人狼議事


262 【R18】軽率に花見…何でここに薔薇が!?

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視点:


―××年前―

[尊敬していた。憧れていた。
最初は兄弟が遊んでくれなくなった寂しさもあったけど。段々と彼と過ごす時間が増えるごとに慕う心は純真になる。ええよと迎え入れてくれる言葉が嬉しかった。学校よりずっとこうしているのが楽しいと抱き着き。

甘えて、首を傾げるのは
まだ性の訪れの知識もすくなく]


 やってはよう兄ちゃんに会いたかったんやもん
 ……やや、兄ちゃんに会えるじかんへる。

  兄ちゃんがいっしょ入ってくれるなら

  かんがえてもええけど


[ふいっと唇を尖らせて目を見開く彼に拗ねるが。
誤魔化しに気づくことなく妙案を思いついたと顔を輝かせ。
そうだ、一緒に入ればいい。そしたらその間も過ごせる。今度のご褒美はそれにしてもらおうと手を叩く。彼の複雑さもまだ知らないで。
妙案にきゃきゃと喜んでいれば早速の勝負に食いつき]




 もちろん、負けへんで


[一回負けたら、またハンデを求めるかも。
だが今度こそハンデなしで勝つのだ。とひっつき虫のまま燃える目を向けた。なんでも言う事を聞くと言っているけど、彼が嫌がることを言ったことはない。この前の、ちゅーなんて。最初分かったと頷いたのが

――する瞬間になって何だか恥ずかしくなり。
真っ赤に目を瞑り、押しつける形になったけど。いやじゃなかった。むしろ気に入ってご褒美にするほどだ。彼がゲームを選んでいる間を利用して、ベッドへもぐりこむ。彼の手が一度止まったのは
生憎みえなかったけどふかふかを堪能し]


 ぎゃぁ!!


[軽く上から乗っかられ、声をあげ。
それから小さく大人しく笑いだす。兄ちゃん兄ちゃんと大人しい子が黒髪の下、眼を輝かせて全身で擦り寄った。タコのゲームも好きだ。対戦型のそれはうねうねとするのが気になって仕方ない。けど

こうして過ごすのも好きだから。頬を寄せ]




 びっくりした …もうずるい!!


[仕返しだって頬を軽く噛むのだ。
へへっと笑う子どもはひっ付くことで汗のうつることも気づかない。白い太腿が抱き着くことで見えるのも、その先の下着までチラつくのも何も気にしない。噛んでそれから、唇でちゅっと頬に触れる。

唇へのキスはハンデでご褒美だ。だからほっぺたに。
今日こそはハンデなしで勝つぞって燃えれば、ゲームに向かおうとするが。何処か、彼のお願いも期待していた**]



[ 心の中の葛藤は在るにはある。
 こんな気持ちを抱えながらもと思うも
 言い訳だけは得意すぎた。
 酒に欲に本能に争わずにバカになった ]

  ほんまに……?

[ 彼の主張を嘲笑うように口角を上げ
 嘘つきな言葉とは裏腹に体は素直で
 罰だというように彼の制止を無視して
 より一層張り詰めた彼の雄を翻弄した。

 嬌声が耳に心地いい。
 神経をじんっと刺激し鈍らせる感覚。
 吐き出す息が乱れて視界も霞む。
 彼の手に握られ上下に擦られた ]



  ……ッん、 は きもちえぇ。

[ 感嘆の声は唯々情欲に満ちているが
 ふと覗いた眸は何処かか細く ]

  あほなっても、ええよ。
  責任、取るから……。

[ 口走った台詞を自覚しないまま
 トロトロと先走りを垂らす鈴口を弾いて
 彼の蕩けた顔に欲情して
 果てたのはほぼ同時
 唇の隙間からも恍惚とした声が溢れた ]



  眼鏡、ついてる。

[ 無意識に伸ばした舌が彼のレンズを這った。
 お世辞にも美味しくない渋味に眉を寄せるも
 欲しがりな窄まりの主張を未だ知らぬ男は、 ]

  ちゃんと、可愛かった。ええ子。

[ 彼に触れなかった方の手で頭を撫でる。
 それがやけにしっくり来てしまった ]



[ 何故だろうと思いながらも理由は分からず、
 火照った顔は雄を欲しがる雌のよう。

 また熱を擡げそうでになりながらも
 その唇にすら懐かしさを覚えてしまって 

 いじらしいその手を掴んだ。
 今度はこちらが誘う番だった ]


[ 乱れた衣服をおざなりにながらに整え
 二人して夜桜の道から離れていく。
 少し移動して見つけたホテルでカードキーを受け取り、
 室内に入った途端、扉に肩を押し付け、
 強引にも唇を奪ってしまった ]

  もう、我慢できそうに、ない。

[ 顎から伝う汗に舌を伸ばす様を見ていた。
 彼の股座の間に差し込んだ脚は
 行儀悪くも先程達した彼の裏筋を縊り出し ]



  チュー以上、するけど……。

[ それでもいいならおいでと誘う。
 イエスと答えるならばシャワーを浴びる事も許さず、
 備え付けられたベッドに彼を押し倒して
 先程も奪った唇に舌を差し込んでは愛撫しただろう。

 その間もシャツに手をかける事は忘れずに
 露わとなった肌を見下ろす男は、
 首筋、胸元、臍、脇腹とキスをしたがる。

 いつまでも戯れたい気持ちと
 今すぐ組み敷き快楽に喘がせたい欲求。
 そんなものに支配されることがあるなど
 男さえも知らない事を味わう事になったか ]*


[そう尋ねられると嘘をつき続けられない。
彼の手が、翻弄する雄とともふるふると悶え
掌は彼の熱と共に扱き出した。きもちええという声が鼓膜に悪い。そんな風に言われたら、もっと気持ちようさせたなって。でも彼の悪戯な指に翻弄されてしまうのだ。
責任―――取る。その言葉。

その言葉がいけなかった。慾に浮かれてだと思う。
思うのに『取ってな。』と唇は求めてしまう。

果てた身体は緩慢として]




 … …あ 、 ん や …あかん


[ぺっしてと鳴いて
気付いたのは彼の舌がレンズを這ってから。
渋味に眉を寄せる姿を見て、顔を赤くしていたが。
褒めてくれた事にと色を変えて褒められ――撫でられて。
歓びが、上書きされていく、こんな風に

こんな形で褒められるのも嬉しい]


[彼がもっと欲しい。
先を知らなかった子どもではない。
彼は覚えてなくても、自分は覚えている。キスの先。

――この先は、掴まれた腕だけが知っていて。
彼を見る目は潤みつづけ、息は乱れ]




