146 demi-human... 『亜人の住まう街で』
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
|
[目を開ければ満天の星空。 怨嗟はそこには無い。煌々とまたたく星々は 只々、地上をみおろしている。 住宅の屋根と、煉瓦をぼんやりと見上げた。 冷たい風を吸い込む。 漸く、彼は起き上がる。寒さに凍りつきそうだった身体は、相も変わらず動きづらいことこの上ないが。]
( 帰ってきたのか? )
[なんだったんだろう、と問えども答えが見つかるはずもない。 暁はまだ遠く。 寒々とした夜空を見て、]
( ……ワクラバ )
[あれは凍えていないだろうかと とりあえず思ったのは大凡、そんなこと。**]
(22) 310 2015/01/16(Fri) 10時半頃
|
|
― 騒ぎの後 ―
[ 朝陽に星を透かした。 小鳥達のさえずりが耳に心地よい。
夕刻、誰も居ない店に帰った彼は、 数日ぶりになる寝床に勢いよく倒れ、寝た。
気づけば朝である。 今日ぐらい休んでも……とは思ったものの 何か動いていないと落ち着かない
とりもあえずは閑古鳥な店を開き 少ない客と小鳥と戯れていようかと思った のだが ]
( ……なんだ、 )
[ いつもより忙しい気がするのはきっと気のせいではない。 値切ったり冷やかすニンゲンどもも少ない気がする。]
(42) 310 2015/01/16(Fri) 20時頃
|
|
……どういうことだ?
[騒がしいと訝しがる小鳥達共々、彼は首を傾げたのだった*]
(43) 310 2015/01/16(Fri) 20時頃
|
|
― 逢魔ヶ時に悪魔を尋ねて ―
[鱗に覆われた指が扉を叩こうとして、 一度、二度、躊躇するように揺れた。
燃えるような夕陽に赤く照らされた東通りの一角。 定食屋「ロングスプーン」の、申し訳程度に出された看板が、陽を反射して光る。
石畳が敷かれた通りは静寂を保っていた。 中にヒトはいないか、寝ているか、 それすらもわからないほどに、店の中も静かだった。 烏の羽音。足元から長く、影が伸びる。 橙と黒に二分されたかのような世界。
彼は半ば祈るような心地で、やっと扉を叩く。]
シーシャ。飯、食いに来たぞ
[あの日と同じように、 ――扉が開いていたならば、がらりとベルを鳴らして*]
(48) 310 2015/01/16(Fri) 21時半頃
|
|
― 夜空と蜥蜴と不死の男の噺 ―
[ それを聞いたのは、いつだっただろうか。 また、誰からだっただろうか。
――「影の元凶は不死身の男である」と。
そう聞いた時 彼が抱いたのは怒りでも悲しみでもなかった。 ――すとん、と腑に落ちたというのが正しいか。
思い出したのは星々の怨嗟の聲。 あれらが全てワクラバの怨念だったとしたら 否、あれらが全て、ワクラバの受けてきた言葉だったとしたら]
( そうか )
( ……だから、あそこはあんなにも )
[ 寂しかったのだ、と そう思った。 ]
(49) 310 2015/01/16(Fri) 21時半頃
|
|
[ 店を閉めて寒々とした夜空を見上げ、 ふと、思いつきで東の入り口まで歩く
見つけた影に零した苦笑は、 屹度、誰にも見えていなかっただろう。>>45]
……ワクラバ。 風邪を引く……。
[おい、と、その肩をゆっくりと叩いた。*]
(50) 310 2015/01/16(Fri) 21時半頃
|
|
[体育座り。いつも以上に小さく見える彼を見下ろせば、 生気の無い闇の底のような瞳が此方を見る。>>51]
……ああ。久しぶりのような
[そうでは、ないような。 自分以外のヒトも飲まれた以上立ち上がり頭を下げるワクラバに、「別に構わない」とは言えない
ワクラバの内に燻る嫉妬の感情などは知らないが 彼は、結局の所彼がやりたいようにやっている。 それは今も昔も変わらず]
おい。
