244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
この村にも恐るべき“人狼”の噂が流れてきた。ひそかに人間と入れ替わり、夜になると人間を襲うという魔物。不安に駆られた村人たちは、集会所へと集まるのだった……。
|
ちゃんとご注文通り、さまざまな人たちをお呼びしましたよ。 いたるところから…そう、地平の果てや、宇宙の彼方からも。
中には、主様を消してくださるような方もいらっしゃるかもしれません。
(0) 2018/06/10(Sun) 13時半頃
|
──── その出会いは「憐れ」か「慈悲」か。
叉は……。
知るは各人のみ。
(#0) 2018/06/10(Sun) 14時頃
|
──── さて、奴さん達はどうしてんだろうな。
[各地を放浪とし、シーシャはお節介でもあった。
馴染んだ魔女や魔法使いはどう暮らしているだろう。
シーシャは独りで放浪とするのが好きだ。 一つの場所に居に構えがちな同族…或いは同胞と呼んで差し支えない相手の宅配などを請け負うことはよくある。
今日もふらりと名も知れぬ町へと足を踏み入れては空を仰いだ]**
(1) 2018/06/10(Sun) 14時頃
|
/*
入村解禁は18時となっております。
それまで暫くお待ちくださいませ。
(#1) 2018/06/10(Sun) 14時頃
奇跡の子 カリュクスがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(奇跡の子 カリュクスは村を出ました)
|
―Intro:黒い森の物語―
[その昔、人々は黒い森の恵みを受けて、豊かに暮らしていました。 けれど噂を聞きつけて、遠くの国からやってきた悪い魔女が黒い森に棲みつくと、人々の暮らしは一転して、貧しいものとなりました。
何故なら、魔女は森の恵みを独り占めにしようと考えて。僕にした森の獣たちをけしかけて、誰も森に入れないようにしたからです。
[森の恵みを分かち合うよう、人々は魔女にお願いをしました。 けれど魔女は願いに耳を傾けるどころか怒り狂い、誰も自分に逆らえないようにと、疫病や天災を起こして人々に力を見せつける始末]
(2) 2018/06/10(Sun) 18時頃
|
|
[散々に苦しめられる人々を見るに見かねて。ひとりの勇気ある少女が魔女に提案します。
「あなたさまのお怒りは分かりました。ならば私の命と引き換えで構いません。どうか、みんなを赦してはいただけないでしょうか」
そんな真摯な願いに魔女が何を思ったのかなんて誰にも分かりませんが、少女が森に消えたその日。災いも消えてなくなったのです]
(3) 2018/06/10(Sun) 18時頃
|
|
[それからというもの、人々は魔女を恐れ逆らおうとはしなくなったので、黒い森はすっかり魔女のものとなってしまいました。
そして、もう誰も。魔女の棲む森の深くには決して入ろうとはしないのです*]
(4) 2018/06/10(Sun) 18時頃
|
|
[ てくてく、木々の生い茂る中を歩く。
木漏れ日がまばらに土を、雑草を、 明るく照らして綺麗な絵を描いてる。 その道無き道を真っ直ぐに進む靴は一番のお気に入り。
この森の景色を見るのは、はじめて。 知らない場所だった。
時折顔を上げて、丸い瞳に深緑を映して、 また視線を地面に戻す。 それを何度か繰り返しながら歩いていると 暫く振りに自然のもの以外の音を耳が拾った。]
(5) 2018/06/10(Sun) 19時頃
|
|
───…こんにちは。
[ひと。 こんなところに、私以外の人がいた。
街から沢山歩いた気がしていたけど、 私が歩けるくらいだからそんなに離れてないのかも。
目が合ったのに何も言わないのも気拙いかと 浮かんだ挨拶をそのまま口にして、 止めてしまった足を再び進めるタイミングも掴めず そのひとを眺めたままに、背の後ろで指先を絡めた。]*
(6) 2018/06/10(Sun) 19時頃
|
|
[ ────…幾許の刻が過ぎたかすらも わからずに。
”どうして わたしなの────?”