 ……う。


[桜道から離れていく。
服の乱れが気になって、汚れが気になって。でも、
彼が腕を引いてくれるのが嬉しかった。離れないでいるのが。ホテルのカードキー。それがこの先を意識させるけど。

それすら、現の中でも夢じみて。
唇を奪われるまで、浮いてた――――あと洩れ]




 ……、 我慢なんていらん


[顎にも伝う汗に這った舌が出る。躰は火照っている。
彼の足が、行儀悪くも裏筋を弄るのなら呼吸はさらにあがり。隠した其処がまた熱を持つのが分かる。汗の臭いが気になった。けど、彼の言葉にときめいてそれすら気に出来なくなる。

――先輩。と今更に呼ぶ。]


 …… ええです。 …ちゅー以上が欲しい


[今更の敬語。照れ隠しだ、ただの。]


[それも何時まで持つか分からない。
酒の酔いはまだある。そんな中で乱れていくのが恥ずかしい。染まる唇にも差し込まれて愛撫されて。露わになった肌を見下ろされて。

恥ずかしい。と声はかすか。
首筋、胸元、臍、脇腹と幾つもの花が咲く。
花の色は桜の薄い色よりも濃い花が、彼の許で咲き誇り。

唇を指先は抑えた。上がる息が酷い。
乱れる、翻弄される。その先の戯れも、快楽も嬉しく

甘えたに全てを欲しがっていく。*]


  それは、少しだけ勿体無いな。
  俺は合理的に物事を考えてしまうけれど
  君は情緒や響きの良さを選ぶ感性がある
  充分素敵な日本語を喋れているよ。

[ 可愛らしくて、人を笑顔に変えてしまう才能は、
 芸術性を体現した文化のひとつである音楽に
 彼が長く触れていることもあるのだろう
 入社後だけではなく、故郷も芸術を愛する環境であり
 彼の耳は感銘を音から見出し、唇は福音を奏でる。

 彼の胸中までは覗き込めないけれども、
 住む世界が違うと何度も思わされたくらいに
 彼は柔らかな存在で、一種の神格化すら覚えてしまう
 だが、望んでいるのはきっと――そうでは無かった。
 遠くから見つめるのではなくて
 同じ世界と同じ環境で生きたいのだ。

 彼のプライベートスペースを満たせないジレンマを
 ティーンの子供みたいに憂う過去は、遠い昔じゃない ]


[ だが、思いがけない理由をかけてくれていたのだと知り
 妙な独占欲を育んでいた自身との差を実感して
 居心地を正すべく肩を揺らしてしまうくらい恥じた。

 それは、彼の依存性を明かすようでもあり、
 出社すれば会えるという願掛けにも聞こえた。 ]

  約束を、覚えてくれていたんだね。
  ありがとう。

[ なーくんと、仲良くして欲しい。
 確かにその言葉は彼とぬいぐるみに宛てて伝えた言葉だ。
 だが、本当にそれだけの意味を孕むのか。
 大腿に触れてしまったのは偶然であるとはいえ
 ぬいぐるみに名付けられた自身と共通する響きを聞いて
 
 ――― 羨ましく想ったのでは無かったか。
 何もかもを包み込んでしまいそうなやさしい腕に抱えられ
 縋るように掴んで貰える権利を
 ぬいぐるみと彼に見出して。 ]


[ 望んだのは――ぬいぐるみだけでは無かっただろう。
 むしろ、ぬいぐるみが皆のアイドルを喜んでも
 自身が望むのは他の誰かに撫でられたり
 可愛がられることではない。
 腰に巻きつく彼の腕が真実の扉を打つ。 ]

  ――――可愛いね。

[ 甘える子供のようで、包まれる多幸感を実感する。
 可愛いだけではない。
 唇で感じる瞼の奮えや、興奮剤足り得る声が
 職場の人間だと一線を置こうとした自制心を崩す。
 
 もっと、と強請るような仕草に誘われて、
 彼の温度や呼吸の甘さを感じたくなり口をつける
 触れ合うだけでは飽き足らないと言いたげに
 開いて誘う花園の奥へと、舌を滑らせ割り込ませる。

 強引に乗り込むくらいの気概で居たが
 歯列を自ら開いて甘える口内に嬉色を呻きに混ぜた。 ]



  ―――っ……、

[ 舌を合わせ、粘膜を摺り寄せて、唾液を綯交ぜに。
 執着を口吸いで伝えたがる素直な唇。
 下唇を甘噛みし、喉を鳴らす。
 離れるのが惜しいが、はくりと呼吸を求める唇の動きに
 互いを繋ぐ糸を舌でいなしてから指一本分の距離を与える

 鼻で呼吸をできない初心な姿が
 酷く好ましく感じられるだけではなくて。
 きっと、彼の色艶めく声を聴いていたいのだ。
 唇を塞ぎ続ければ、そうはならないから。 ]


[ 弾む息に乗せるように彼の口から溢れた言葉は
 言い訳というよりも、詩歌を語り継ぐ詩人のようだ。
 綺麗なものを見て、酒に浮かれ、月に狂うのならばと
 溺れることの正当性を問いかける彼の唇に――

 覆うように、啄むように唇を吸い付けた。
 休憩は終わりと促したい訳ではないから直ぐに解放し
 硬さと柔らかさの両面に富む顎鬚を撫でる指と舌に
 穏やかな表情と、留めおけない熱い眼差しを注ぎ ]

  でも、君のほうが桜より可憐で 
  酒よりも血の巡りを良くする。
 
  それに――手の届かない月よりも
  ずっと蠱惑的だ。
 


[ 彼の詩歌を言い訳にさせず、目を細める。
 彼の願いは、――
 他の事象を理由にして羽目を外す事かもしれない
 だが、あくまで勇気を得ただけ、切っ掛けに過ぎない ]

  どんなに浮かれる場所に居ようとも
  隣に居るのが誰であろうと
  手をつけることは、しないよ。 

[ 環境が理由なのではない。
 彼だから、誘われる。
 同じ理由を彼に求めるわけでは無いけれど
 過去に妻帯し子を持つ覚悟を固めた男は
 一時の劣情に流されているだけでは無い。 
  
 言葉は実直でも手は不埒で、衣類の裾をたくしあげて
 血色を立ち上らせる肌をさすり、骨格を確かめる。
 鎖骨の枝から胸板を左右に分かつ渓流を辿り
 左胸の滑らかさを掌でたしかめて
 控えめに実る、花の種子を指腹でなぞろうか。 ]


