人狼議事


266 冷たい校舎村7

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視点:


【人】 R団 タカモト

―― 夢 ――


[やわらかな光の中で、やさしい夢を見た。

 傍らには小さな犬がいて
 小学生の男子がふたり、無邪気に遊んでいる。

 猫の額のほどの大きさの公園は、
 あの頃は無限大に大きく感じられて。

 これは夢なんだ、と俺は気付いたんだ]
 

(48) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



  つかまえた。


[俺は無邪気に笑っていて、
 君は俺をあたたかく抱きしめてくれる>>5:401
 

(49) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト


[大好き、と君が言ってくれるから>>5:404
 俺ははにかみながらこう答えた]


  うん、俺も大好きだよ。


[素直なところが俺の長所なんだよ。
 知ってた?

 君をやさしく抱きしめ返す]
 

(50) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



      [人は変わっていく。
       その流れを止めることなどできない]
 
 

(51) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト


[君が「いつかうどん屋になんの?」>>0:517って
 無邪気な顔で聞くものだから、
 俺は少し考えた後に]


  うん、そうかも。


[なんて、あの頃の返事>>0:654
 違う答えを返したんだ。

 でもきっとそれは、諦めではなくて――……]  
 

(52) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



      [明滅する携帯電話の光で、目を覚ました]

 

(53) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 自宅 ――


[目を開ければ、
 いつもと変わらぬ天井の木目が見えた。
 橙色の豆電球に照らされたその部屋は、薄暗い。
 煎餅布団を剥ぎ、携帯電話を開く。

 相原愛子からのメールが届いていた。
 瞬間、意識が覚醒する]
 

(54) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……拓海。


[自殺未遂。病院に運ばれた。
 並ぶ文字列に目を見開く。

 布団から飛び起きると、
 財布やら家の鍵やらを鞄の中に
 急いで突っ込んだ。

 ――と。
 その見慣れぬハンカチが目に入った]
 

(55) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



  泣いちゃダメだよ、たかもと君
  泣くのは皆で出てからにしよ、ね>>3:391

 

(56) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト


[明らかに女物のそのハンカチは、
 あの冷たい校舎で宮古から受け取ったもの。
 それをまじまじと見下ろして]


  夢じゃない。


[小さく、深呼吸して
 もう1度携帯電話に目を落とした]
 

(57) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト


[そこには相原からのメッセージがあるだけで、
 拓海からの遺書めいたメール>>1:1>>1:2
 どこにも見当たらなかった。

 俺は、ひどくそれに安堵する。

 あいつは帰る、生きる>>5:307と確かに言ってくれた。
 だからもう、あんな遺書なんていらないし
 あいつも遺書を送る必要なんてないんだ]
 

(58) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……親父。


[厨房を覗けば、
 すでに仕込みを始めている父の姿があった]


  すまない。
  今日の仕込みは手伝えない。


[毎日の習慣であるそれを断り、頭を下げる]
 

(59) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



  拓海が救急車で運ばれた。
  だから、今から病院に行ってくる。

  今日は遥の手術説明日だって、知ってる。
  でも――――


[ふわり、と頭に軽い感触。
 顔を上げると、にかっと笑う親父の姿があった。
 俺を安心させようとするときに浮かべる、それだ]
 

(60) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト



        「行ってこい!」

 

(61) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト

 

        行ってきます!**

 

(62) gurik0 2019/06/18(Tue) 19時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病院へ ――


[まだ暗い夜道を走った。

 いつも追いかけるあの背が見えないものだから、
 俺は荒い息を吐き出しながら
 たったひとり、アスファルトの道を駆けた。

 橙色の街灯が目に眩しく、
 けれど空の端が微かに白ばんでいるのを見遣り
 夜明けはもうすぐだと悟る。

 おかえり、を言ってあげなきゃいけないから
 俺はただひたすらに走ったんだ]
 

(70) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃

【人】 R団 タカモト

___________________

To:七月葉子

いま病院に向かってるとこ。
無事に戻ってこれたか?
___________________

(71) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[信号の待ち時間、1通のメールを送る。

 葉子にメールをするのは、
 随分と久しぶりだと思った。

 学校では委員長と副委員長として
 普通に話をするものの
 それ以外の交流は一切なくなっていた。

 アドレスが変わっていたら
 それはそれでショックだなあ、と
 一瞬苦笑を浮かべたのちに病院へと駆ける]
 

(72) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



    [君の携帯電話に送られてきていたメール>>69など
     俺はまったく知らなかったものだから]

 

(73) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



[そうして、病院へと辿り着く。
 荒い息を吐き出し、壁に凭れかかったのだった]*

 

(74) gurik0 2019/06/18(Tue) 22時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病院 ――


[震える携帯電話を見遣れば、メールが1通。>>84
 葉子から返ってきた
 メッセージに少し安堵をしながら
 壁のひんやりとした感覚に身を預けていた。

 葉子には着拒されてもおかしくはないって
 思っていたから、少し意外で
 嬉しかったのは本当。

 自分の連絡先を消されていたことを
 俺が知る機会は、きっと一生ないことだろう]
 

(113) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト


[やがて3年7組の担任がやってきて、
 拓海が目を覚ましたことを伝えられる。>>7>>44

 俺はいかにも委員長って面で、それを聞いていたと思う。
 本当はガッツポーズのひとつでも
 してやりたかったんだけどな。

 そうやって純粋に喜ぶのは
 どうにも俺のプライドが許さなくって。

 一度粉々になったはずの
 チョモランマのような俺のプライドは、
 そう簡単には完全にへし折れてくれないようだった]
 