その声はきっと誰にも届かずに 涙すら零れずに。]
(7) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
─duction:黒い森─
[ドレスのような長裾の白いワンピースは泥に塗れ血で汚れていた。 わたしは構うこともなく、走った。
この森に棲む動植物は魔女≠フ手先だと教え込まれている。 本来なら、その身を捧げるのがわたしが役目だと、わたしが生きる意味だと教えられて生きてきたのに。
───獰猛に襲い掛かる鹿を見かけて、ただ走った。
心臓が痛みを訴える。息が苦しい。
森の出口を求めても帰る場所など無いと知っているから、知らずに村とは別のほうと向かってしまっていたようだ。]
(8) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[森近くでここ数年日照りが続いた。 麦すら枯れ、干魃が続き───…ついには備蓄していた食糧に手を出した時に、わたしの運命は決まった。
だのに森の木々は青々と生い茂り梢を鳴らす。 野生の動物に追い掛けられ──追い詰められ 苦しい胸をおさえながらも、どうして走るのか。
万一の際に魔女への供物として育てられた。
覚悟は出来ていた筈なのに。 脆弱なからだを持て余しているのに。
わたしは…こんなときになってようやくきづくんだ。]
(9) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[────”死にたく無い”<あいされたかった。>]**
(10) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ーーーーまた、夢を見ている。 ハハオヤに捨てられて夜の森を彷徨ううち、出逢った銀色の雌狼。10歳からの三年、"彼女"と共に過ごした。人間に捨てられ、獣に育てられ。 ハハオヤより、獣の彼女の方がまだしも母性があった。ある時、彼女が留守の時、群れの狼に襲われ……彼女が戻り群れを追い払う時には瀕死の重症だった。
唯一動く手を、彼女に伸ばす]
母さん、お願いだから、私を食べて。私は母さんの中で生きていきたいから。
[彼女が血塗れの首筋に顔を近づける。目を閉じた刹那。彼女の気配が遠退き、失われる意識の中、霞む目に背の高い男性が映った]
(11) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[次に目覚めた時には、知らないのベッドの上]
痛っ
[痛みに意識が回復する。ベッドの隣の椅子に座る誰かが何かを呟いて、意識が再び闇に落ちた]
(12) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[あれから、五年。 朝の光、鳥の声。あの時目覚めた部屋をベッドを与えられ、住まう事になるなんて、考えてもいなかった]
起きなきゃ。
[今日は特別な日。18の誕生日を迎える。この国では18が成人の年齢だ。
台所のかまどでパンを焼いて、家主の目覚めを待つーーー**]
(13) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ 森の中にある大きな泉を讃えた国、 聖ナルジス王国。
太陽と泉と星を敬い神を崇めるその国は 森の中に王都を築き宗教を基盤として その勢力を保ち続けていた。
そんな王都の一角から、一つ小さな影。 闇に紛れ、抜け出す姿があった。
王国の塀を越え、森の奥へ、奥へ。 それはこの国の裏側を知ってしまったから。 それを良しとしない両親が逃がしてくれたから。
…走ることはできない。 後ろを振り返り振り返り、 涙ながらに家族を思う。 ]
(14) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ 優しい両親だった。 敬虔なナルチーゾの信徒だった。 それでも、両親はその闇を知った時に 自分の子を生贄に差し出すような真似は 出来なかったのだ。
まだ、その時でなくとも。 その事実を自分が知ってしまったから。 それがどれほどの闇なのか、 子供である自分はまだ分からないけれど 父と母の顔色が変わった、それを見て 触れるべき、見るべき、知るべきではなかったと 悔やんでももう遅かった。 ]
(15) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[それはドリベルがドリベルになる前のこと。
『ドリベル』なんて妙ちきりんな名前ではなく 両親の考えた普通の名前を持ったその子供は カラダは弱いけれど優しい母と足の悪い父 それに兄と妹たちと一緒に暮らしていました。
家族の家があったのは、山間にある小さな村
澄んだ川と畑しかないようなこの村で人々は 豊かではないけれど 取り立てて不自由を感じることもなく 村の人々は日々を過ごしておりました]
(16) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
……母さま、父さま
[ ほろり、涙がこぼれた。 息がきれる。 自分がいなくなったあと、家族はどうなるのか。
忘れろと言われた。 逃げなさいと言われた。
けれど、真実の全てを知らぬ幼心には。 ]
(17) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
……ごめんなさぃ……
[ きっと悪い事をしたからこそ。 自分自身が悪いのだろうと、
悔やみ赦しを乞う気持ちが、強い。
あんな、悲しい顔させて、怖い顔をさせて 自分はきっと禁忌に触れてしまったから 国を追われる事になったのだろうと。 **]
