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達成
ずぅっと前の を、 もう 忘れたから。
虚無
**************
自らの思い込みを自覚するのは、
少女が星の砂になったあと。
彼女が遺した手記に目を通す時だろう。
星の死んだ夜のようだと 思った。
しらぎくを手放すために、
わたしはほしを呑み込みました。
そうして、たしかにわたしは、
あるべきにんげんへともどったのです。
世界を映す、片方と。
歩むための、両脚と。
その時の"わたし"であった、十数年と。
すべて、わたしのなにかと、ひきかえに。
─── わたしだけのなにかだと信じていたのです。
祈ったのは碧の空をはしる ────
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(113) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃 |
冬が終われば雪が融けていくことと、
弾けたいのちが消えてなくなること。
どちらも変わらない筈なのに悲しいのは、
無くなってしまうことが怖くなったから。
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(114) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃 |
────── いまは、ただ こわい
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(115) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃 |
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![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(120) 石鹸 2019/06/23(Sun) 12時半頃 |
…… やっぱり ■■さまみたいだと思って、
( だけど今の顔はとても
■■さまのようには見えなかった )
祈ったのは、 たったひとつ
ちぃさな 種子のかたちをした ─────
すこしでも にんげんのせんせいで在りたいと、
■■でありたいと 願ってしまったのです。
──── きっと 若かったためだろう。
かんじゃさま
被験者 の ■ に 慣れるような
経験ひとつ 持っていなかったから
はじめて訪れた其の時に、 褪めた碧を忘れ、
融かし殺した しょくぶつのいのちへ
『 』 と、
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(155) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃 |
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(156) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃 |
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(157) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃 |
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(158) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃 |
・・
もしかするとそれは
死の淵に立った途端、かえりたかった場所に
かえることが恐ろしくなった僕の願望じみた
大きな思い込みだったのかもしれません。
せんせいの唇から洩れる息のふるえも、
冷たい距離から落ちるよりずっと■かい声も、
こんな姿の僕をここに引き止めるような言葉も、
青白い心臓のあるところに重ねてくれた感触も。
![]() |
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(161) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時頃 |
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![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(164) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時半頃 |
![]() | 【人】 優等生 ヨリック
(165) 石鹸 2019/06/24(Mon) 20時半頃 |
結局、こんなすがたになってまで、
祈った意味はあったのでしょうか。
何時かは土の下に埋まる身なのですから、
それが初めてだろうと なんだろうと
花になってしまえば良かったのです。
つまらない顔されるより、
花に成りきったその瞬間を見れば良かった。
……とは、只 不機嫌なままの感情でしょうか。
きっとそうかもしれません、
なにせ わたしは幾つの姿をとろうと気紛れでした。
死にどきを 選ぼうと、
達成のうちに 舌を切り落としたあのときは、
舌先の始末を間違い、 ────
出血より先に窒息を死因とし、
赤と また別の" なにか "に 塗れ、
……到底 願ったよなうつくしい死は迎えに来ず
知らない顔ばかりだ。
どうでもいい顔は覚えていないとも言う。
成程モルモットとはこの気持ちなのだろう、
格好付けて残すなら そんな風。
定期的な 被験体のできごと。何時も通りの。
[ 指が 這う。 ]
「 ─── 何かが絡んでいるみたいです 」
「 歩く練習をしても上手くいかないので、 」
「 ……まあ 呪いみたいなものじゃないですか 」
「 ええ、奇跡的に生き返ったあの時からですよ 」
「 触ったところで何か分かるんですか? 」
「 ちっとも変わらないのに、全部、わたしも、 」
[ 片目を隠す真白に指がかかって、 ]
[ わたしは言ってやった。 ]
[ 変わらなくて変わった身体で、 ]
[ 変わって変わらなくなった声で、 ]
[ がらんどうの瞳で、"見詰めて" ]
あなたたちもよ、おばかさん。
在る筈のものが ない とか、
そんなこと ちっとも気にしていないので、
[ 触れるものは薄く開いた歯のみで、
──── 咥内に"おちる"よに 花弁を残す。 ]
[ 毎日 ずぅっと 変わらない。 ]
[ 何度か、ふと過ぎることはあって、
別にたいしたことじゃあないだろうって
放っておいたけれど、
─── 否、嫌いとは散々言った。
だって、何故って、嫌いだったから。
変わらない毎日の中で、瞬間か、一日か、
理由も無く本能的に突き放したくなってしまって、
全く失礼な理由だとは思えど、
間違っちゃいない とも 感じていて、 ]
[ 何時か振った片手が ほんのすこぅし痺れたから、 ]
[ 何時気がついたのだったか、忘れてしまったけれど、
「 嫌い 」と 部屋を閉め出されるときは、
決まって、 何かが咲いた日だった。
女郎花と男郎花の揃った時、
しらぎくの二度目の春、 ───────
途端 また、 "いつか"のような、
虚無に基づいた衝動に駆られてしまって。
切り落とす舌がなくて良かった、と思う。 ]
[ 何処かで、知っていたんだ。
( 死に時を探していて
死に場所を求めている。 )
───── そんなものじゃあない、もっとしちめんどうくさい、
"nameless"な欲求みたいなものを。]
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