(114) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト


[拓海の無事を知らされれば、
 どっと肩の荷が下りたような安堵に包まれる。
 病院の白い天井を見つめながら]


  ……拓海。
  約束、守ってくれたんだな。


[ぽつりと呟いた。

 そんなときだったろう。
 葉子に声を掛けられたのは>>85
 

(115) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト




      ――――ただいま、葉子。


 

(116) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト


[その言葉を、いったいどんな表情で
 俺は葉子に伝えたのだろう。

 たぶん今までのように、
 澄ました委員長面ではいられなかったはずだ。
 壁に傾けていた重心を元に戻し、
 葉子にまっすぐ向き直ると]


  拓海、意識を取り戻したって。


[その事実を、葉子に伝えた]
 

(117) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト



  ったく、心配かけさせやがって。


[腕を組みながら、拗ねたように言った。

 あの校舎に迷い込むまで、
 こんな砕けた口調を
 葉子に晒す機会が訪れるだなんて
 思ってもみなかった]
 

(118) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト


[それから、隣にあった自販機で
 ホットコーヒーの缶を2本買うと、
 1本を葉子に差し出して]


  ……少し、話しできるか。


[彼女にそう問うただろう]**
 

(119) gurik0 2019/06/19(Wed) 03時頃

【人】 R団 タカモト

―― 後日 / 病室 ――


  勉強頑張って、と。>>90
  よくもまあ抜け抜けと俺に送れたもんだな。
  あれ何かの嫌味かよ。


[来客用の椅子に腰掛けて、
 ベッドに横たわる拓海に俺は口を尖らせた。

 それはとても怪我人に対する
 口調ではなかったけれど、
 しんみりするのは俺の柄でもない。

 あいにく人を思いやる涙など
 あの冷たい校舎で枯れ果ててしまったものでして。
 何事もなかったかのように、俺はそこにいる]
 

(131) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃

【人】 R団 タカモト



  どうせ大学にも行かないし
  勉強やる必要ないし。

  みんな受験受験でつまんねえから、
  早く学校戻ってこい。


[なんて無茶を言ってやる]
 

(132) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃

【人】 R団 タカモト


[鞄の中から寄せ書きと千羽鶴を取り出すと、
 寄せ書きは本人に手渡して、
 千羽鶴は病室のベッドからよく見える位置に飾った。

 寄せ書きには「早く良くなってください 高本」などと
 いかにも委員長然としたテンプレ文章が
 整った繊細な字体で書かれていることだろう]


  クラスのみんなから。
  委員長だから、俺が代表で。


[仕事を果たせば、再び椅子にどかっと座り込んで]
 

(133) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃

【人】 R団 タカモト



  …………。
  お前も、大学行かねえの?


[そう拓海に問うただろう。
 様子を窺うような、そんな表情で]*
 

(134) gurik0 2019/06/19(Wed) 12時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 後日 / 病室 ――


[まるで全てお見通しというように>>145
 拓海が俺に笑いかけるものだから、
 俺はバツが悪い顔をして目を逸らした。

 無理に否定はしないでおく。
 俺も少しは性格が丸くなったものでして]


  ……死ぬ気で早く治せ。
  早くしないと春が来ちまうぞ。


[話題を逸らすように、無茶を重ねて
 俺は口を尖らせたんだ]
 

(150) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  あー、はいはい。ハグハグ。


[お生憎さま。
 夢の中みたいに素直な俺は>>50
 もう成長しきって消えてしまったみたいです。

 両手を広げて「おいでおいで」をする拓海>>146
 俺はいつものように>>>0:430おざなりに答えると、
 ずいぶんと雑な動作で彼を抱きしめたのだった]
 

(151) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト


[重度の怪我人だって?
 そんなことは考慮してやらない。

 拓海の背をぽんぽんと叩いて軽くハグ。

 こういう態度が甘えだって理解はしていたけれど。
 せっかくお前が帰ってきてくれたから、
 俺は甘え倒してやると決めたんだ。

 散々心配をしたんだ。
 それくらい許されるだろう?]
 

(152) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



    [ああ、拓海はここに帰ってきてくれたんだって。
     そのぬくもりに、安堵を感じて]
 
 

(153) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  ハヤク、ヨクナッテクダサイ。
  いや本心だって。


[寄せ書きを見つめる拓海>>147
 わずかに涙ぐんでいることに気付いた俺は、
 それに気付かぬふりをして、おどけてみせた。

 泣くくらい嬉しいんだったら
 もう死のうとするんじゃねえぞ、馬鹿。

 心の中で罵倒をひとつ飛ばす]
 

(154) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……そっか。
 

[あんまりにも事もなげに
 拓海が「就職」だと笑って見せるものだから>>148
 俺はどんな表情をすればいいのか
 分からずにいる。

 散々俺が悩んで、苦しんで、嘆いていたことを
 こいつはいとも簡単に“受け入れ”た。
 少なくとも、俺にはそう見えた。

 ずるいなって思う。
 どうしてそんな顔をしていられるんだろう。
 俺はそれに、耐えられなかったというのに]
 

(155) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  ああ、継ぐよ。


[それを認めるのは、まだ少し心が痛くて
 俺はきっといつものような笑顔は
 浮かべられなかっただろうと思う。

 苦しげに、息を吐いて]
 

(156) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  妹の調子、良くなくって。
  看護の人手も必要だし、治療費も稼がなきゃいけない。

