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どうして、泣くの?
──欠けちゃったの?
[ぽたり、薄紅色から落ちる雫は とても綺麗。]
──それとも、欠けてるの?
[それを見た子どもの声にならぬ「聲」、
聞かせずに尋ねる声に、乗る色がある。]
墓地に涙は付き物だと言うのに
ここほど、生者の涙の似合わぬ場所もない
死者が立ち、生者が眠るこの地
この地に涙を流すのは、あの二人だけでいい
[左耳は生者の声を聞き、右耳は死者の囁きを聞きます。左目は今世の姿を見、右目は魂の色を見ます。私は、少々特殊なようで御座いますな]
いやはや、どーうして泣くんだろねー?
[ひひ。と聲は笑う。]
欠けてるの、すごく、いいのにさ。
欠けているの、きれいなのに
欠けているの、すてきなのに。
欠けているから、
──寄り添って、おぎないあえるのにさ?
…――――
耳につく キンキン、キンキン
うっとおしい事この上ない
君、少し静かにしたまえ
[まったく、死者も生者も騒がしい。静かな時間が欲しい、この霧の中の湖のように。波すら立たぬ、静かな世界が良い]
完全で、まったきものなんて、つまらないだけじゃないか。
せっかく欠けて、埋めあうことができるのに、
どーして泣くんだろうね。
おいらにはさっぱりわかんないや。
[にこー。と、差し込まれる注意に、唇にまりと弧を描く]
や ・ だ 。
[NO、と突きつける二音、愉しげに笑っている。]
黙っててほしいの?
本当に?
静かなのがいいの?
うるさいから追い出したい?
人間を?
まだ生きてる人たちを?
おいらもかい?
ねえ。──お仲間だろう?
それとも、仲間だ、なんて──認める気はない?
[煩い、と言われても声は止まない。
からかうような遊ぶような声、
矢継ぎ早の質問、問いかけ、まるでどこか試すよう。]
私はな、穏やかな日々が続く事を希望するだけなのだ
ただ、静かにこの場にありたいだけだと言うのに
騒がしい生者を追い出そうと、今起きたばかりだと言うのに
君が騒いだら、意味が無いだろう
[まったく、イライラする、イライラする。私に残る、憤怒の感情。ラースの炎が、今の私を形作る源。だから私は、イライラする。だから私の体は、生者と変わらず形を保つ。]
仲間? 何が仲間だ
同類、同族、そのくらいの物だろう
仲間と言うのは、共通の目標を持つ者の事を言う
静かな夜を取り戻すために、私は今、ここにいる
[イライラする、イライラする。ああ、頭が痛い]
静かな静かな?
そーうかあ。
おいらは煩いのも嫌いじゃないよ。
あんたの話を聴くのも嫌いじゃないよ?
仲間じゃなかったら、
同族、同類? なんでもいいな。
[いらいらする声にも、返す声、言葉楽しそうなまま
相手のことなどお構いなしなのはかわらない]
欠けてるもの見ているのは綺麗で、好き。
話すのも好き。
にひひ。黙るのは難しい。
おいらは楽しければ、なんでもいいんだ。
面白ければ。なんでも。
さあて、やってきた子達の中で、
片方だけの羽埋められる子はどれだけいるかなー。
でも、永久に埋まらないで、欠けたままでもいいよねー。
[つらつらと話す声音飄々と]
はぁ・・・わかった、もういい
声を聞くのは、100歩譲ろう、構わない
頭に響くその声を、なんとかしてくれ
トーンを落とせ、ゆっくり話せ
[まぁいい、今はいい。イライラするのがこの身の元なのだ。怒りを感じるのは構わない。イライラする、イライラする]
ゆっくり。
ゆっくり?
ゆっくり。
ゆっくりか、
うん。
うん?
うん。
にひ。
──そーうだねぇ
[笑う声、言葉]
そうだね。
[ ──転調する。]
そう、ゆっくり、優雅に話すんだ
そしたら、私の方に問題はない
わかるか?