[ 柔らかく控えめな粒を指で弄り回すだけでは足らず
 硬さを返すまでくりくりと爪先で弄ぶ。
 下半身が愛撫を訴えていても、今は寂しさを与えた。
 
 贈られたキスの間に弾んでいた喉仏へと顔を寄せ
 線を引く姓ではなく名を呼ばれて嬉しかった事を
 彼が音色を届けてくれた根源である隆起を強く吸う。
 薄い皮は吸引に引き攣り、桜色の花弁が柔肌に縫いつく

 そうしてまた、唇を求めて顔を寄せ。 ]

  ――……一輝。
     もっと、俺を呼んで御覧。

[ 彼に呼ばれると、胸の奥が熱くなるのだ。
 触れている胸先を指で弾き、
 己が感じている熱の有様を彼にも味あわせたがる。 ]
 


[ 唇をそのままくっつけはしたが
 彼の舌を引き込むように奪いはしない。
 焦らすように下唇の輪郭をなぞり
 焦がれる熱情を持て余させる。

 求めるものを分かっているのに――
 彼の愛らしい口からもっと、と甘える声を聞きたいから。 
 男が我儘に彼の身体を弄るように
 彼にも我儘に求めて欲しかった。

 だから――強請ることを覚えるまでは
 深い接吻を強いることなく矛先は逸れ
 ひとつでは桜が仲間はずれで可哀想だと
 首周りに、いくつも口づけ、皮膚を吸い
 所有の証を縫いとめてしまおう

 唇を独占するのとは別の歓びで胸が弾むものだから
 彼の身体のパーツは何処畏も男を虜にすると再認識。 ]



  不思議だな。
  次から次へと、触れたい場所が増えていく。

[ 下腹部で留めている男のシンボルも窮屈だが
 それ以上に、彼の全身を触れて確かめたい。
 遠くから此方を目指す人影を悟り
 服の裾に差し込んでいた手を一度抜く。 ]

  今の君を誰かに見られたくない。
  緑の絨毯で、続きをしようか。

[ 他人目に触れて会社を首になる保身ではなくて
 彼への独占欲だけに満ちた頭の願いを吐き
 手を取り―――
 ベンチの後ろの低木の茂みへと誘いを掛ける *]


[限られている知っている単語を並べ
 考えを表現しようとすると
 どうも異質なユーモアの表現が零れてしまう。

 けど、それが彼にとっては好ましい個性らしい。
 笑ってもらえて、良かった。
 できれば並んでも恥ずかしくない相手になりたいが
 頭髪に乗る花弁を落とし、頷いて受け入れた。]


[思えば、望まれたら何でも素直に受け入れる質だ。
 しかし、ぬいぐるみを可愛がるのは
 好きだからでもあるし

 その子を大事にすることは
 彼との繋がりを守ることと同義だと捉えた居た故
 依存先は、ふわふわの猿ではない。

 空いて居る手で絡みついた腰は、生身の人間。
 与えてくれる口付けは、優しくて、温かい
 体温に近い蜜を飲み干し、更に口を開く。
 交じりあう舌先に喜色に喘いで。

 ここが外であるとか、どうでも良くなる。 
 恥ずかしさより、嬉しさが勝る恋心。]


[夢中で重ねた接吻も一旦休憩。
 糸引く唾液さえ上手に絡める彼が
 刺激が強くて臆しそうになるも
 伝えたいことを伝えての言い訳作り。

 晒された気持ちを受け取り、キスをくれて。
 ん、と甘えた声が漏れたのは
 逃げられてしまうことがずっと怖かった故。

 風情の賛辞さえも甘言に昇華する彼に
 ただただ心臓が苦しいまま。]

 はっ、……ぁ、ん……

[裾の中に隠れた素肌に触れる手付き
 酔っている所為か温かくて、溶けてしまいそう。]


 っん、ぅ…? あ……だ、め……あ、っ!

[胸の突起が感じるだなんて知らなくて
 なぞり、擦る指腹に、喉を逸らせて喘ぐ。
 尖りが弾力帯びる頃には
 軟体動物みたいに腰をくねらせ
 ふ、ふ、とだらしなく呼吸に追いすがる形。]

 ――んっ

[そこで、ちくっとした痛覚が走る。
 否、痛みと言うより、火花みたいな悦だった。
 何をされたのか薄く開く目で
 綺麗に咲いた鬱血を指でなぞり確認。]
 


 なおしげ、さ …… んぅ、う… っ

[名前を呼んで、彼の心を満たしたがり
 されど、胸の快楽に邪魔される。
 最後まで言葉で綴らなきゃと焦る想いで
 亨重さん、と覚束ない声で、繰り返し。]

 亨重さん…
 


[ぎゅっ、と崩れていない綺麗な体躯に縋って
 大好き。と唇の動きだけで、もう一度。
 そこで、枷が外れたみたいに
 なるべく喘ぎ声を出さぬよう努力した意識さえ
 快楽に溺れて、手放したがる。心が解放された反動。]

 … っ、……、ね、も、キス……

   ひあっ! あ、……っ、

[あんなに深くしてくれた口づけが
 戯れみたいに触れるだけ。
 片思いの長い月日、ファーストキスを夢見てた。
 今その夢が叶い、薄い唇が重なる度
 瞼が震え、視界がちかちか点滅するよう。
 
 だけど、奥まで唇を愛してもらえないと
 不安になってきた。
 足りないです、と泣きそうになって囁く。
 さっきは、ちゃんと深く愛してくれたのに。]


[それとも、身体の各所に
 痕を付けられる刺激こそが愛情表現であり
 彼からくれる褒美なのかもしれない。

 ディープな口付けを全身で欲しがる間も
 火照る皮膚に花が咲くたび、軽く指を噛み
 言葉にできないまま感謝する。
 鬱血が増えていく度、気持ちよくなってくる。

 下半身の熱が存在を強く主張する頃
 彼の声が鼓膜を震わし、そっと視線を其方へ。]

 あ……俺、全部、触ってもらいたいです

[欲しがってもらえるなら、ぜひ
 と言う前に、持ちかけられた場所の移動。
 行為の続きも、甘ったるいキスも、まだ知らないことも
 付いていけば、彼が教えてくれるなら。]


[自分から彼の手を取り
 ふらふらした足取りで茂みの中。]

 …わ。

[手を繋いで外を歩いてる。
 小さなことで、大きく心臓が震える。
 向こうに行けば食べられると解っていても
 こんなに愛おしい獣であるなら
 捧げることが出来て幸せというもの。

 シャツはすでに肌蹴ていて、身体は汗で濡れて居て
 夜風に当たると涼しんでいくのに
 目の前に彼の後ろ姿があることが、一心に眩しい。*]



[ 責任取る、その言葉に嘘はなかった。

 絶頂を迎えた体は色香に塗れて
 思わず目を細めてしまった。
 彼の言い分を聞かずに口角は上がる ]