  ――――だから、俺があの店を継ぐ。


[はっきりと、それを言い切った。
 口元に浮かぶのは、ほろ苦い笑みだ]
 

(157) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  卒業まで誰にも言いたくなかったんだ、ホントは。
  同情されるのは嫌だったし。

  最後まで、将来有望な
  クラスの優等生でいたかった。

  卒業後に、あいつ今何してるんだろって
  たまに話題に上がって。
  T大にでも行ったんじゃねえの、って噂されて。

  皆の記憶の中で俺は
  優等生のデキる奴として刻まれたまま――

 

(158) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

 

  ――そのまま俺自身は、消えてしまいたかった。

 

(159) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト


[ふっと相好を崩して、拓海を見つめる。
 馬鹿馬鹿しい考えだろって、笑って]
 

  お前は、俺の実家を知ってるし。
  きっといつかは、知れてしまうことだし。
  だから、卒業したら
  お前に思い切り愚痴ってやろうって。
  そう思ってた。

  まさか拓海も就職とか思わないだろ。
  早く言え。

  そしたらとっくに打ち明けてたわ。


[拗ねるように言って、頬杖をついた]
 

(160) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  お前、ノート盗まれただろ。
  あの犯人、俺だから。

  受験失敗しちまえって思って。
  そしたら、大学行かないでくれるかなって思って。


[拓海から視線を外して、罪の告白を行う]
 

(161) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……ごめん。


[謝る声は、消え入るように小さい]**
 

(162) gurik0 2019/06/19(Wed) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病院 ――


  ……………葉子、


[彼女に服の袖を引っ張られて、
 大きく目を見開いた。>>164

 俺に顔を見せないように俯いている彼女が
 泣いていることに気付いてしまったから、
 どうしようもできずに俺は棒立ちしていたんだ。

 葉子の背に回そうとした手が、震える]
 

(207) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト


[きっとあの校舎に行く前の俺なら
 何の躊躇もなく彼女の背に手を回して、
 そのまま抱き締めたのだろうけれど。

 今の俺にはそれが躊躇われて、手を引っ込めた。

 そういうのは得意だったはずなのにな。
 おかしいだろ]
 

(208) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト


[でも「何も求めてなんかいないから」>>4:279と言った
 震える葉子の声音を、確かに俺は覚えていたから。

 彼女が泣き止むまで、ただ俺は傍にいて
 葉子を見守っていたんだ。

 温かい缶コーヒーを、手渡す]


  ……葉子も俺に、話したいことあるのか?


[少し驚きに目を見開いて、ベンチに腰を下ろした]
 

(209) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  …………………。


[普段なら、良く回る頭と口が
 相手の喜ぶ言葉をすらすらと吐いてくれるのに。
 こういうときばかりは、役に立ちやしない。

 缶コーヒーを啜りながら、
 葉子と目も合わせることもできずに
 唸る自動販売機の放つ光を見つめていた]
 

(210) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  あのさ。


[結局、上手い言い出しが思いつかずに
 俺は後先を考えずに語りだす]
 

(211) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  お前は、俺に振られたとか
  思ってるかもしれないけれど。
  
  俺は、まだ葉子に好きって言われて
  返事をしてないから。

  ――――だから、聞いてほしい。

 

(212) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト



      [もう一度、イチから始めよう]

 

(213) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト

 
 

        俺たち、付き合わないか。

 
 

(214) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト

 

      [あのときと同じ台詞>>0:141で]*

 

(215) gurik0 2019/06/19(Wed) 22時頃

【人】 R団 タカモト

―― 後日 / 病室 ――


  寂しがり屋だよ。悪いか。


[もはや「ばか」>>204と言われても反論はしない。
 拗ねたように口を尖らせて、つーんと横を向くだけだ]


  別人のフリをする。嫌だ。
  絶対にうどん屋を継ぐとかクラスの奴らには言えない。


[やっぱり俺のチョモランマのようなプライドは
 健在のようでして、拓海にそう反論をする]
 

(252) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  顔良し、頭良し、スタイル良し。
  三拍子そろった俺がうどん屋とか普通になしだろ。
  うどん屋の高本と、優等生の高本は別人ですー。


[ムキになって言い返す俺の姿は、
 かなり餓鬼っぽかったと思う。

 あんまりガミガミ言っていると
 他の入院患者たちに迷惑がかかるから、
 音量だけは控えめだったけれども]
 

(253) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  [瞬間、拓海の稲妻チョップが俺の額を抉った]

 

(254) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト

 

  ……いった。
  ちぇっ、そうだよな。お前はそういう奴だった。


[付け加えられたひと言>>206に、
 俺は小さく「ありがとう」と呟いて。
 額をさすりながら、少し恐る恐る拓海を見つめた。

 やっぱり俺は、怖かったんだと思う。
 拓海に呆れられることが。

 本当に怒ってないか、と窺うように拓海を見遣って]
 

(255) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  みんながみんな、
  お前みたいな奴だったら話が早いのにな。

 
[きっと浮かべた笑みは、
 お前には敵わないよって表情をしていたと思う]
 

(256) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  腹いせに友達のノートを盗んで、
  大学にも行けず、
  病弱な家族がいて。

  ……ひどい奴、って周りは思うだろ。
  あるいは、可哀相な奴って憐れむか。

 

(257) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  俺は、そんな目で見られたくない。
  学生生活の最後の1分1秒まで、
  優等生で完璧な高本悟でいたい。