(18) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[藁半紙にインクが落ちるように、じわりと滲んだ異変 ひっそりと村に訪れたそれに 最初に気がついたのは誰だったのでしょう。
いつも川で遊んでいた子供たちだったか それとも畑を耕す大人たちだったかもしれません。
けれど、変化を認めてしまうのは恐ろしいもの 見ないふりができるうちはと 誰しもがそっぽを向いているうち
一匹また一匹と、川に浮く魚の死体は増えていき 豊かな緑に覆われていたはずの土は赤錆色に 澄んでいたはずの川の水は 鼻をつくような臭いを放つ澱みへと変わっていきました。
村を覆い尽くした凶作の日々 いつ終わるのかもわからないその異変に このままでは生きてはいけないと 村に暮らす者は一人また一人と減っていったのです]
(19) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[『人買い』の噂が囁かれたのは、ちょうどその頃です。 何処からか子供を買い取る商人が来て お金の代わりに子供を連れて行くのだと。 ひっそりと囁かれていたその噂は、いつしか噂ではなく真実となり 子供を買い取る者が村を訪れるようになりました。
最初こそ、子供を売る者はいませんでしたが 実りのない月が重なっていくにつれ やがて子供の姿が一人、また一人と村から減っていきました。
明日の見えない暮らしへの不安ばかりではなく 『良いところに貰われていく』 そんな噂に縋りたかったからかもしれません そしてそれは、ドリベルの両親も例外ではなく
雪が降りしきる冬の頃には、3つになる妹が 雪解け水で畑がぬかるむ頃には、その上の妹が そしてとうとう最後にドリベル自身が 住み慣れた村を離れ 荷馬車へ乗ることになったのです]
(20) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[荷台に乗せられ、どれ程の時間が経った頃でしょう 最初こそ荷台に他の子供もいましたが どこかの町へよるたびに、一人二人と減っていき 気がつけば、残ったのはたった一人。
話す相手も、これといって出来ることもなく 壁に寄りかかった姿勢でうつらうつら 手足に繋がれた鎖が重たい音を立てます。
『ドリベル』と名前の刻まれた札のついた金属の鎖 子供達の名前を覚えるのが面倒くさかったのでしょうか 人買いは、札に刻まれた名前で子供たちのことを呼んでいました。
そのことに、最初こそ文句を言ったりもしましたが 怖い顔で怒鳴られてしまえば、口をつぐむより他はありません そうして素直に幾度か返事をするうちに いつの間にか、この名前にも慣れてしまったのです。
そして、金属の擦れるその音を子守唄に いましも眠りに落ちようという時のこと]
(21) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
!?!!
[ガタン!と、大きく荷馬車が揺れ、ドリベルは壁に頭を打ち付けました。
雪崩のように積荷が押し寄せてくる光景に 何が起きたのかと考える間も無く、身体が浮く感覚がして―――― 荷馬車は、そのまま沢へと落下していき]
………ぅ
[どれくらいの時間が経ったことでしょう。
運良く岩場に叩きつけられずに済んだドリベルは 中身の詰まった大樽に足を挟まれた状態で ぼんやり瞳を開けました**]
(22) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
掃除夫 ラルフは、メモを貼った。
2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
―プロローグ:魔女と孤児―
[日が暮れて、夜の帳が下りた黒い森。 誰も立ち入ることのない最奥を 鬱蒼と茂った樹々に遮られ、星明りすら届かない真っ暗闇をふたつの影が歩む。
影のひとつは角灯を提げた、 真っ白なローブに身を包んだ小柄な人間。 もうひとつは夜色の天鵞絨の毛並みを持つ、逞しい体躯の狼だ。
決して人が触れてはならない、 足を踏み入れてはならない黒い森の深く。 禁断の領域を夜色の獣を先触れに。 迷いのない足取りで進む、御伽噺のように幻想めく姿白い影をもし誰かが見るならば。
きっと恐れを込めて ”魔女”と呼ぶのだろう]
(23) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ふたつの影の行く先で葉擦れと枝の折れる音がして。 不意に何かが走り出す気配。 それは獣のものではなかった]
イグナーツ。
[魔女が鋭く名を呼べば。 夜色の獣は機敏に駆け出して、走る影を追う。 短い追いかけっこの末、 大きな樹の根本に小さな影を追い詰めると。 忠実な狼は主の検分を待つ]
(24) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[黄金色の鬼火が踊る角灯を蹲る小さな影に向ける。 明かりに浮かび上がるのは、 怯えた顔をした、まだ年端も行かぬ娘だった。
森を彷徨ううちに、獣に追われ、 転んだり枝や茨で傷ついたりもしたのだろう。 彼女が身に纏う白い長裾のワンピースは泥と血に汚れ、あちこちにかぎ裂きが出来ていた。
じっと娘を観察しているうちに。 小さな姿が記憶の底に押し込めた悲しい思い出と重なって。 魔女はフードの下で微かに眉を顰める。 森に踏み入るのに到底相応しくない形をした少女が ”今、此処にいる意味>>9”を察することは容易かったから。
やるせなく、小さな溜息を落とした]