  お前の味がする。

[ 馬鹿げた事を残せばまた彼は照れてしまうか。
 その表情もまた覗き見てしまいたいと
 暢気にも陽気にも考えていた。

 瞳が合ってしまうその瞬間までは ]



[ 後戻りは出来ない。
 喧騒から遠ざかり新たに踏み入れる一室
 幻想的な桜の木の下が見せた光景は薄れ
 寧ろ差し迫る現実感に彼は何を思うか。

 我慢なんていらないと言い切る彼は潔く
 どうして許してくれるんだろうと
 どうしようもない笑みを浮かべて ]

  ちゅー、って言葉だけが、子供みたい。

[ 困ったような狡いと称された表情で
 その時ばかりは掠め取るように口付けた ]



  ……もう、子供の頃には戻れへんのに。

[ それでも許してくれるならと搦めとる。
 押し倒した先で初心な姿に喉を鳴らした ]

  なぁ……俺ばっかりやもん、つける?

[ いつまでも見続けたくなるが、
 欲しがりな彼に与えるのもいいが
 彼から与えられる何かを欲しがったのは何故だろう。

 夢だとか酔った勢いだとか
 そういった言い訳をするならば必要のない事。
 それなのにやんわりと滑らかな肌をたどりながら
 自らの首筋さえ晒してみせた ]*


[ 彼が大切にしてくれていたのは
 猿のぬいぐるみだというのに
 接吻に夢中になる様子はまるで鳥の雛。
 分けて欲しいと甘え、喉を鳴らしては
 甘い喘ぎと共に口を割り開き
 おかわりを求められると幾らでも与えたくなる。

 その行為に彼が後ろ盾を求めるのなら
 それを許しはするが、完全な肯定はしない。
 自然界の光景よりも、彼のほうがよほど
 芸術と呼ぶに相応しく、心を虜にしてしまう
 
 肢体の柔らかさや誰にも穢されなかった肌は
 何処に触れても上質なシルクのようだ。
 そして、ただそこに或るだけでは無くて
 感度までも生娘のように敏感だった。 ]




  だめじゃない……。
  こんなに悦んでいるのに。

[ 触れれば触れる程熱を持ち芯を主張する粒。
 やさしく甘やかすようにさすってやり、
 かと思えば刺激を与えるべく抓って
 淫靡な腰つきや悦楽に狂う様を見守る。

 嬌声と共に己の名を彼が奏でると
 猥りがわしさと賛美歌のような神聖を
 同時に味わっている錯覚すら覚えた。 ]

  ……うれしいことを言ってくれるね。

[ 一番、――
 彼に教えた日本語の中で
 一番気に入ってくれたなら
 レクチャーした甲斐があるというもの。 ]


[ 彼の熱めく呼気が夜風に溶け合う中、
 自身が浅ましくも興奮を耐えられず息を飲む最中。
 甘い言葉を互いに捧げて睦み合う。

 だが、素直な彼に似合わず、
 何かを我慢するように
 声を押し殺している事に気づいた。
 
 声を我慢するなと唆す事は容易だが
 我慢して耐えられなくなる姿が見てみたい。

 我ながら意地が悪いと自覚症状はあるが 
 彼を害する何者かを赦せないのと同時に
 己だけが彼を追い詰めたいと対なる欲求がある ]


  キス……?  キスが、どうしたんだ?
  怒らないから、言ってごらん。

[ 初心な彼でも、こう言えば悟れるだろうか。
 麗白な綿のように純粋で飾らない彼を
 欲深い生き物に変えようとしている事に
 今にも雨を降らしそうな目で見つめられ
 不足を咎める声を聞けば、薄らと微笑む。 ]

  いいよ、でも少し待って。
  君の身体にもキスを強請られているんだ。

[ 鬱血の跡を舌で舐めまわし、首筋に舌を這わす
 そうして、彼の願望を実らせ熟成させる。

 もう一度口内を愛でようと顔を持ち上げた時 
 人気を感じて中断を余儀なくされたが
 時を改めるなどと野暮な事は言わないし
 何より、自分自身が此処で留まるのを好しとしない
 もう、彼に心を奪われ坂道を転げているのだ。 ]


  そうか――じゃあ。 横になれる場所に行こうか。
  隅々まで君に触れたいからね。

[ 望む心を意のままに伝え、手を握る。
 そうして奥へと誘えば感慨を明かす声が跳ね
 こうするのは嫌だったかと彼に問いかける。 ]

  俺は、繋ぐのが好きだよ。
  君を何処にでも連れて行きたくなる。

[ 自然が多い広い公園は遊歩道を外れた途端
 森のように緑を茂らせる場所を提供する
 獣が出てもおかしくないと錯覚しそうだが
 彼の隣を歩く男――自身こそ一番危険な獣だろう
 
 茂みに入り、膝をつく。
 短い草の絨毯が柔らかい事を確かめてから
 彼の腕を引き、グリーンカーペットへと
 仰向けに寝転がるように誘い込んだ。
 彼の上に被さり、額が密着するくらい顔を寄せる ]



[ 後悔していないかと問いかけようとしたが
 着乱れたシャツや月光に照らされる汗の玉に
 火照り、魅了の薫りを漂わせる身体まで敷いて
 彼に再度の覚悟を問い質す余裕は消える。 ]

  ほら、一輝。
  続きを――しよう。

[ キスを強請った先刻の彼は、忘れようもない。
 唇を寄せて、吐息を交える。
 くちゅりと舌を伸ばし、
 上唇と下唇の隙間を暴く

 健康な色合いの歯茎を舌腹で辿り、
 奥に潜む舌の熱さを知っていながら
 彼の願望を覗くように問いかける ]


  ……もっと深いのが好きかい?

[ 応じに答えてくれるなら、そのまま潜ろう。
 今度は、深く絡ませて、粘膜を満足させよう。 

 唇だけでなく、中途半端に脱げているシャツを
 全て脱げるようにと袖を引き、
 呼吸をつく合間合間の空白で脱衣を進める ]

  ――…あぁ。俺も、熱くなって来た。

[ 下肢に手を掛ける前に自身の上衣を落とす。
 ジャンパーを脱ぎ捨て、制服のボタンを外し
 中の丸首シャツも放ってしまう。

 そうして、手を伸ばす。
 彼の胸板を円描くように撫で回し
 先ほど愛した胸の肉粒に吸いつこう。
 ちくりとする口髭が乳輪を虐めるが
 乳頭を食む唇はやさしく。 ]



[ 唇が彼の胸に執着し舌で味わう合間にも
 臍を撫で腰つきを辿る手は更に下――

 ベルトを外しに掛かり、スラックスを寛げる。

 中央には既に熱が宿っていたが
 先ずは彼を全て明るみに―――
 素直な肉体を視姦したくて下着も一緒に
 下ろしてしまおうと。 ]

  綺麗だ。
  もっと、奥まで触ってみたいな。

[ 両足を割るように腰を彼の脚と脚の間に挟ませ
 指で陰茎やふぐりをふよりと摩ってから
 閉ざされた花蕾を指先で軽く擽る。
 濡らさないと入らないのは必然ではあるけれど
 下準備の前に、彼の赦しを得たかった *]


  ―XX年前―

[ 初めは弟が出来たようで嬉しかった。
 早く返って遊びに来る日を期待した ]

  家隣なんやからいつでも来れるやん。
  まぁ……風呂くらいええけど。
  今日、入って帰る?