  俺の青春を、そんな周りの奴らの視線で
  汚されたくない。


[俺って昔からそういう奴だろ、って肩をすくめて]


  だから、このことは
  卒業するまでは秘密だ。

 

(258) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



   [自分の選んだ道を納得するには、まだ餓鬼過ぎて
    そんな答えしか今の俺には導き出せないんだ]

 

(259) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト

 

   [いつかこの道を選んだ自分を受けられたときに、きっと]

 

(260) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  俺の性根がこんなみみっちいことは
  お前が知ってりゃそれで充分だろ。


[強がりじゃない、つもり。
 あ、でも。身長の低いお前に「ちっちゃい」って
 言われたことは大変に癪です]*
 

(261) gurik0 2019/06/19(Wed) 23時頃

【人】 R団 タカモト

―― 病院 ――


  ……やるなあ、葉子。
  俺、告白して振られるの初めてだわ。

  振られるってこんな気分なんだな。


[振ることは数多あれど
 振られることのなかった俺は、
 葉子の答えに対して、自嘲気味にはははと笑った]
 

(356) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  ああ、一緒にいてやるよ。


[普通以下の人間、と自分を蔑む葉子>>345
 「なるほど、そういうこと」と言って、
 俺は微笑んで見せたんだ]
 

(357) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  なあ葉子。
  卒業したら俺がお前以下の存在になるって
  葉子は気付いていたか。

 

(358) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト

 

  この進学校で。この受験戦争で。
  良い大学に行ける奴こそが正義だ。

  大学にも行けないで、受験もできないで、
  家を継ぐしかない俺は、カースト最下位の人間。
  ・・・・
  普通以下だ。

 

(359) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト


[葉子には、俺の実家がうどん屋だと
 明かしたことはなかったけれど。
 あの冷たい校舎で拓海に言った台詞>>5:211から、
 きっと聡い彼女は朧げな事情を察しているはずだ]
 

(360) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  良い大学に行って
  キラキラした青春送る奴が傍にいると、
  俺のプライドが刺激されて敵わん。

  ……だから、ああ言った。

  大学にも行けないような、
  俺みたいなカースト最下位の男に相応しい
  人間に葉子がなるんだったら、
  傍にいてやろうと思った。

 

(361) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  一緒に地獄に道連れになってくれる奴を
  探してたんだよ、俺は。

  あるいは、俺が地獄に落ちて当然の人間なんだって
  分からせてくれる人を。


[後者を求めて自分を傷つけてくれる人に
 依存していたことを、
 今の俺なら、客観的に見ることができる]
 

(362) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  葉子。
  きっとお前は、それなりに良い大学に行って
  楽しい青春を送って、俺を置いて行ってしまう。

 

(363) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  みんなが委員長で、穏やかで、やさしくて
  頭の良い優等生が好きだなんて、
  それこそ傲慢だ。>>2:398

  ……お前が言った台詞だよ。


[頭の良い俺は、かつて葉子が言った台詞を
 一語一句違わずに復唱することができる]
 

(364) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト



  優等生でない俺も認めてくれるお前ならって
  そう思って告白したんだ。
  甘ったれてるだろ。


[ほら、やっぱり俺は最悪に性格の悪い奴なんだ]*
 

(365) gurik0 2019/06/20(Thu) 13時頃

【人】 R団 タカモト

―― 後日 / 病室 ――


  いいや、聞きたくはない。かな。


[拓海のその質問>>303に、
 俺はしばし黙り込んだのちにそう答えた]


  例えばお前が俺の教科書を盗んだ犯人なら、
  これでお相子だなって笑えるけど。
  
  ……その言い方だと、たぶん違うだろ。


[拓海の無表情な顔を見つめる。
 長い付き合いだ。それくらいの機微は読める]
 

(370) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  もし犯人がその事実を
  俺に明かすことを望んでいないなら、
  お前がここで話すのはフェアじゃないな。

  俺は、拓海だから、ノートを盗んだって告白した。


[他のクラスの奴らには言えないぜ、と笑う]
 

(371) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  もしもその犯人が俺に謝りたいようなら、
  直接言ってくるだろ。


[そう告げたのちに、
 こちらも努めて無表情にこう問うた]
 

(372) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



    ……お前の親父、勾留されてるって本当か。

  

(373) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



[店の常連客から聞きかじった噂。
 堪え切れずに、俺はその問いを発したのだった]*

 

(374) gurik0 2019/06/20(Thu) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 放課後 ――


[宮古の腕を掴み、階段の踊り場の壁に押し付ける。
 そのまま、吐息のかかるほど近い場所で]


  お前、面白い女だな……。


[キメ顔は、そう長くは続かなかった]
 

(375) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃

【人】 R団 タカモト



  宮古。こんなのでいいのか。
  すごく恥ずかしいんだけど。
  なんなら皆見てるし。


[気恥ずかしげに頬を掻いて、視線を逸らした]
 

(376) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃

【人】 R団 タカモト


[残念ながらもう俺は
 宮古の元ペット候補でして。
 これはクラスメイトの無邪気なお願いに
 付き合ってあげただけ。

 何が楽しいのかはひと欠片も理解できなかったが]


  ……あ、これ。借りてたやつ。


[調度よい機会と、宮古に差し出したのは
 丁寧にアイロンがけされたハンカチ>>57>>3:391
 

(377) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃

【人】 R団 タカモト



  あのときは、
  お見苦しいところをお見せしました。
 

[宮古に向けるのは、いつもの高本悟らしい
 委員長然とした爽やかな笑みだ]**
 

(378) gurik0 2019/06/20(Thu) 19時頃

【人】 R団 タカモト



       ――――――――ッ、

 

(423) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト


[左頬を叩かれる、と思った。>>382
 俺は葉子のそれを避けることなく、
 じっとその場に佇んでいる。

 勢いよく振り上げられた掌は、
 しかし俺の頬に触れればそこで止まる。

 そのまま叩けばいいのに、と思った。
 甘いなほんと]
 

(424) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  ……だろ?