(25) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[娘の傍らにそっと近づくと、しゃがみ込んで視線を合わせる。 汚れのない幼い目に、魔女の姿はどのように映るだろう。 浮かびかけた疑問から目を背けると]
……怪我をしているのね。 見せて御覧なさい。
[意識して、感情の籠もらない平坦な声で呼びかけると。 角灯を置き。娘の血に汚れたワンピースの裾を払い、 細い脚に手を伸ばそうとする*]
(26) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
なんで、おれがこんな目にあわなきゃならないんだよ!
(27) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[理不尽な罵倒の返答などある筈もない。 ──フェルゼ・リストゥーク。
其れがこの幼子の名であったが齢はまだ三歳。
貧乏籤を引いたらしい。 家付きの従者の隙をつき逃げ込んだのは獣道を掻き分けた樹海の先。
小さな体を駆使してあの大人達の目から逃げるように、避けるように。
命の危機に葉で頭覆い低く匍匐前進しながら逃げ場所を探した。 あると信じて探した。]
(28) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ フェルゼを殺すように命じたのは親で 盗み聞きをしていた幼子はそれを知っても尚
──…皮肉な運命に抗った。]
(29) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[ 尊い血筋でありながら 銀髪は不吉された国で生まれ──…秘密裏の暗殺。
救いのないような闇の中で 灯火を探すように。
小さなからだを泥塗れにして、枝の裂傷の痛みをも越えて 不明瞭になりつつある視界で
屋敷で暮らしていたフェルゼにしてみれば 小屋に等しい家の前で体が動かなくなった。]
(30) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[こんなところで終わってたまるかよ。
そう密やかに息巻いて。石を掴んだまま意識だけは手放さぬようにしながらも その体はもう限界を訴えて高熱を発していたか。]*
(31) 2018/06/10(Sun) 19時半頃
|
|
[霧ふり山は今ようやく冬の妖精が去ったところでした。 真っ白な雪の冠から新緑の髪飾りにつけかえて 今日もおやまは麓の村々をじっと見守っているのでした。
寝惚け眼の蛙やリスが、長い冬眠から目覚めて のそのそと顔を洗いに沢辺に降りてきています。
そんな中、真っ青に生え初むる木の葉の下を 殊更ゆっくり歩く者がいます。]
(32) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[それは山のように大きな熊でした。
一声鳴けば雷鳴のよう 大きな手は薙払えば大木すら圧し折れるよう
そんな大きな熊は、桑の実がぎっしり詰められた 籐の籠をくわえて山道をのそのそと歩いておりました。
時折頭の上の枝を走る栗鼠の親子に目を向けたり 柔らかな緑に鼻先を埋めて目を細めたり 熊は塒までの道を、季節を楽しみながら歩いています。
そうして、木漏れ日にうっそりと目を細めて……]
(33) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
───── タァァ───ン ……
[山の木々の間を縫うように響いた銃声に]
ああ、また、だれか、しんだ。
[悲しげな呟きを漏らすのでした。]*
(34) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
森番 ガストンは、メモを貼った。
2018/06/10(Sun) 20時頃
|
── むかしむかし ──
[むかしむかし まちにはまじょがいました まじょは たくさんのまほうをつかいます にんげんは それをよろこびました
まほうでうみだした ほのおやみずは にんげんが うみだしたものよりも とても とても きょうりょくなのです
しかし ごうよくなにんげんが まじょを じぶんたちのつごうのよいように りようしようと しはじめました ]
(35) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[おこったまじょは そのごにんげんの おおきないえを つよい ほのおでもやしました
それからまじょは にんげんに おそれられるようになりました それまで にんげんとなかよくしていた まじょたちまで きらわれたのです
まじょなんて いなくなればいい だれかのこえは だんだんおおきくなって
やがて まじょは いなくなりました ]
(36) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[この地域に伝わる 魔女の御伽噺はきっと この街に住む大人も子どもも知っている。 だけど皆、今の一節を聞くのなら 不思議そうに首を傾げることだろう。
なぜなら人間の間に広まっている御伽噺には
しかし ごうよくなにんげんが まじょを じぶんたちのつごうのよいように りようしようと しはじめました
── この一節は、含まれていないのだから。]*
(37) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
―プロローグ:魔女と孤児―
[僅かな角灯の灯にわたしは顔をあげた。>>23
救いを求めるような黒い瞳は惑う。 きっとこの夜を越えられないだろうとわたしは、思っていた。
黒くよどんだ──そうわたしには感じられる森の奥。
一体何が起きたのだろう? わたしを追い掛けていた”魔女の手先”はどこにいったのだろう?]