わからないよな
わからないのはよくわかる
とにかく、私のように話をするなら、良いのだ
誰かに聞かれるかも知れないよ。
ボクたちの言葉も。
耳のいい子も混じっているかもしれないものね。
今度の話し方は、どう? 似合うかな?
[声に混じる、楽しげな色だけ変わらないまま──
急くようだった口調が転じる。]
構わないさ
聞きたい者には、聞かすと良いんだ
それをべらべら話すような者なら、煩いから邪魔になるが
静かな者ならば、私は構わない
私は、静かな夜が欲しいのだ
それとも君は、聞かれたくないような話をするのか?
過去の恥ずかしい話とかか?
聞かないぞ、私は
優雅。
[考えるような間]
えらそう。
[本音が漏れた]
… …。もう少し時代掛かった喋りの方がいいのだろうかね。
ボクよりも、我とか己かね?
然して、我は思うゆえに違和感を覚えるのである。
べらべらと喋られても面倒だよ
べらべらと喋らないという程、
彼らを信用していないというのもあるかな
[続いた話題に、返す声はひとつ前の喋り方
自分が覚えた違和感が優先されたらしい]
ボクは、彼らのその読みきれない
面倒なところが好きだけど
面倒なことには変わりない
秘密?
なにがいいかな。
あんまり怒りすぎてこめかみの血管が切れて
死んだ奴がいるとかいう話とか?
[口にする話題に、戯言が多く混じるのは
口調を変えたところであまりかわらないまま]
いや、話し方はどうだろうと良い
大事なのはリズムだ、雰囲気だ
粗雑でないなら、良い
むしろ、君がそんな話し方をすると・・・怖い
[はぁ、なんと言う事だ。静かな夜は、暫し来そうにない。]
信用する必要など、ない
信頼する必要も、ない
私は、煩い者、私の邪魔をする者は排除するが
そうでない者を、わざわざどうこうする気はない
どのような存在だろうと、等しく
怖い? そう? そうであろうか。
なんちゃって。
[勿体つけた喋り方。くつくつと声が楽しげに震える。]
ボク、俺。私、おいら。小生?
あはは。
目に見えるとおり見た目どおりではありませぬとも
さほど学があるほうではないのは
事実ですから粗雑でないのは難しいであるかもしれませんね。
丁寧にならどうだろうね? 怖い?
[ところどころ間違った敬語で尋ねて]
真似るのはどうも難しいです、
ボク──おれは楽しいけど
[語調探すようながちゃがちゃとした口調のまま]
あなた、きみ、
えーと。いらいらさん?
[大きく言うなら同類、同族。ただ、
──"彼"個人をなんと呼ぶべきか考えるような間をおいて
今はこどもを装う声は途切れ、
一時彼の望む静寂が、相手に呼び名の*水を向ける*。]
[さらさらと耳に流れるのは、2つの声。
ただそれを、聴いていた。
自分から応えることはなく。口を挟むこともなく。何も思うこともなく。
そう、想うことなど、
―――――とうに忘れてしまった。]
仲間。
面倒。
僕の名前。
だんな様の、お言いつけ。
…ああ、なんだっけ、それ。
全部、忘れちゃったから。
いらないよね、きっと。
ここに来ている人たちは、
さぁどれくらい、その心を保てるだろう。
馬鹿だな、何も考えなければ、
こんなにも楽なのに。
面白いから、いいけれど。
…そこの、声の人も。
なんでそんなに苛々しているのかな。
馬鹿だなぁ。
[紡ぐ言葉は穏やかに。
ただ誰に向けたものでもなく。]
イライラさん、と言うのは何だ 私の事か
私を呼ぶならば、WrathかIraと呼びなさい
そう呼んだなら、私だとすぐにわかるから
[まったく、子供でないならもう少し・・・とも思う。いや、きっと彼はああいう物なのだろう、と思う部分もある。もう一つ加わった、ゆったりとした声色に、またもイライラは募るのだ。]
馬鹿とはなんだ 馬鹿とは
馬鹿、は駄目な言葉じゃないよ。
だって僕も馬鹿だもん。
…名前を付けるの?