[甘ったれてる、という葉子の言葉>>382
 俺は悪びれもせずに笑って頷いた。

 頬のあたたかな感触にこそばゆさを感じながら、
 葉子の語る言葉に耳を傾ける]
 

(425) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト


[重ねられる「好き」>>388に動揺することなく
 じっと、葉子の瞳を見据えたまま]


  強情だな。


[ぽつりとひと言、呟いた]
  

(426) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



 「気持ちがないのに優しくしたり、抱きしめたり、
  そういうの全部、要らないから、やめてよ」>>4:279

 

(427) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト

 

 「なら、気持ちがあればいいんだろう?」

 

(428) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト

 

  お前がいい、って言ってるだろ。

 

(429) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト


[頬に触れる手首を掴んで、強引に引き寄せた。
 そのまま、葉子の背に手を伸ばし、
 やさしく抱きしめる。

 ――恋人時代に、そうしたように]
 

(430) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  葉子が何に劣等感を抱えて、
  何に悩んでいるのかは知らないけど。


[死んであげていい。価値のない人間。>>2:401
 あの冷たい校舎で彼女は確かにそう言った。

 葉子が何に追い詰められているのかは
 正直なところ、俺には
 想像もできなかったけれど]
 

(431) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  俺は、お前がいいんだ。


[同じ言葉を、繰り返した。
 そのまま、葉子の背に回す腕に力を込める]
 

(432) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



  それとも、隣にいるのが俺じゃあ
  不服だっていうのか?


[やっぱり俺の口調は上から目線で、
 じっと葉子の瞳を覗き込んだ]*
 

(433) gurik0 2019/06/20(Thu) 22時頃

【人】 R団 タカモト



     「あのね。高本くん。
      家を出ることになったんだ」>>405

 

(480) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 教室 ――


  そっか。
  おめでとう、京輔。


[その言葉は、存外にすんなりと出てきた。
 自分でも意外だった。
 誰かの門出をこんなに自然に祝えるだなんて]
 

(481) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[あの冷たい校舎に迷い込む前の俺なら
 裏切りやがってという気持ちひとつ抱えて、
 今まで手を付けてなかった京輔の教科書を
 隠してやるくらいの真似はしていたかもしれない。

 京輔に感じていたのは、
 つまりはそういう共感であったから]
 

(482) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  距離を置けることが、俺は羨ましいよ。

 

(483) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[自然に、「羨ましい」という言葉が出てきた。

 それは京輔相手だったからというのもあったし、
 きっと俺の成長の証でもあった。

 京輔の問い>>414にひとつ瞳を瞬かせて]


  いいや、笑えないな。


[はっきりとそう答えて、俺は首を振った]
 

(484) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  血の繋がりは切れない。
  決して、逃れられない。


[呪いの言葉を紡ぐ]


  それでもそこから離れようとあがく人を、
  今の俺は笑えねえよ。


[そうして俺は、自席から立ち上がった]
 

(485) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  京輔。見て欲しいものがある。


[俺は京輔を先導して歩き出す。
 教室から出て、階段を下りて2階へ。
 そのまま美術室の扉を躊躇なく開けた。

 そうしてそこへ、足を一歩踏み出す]
 

(486) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  本当はさ、美術部に入りたかったんだよ。俺。

 

(487) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  でも、部活に入るだなんて
  家族が許してくれるわけない。だから。

 

(488) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト

 

  部活ごっこ、してたんだ。
  あの校舎から帰ってきてから。

  学校生活の後悔の、穴埋めをするために。

 

(489) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[自嘲気味に俺は笑って、窓際へ近づいてゆく]


  拓海に聞いたんだ。
  
  朝だったら美術部員も教師も来ないよって。
  あとは美術部の画材とか備品の場所も、全部。

  毎朝早く来て、ここで絵を描いてた。
  たまに拓海に写メを送ってアドバイスも貰って。


[美術部の備品横領を悪びれずに語りながら、
 そのキャンバスに掛かった布を外す]
 

(490) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  京輔。
  これを見てお前はどう思う?

 

(491) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[それは一枚の油絵だった。

 青白い顔をした、けれど端正な顔立ちの少女が
 白いベッドの上に座っている。

 痩せこけた少女の体躯は、薄幸の印象を与え
 しかしその顔に浮かぶ笑みは穏やかだ。

 風に吹かれて、
 窓際の白いカーテンが揺れている。
 少女の髪も、風に揺れる。
  
 そんな、穏やかな情景が丁寧に油絵で描かれていた]
 

(492) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  俺の妹。


[ぽつり、と俺は呟いた]


  俺の足を引っ張る存在。


[続く言葉に恨みがましい響きはなく、
 ただ晴れやかであった]*
 

(493) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


[拓海は笑顔のまま、しばらく固まっていた。
 俺は無表情にそれを見つめている。>>454

 再び動き出した拓海は
 やっぱり笑顔を浮かべていて。
 無理くりに笑うその姿に、小さく溜息を吐いた]


  ……やっぱり、本当だったのか。


[俺は表情を殺したまま、拓海を見ている]
 

(494) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト



  その笑顔で、何を守ろうとしてんの?