(38) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[こんなにも暗い昏い夜なのに >>25知らない少女は白く目映かった。
まるで……語り継がれる魔女のようでもあり──…。]
(39) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[見たこともない肌と髪の色。 しゃがみ込み覗き込んできた瞳は…わたしには平坦で無機質に思えて
喉奥からヒッと恐ろしげな声が零れる。]
……く、黒い森の…ま、魔女…なの?
[怖くて恐くて わたしは尻餅をついていた場所から身動きが取れなくなった。
怪我をみせるように言われても頑なに首を振った。]
(40) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
……魔女さま、魔女さま、どうかおねがいです。 村の…実りをよくしてください…。
わ、わたし…わたし…。
[わたしの身を捧げますから。 その言葉は声にはならずに痛んだ胸がずきりとして息苦しさが増す。
声が出せなくなって脂汗が滲む。裂擦傷の痛みも、じわりじわりと疼く。]
(41) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
|
[たすけて。
息すらろくに出来ないのに。 口の形だけで助けを求めたのは──無意識。]*
(42) 2018/06/10(Sun) 20時頃
|
流浪者 ペラジーがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(流浪者 ペラジーは村を出ました)
|
──魔女の日常──
………まったく、 この街の物価はどうなっているんだい しかもこれなんか虫食いときてる
[悪態つきながら掌の上にりんごを転がす 荷馬車に積まれた、布、瓶、たくさんの食料 それからよくわからない活字の書かれた書物
ごろごろごろごろりんごを転がす少女を 店主は、怪訝そうに眺めながら ”お嬢ちゃん、買うのかい買わないのかい”と 不満げにつぶやいた。
それもそのはず、 狭い路地を大きな荷馬車で塞いだ少女は はた迷惑極まりない存在だったからである ]
(43) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
[どこかの灰被り姫よろしく、 魔法で生み出した荷馬車は快適だった トカゲの御者も思いのほか上手に化けている
虫食いのりんごを荷台で齧りながら ゴトゴトと音を立てて 樹海へと向かう 人里離れた樹海へとたどり着くのなら 今まで道を探して走っていた荷馬車は もう道を選ぶ必要なんて無い
木々 “が” 荷馬車を避けて道を作る このまままっすぐ行けば 少女 ……もとい、魔女さまの“御殿”だ
── 尤も、小屋としか言いようがない大きさの家 言い得て妙、今死にかけた幼子が、>>30 小屋と心の中で形容しているなんて知らずに ]
(44) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
[誰もたどり着けない場所のはずだった 魔女のお仲間ならばともかく、 人間──ましてや幼子などには、到底。
だから、無事に屋敷に辿り着いた暁に 魔女は目を見開いて、驚いたんだ ]
なんだい、お客さんかい? [小さなお客さんは触れてみるまもなく重症で 迅速な手当が必要だろうと察せられた……が それよりも、魔女が驚いたのは、 ── ]
(45) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
……ふうん。
[訳ありげに呟いてから、]
ようこそ、銀髪のお坊ちゃん。 ここは魔女の館だ、 中に入って煮て食われるのと ここで野垂れ死ぬのとどちらをお望み? [荷馬車を降り、りんご片手に仁王立ち。 ……… アンタがそこにいちゃあ家に入れないんだよ]*
(46) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
─ occursus ─
[幼子の躰では最早限界はとうに超えていた──筈だ。 如何してここまで辿り着けたかなどフェルゼにわかりようもなく。
耳に通る声は少女めいているのにお坊ちゃんなどと告げる。
魔女。魔女の館。
お伽噺にある厄をもたらす魔女だろうか。>>35>>36 フェルゼの薄茶の眼が伏せられる。]
(47) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
などと考える余裕もなく握り締めた石を投げつけた。]
いれろよ。クソババア
[怪我と酷使で喘鳴しながらもぼやく。 ──10代ぐらいだって?