[ それでまだ純真さは残っていたから
 今思えば無意識の内に自分の首を締めた。

 次のご褒美は何になるか
 まだ知らぬままゲームを探す。
 今日はどんな遊びをしようか。

 味をしめたいいことに無意識に触れる唇。
 腹の下がむず痒くなるような理由を自覚せず、
 あの後幼馴染が帰った後
 目を見開いた記憶は新しかった ]


[ ようやっとゲームを見つけたが
 人のベッドに勝手に入る子にはお仕置きだと
 馬乗りになったのが悪かった ]

  えっ、  うわっ!

[ 何となくいけないことをしてる気分。
 頬が熱を持ち始めた。
 何故照れているか分からぬまま甘噛みされて
 それがキスに変われば今度こそ心臓が跳ねる。

 何故なのか理由は分からない。
 ただ、無性にむずむずとし始めて
 今思えば惚けた顔をして跨っていた ]



  ずる、ないもん。

[ 慌てたように視線を逸らして咄嗟に笑う。
 分からないままゲームに向かう幼馴染を
 追いかける。

 幼馴染にキスされて照れていた、なんて。
 この時からきっと好きだった。
 幼馴染が思うより前からずっと。

 だから今日も手加減などしなくて
 いいこと、と言いながらも拗らせた片想いを
 晴らすように唇を強請っては、目を閉じる  
]*


[俺の味だなんて言われたら、
口はぱくぱくと喘ぐ事になった恥ずかしい。
照れるのもきっとばれている。暢気も陽気も彼らしく。
彼の瞳と出逢い、胸の奥で高鳴りを聞いた。

嬉しい声を聞けたから、離れたくないと
夢のような言葉を聞いて蕩ける。]


[後戻りなんてしたくない。
この部屋は、性を交わす場所である。
幻想的な桜の下から、現実的な性を意識させられ。
彼とそうなる事を予感して、興奮を覚えていた。
――笑みひとつにときめいて」


 ……やって 、まだ子どもやもん。
 子ども、やないけど。


[子どもならこんな事しない。
こんな事きっと出来なかった。だから大人なのだと唇を尖らせ、彼から掠めとるような口付けを受け少しだけぽっとして何度も繰り返す唇の感触に腫れてしまいそうやと思い。
その唇の感触をおも出すように舌で舐めた]



 …戻りたい 思うん?


[子どものころに
彼が夢見る子ども時代。其処に俺は居るだろうか。
俺の中にはもちろん、彼がいるのだけど。押し倒され、おずっと見る彼はどんな顔をしていただろう。喉を鳴らす音にみんな掻き消えて。

あ、っと彼の求めに息を飲んだ。いいんやろか。
ええの、迷う視線が彼の顔を見、彼の首筋を眺めて]


 ………ん、俺もつけたい


[指先が彼の滑らかな肌を撫でる。
角張った喉仏を指の先端で軽くなぞり。其れから少し躰を起せば、其処にちゅっと口付けを。それだけでもどれだけ時間が掛かったか。息を吸って吐いて、そうしてちゅぅと音を立て。舌腹で
痕を付ける場所を丹念に舐める。

此処、ここにつけるんやと]




 …… せん ぱい――


[兄ちゃん。そう綴る声を息にかえ。
唇はゆっくりと開き、歯を立てる。花弁の作り方なんて知らないから、彼の見よう見真似。歯の列でなぞり、ちゅうっと吸い付き。
ちゅぅ、ちゅぅ……と繰り返して]




 なんでや…… うまく、できへん


[一度、唇を離せば、困ったように呟いた。
花は咲いた、けど彼のように見事に咲かす事は出来なくて。自らの頸をなぞり、もう一度。もう一度してええと強請る。適うのなら

――もう一度、頑張ってちゅぅと吸い付くのを繰り返す*]


 だめ、じゃないけど
 耐えられる気が、しない

[よがるような、泣いて居るような
 稚拙な呻き声を漏らし、胸の刺激に翻弄。
 記憶と情報が間違っていなければ
 行為自体は、まだまだ序盤ではなかろうか。
 
 彼以外に体を赦すことこそ有り得ないが
 相手が彼じゃなければ
 快楽に臆し、逃げだしていたかもしれない。]


[彼の意図を察するのに随分時間がかかった。
 口付けを欲しがる自分の姿は
 彼から見ても浅ましい。]

 きす、したい
 いっぱい、したい。
 
 唇、可愛がってほしい。亨重さんが…。

[待て、と言われれば待つが。
 自分の身体が欲するものを
 自分より彼が知っているらしいことが
 不思議であるし
 より目の前の彼を頼りにする気持ちが増加。

 鬱血が咲く首筋から、軟体の感触がする。
 それを、口に欲しいと願う傍ら
 下半身がびくびくと成長する連動は
 たしかに全身が彼からの刺激を悦んで。]
 


[移動する際には、なんだか身体がくらくらしている。]

 俺も、ですよ。
 嬉しいな、こうして道を歩けること。

[暗い茂みの中でも、相手が獣だとしても
 怖いなんて思わなかった。
 緑の絨毯と表現してくれて居たか
 柔らかな緑色の上に仰向けになると
 お月さまと、好きな人が一緒に映る。 
 
 桜やツツジの甘い香りより
 よっぽど自分を誘う存在に、腕を伸ばす。]


 ぁ ……もっ、と…!