 

(495) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[静かに、問いかけた]


  俺はお前が必死に隠して守ろうとしてきたもんを
  別に否定もしないし、壊そうとも思ってない。


[例えそれが、もう壊れていたものだとしても]


  ……だから、無理に笑うなよ。

 

(496) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[子供の時分。
 こいつの家に遊びに行ったことがある。

 拓海がいて、親父がいて、お袋がいて、たろがいて。
 あたたかな家庭がそこにあった。

 よく遊びに来てくれたねって、
 ひんやりとした麦茶を出してもらって。

 それをちびちびと飲みながら
 「綺麗なお母さんだね」って
 少し赤い顔で拓海に耳打ちした]
 

(497) gurik0 2019/06/21(Fri) 00時半頃

【人】 R団 タカモト


[蝉の鳴き声の聞こえるその部屋で
 他愛もない話を延々と続けたその時間を、
 確かに俺は覚えていたから]
 

(498) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃

【人】 R団 タカモト

 

          [――――だから、俺は]

 

(499) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃

【人】 R団 タカモト


 
  いいんだよ。
  友達の前では愚痴のひとつ零したって。
  つらいって、泣き喚いたって。


[俺はお前にとって頼れないような友人かい、と
 すこし……いや、大いに不満げに眉を寄せる。
 そうして、両手を広げた。
 おいでおいでって、くいくいっと指を動かして]
 

(500) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃

【人】 R団 タカモト



  ……その、なんだ。
  いつものお前の真似。>>0:192>>146


[ハグをしてやるぞ、のポーズだ]
 

(501) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃

【人】 R団 タカモト



       [俺だって、甘えるだけじゃなくて
        お前を支えたい。友達だから]**

 

(502) gurik0 2019/06/21(Fri) 01時頃

【人】 R団 タカモト

―― 放課後 ――


  いやいやいや。
  いくらなんでも笑いすぎだろ。


[肩を震わせて
 必死に笑いを堪える宮古の姿に
 俺は頬を掻くしかなかった>>460
 

(527) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト


[それを見た通りすがり級友たちも
 笑いながら脇を通り過ぎるものだから、
 小っ恥ずかしくて仕方ない。

 なんの羞恥プレイなんだ、これは]


  なにが面白いんだか。


[ハンカチを返しながら、ぼそりと零した]
 

(528) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト



      [依存関係は、終わった]

 

(529) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト


      [こうやってくだらないやりとりをして
       戯れている宮古と俺は
       やっぱり普通のクラスメイトでしかなくて。

       もう俺は彼女に甘えることもなければ、
       彼女は俺を傷つけることもない。

       本当に俺らの間には
       何も、なかったかのように]
 

(530) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト



      [――――それでも]

 

(531) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト


[見せられちゃった>>466と言って
 ころりと笑う宮古は、相変わらずに綺麗で
 しばしの間、俺は目を奪われる。

 我に返っていつもの委員長然とした
 笑みを無理くりに浮かべると]


  ご要望があれば、またいつでも。


[ひょいと肩をすくめて、踵を返した]
 

(532) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト



      [鎖骨の近くに刻まれた、火傷痕を指でなぞる]

 

(533) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト



  あっぶな。


[宮古の姿が見えなくなった後、
 俺はこう呟くんだ]


  ……また囚われそうになる。

 

(534) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト



      [やっぱり、悪魔みたいな女]*
 
  

(535) gurik0 2019/06/21(Fri) 15時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 美術室 ――


  ……そっか。


[幸せそうな女の子。>>510
 その評価に、俺は少しはにかんだ。

 京輔は相変わらず静かに笑っていて
 それは彼の本心であるように思われた。

 絵の中の少女は、穏やかに笑っている]
 

(536) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



    [――――幸せ。

     俺は彼女を、そう見ていたのだろうか。
     哀れで、可哀相で、俺の足を引っ張る邪魔な存在。
     そのはず、だったというのに]

 

(537) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

 

    [ふっと、肩の力が抜けるのが分かった。
     ああ、なるほど]
 
 

(538) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  俺も、好きだよ。

 

(539) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  妹のことが、大好きだ。


[やっとその一言を、口にすることができた]
 

(540) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト


    [美術室は、やわらかな陽光に包まれていた。

     俺と、京輔。
     微かに鼻を衝く画材の香り。
     並べられた木製の椅子とテーブル。
     壁際に置かれた石膏像。

     そして、幸せな少女が描かれた1枚の絵画]
 

(541) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



    [穏やかな時が、そこには流れている]

 

(542) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト


[俺は京輔の言葉>>514
 きょとんと目を丸くした。

 そうして、くすりと笑って]


  ……お前、美術部員だろ。
  俺に教わってどうするんだよ。


[あんまりにも、京輔が大真面目に言うものだから
 堪え切れないとばかりに、笑ってやったんだ]
 

(543) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト



  ああ、いいよ。一緒に描こう。

 

(544) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

 

    [――――やっぱり。
     俺とお前は似ているよ、京輔]**
 
 

(545) gurik0 2019/06/21(Fri) 16時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


[こんなにも取り乱す拓海を、
 俺は初めて見た。>>582

 服を掴まれ、胸に顔を埋められる。

 ああ、今まで
 そういうふうに我慢してきたんだなって。
 そういうふうに俺を見てきたんだなって。

 こいつも人間だったんだなあって、
 すとんと胸に落ちるものがあった]
 