3歳からすれば立派な”クソババア”である。]*
(48) 2018/06/10(Sun) 20時半頃
|
|
[生命の灯火がまさに今消えかけている幼子 目を引くのは、美しい銀色の髪色 ああ、これは、
ほんの少しでも救ってやろうかと思った 嘗て、もう気の遠くなるような昔に 同じように傷つけられた日のこと 目の前の銀髪が、同じように、映った
────────── が。 ]
(49) 2018/06/10(Sun) 21時頃
|
|
却下だ、クソガキ。
[投げつけられた石を華麗に避ければ 代わりに食べかけの虫食いりんごを投げつける
この”リッキィ様”を罵倒するクソガキなんて 誰が助けてやるものか。
少年を一瞥し、魔女は屋敷へと入ろうとする ── さて、どうなったことか。 ]*
(50) 2018/06/10(Sun) 21時頃
|
|
[る〜、る〜る〜る〜 音楽が聴こえる。キッチンに床を掃きながら箒が滑り込んで来る]
今日もお掃除お疲れ様。
[右手で箒の柄を掴むと、箒は動きを止めた。これはレオナルドの使い魔で、苦手な掃き掃除を代わりにしてくれている。
パンの焼けるいい匂いがキッチンに充満する。昨夜の余りの野菜くずのスープも良い塩梅に煮えている]
今日は窓を開けて拭き掃除と、昼ご飯はテキトーで、晩ごはんの為に買い物に街に降りて……ワインも少し良いのを買って、そして……
[レオナルドを起こしに行くべきか椅子に座って考えている**]
(51) 2018/06/10(Sun) 21時頃
|
|
[ちょうど山間の沢に差し掛かった時、熊の鼻先を 妙なにおいがくすぐりました。
人間のにおいです。 鉄錆びに似たえぐみのある血のにおいもします。
熊は喉の奥で唸りました。 熊は人間が嫌いです。
本当はただの熊ではなく、動物に変身する 魔法使いの一族の一人なのですが 人間たちは面白がって嬲ったり 気味悪がって罠を掛けたりして殺そうとするので たくさんいた一族は今この熊一頭だけなのでした。
最近では山に唯一残ったこの熊でさえ 『山を切り拓く者達を脅かす存在』だと まことしやかに囁かれているのです。]
(52) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
|
[沢の真ん中、こどもがおもちゃ箱をひっくり返したような ひどい有様>>22に、熊はまた唸りました。
岩に叩きつけられ散らばった木片の下、 どうと横倒しになった馬の腹が見えました。 人間の都合で犠牲になる動物の冥福を祈り目を閉じると……
熊の耳に、微かな呻き声が届いたのです。
見れば、大きな樽の下、小さな少年が挟まっていました。 声を上げねば寝ぼけた熊の眼には映らなかったことでしょう。]
……ぅお、おまえ、いきてるのか?