イラ。ラース。怒っているね。
僕は名無し。ただの小間使い。名前は記号。
空っぽの僕はどうしたらいいかな。
名無し? 名無しじゃ、呼びにくかろうが
本当の本当に空虚な物など、ありはしない
空虚だと感じる感覚があるのなら、何もない事はない
何か考えると良い
もし思い浮かばないと言うのなら
私か、もう一人が勝手につけるさ
ほら、貴様等も頂くと良い
紅茶だぞ、本当に紅茶の葉なのかは知らないが、紅茶だ
[カップを差し出した]
空っぽ?
空っぽ。
空っぽ?
ヴァニタス、空虚?
でも、そうなったのはどうして?
忘れた。
忘れた?
忘れたから?
空虚というよりは真に虚ろいうよりは、
それはかつて存在したものの忘却であって
いらいらさんが残したものが
iraであるのなら、
──もうひとりさんは Oblivion ?
ううん。
でもねーえ、呼びにくいかな? かもかな?
かもしれない。
それに──
それは、なくしたもの方の気もなかなかしてさ
今、
そこにいるきみとは
ちょっと、違う気もするね?
だってまだ、きみはそこにいるもの、
ねえ、もうひとり。
はたしてしかして、
なくした中で残っているのは何だろう?
──空虚?
──それとも忘却?
──そこにいる君は誰?
Who are you?
あはは
忘却と虚ろの中で残っているものが
僕でおれでおいらなら
おいらは、Gaudere ?
おいらに残るのは──あはは。
おれのことは縮めて、ガウでいいかな。
[くすくす、声で遊ぶみたいに楽しげで喜ぶみたいな声]
"おいら"がロバートを、ロビンって呼ぶみたいにさ。
ちょっと仲間みたいな呼び方、
皮肉っぽくていいな。
うん。なかなかいいよ。
そう、空っぽ。
君は、いい子だね。
―――どうして?
どうして、だろう。
多分、うん、不要だったんだ。
空虚でも忘却でも、結果は一緒。だと思う。
ただ僕には何もない。
"nacht"。
…うん、"ナハト"。
ええ?それは、否定だって?
どちらでもいいじゃない。
僕は忘却し今は空虚な"ナハト"。
ふふ、こういうと僕、賢いみたいだね?
忘却する賢人ね、どんなだ
まぁ良い、ナハトとガウだな
そう呼ぶ事にしよう
私の邪魔をしないなら、関わりの無い事だ
邪魔?だなんて。
イーラは何か、しようとしているんだね。
いいよ、僕。邪魔はしない。だって面白そうだから。
でも何もしない。
今の所は。
今の所は、ね。
【人】 道案内 ノックス―少し前― (116) 2011/01/26(Wed) 17時頃 |
サンチョ、ロバート、ロビン。
イーラはいいね。
沢山、持ってる。
僕?僕はゼロ。
【人】 道案内 ノックス[遅れて現れた待ち人は、殊更色彩の薄い2人の女性。 (117) 2011/01/26(Wed) 17時頃 |
それにしてもさ。
悪霊だなんて、失礼だよね。
僕は悪霊じゃない。
僕は、僕だ。
でも僕って何だっけ?
そんなのどうでもいいか。
ノックスと言うのがあるのだろう、1じゃないか
それに、私も一つしかないさ
私はイーラ、憤り怒る魂の形
それ以外は、仮の物でしかない
元々の私は、どのような物だったのか
そんな事すら、憤怒の炎が灰にした
表面にあるのは、残りカスだ
まったく、失礼な話だな
確かに私にあるのは憤怒、七罪の一つだが
だから悪だと言うのは、不本意だ
生者が踏み荒らすから、憤ると言うのに
生者が正義、死者は悪か
死者は、理由なく何かをする事などない
何かが起こるのは、いつも生者の行動が悪いのだ
因果応報と言う言葉すら、生きる者は忘却したらしい
紅茶なんて、初めて飲んだ。
[仕えていた場所で、自分の身分は下の下。
水さえまともな水は飲んだ事が無い。]
[1、と数えられた「記号」にふるふると首を横に振る。
それは、自分のものではない。自分が呼ばれていたものは他にあった。忘れてしまったけれど。]
イーラは燃えてしまったのか。
じゃぁここに在るイーラは何だろう?