(594) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  帰れねーだろ、普通に。
  てか、意地でも帰ってやんねえ。


[馬鹿かお前は、といつもの調子で返すと
 俺は拓海の背に腕を回した]


  こんな状態の友達置いて
  とっとと家に帰れるわけねえだろ。


[あの冷たい校舎から、
 お前を見捨てて帰れなかったように]
 

(595) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  羨ましく思っていいし、
  恨みに思っていいし、
  縋っていいんだよ。

  それが駄目って言ったら、
  嫉妬に駆られてお前のノートを隠した俺って
  もはやなんだよ。畜生か。


[拓海は聖人にでもなるつもりかって
 鼻で笑ってやる。
 そうして、抱きしめる手に力を込める]
 

(596) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  お前はおかしくないし、お前は悪くない。
  ――俺は、お前と出会えてよかった。


[ひとつひとつ、拓海の言葉>>583を否定していく。
 だって俺は、最高に性格が悪い男だから]
 

(597) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  生きろ、って。
  あの冷たい校舎で、
  確かに俺はお前に言ったんだ。

  その責任くらいちゃんと取らせろよ。

  つらかったら俺に当たれ。
  恨めしかったら俺を殴れ。

  ひとりで抱え込まれて、
  また勝手にひとりで死なれちゃ堪らねえ。
 
  

(598) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  ずっといっしょだ>>0:304って、約束したろ。

 

(599) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト


[そうしてわしゃりと、拓海の頭を撫でた]


  だいたい高校卒業したら就職するって、
  この時期に入院してて
  いったい就活どうするんだよ。

  帰ってからあの家にたったひとりで、
  どうやって暮らしてくんだよ。

  笑ってる場合じゃねえよ。
  心配で心配で堪らねえじゃねえか。

 

(600) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  職がねえっていうなら、
  俺の店で顔パスで採用してやるよ。

  噂が立っててあの家に帰れねえっていうなら、
  一緒に物件探してやるよ。

  だから――……

 

(601) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト



  俺を頼ってくれ。

 

(602) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト

 

      [縋っていたのは、俺の方かもしれない]*

 

(603) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時頃

【人】 R団 タカモト

___________________

To:養拓海

言われんでも
いま葉子の見舞いに向かってるとこ。
拓海も心配してたって伝えとくな。

___________________

(620) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト



      [待っていてほしい、と>>551
       確かに君が言ったから
       俺は君の回復を祈っていたんだ]

 

(621) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


[数回ノックをしてから
 俺はその病室の扉をくぐった。
 手に赤いガーベラの花束を持って
 ベッドに横たわる葉子に笑みを向けた]


  刺されたって聞いて、
  すごく心配した。


[ベッド脇の花瓶にガーベラを活けると
 来客用の椅子に座り、葉子を見つめた]
 

(622) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト



  拓海に続いて葉子も入院だろ。
  学校は大騒ぎだよ。
  受験の雰囲気なんて吹っ飛んじまった。


[それから、様子を窺うように間を開けて]


  あの日、今夜全部終わらせてくるって
  言ってたよな。

 

(623) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……こうなったの、そのせい?

 

(624) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト


[罪悪感がないと言ったら、嘘になる。
 努めて冷静な声音を心がけて、
 それでも問わずにはいられなかった]*
 

(625) gurik0 2019/06/21(Fri) 23時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


  おう、遊びに来い。
  っていうか。やっぱりお前、遠慮してたのかよ。


[わしゃわしゃと、さらに拓海の頭を撫でてやる。
 ずっと聞きたくても聞けなかった。
 なんで最近は、うどん食いに来なくなったんだって。
 ――怖くて、聞けなかった]


  お前を雇うなら、
  親父もお袋も満場一致で賛成してくれるよ。
  いつでも来てくれ。来い。


[拓海のあたたかさを確かめるように、抱きしめて]
 

(764) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



      [その笑顔>>638に、心底俺は安心したんだ]

 

(765) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


      [お前の背中をいつも追いかけて、
       お前の将来に嫉妬して、
       お前のやさしさに甘えていた。

       俺とお前の関係はいつも一方的で、
       きっと歪な友情だった。

       ――――だから]
 

(766) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


      [お前に恨まれるのも、
       お前から頼られるのも、
       俺はすごく嬉しくて堪らないんだ。
 
       おかしいかな。

       だってそういうのが、
       健康な友達関係っていうもんだろ]
 

(767) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……ずっと友達だ。拓海。
 
 

(768) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[きっと浮かべた俺の笑顔は、
 餓鬼みたいに無邪気なもので。

 あのな、俺がこういう表情を見せてやるのは
 お前が友達だからなんだぞ。
 そんな傲慢なことを、心中で思っていたりする]
 

(769) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[真っ白なカーテン。
 真っ白な病室。真っ白なベッド。

 まだ無垢だった子供の頃を思い出しながら、
 泣いて縋りつくお前の背をさすっていた。

 お前が泣き止むまで。
 お前の気が済むまで。

 いつまでも、いつまでも――……]*
 

(770) gurik0 2019/06/22(Sat) 22時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


  やっちゃった、じゃない。


[こつん、と軽く拳を
 葉子の額に当ててやる。

 その余裕ある口振りに安堵して、
 ふっと相好を崩した。

 それから、葉子の語る言葉に耳を傾ける]
 

(771) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト



  ……今更それ聞く?