[思わず驚いて呼びかけました。この惨状の中、生きているものがいるとは思えなかったのです。 思わず口元から籐の籠を取り落とし、沢に踏み入るとじんわり冷たい水が毛の間に沁みてきて、熊の全身の毛が逆立ちました。]
(53) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
|
ここ、おでのもり、だぞ。 おまえ、そこでなにしている。
[ここは人間の踏み入ってはいけない場所だ。 一族が守って、人間から隠れ住んだ場所だ。
よもや人間の事情で人が人を売買していることなど知らず 縄張りに踏み入る人間に向ける獣の視線は雪解け水より冷たくぼんやり開いたばかりの瞳を睨んでいる。]*
(54) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
森番 ガストンは、メモを貼った。
2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
[娘のか細い喉から零れ落ちる、怯えのいろが滲んだ声。 怪我を見せることを頑なに拒まれれば>>40 無理強いはせずに、伸ばしかけた手を止めて] ……ええ。 私がこの森の魔女よ。
[向けられた問い>>40に、淡々と答える。
誰かに姿を見せるのは何時以来だったろうか。 あのとき魔女に救いを求めた人々と同じに、 縋るように言葉を紡ぐ娘へと向けるのは]
(55) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
|
残念だけれど、それはできない。
私には実りをよくするような、 そんな大それた力はないの。
[あのときと同じ、拒絶の言葉。 ――けれど、あのときと違うのは。 無意識のうちに娘が、唇の容で助けを求めてきたこと]
(56) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
|
[だから魔女は娘の了解を求めることなく、 怪我をしている脚を手に取って。 傷口を検め、怪我の程度を確かめる]
……良かった。 骨は折れていないみたい。
[安堵したように、そう口にして。 脂汗の滲む小さな額を優しく手巾で拭ってやりながら、 息苦しげに喘ぎ、言葉を出せないでいる 娘の様子をしばらく観察する]
(57) 2018/06/10(Sun) 21時半頃
|
|
良く、言えたね。 素直な子は、嫌いじゃないから。
……いいわ。貴女のこと、助けてあげる。
[娘の身体を抱き上げると、そっと耳元に囁きかけた*]
(58) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
《 あわれ、み──────…… ? ───── お生憎様、ね 聞いたことのない 言葉だわ ? 》
(59) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
─ 紫炎の " 魔女 " ─ [旅は、いい。 固執するモノが何もない─── この身には、尚更。
樹から捥ぎ取ったリンゴを片手に持ち 一本道をぶらり、ぶらり。 雨上がりの空は 色鮮やかで。 きらりきらり、藍に浮かぶ 七色の橋。
" あの七色の橋は 何処から渡るのか "
それだけが──── たった今、思いついた 旅の理由。 其れが" 魔法 "と呼ばれるモノであっても ───否、それならば 術者に会ってみたい あれほどの橋、己には到底作り出せない。]
(60) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[シャリ、とリンゴを齧る小気味よい音と 口中に広がる甘味を 旅のお供に。
ヒトならざる者は、道を行く。 ]
(61) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[いつしか、大空に架かる七色の橋は消えて。 旅の目的を失っても ぶらり、ぶらり。
──── 目的なんて そのうちに、また。 やがて、一本道から外れた向こうの方 森の手前に、家らしき建物が見えた。 かなりの数だから村と呼んでいいのかもしれない。
特に疲労などは無かったけれど 此処で一泊も悪くない、と。 大きな一本道から外れ 足取りは村へと。 ]
(62) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[村では数十人ほどに出会ったが、 宿泊を願う余所者は 先ずは教会へ顔を出す" しきたり "らしい。 ふぅん、と言われるがままに教会へ向かった。 こんな偏狭な村にしては なかなか立派な建物。 直接、神官が笑顔で出迎えてくれた。 ナルチーゾ系統の教会だったから、 此処は聖ナルジス王国の領地なのだろうか。
──── 全く以って 興味はないけれど。 ]
(63) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[興味は無い──── 信仰とか領地とか。 しかし、特に信仰の深い者には 教会内で宿泊させてくれるらしい。 王族も利用した豪華な部屋、と言われれば キラキラと目を輝かせながら 礼拝堂の中央に置かれている なにかの銅像に 片膝をついて何度も拝んだ。
全身を舐め廻すような神官の視線は気になったが それで認められたのか、夕食に案内された。
この村には似つかわしく無い、豪勢な肉料理。 それと、葡萄酒。 楽しい夜に思えた矢先───── 食卓でそのまま深い眠りに誘われ、 握りしめていたフォークが 床に落ちた。 ]