[やっとの接触に粘膜が戦慄き
 彼の綺麗に整う髪に触れながら、深くを要求。
 渇望して居たキスの続きが、身体に染みわたる。
 気持ちよくて、与えてくれる密を全部欲しがった。
 これなしじゃ、生きていけないとさえ。
 
 瞳から落涙が始まった時には
 上半身が月下に晒される彼が見えた。
 好きだ、と溢してしまったのは無意識の言葉。

 そのまま乳頭に触れる手付きと
 直に感じる体温の密着。
 途中でやめてしまうなんて火がついた心が許せない。]


[ベルトが外される音も、下着がおろされる摩擦も
 全てが淫らな音色に聞こえ
 耳朶まで染めながら。
  
 観光旅行で稀に長距離を歩くくらいしか運動をしない。
 肉がついて居ないが綺麗とも言い辛い体躯。
 自分の生まれ持つ国が裸に寛容であったとはいえ
 慎ましい月光と、恋する彼の瞳に晒され
 呼気が震えるのは、恥ずかしさと興奮の名残。
 
 それでも火照った彼を受け止めるのは
 自分が担いたい。
 摩られた陰茎はすでに密を溢し、蕾まで汚している
 先程の摩擦で身をくねらせつつ、首を縦に動作。]



 ……ずっと、
 触ってもらえるのを、待ってた。

[潤んだ双眸で、じっと見つめ。
 蕾に触れる指先に、誘う意思を見せ
 ほんの少し腰を揺らし。]

 ここで、して。 亨重さん…。

[お願いします、と色が乗る声で、強請り。*]


― ××年前 ―

[構ってもらえんのが嬉しい。
屈託なく、今日のご褒美を考えていたが、其処へ彼からの提案があれば、うんと頷いた。ご褒美にしないでも叶えてもらえるんだと目を輝かせ。

兄ちゃんと一緒に入るんや。と飛びついた。
まさか其れが彼の頸を締めるなど

露とも思わず彼と過ごせる事を喜んだ。]



[今ならそれがどういった感情から来るのか分かる。
けどその当時は、数多の感情を嬉しいとだけしか分からず。

俺、タオルで風船作れるねんと少しはにかみ、
得意げな顔を髪の下からのぞかせた。]


[ 金魚みたいな反応だ
 このまま鉢の中で買えたらなんて発想は
 今は打ち明けることなく隠した。

 二つしか変わらなくても彼は幼く
 その癖して仕草ひとつひとつで
 虜にしては離さないからタチが悪い ]

  ……分からへん。
  でも、戻りたいような気もする。

  会いたい子がおるねん。

[ 問いかけに答えたのは一言のみ
 浮かぶのは至極当然に桜のこと。
 少し寂しそうな表情を自覚しないまま
 ふと首筋を撫でられて瞬きした ]


[今日は何をするのか
布団の中に潜り込んで待っていれば、兄ちゃんが飛び込んできた。馬乗り状態なのもおもしろくてきゃきゃっと笑い。そうして、頬にちゅっとしてしまった。
やって抱き着くのも好きやから。

単純な考えで重なった行動。彼の顔が赤いのに気づき
なんとなく落ち付かなくなるけど言えなくて。

代わりにゲームに向き合い]



  ……ん、ええよ。

[ 喉の凹凸を辿る手に擽ったいと目を細め
 幼い口付けに柔らかな気持ちに絆されて
 促すようにその頸を指の腹で撫でる ]

  ――んっ

[ どんな痕が残るのだろう。
 瞼を閉じ待っていたもの終わらず
 不思議そうに首を傾げて破顔した ]

  ぁは……はは、っ
  してもええけど、

[ もう一度吸いつこうとする彼を前に
 ほんの少し考えた後、提案する ]




  噛んだら、ええやん。


[ ココ。

 晒したのは薄くついた鬱血の花。
 ここに歯を立てるか?と尋ねた。

 なぜ提案したのかは分からない。
 だが、幼馴染は昔からよく甘噛みしてきたから
 その仕草を思い出したのかもしれない ]*




 …ほんま?兄ちゃんいっつもずるない?


[慌てたような彼を振り返り首を傾げた。
落ち付かない、けどさっきのちゅーはよかったと思う。咄嗟に笑う彼の顔を見ていたらなんだか胸のあたりがきゅんきゅんするのだ。其れは悪い感じやない。
やから、今日は負けへんでとガンバって。

でも――一回目は勝たれへんで。頬を膨らませ]




…兄ちゃん、ハンデ…


[結局強請ってしまう。
ハンデちょうだいって言うて、彼の良い事を。
目を閉じる兄ちゃんの目の前にたってちゅぅとするのだ。2つの歳分の高さ違い。背伸びしても届かないから、屈んでもらい。
ちゅっと唇に触れて

次は勝つでと顔を背けた。――ほっぺ熱い]


[兄ちゃんのお母さんが途中、ご飯を一緒にと声をかけてくれるまで。一勝ちは出来ただろうか。ご飯を食べ終わったらお風呂もどうやろうと

兄ちゃんが一緒に入ってくれる言うてくれから強請る。
その結果がどうなったのか、まだ
幼い自身はよく分かっておらず

――実は、今も良く分かっていないのは内緒の噺や*]


[逢いたい子、其れが俺なのかどうか
確かめるのは怖かった。やって彼も俺も男やん。
今、こうしているけどお酒だって入っている。

だから口から言葉は洩れず、夜はそうなんやと視線を臥せる事でしか答えられなかった。そして指先は彼の首筋を巡る。

桜の花びらのよりも濃い痕を。
残したら、彼の心にも残るやろうか]


[許しの声に頷き、唇はおそるおそる向かう
擽るような指先の撫で方に緊張を崩し


唇は、彼の其処へ吸い付いた。ちゅぅちゅうと頑張って目を瞑る彼に素敵な花を贈ろう。そう思ったのに、上手くいかず。

もう一度を提案するのは情けなく]


 ……っ堪忍。

  あ。 ぅ


[堪忍、もう一度。
ええよと心よく望んでくれる声に悦びをあげた。けど。晒された朧げな花を示され、息を飲んだ。自分が付けた歪な花。其れを強く、濃くしたい。けど、彼の提案は胸の奥をざわつかせた。

こくんと息を飲む、吸う吐く]




 …いたない、それ……


[噛んでいいのだろうか。
昔からの癖で、好きなものを噛むという癖が俺にはあった。兄ちゃんのほっぺに思わず噛みついたのは一度や二度じゃない。けど子どもの力。甘噛みでしかなかった。けど、今噛みついたら。

――痕が残るまで噛んでしまいそうで
躊躇い、迷う視線が落ちる]


 ……少しだけ、少しだけやから

 そんかわし…俺も   噛んでや。


[彼の痕が欲しい。鬱血よりも赤いものが。
ゆっくりと手を伸ばし、腕を絡めればもう一度。薄い花の上を舐めて歯を添えて、甘く柔く一度噛んで、痕が着かない事に気付けばもう一度。
今度は先ほどよりも強く、はむっと噛んで]


 …あ、できた


[ゆっくりと唇を離せば、花が出来た。
いや花というよりも歯型だが、其れでも咲いた其れに顔をほころばせ、できたでできたと喜んで、すぐはっとした。そして慌てて指先で其処をおそるおそるなぞり、彼を見る。]




 いた …ない?