灰?憤怒。感情の塊。
それを言うなら僕は何の塊だろう。
怠惰?
…ああ、そういえば。
僕、よく旦那様に、怠けてばかりだと怒られていたな。
紅茶を知らぬ? なんだ、勿体無いな
美味かろう?
元はただの不味い葉だ、食う気にもならぬ物だ
使い方一つで、このような味も出す
要は使い道次第だ
イーラはきっと、考えすぎだね。
だから怒る。
僕みたいに何も考えなければきっと、灰すらも残らず跡形もなく消えられたよ。
[笑いながら、そう紡いで。]
うん、美味しい。
そう、全て、想い次第。
僕たちがここに在る様に。
欠けてようが、欠けてまいが。
生きている人は、それすらわからない。
可哀相だね。それに、可愛い。
[首を振る様子に、意味がわからず。何かあるのかとは思ったが、深く思考する事はしなかった。関わりの無い事だ。]
ここにあるのは、憤怒だ
残りカスにあった、かすかな記憶を繋ぎ、形を成す者
怒りの魂に、灰の器
深い深い霧すら焦がす、炎だよ
怠惰、ああ怠惰
そいつも7罪だな
我思う ゆえに我在り だ
何も思わぬと、私は私を保つ事が出来ぬのだよ
[器の表情は無表情、魂の中は逆巻く炎。こいつを内にとどめ置くには、なかなかの努力が必要なんだ。]
人が可愛い? 何を馬鹿な
きぃきぃ煩い、邪魔な物だ
たまに静かな人もいるが、そういう者は特殊なのだ
その特殊な者以外は、いらぬのだよ、この地に
7罪。ああ、だから聴いたことがあったのか。
「怠惰」。旦那様は難しい話が好きだったから。
よく聞かされていた。お前は「怠惰」だって。
…。…。…。
あれ?今僕なんて言ったっけ?
[伏せた瞳を開いた後は、また器用に記憶を消したまま。
くるりと思考を翻して、別の話題に切り替える]
イーラは嫌いなんだね、人間。
可愛いと思うよ。
好きでもないけど。
面白い物だとは思う。
面白い物は嫌いじゃない。
そうだな、君が君を保つ為に、その怒りをぶつけるというのも、
嫌いじゃない。面白いから。
特殊じゃない人間を追い払ってしまって、
特殊な人間だけ残ったら、
ここはとても静かになって、僕たち消えてしまうかもしれないね?
退屈で、退屈で、
ふふ、死んでしまうかもしれない。
[冗談交じりに言った声は、ふわりふわりと掴み所もなく。**]
【人】 道案内 ノックス執事様。うん、見たことあるよ。 (122) 2011/01/26(Wed) 17時半頃 |
ん? 怠惰だろう 「Acedia」 どうした?
[記憶が飛んだような様子に、首を折るが。まぁ関わりのない事と、話を聞きだそうとはしなかった。]
嫌い? いいや、そうじゃないな
愛しい事と憎い事は、等しい事なんだよ
私の怒りを導く者は、排除する
それだけの話だ、先の事など知らぬ
怒りの炎は他者を焼き、自身すら焼く
静かな夜が、この地に戻ったなら
私は休もう、静かな人達の涙の溜まった湖の畔で
くは くははは。ナハトもイーラもおもしろい
イーラの話もナハトの話も面白い
面白いのは楽しい。
楽しいはおれ
おれは楽しい
うん、すばらしい
ふひひ。
善悪は誰かが決めるものだし興味はないかな
まあでも、人からしたら
、
ひとに死を招くものは
悪いと分類したくもなるかもしれないし
おれたちがいるから他の死者はでてこないんだし
向こうにとったら
おれ達、ただの邪魔者だからねえ
[そう言いながら、きしし。と歯の間から笑う声]
悪と敵視してもらえるのは、
駆除を待つ害虫呼ばわりされないだけマシかもしれないよ?