[二度目の謝罪とともに逃げ出そうとするワクラバの襟を掴み 彼は強引に相手を引き止める。「痛いです」と言われても知らぬ]
寝床なら貸してやる。寄っていけ
[じっと、ワクラバの左側が爛れた顔を見た。*]
(52) 310 2015/01/16(Fri) 22時頃
|
|
[視線がかち合う。 信じられません、といった顔だ。>>53 どうしてと問いかけたそうに見えたが 口をついたのは「お世話になります」という言葉だけで
お金は払いますから、と言われれば、別にいらん、と そっけなく返した。 いつかと同じように、家に向けて歩き出す。]
お節介を焼くのに、理由がいるのか
[彼を伴いながら、夜空の星を見上げて 小さく皮肉げに零した言葉は 相手に聞こえたかどうか]
(54) 310 2015/01/16(Fri) 22時半頃
|
|
― 家 ―
寂しい場所だった あの影の中は
[そうぽつりと唐突に言ったのは、 夕餉の片づけをしていた時だっただろうか]
お前はずっとあの影を……
[言いかけた言葉を留めて、彼は少し考える。 それから古びた引き出しを開けると、あるものを取り出して]
ワクラバ、手を。
[そういえば彼は、手を出してくれただろうか。 出してくれたならば、その手に。そうでないなら、机にでも そのあるものを置いて渡そうとするだろう。
今は――鮮やかな赤に見えるであろう 小さな宝石]
(55) 310 2015/01/16(Fri) 22時半頃
|
|
ああ
[恥ずかしい、と言われればそうだろうとは思う。 何せ、心の裡を覗き見られたに等しいのだろうから。 あれが自分なのだと正直に言うワクラバに、 彼はふと目を伏せる。>>58]
行き場がない、という感じだったな
[あの暗闇の窒息感に対して、そんな感想を零しながら 掌に紅の宝石を差し出す。 首を傾げるワクラバの様子に、彼はほんの少し。 少しだけ、表情を和らげた。]
アレキサンドライトという 今は赤いが…陽に翳せば翠に色が変わるだろう
[ワクラバの掌に乗るそれを、指で軽くつつく ランプの火に照らされ、赤く光るアレキサンドライト。]
(59) 310 2015/01/16(Fri) 23時頃
|
|
おれは永遠ではないが 石は、扱い次第で永遠を生きる
[何故ワクラバにそれを贈ろうとしているのか、 何故そんなことを言うのか、 彼自身、わからなかった。
もしかしたら「それ」は、 死ねないワクラバに 更に重荷を背負わせるだけになるかもしれないのだが
それでも。 ]
礼はいらん。 お前に、やろう。
[そう告げて、石から指を離した。*]
(60) 310 2015/01/16(Fri) 23時頃
|
|
……どちらかといえば、友人じゃないか
[やんわりと訂正に入ったが、 ワクラバの目元に浮かんだ柔らかな笑みに、 強くは口に出さず、苦笑に留める。>>61
死ぬまで大切にします、と石を握り、 本当に大事そうに胸に押し当てる不死の男。
そのひとがひとり残され、寂しくないように そのひとにいつか、本当の安らぎが訪れるように
あの星空が怨嗟でなく、暖かな気持ちで満たされるように。
願いを託したアレキサンドライトは、 そのひとの心臓のように 赤く、美しく、光を宿していた**]
(63) 310 2015/01/16(Fri) 23時半頃
|
|
[影の中にいた時と同じように、首を絞められる。>>69 今度は拒絶しない儘、その言葉ひとつひとつを受け止めた。 揺らぐ視界の中に、古書や魔導具が映る。
シーシャがどれほど努力したかが見えるような気がして 頭をもたげる贖罪の気持ちに、彼は只「すまない」と繰り返した]
[どれほど怒られても、それは仕方のない事だと 「また来い」と微かに添えられた掌を思い出し乍考えていれば 首から手が離れる。
不明瞭な呟きと共に、悪魔がふいに近づいた]
…………、
[肩口に暖かな体温をもつものが乗る。 差し伸べた鱗をもつ掌は、何かを躊躇うように宙を漂い 指先で微かに背をなでるだけに留まった。]