[痛いならどないしよう
傷なら舐めたら治るというけれど、でも治したくない。俺の痕を彼にのこしていたい。おろおろとしてそれからぎゅっと抱き着いた。

離れたくなくて、何もかも戸惑って助けを求めた*]


[ 彼が輝く理由が自身の愛情を貰う為なら
 いくらでも、注ぎ続けたいとさえ想う。

 彼に触れれば触れるほど離したくないと
 強く願うようになり、向けられた依存
 たまらなく心地よくて執着の糸が増す。

 触れられずに焦らされた身体の一部は
 同性のものでありながらも
 服を纏っていようとも
 男の劣情を煽るものであったから
 ピクニックに心温められようとも
 移動距離を長くしようとは思わなかった。

 本来ならばホテルを取るか家に誘うか
 彼を初めて抱く場所に
 浪漫や安全性を考えるべきだったが
 あまりに熱を上げすぎて―― ]


[ 心優しくて、愛しくて、甘え上手な彼が
 熱狂的に渇望する姿は酷く蠱惑的だ。

 深い場所まで満たされたいと訴えかける声と
 寄り添いたがる舌を貪るように絡ませる
 彼の口内は甘くて、溶けそうなくらいに熱い

 ――まるで花を味わっているようだった。
 蜜が甘くて美味しいと有名なツツジの花さえ
 彼と比べればただの背景に変わってしまう。

 月の光にすら愛された青年から溢れる涙は
 まるで夜露のように輝き、陶酔を誘う。
 ふやけそうなくらいに睦み合わせた唇に
 一度吸い付いてから顔の向きを少し傾け
 彼の目元から溢れる塩水を啜ろうか。 ]


[ 若手の部下とそうも変わらない肉付きであり
 彫像のように筋肉を有した身体ではない。
 ましてや、豊満な胸も存在せず
 腰が括れている訳でもない。

 なのに――彼の肢体は芸術品のようだった 
 
 羞恥と興奮の狭間に身を置き慎ましくも淫ら。
 彼の性別が男であると主張する肉竿は
 愛されたい、潤いを注いでくれと誇張し
 天に広げて恵みを求める花の葉にすら見えた。

 そして、花の蜜は小川のように彼の肌を伝い
 臀部の狭間をしっとりと濡らしているのが
 指で探れば直ぐに分かった。 ]


[ 桜の花びらよりも濃い痕を
 手繰り寄せるようにすれば得られるのか。

 何度も挑戦する姿は何処か必死そうで
 たかが痕くらいいつか消えるのだからと
 そんな言葉を告げたら傷付けると思えた。

 恐らく、今だからこそ、意味があるのだ。
 全ての酔いが覚めてしまった後の事を
 考えるよりも刹那に生き延びる為 ]

  分からへん。
  誰かに噛んでなんて言うたことない。
  でも……お前ならええかなって。

[ 忘れたくないと思ったのはきっと、
 酒や桜が魅せた未知の感覚かもしれないが
 この気持ちに嘘などはなかったから ]



  ええよ。

[ 噛んで噛まれて、その後に何が残るのか。
 そんな未来など月篭りすればいい。
 しかし叶わぬ事を知っているから息を詰め ]

  ――っん、

[ 微かな鈍痛に眉を寄せた。
 痛くないとは言えない。
 だが、心配そうに見る眼差しを見て
 抱きつく頭に手を伸ばして撫でた ]



  独占したいって言うたん、お前やのに。
  そんな事心配してどうすんの。

[ あほ。

 存外甘い声で伝えるもの今度はこちらだとばかりに
 彼の金色の髪を耳に引っ掛けて首筋を撫でる ]

  痛いけど、でも欲しいんなら我慢できる?

[ 裏を返せば欲しいから我慢したのだ。

 それを今打ち明けるのは照れが混じり出来ない。
 代わりにひっつく子犬の髪を指で梳きながら
 ひとつ優しく問いかけた ]*



[ ――何もかもを、見つめて。
 全てを愛おしく想う。


 誰にも開きたがらない貞淑な蕾そのものなのに
 唯一の庇護者に己を選び花弁の奥を晒したがる
 純愛とエロチズムを交配して生まれたような彼は
 見つめているだけでも全身を燃え上がらせる。 ]

  たまらないな。

[ ゆえに、我慢がならない。
 忍耐は不可能だった。 ]



  ……ずっと?

[ 自慰しか体験が無さそうな綺麗な色合いの男性器。
 それに、男を知らずに閉じている肉門。
 清らかな肉体を持ちながらも触れられたいと、
 ――ずっと、乞われていたなんて。

 愛おしく濡れた眼差しをしかと見返し、 
 彼の言葉を噛み締めるように反復する。
 揺らぐ腰つきは淫靡な妖獣に出会ったかのよう ]

  俺も、こうしたかった。
  俺の知らない君を、全て見てみたかったんだ。
  それに――見るだけじゃなくて。

[ 勿論触れたいし、
 触れるだけでは足らない熱を交わしたい ]


[ 望む声に頷き、彼から溢れる淫液を指に絡め
 貞淑な門へと指腹を擦りつける。

 絶えず決壊する透明の露に助けられ
 潤いを何度も足しながら、皺を柔らかくしようと
 小刻みに揺らしては、表面を愛撫して ]

  此処――段々熱くなってきたよ。
  中にも、挿れてみようか。

[ 中指――…
 短く揃った爪から指先までを緩慢に差し伸ばす。
 縁を超えたとて窮屈な体内は
 安々と広がる兆し無く、少しだけ考える。
 同性と寝る方法をもっと勉強しておくべきだったか ]


  …大きく息を吐いて。

  苦しめる気は、無いんだ。

[ 彼の胸板に頬を寄せ、舌で尖りを愛しながら
 指は陰門の方に押し入る事に集中しながらも 
 掌をうまく使って陰嚢をマッサージする。
 
 陰茎を愛撫すればもっと力は抜けるのだろうが――
 彼の掌に重ね、指を絡ませる。 ]

  ほら、俺が居るよ。
  君を――…一輝だけを、可愛がりたい俺が。

  怖がらなくて、いいからね。

[ 極力優しい声を出すように意識しながら言い聞かせ
 少しずつ中指を奥へと潜らせていこうと。
 抵抗感を強引に捩じ伏せる真似はせず
 浅い場所を何度も擦り、開花を待ちながら慎重に *]


