門であると信じます。
[チャールズの言葉に、微かに息を吐き出したが それでも自分の中の根底が揺らぐことはない。 傷つけるような言葉に、挫けることを望まぬように]
いいえ。 …チャールズ様が背負うかもしれないものに比べれば。
[緩く首を横に振った。 それから青碧は真っ直ぐに男を見上げる]
鞄…ですか。でしたらよかったです。 あ、お怪我とか、ありませんか?大丈夫ですか?
(133) 2011/04/16(Sat) 23時頃
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…いいえ。
『義の門よ。私のために開け。 私はそこから入り、主に感謝しよう。
これこそ主の門。正しい者達はこれより入る』
私は、希望があると信じています。 主は、応えてくださった。
『私の救いとなってくださった』
…ここへやってくることが苦痛であった私に、 信仰という支えを。…救いを、下さった。
[その救いが男の存在であることを示すように 青碧は真っ直ぐに見上げたまま続ける]
…お一人では、背負わせません。
(152) 2011/04/16(Sat) 23時半頃
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…、…チャールズ様。
[ゆる、と。手が小さく拳を握る。 けれどそれは直ぐに解けてしまった。 握って、開いて、うまく言葉にならないものを 形に纏められたらと思えど]
…私は、出て行くつもりは、ありません。 たとえ、器がチャールズ様でなくとも、何度器の方が変わっても
[言葉かたちに出来たのはただひとこと。 それだけは、今、間違いなく決めていることだった。 背を向けてしまった男に、深く頭を下げると踵を返す。 きっと、今は自分が何を言ったところで彼は 耳を貸す気はないのだろうと、そう思って]
───私は、私に与えられた役目を全うします。
[顔を上げると、そこにある背中を もう一度じっと見てから扉を押し開けた]
(176) 2011/04/17(Sun) 00時頃
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…主は、道を示されました。 私は、自分の意思でその道を歩くことを決めました。 放棄したのではありません。選んだのです。
[開いた扉の外には鼠が二匹並んでこちらを見上げていた。 逃がさない、とでも言うつもりなのだろうか。 けれど、逃げるつもりはなかった。 言葉にしているのと同じこと]
『純潔』とは、心に穢れなく清らかであること。 邪念や欲念に染まらず潔白であること。
…チャールズ様。 私は、『純潔』としてこの場にあることを命じられるのであれば これこそが、私が強く心に縛めなくてはならない事と考えます。
(189) 2011/04/17(Sun) 00時半頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/17(Sun) 00時半頃
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…チャールズ様。
[僅かに向けた青碧に含まれるのは悲しみ。 けれどそれは試すことに対してではなく]
私は、それでも ……?
[言葉が途切れた。 鼠たちが一啼きして、走り出した。 その軽い足音はやってきた少女へと向かう]
(199) 2011/04/17(Sun) 01時頃
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…どうしましたか。
[ひとつ息を吐き出すと、マーガレットと同じ視線の高さに 合わせるよう少し自分の膝を追って問いかける。 水を探しに。その言葉に青碧を少し瞬かせ]
…じゃあ、一緒に探しにいきましょうか。
[そういえば、炊事や貯蔵に関わる場所を知らない。 これ以上チャールズと話していても埒はあかないだろうし、 ものを食べることで少し頭に栄養をやれば 自分ももっとうまいことが言えるようになるかもしれないと]
…あなたは
[薔薇の人。 名前よりも先に、浮かんだのはその単語]
(208) 2011/04/17(Sun) 01時半頃
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分からない。ギルバート。
お前は、どう、 思ったのだ。
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……はい。
[チャールズの言葉に数拍おいてひとつ頷く。 それから、マーガレットを促して歩き出した]
行きましょうか。
[チャールズと話しだした薔薇の人に軽く目礼だけ。 歩き出したまでは良かったが、結局自分も水のありかを知らず]
…鼠たちは、知らないのかしら。
[マーガレットの腕に抱かれたに引きの白い鼠をじっと見た。 ぴるぴると、小さな耳が震えているのが見える]
(219) 2011/04/17(Sun) 02時頃
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ベネットは、そのまま、鼠とマーガレットと共に水を求めて廊下をうろうろ**
2011/04/17(Sun) 02時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/17(Sun) 02時頃
成る程、
これが沈められてきた「罪」だろうか。
私は、
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−廊下〜台所−
[マーガレットの言葉に合わせて鼠たちは廊下を進む。 たた、とか、とと、とか、とにかく細かい音の羅列だ。 白い足音の後を突いていく途中、不意にマーガレットの視線に気づく。 見上げてくる、ころんとした瞳と自分の青碧をあわせたが 彼女の言葉に僅かに自分の瞳も似たような形になる]
…、…大丈夫。
[小さく頷く。 彼が背負わなくてはならないものがどれほどのものかは 自分には決して解らないものだけれど、それでも]
貴女達の痛みに比べたら、私の痛みなんて、きっとちっぽけなものだから。
[大丈夫、ともう一度、しっかりと言葉にした自分を、 少女はどんな風に見ていたか]
(298) 2011/04/17(Sun) 23時頃
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−台所〜廊下(行き止まり)− [台所へとたどり着けば、一人ご機嫌なように見えるラルフの姿に 水の入ったプラスチックのカップを片手に軽く首を傾げた]
それじゃあ、私は行くわね。