[話の合間の相槌のような言葉に本気はどこまでも薄く]
害虫なのは間違いないだろうな
少なくとも、私は駆除の対象だろう
怒りのままに暴走する、最も悪質な存在だろうからな
[客観的に、悪霊とは自分を指した者のような気がするし]
[
怒りで暴走するのと──
───暴走しなくても意図的にもてあそぶのとだと
どっちが悪霊って呼んでもらえるかな?
[問う声は、ごくごく、楽しそう]
さぁな、生者に聞くと良い
私は、どちらもかわらないと思うがな
[少なくとも、玩具にする気はないのだ。破壊衝動の出口になったなら、楽しみなどいらないのだから]
と──
まあ、ちょっぴり悪ぶってみたところで、
所詮、今、媒介になってる身体が朽ちたら
遊びも、今ここに混じって在るおいらとしてのおれも、
さっぱりそこまでで消えるんだけどさ
ガウは、呼んで欲しいの?
悪霊、と。
朽ちる媒体が在るのなら、
僕らも人間も同じ。
なんて、単純な話なのにね。
[眉を顰めて見るも、気にした様子は特になく。]
【人】 道案内 ノックス[ゆっくりと動かされた唇を、時間をかけて解読する。 (189) 2011/01/26(Wed) 22時半頃 |
悪霊と、人間を見分ける。
簡単だよ。僕たちは「悪霊」で、彼女たちは「そうでない」。
悪霊が「わかる」と嘯くのも、面白いかもしれないね?
機会があればやってみよう。
どうかな?
悪霊と呼ばれることが楽しいわけじゃないけど
[
おれを悪霊と知ってて、
それで、ひとが、どんな顔でおれを悪霊と呼ぶのか、
ちょっと興味はあるかもね。
きししっ
【人】 道案内 ノックス―湖畔― (216) 2011/01/26(Wed) 23時半頃 |
【人】 道案内 ノックスさっき小屋で、悪霊を見分けるとか、言ってたね。 (218) 2011/01/26(Wed) 23時半頃 |
なんだろうね、蝶は、
僕が悪霊だってわかるのかな。
[密やかに、笑う。
鷹揚に、感情も無く。]
【人】 道案内 ノックスき、れ、い。かな。 (222) 2011/01/27(Thu) 00時頃 |
【人】 道案内 ノックスうん、上手上手。 (232) 2011/01/27(Thu) 00時頃 |
言葉のかわりにペンと紙があっても、
足のかわりに杖があっても
それをほんとにかわりだと思えなきゃあ
片羽にはならないんだろうね。
なれないんだろうね。
───さてはて、欠けた部分を埋めるのは、何かな?
[こてん、と首を傾げて問うけど
声は、誰かに答えを求めるようではない。]
【人】 道案内 ノックス―小屋― (234) 2011/01/27(Thu) 00時頃 |
…さぁ。
そもそも代わりだと「想える」ことは、僕たちには出来るものなのかな。
出来ないなら、わからないな。
結局は、僕は僕のことしかわからないからね。
でもそうだな、人間が「片羽を見つけた」と「思い込む」姿は、
案外面白いかもしれない。
退屈かもしれない。わからない。
片羽が見つかった人間がいたとして、だ
その羽を壊したら、どうなるのだろうな
面白そうだ、随分と
発散になるかな、私の怒りの
そうだな。それなら。
…壊して、みる?
[ふふ、と笑い、小屋にいる人間達を見回す。
目に付いたのは、その中でも、顕著に身体を失ったサイモンという男の姿。**]
どうかな。
どうかな?
片羽だと、本当に想えたら想えるのかも。
フィリップは、怨念が元でここにいるなら、
満足したら消えるかもって言ってるけどさ。
でも、片羽だと、想えないから──…
…
ん、ううん。
欠けたところ、埋めるような片羽なんか、いらないから、
おれは、ここにこうしているのかもね
あはは。
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