[何時か消えるなんて分かってなかったのかもしれない。
何度も挑戦してでもうまくいかなくて、もう一度って
彼に求める。その結果が、噛むという方法。

――残るのだろうか残りたい。
お前ならと言ってくれた声のように彼の心の中に。
了承の言葉に導かれて、歯は彼の首筋に立った。赤い花が咲く。鬱血よりも強い、花が。其れに悦んで慌てたのは後のこと。

抱き着けば、彼のぬくもりを感じ]


 … やって、やって
 傷つけて もうた 、あ…ほちゃうし


[確かに独占したいと言った。
けど痛みの声を聞いてしまえば慌てるのも仕方ない。
耳にひっかけられる際少し擽ったいと唇から笑いが漏れ。彼の手が首筋を撫でれば気持ち良さに眼を閉じて、彼に抱き着いたまま。
少し―――間を拡げ]




 ……うん。欲しい。


[こくんと頷いた。
欲しいから我慢した。俺だって欲しいのだから、我慢できる。彼もそうだったんだろうか。
指で梳かれてこくんこくんと何度も頷き。
首筋を晒す、噛んでほしいんやと、優しい問いに

眼を明けて彼を見る。そうして少しのぞけり

腕で彼の後頭部を引き寄せて]



 
 此処に ……  



[頂戴。と自らの喉を晒して――痕を欲しがる*]


[ 失敗に怯えるのは次の機会はないという諦念。
 それ程まで臆病な自分なんて知られたくない。
 虚勢を張ってはいるもの、
 そんなもの彼の前では容易く崩れた ]

  傷ついてへんけど
  傷物になったんやったら
  責任取ってくれるん?

[ へらっと笑いながら口にした。
 その割にこんな乗り気な言葉がするりと溢れ
 それが本心からのものだったから驚いた。
 内心の驚愕は表に出さないよう努め、
 晒される白い首筋を見つめる ]



  なあ……、……全部、

[ 俺ものものになればいいのにな。

 そんな言葉を口にする前に噛み付いた。
 彼のする甘噛みとは違って
 容赦なく、名前のつけられない思いの丈を
 今全て注ぎ込んでしまうほどに肩まで抱いて 

 唇を離す。
 労わるようにうっすら滲んだ赤を舐めて
 襲いかかる狼のような表情で
 それでして口付ける唇だけは柔いまま ]*


[責任という言葉に肩がぴくっと震えた。
とっていいのだろうか。とってええのやろうか。
さまよう視線は、彼に問いかける。取っていいのなら取りたい。笑いながら口にした彼にその想いは伝わっただろうか。晒した首筋は彼に差し出したもの。此処がいいと強請るように抱き着いて。

―彼を目に写す。

彼の内心の驚愕は気づけなかった]




 …… ん?


[ただ、彼が何か言った気がして。
其れが何か、どんな意味の言葉かを問おうとした。けど

その瞬間だった]


  !!!!!!  ぁぁ


[噛みつかれた。走るのは熱さだ。
びくんびくんっとのぞけって、口は酸素を求めて開かれる。甘い噛みではなかった、彼の存在そのものを証明するような歯の勢いに躰は弓なりにしなり。肩を抱かれ、必死に手は彼の頭に縋った。

――ぁぁ 、なんやこれ]



 ………  京介 さん
  (兄ちゃん ――)


[気付けば下半身が濡れていた。
まるで粗相したように、彼から授かる思いのたけを受け止めて、心地よさすら感じる中、舌が噛まれた箇所を舐める動きで漸く

ぱちぱちと目を瞬き、帰る]


 今ん 、すご…かった。


[漏れたの本音。胸が鳴っている。まだ。
なあ、今の。総続けようとして彼の表情に固まった。狼のような顔が見える。獲物を捕らえて離さない、獣のような顔に喉を鳴らし。興奮に鍔を飲んだ。すごかった、すごい。
狂ったかのように唇は笑みを作り
彼の頭をわしゃっとなでて、その手を下半身へ

彼の熱源を求めて伸ばす]


[交わす口づけが、甘く、酔いしれていく。
 好きな人と触れあう歓び
 自分の世界が広がっていくような高揚感。
 
 いつの間にか、潤んだ視界。
 一瞬離れていく唇を視線で追いかけると
 涙を唇口で拭ってくれると思っていなかった。
 刹那、ちかっと頭が真っ白になり
 そっと、彼と月光を見上げては、鼓動が煩く。
 
 周りに咲く花弁ではなく、
 この人こそが俺の花だ、と感じた。
 小さな気遣いから
 好きになった人を、間違っていなかったとさえ。]


[安全な室内に向かう余裕がなかったのはお互い様。
 
 外気に触れた身体を見、たまらない、なんて。
 ぞくぞくした興奮を覚えるのだから。
 人に愛でられる幸せを記憶に刻んで。]

 ずっと、ですよ。 亨重さん。

[それも一年や二年の話でもない。
 反芻する彼に、崇拝にも似た一途な眼差しだけで
 想いの強さを訴え。

 彼も、行為をしたかった、と教えてもらう。
 毎日自分が寂しがって居る間も
 彼が自分を想う日があったのだろうか。
 想像しただけでぶるっと身を震わせる。
 また、鼓動が速くなっていき。

 ひくつく蕾に指先が圧を加え
 切ない吐息を零す。]


 んんっ…

[解してもらう間は平気そうと思ったが
 やはり指が入るとなると
 身体の力を抜くことに失敗する。
 こんなに食べたいと願っているのに
 気持ちだけでは至らない部分もあるらしい。]

 息、 っあ、……ふ

[眉を寄せて苦しげに喘ぐ。
 されど、性感になったばかりの胸に愛撫が加わり 
 喉を逸らし喘いでいくうち、
 苦痛が快楽にすり替わっていくよう。

 苦しませる気ない、という彼の意思通り
 陰茎をなでられる悦に、唾液を垂らして酔いしれ。
 荒い息だが、緑に体をくたっと預けつつ
 楽になってきたように感じ。]




……  、ほんま …あかんで  あかん


[――独り占めや。たぶん酔っていた。
首筋に咲いた歯の花が、桜の淫紋のようになり。
濡れもしない箇所、奥に彼を欲しがってこっちやと

それで―――あれと小さく。

呟いて、はっと顔を染めた*]


 …んぁ… はいっ、てく…
 指……

[あんなに魅入った指が、自分のナカに。
 先走りを零しつつ、唇から喜色の声が溢れた。
 こんなに大事に愛されてくれる手付きに
 心が落ち着いていく。
 幸福を噛みしめる如く、摩擦を許容していき。]

 …ん……、一緒なら、怖くないんだ。

[照れたような、嬉しそうな
 一緒に乗り越えられる現状に、頬が緩む。]


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