[水を飲み干すと、マーガレットに告げ ラルフには軽く頭を下げて廊下を歩く。 その足は待機室でもなく、個室でもなく、ただ彷徨い やがて行き止まりにたどり着く。 まるでエアーポケットのようなその場所は何のために用意されたのか。 もしかすれば、脱走を考えさせないためのものなのかもしれない。 溜息と共に座り込んで、小さく膝を抱える]
(299) 2011/04/17(Sun) 23時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/17(Sun) 23時頃
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−廊下/行止−
…、……。
[零れた溜息は一つ。けれど深い。 顔の半分を手で覆いながら零れたそれは、今は隠す必要もない。 カップに入った水の小さな表面。 僅かに揺れていたけれど映った自分の影は、 自分が成長してことによって死んだ母に強く似てきている。 母と子なのだから当たり前といわれたらそれまでだが]
…お父さん。
[呟く。 頭の中に、はっきりと映り込んだ記憶は二人が死んでから 何度も何度も自分の夢の中で繰り返された。 母の声。父の声。
アナウンスは言っていた。 器の交代が起きるその狭間で、世界には負の感情が増える、と]
(301) 2011/04/17(Sun) 23時頃
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[大きな物音。 子供部屋の寝台の上で目が覚めたとき、父の声が聞こえた。 浮気を疑う父の声。違うと無実を訴える母の声。 留めに入るより先に、扉の隙間から見えた居間の現実は]
…どうして、私は器じゃないの。
[自分が器だったら良かったのに、と。 思ったことを、誰かの前で口に出せるはずもなかった。
母は父によって死に。 父は、母を殺した後悔によって死に。
あれが、隙間から噴出した僅かな負の感情のせいだというのなら]
(302) 2011/04/17(Sun) 23時頃
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[ポケットに手を入れる。 取り出したガーゼのハンカチには白いフリージアの繍。 中にある59の薄青を一粒、一粒と繰りながら考える。
自分を送り出してくれた修道女たちはこの繍を、 そして自分の服をどんな思いで縫ってくれたのだろう。 どんな気持ちで、送り出してくれたのだろう。 ただ、間違いなく彼女たちは神が良い様に取り計らってくれたのだと そう信じて刺繍の一針を、ミシンの一踏みを進めていたに違いない。 そして、それは自分もまたそうなのだと信じている。
器たちが背負うものは負の感情。 それを受け止める役目を与えられたのだと信じる。
ガーゼの中で、かちん、と石の音が一つ立つごとに 思考はしっかりと纏まっていく。 まるで石がつみあがるかのように]
(315) 2011/04/17(Sun) 23時半頃
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生きているのに、死んでいないのに。
世界に繋がれ続ける。
こんな。システムは。
あってよいものなのか。
違う。
違うと思う。
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……至聖なる聖心よ この世においては聖心の使徒として励ましめ 天においては主の御栄えとならしめんため われに聖寵を降し、われの弱さを強め給え
[かちん。59個めの音がガーゼの間で揺れる。 一つ息を吐き出すと、ハンカチを丁寧に畳んだそれを 膝の上において小さく十字を切り、それから仕舞う。
黒いスカートの裾についた埃を軽く払って立ち上がると、 そこに白い鼠の姿があった]
(351) 2011/04/18(Mon) 01時頃
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[何時からそこにいたのだろう、まったく気づかなかった。 気づかなかったことよりも、その赤い目が まるで自分を監視している機械のレンズのようで]
…っ
[思わず一歩後ずさった。 背中に触れるものは壁。それ以上は何もにない。 ただ、目の前にあるのは鼠一匹だけであるはずなのに まるでそれは監視カメラのレンズと対面したかのような恐怖。 鼠はじっとその赤い瞳で暫くこちらを見上げたあと 小さな足音をたててどこかへと消えていった。
マーガレットが言っていた言葉を思い出す。 怒らせたら───]
(352) 2011/04/18(Mon) 01時頃
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…なんて、場所。
[息を吐き出して、言えた言葉がそれだけ。 義の門と信じた場所は、本当に地獄の門なのか。 自分の信仰を貫いた先に、本当に魂の幸福はあるのか。
けれど、それでも、今は信じるしかないのだ。 それが与えられた試練だと、まだ信じているのだから。
壁から背を起こし、ゆっくりと歩き出す。 その足は、遠回りにではあるが確かに待機室のほうへと向かっていた**]
(360) 2011/04/18(Mon) 01時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
2011/04/18(Mon) 01時頃
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―廊下―
ブラザー。
[待機室へと戻る途中、修道士を見かけて軽く頭を下げた。 歩き方を見ただけで、足が悪いのだとわかる。 先程の放送では、弱者と位置付けられていたが、 それは体の事を示して弱者なのだろうか。 まして、それは美徳であるという。 優しさに繋がるという事なのだろうか。
解らないまま、考えているうちに 足は待機室へと着いてしまったけれど]
(407) 2011/04/18(Mon) 06時頃
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―待機室―
[待機室へと戻ってくると、食物の匂い。 けれど、それよりも先に酒精の独特な香りがあった。
チャールズの姿は既にあり、床には相変わらず ペラジーが毛布と共に転がる。 白杖の女性と共にある女の胸の豊かさに 軽く青碧は瞬いたがすぐに逸れた。 母を思い出しても、自分の体は彼女程の優美な曲線や柔らかさを 手にいれることは無さそうだという結論に至ったので。 ムパムピスが戻ってくればコリーンの姿は待機室から消え 戻ってきた彼もまた休むといなくなった。 管理者に休息を勧められていたパピヨンはどうしただろう]
(408) 2011/04/18(Mon) 06時頃
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