(75) 310 2015/01/17(Sat) 10時半頃
|
|
『いらっしゃいませ、クリストフォロスさん。 今日は、何にいたしましょうか。』
[……うまく言葉にできない。 取り繕うように他人行儀に微笑むその顔を 複雑な気持ちで見下ろした。>>70
長く白い睫の下に 差し込む夕焼けを映し出す紫水晶(アメジスト)
彼は小さく息を吐いた。 発露した激情を取り繕う、その意図を汲むべきなのかもしれない。 特に心配させた身としては――だが。 オーダーの前に、と人差し指を立てて降ろす。]
悪かった。……心配をかけた。
[深く頭を下げる。それから]
(76) 310 2015/01/17(Sat) 10時半頃
|
|
……「また」逢えて良かった。 魚でも、食わせてもらえないか
[少しすまなそうに、それから、ほっとしたように微笑んだ。 その背に腕を回したら怒られてしまいそうだが 白髪をぽんと撫でるくらいは、許してもらえないだろうか]
(77) 310 2015/01/17(Sat) 10時半頃
|
|
[もーいいよ、と許されたことにほっとする。
”別れの痛みは、再会の喜びに比べれば何でもない。”
そう云っては都合が良すぎるかもしれない。 されど今は、再び会えた喜びを噛み締めていた。
白い髪に指を滑り込ませゆっくりと撫でれば>>85 満更でもなさげな様子で猫のように目を細めるから
――そして、「オカエリナサイ」と言ってくれるものだから]
( ……少し、困ったな )
[胸に溢れるこの感情のやり場が判らず、瞼を伏せた。 迷いは一瞬。
どうせ自分はそれしか能が無いのだから、 真っ直ぐに、只、真っ直ぐに。]
(87) 310 2015/01/17(Sat) 22時半頃
|
|
…………。 仕返し、だ。
[再度シーシャの頭を撫でた。 身体を離して、からかうように、されど柔らかな声音で云う。
夕陽の逆光で見えたかは定かではない。 されど。 彼の口元には、柔らかな笑みが浮かんでいた*]
[ その後――。 紫の瞳をした天邪鬼に、「約束していただろう」と アメジストの嵌めこまれた星型のペンダントが贈られるのは ……また、*別の噺*]
(88) 310 2015/01/17(Sat) 22時半頃
|
|
― ―
[ ばささっ ]
[白いわたのような羽を陽光に煌かせて、鳩が一羽、二羽 ――次々と蒼穹に舞い上がった。
彼はそれを見上げて目を細める。 碧落を映す瞳の色は、アクアマリンにも似た薄青。
青空に輝くオレンジの屋根の上で、誰かが甘い声で歌う。 そのすぐ下にコントラバスとアコーディオンの音を伴わせて。
広場にある噴水の飛沫が水晶のように光っている。 並木の鮮やかな翠がさらさらと揺れた。
……眩しいほどの陽の光の下。 亜人の子とニンゲンの子が 手をとりあい、白い石畳を駆けていった。]
(129) 310 2015/01/19(Mon) 00時頃
|
|
[ エルデントの街に歌声が響く。 祈りの歌が。
怨恨の燻りは消える事がなくとも いつかきっと、それを赦し合えますように。 あなたにみんなに、安らぎがありますようにと。
柔らかな風が街を駆け抜けヒトビトを平等に撫でていく。 ニンゲンも亜人も分け隔てなく、 ――それは神の慈愛の手のようだ。
彼は飛び立った鳩の背を見送ると、 空から視線を戻し、馴染みの店へ向かい、 ゆっくりと、石畳を歩きだす。]
(130) 310 2015/01/19(Mon) 00時頃
|
|
[ 重ねた日々を明日の希望に繋げていこう。 それぞれの生がどうか全きものであれと 小さな願いを、そっと、風に乗せた。 ]
[ ニンゲンと、 亜人の住まう街で。 ]
(131) 310 2015/01/19(Mon) 00時頃
|
1
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
3日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る