[お前馬鹿か、と言わんとばかりの
 傲慢な態度で笑ってやろう。
 俺って、性格の悪い男だから。 

 幻滅したか、と問われても>>672
 もうとっくのとう。葉子と付き合って
 彼女が成績を落としたその日に、幻滅していただなんて
 さすがに今の場面じゃあ言えないな]
 

(772) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト


    [成績の良いお前に興味を持って、
     成績の悪くなったお前に幻滅した。

     お前が成績を良くするために何をやっていたか。
     その噂が本当だったとして、
     今更それで幻滅するなんてありゃあしないよ]
 

(773) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト


    [俺よりも頭が悪くて、可愛げがなくて。
     だけど危なっかしくて放っておけない。

     そんなお前と一緒にいたいと願ったから、
     今ここに俺がいるんだろう?]
 

(774) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト


[俺は、葉子に手を差し出した]


  ……教えてくれよ。
  付き合ってくれ、に対するお前の答えを。


[頭の良い俺が
 誰かに問題の答え合わせを要求するだなんて
 中々ない機会だぞ]
 

(775) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト



    [俺の手を取るか、取らないか。
     お前の答えを聞かせて欲しい]*

 

(776) gurik0 2019/06/22(Sat) 23時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 病室 ――


[大学に行く。>>809
 葉子のその言葉を、俺は瞳を瞬かせて聞いていた。

 様々な思いが脳内を駆け巡る。
 それは、決して肯定的な感情だけではなかったけれど
 俺はしばしの間を置いて、ふっと相好を崩した] 
 

  そっか。応援してる。


[その言葉を、何の皮肉も嫌味もなく
 本心から言えたことに、俺は自分で驚いていた。
 葉子に向けたのはきっと、偽りのない笑顔]
 

(885) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト



    [悔しくて、悲しくて、つらくって。
     ノートや教科書を隠して回って
     周りに当たり散らしていた俺は、
     ここで前に一歩をやっと踏み出せたのだと思う] 

 

(886) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト

 

    [この先も並んでいくため、と>>810
     確かに彼女は言ってくれたから]

 

(887) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト

 

    [だからきっと、
     葉子が無事に大学に合格できた時にも
     心からの笑顔を向けられるはずだ]

 

(888) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト



    [――――そうであってほしい、と願う]

 

(889) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト


[握り返された葉子の手のぬくもりに、
 俺は目を細めた]


  物好きはお互いに、だろ。


[葉子の眼鏡をそっと外して、その唇に口付けた]
 

(890) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト



    [お前のそういう顔を知っているのは、俺だけでいい]**

 

(891) gurik0 2019/06/23(Sun) 17時頃

【人】 R団 タカモト




    「兄さんのうどん作ってる後ろ姿、
     わたし大好きなんだ」


 

(968) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト

―― 後日談 ――


[わたしがそう言うと、兄さんは
 はにかんで笑いました。

 頼りになる兄さん。
 格好いい兄さん。
 大好きな兄さん]
 

(969) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[店を切り盛りするようになった兄さんは
 すっかり頼もしくって。

 あいつがいればこの店も安泰だなって
 父さんも母さんも笑っていて、
 この家はいつも笑顔にあふれています]
 

(970) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[でもね、退院したその日。
 わたしは見てしまったんです。

 もう高校を卒業して、何年も経っているのに
 閉店後の誰もいなくなった店内で
 暗い顔をして英語の単語帳をめくる
 兄さんの姿を]
 

(971) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[本当はね、わたし気付いてたんです。

 あんなに勉強が好きだった兄さん。
 大学に行きたくないはずなんて
 なかったのにね。

 わたしの家の幸せは、
 きっと誰かの不幸で成り立っています]
 

(972) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[店には、いろんな人が来ます。

 店の人手が足りない休日は、
 たまに拓海兄さんが店の手伝いに来てくれて。
 兄さんにあんなに優しいお友達がいるのを
 わたしは嬉しく思うんです。
 幼馴染って、本当にいいなあって
 わたしはちょっぴり羨ましい。

 ときどき、うどんを食べにくるお姉さんがいます。
 兄さんは何にもわたしに言わないけど、
 きっとふたりは付き合ってるんだろうって
 わたしはとっくのとうに気付いているんですからね。
 女の勘は鋭いんです]
 

(973) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[綺麗なお姉さんがたまに暖簾をくぐります。
 兄さんは「悪魔のような女だ」って言うけれど、
 わたしにはとてもそうは見えません。
 人は見かけによらないんですね。

 定休日に店を訪ねてくることが多いのは
 京輔兄さんです。
 ふたりしてスケッチに出かけたりしているのを見ると、
 同じ趣味があるっていいなあって羨ましくなります]
 

(974) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[この店には、たくさんの笑顔があふれています。

 ある日、携帯電話を見つめる兄さんいっとうに
 素敵な笑顔を浮かべていたものですから
 わたしはこう尋ねました]


  兄さん、なにか良い知らせでもあったの?


[そうしたら、上機嫌に兄さんは笑って]
 

(975) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト




    「拓海からメール。>>931
     あいつ、粋なことしやがって」


 

(976) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト


[同窓会のお知らせでしょうか。

 兄さんの笑顔がいつにも増して
 輝いていたものですから、
 わたしの頬も自然に緩みます]
 

(977) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



      [大好きな兄さん]

 

(978) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト

 

      [家族の前では、決して弱音を吐かない兄さん]

 

(979) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

【人】 R団 タカモト



      [兄さんの幸せを、わたしは誰よりも祈っています]**

 

(980) gurik0 2019/06/23(Sun) 22時半頃

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