(64) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[騒がしい怒号で目が覚めれば─── 陽は東で 新しい朝を生み出していた。 どうやら村の広場らしい。 村人達が遠目に眺める中、何重にも縄で縛られ 身動きできないまま、横たわる己の身体。
" 此の者は魔女である!! 教えに依って 今から火刑に処す!!! "
昨日、笑顔で迎えてくれた神官が 憎々しげに 此方を睨みつけながら 吼える。 ───── やれやれ、と小さな溜息が零れた。]
(65) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[どうして こうなったのだろうか──── 記憶を辿れば、夕食の途中から覚えていない。 眠りを誘う薬でも混ぜられていたか。
そして、思い出すのは神官の舐め廻すような目。]
( ───── 脱がされた? ) [だとしたら" 魔女 " なんて呼ぶのにも さぞ抵抗があるだろうに。 おもわず クックッ、と 堪え切れない笑いが 口元から漏れる。
服を脱がした不逞を隠そうというのなら " 魔女 "と呼ぶのは仕方ない選択だろうけれど。
神官の合図で、村人が己の身体に藁を被せていく そして近づけられる 燃え盛った、たいまつ。]
(66) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
──── やめときなよ? その炎が喰うのは アンタ達だよ [藁の下からではあるけれど、忠告はしたのに。 " だまれ!この魔女め!! " 村人達もまた、神官にとって良き信徒らしい。
巷では" 魔女裁判 "なんて耳にしていたけれど こういった事は日常茶飯事なのだろうか。
ジリジリ、と藁の焦げる匂いがする。 縄に縛られたままで動けはしないけれど
───── 動く必要も、ない。 ]
(67) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
[己の身体にかかった藁へ移った、赤い炎 その色彩は変化していく───── 紫へと。 紫炎は意思を持つように村人を襲い、炭に還す。 近くの村人が息をしなくなれば、 遠くで眺めていた人々にも炎は飛び交う。
魔女裁判──── 魔女狩りというのだろうか? 国の方針なのかは知らないけれど この神官にしろ、村人たちにしろ。 なにひとつ 大切な事を教わっていない。
─────即ち 本物の魔女だった場合 どうすればいいのか
悲鳴も消えて 耳を撫でるのは、風の音。 炭しか残っていない 村だった場所で 大きく溜息を吐いてから、再び一本道へ。]*
(68) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
― 付近の森 ―
[その日は書物の買い付けで街まで行った帰りで。 縛った多くの本を重そうに半ば引きずって様を見せていたのは街の中だけで。 今では左手の上に浮いているかのように掌に乗っている――それを成し得ているのは右手に灯る光と、その手に握られた魔導書によるもの。 森に入ってしまえば重力を操るさまを見られる心配もなく、軽やかに運べるわけなのだが……] はぁ〜……疲れたあぁ……… [もう重くないのに、耐えられないとばかりに大きく肩を下ろし、さらに置いた書物の上に腰まで下ろした。 単純に、街から森まで自分の力で運んだ消耗と、ここまでの歩き疲れである。 以前ならこんなところで休憩を入れる必要は無く……加齢により体力がピークを過ぎたことを思い知らずにはいられなかった。]
(69) 2018/06/10(Sun) 22時頃
|
|
闇に隠れて生きて……
あぁ、 はやく にんげんを やめたい! [老いにも死にも無縁になればこんな苦労ともおさらばであるのだが、その研究が完成するにはまだまだ先の話だ。 自分の命がそれまでに間に合うのかという根本的な話もあるし、単純にそのときまでさらに衰えていく体で苦労しなければならないというのは難がありすぎる。 他所の魔法使いは百歳超えても若さを保っていたりするが、この男に言わせると長命と不老不死はけっこうな別ジャンルらしく、研究成果はたいして肉体に現れず一般人と同じように中年化しはじめている。]
(70) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
それとも、誰か、落ちてないかなー……
[解決方法は、術式を完成させてしまうことを除けばひとつ――誰かそばに置いて雑用を任せることだ。 研究に没頭できれば進捗は早まるし、買い出しを頼めれば魔法使いが街中に姿を見せる危険を冒す必要もなくなる。 何よりこの歳になった男としては独り身が辛いのだ――だからため息が無駄に物悲しい。 しかし研究の内容が内容なので妻帯して外部と人の繋がりを構築するというのも無茶な話である――人間をやめるための研究なのだから。 かと言って無理やり攫って人間から特定して敵視されたくもない。 なので、世俗とまったく繋がりのない人材――たとえて言えば森に捨てられて狼に育てられたような子供――でも落ちていない限りはこの呟きは絵空事にすぎなかった。]
(71) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
[いかなる幸運か運命の悪戯か、本当にそういう子供がすぐそばに落ちていたのである。(>>11) 母狼と言葉で交渉できたわけではなかったが、傷の様子から獣の看病では助かりそうにないこともあってかすんなりと譲るように去っていった。 事情を知っていれば、守れなかった自責からか人間に還すことを選んだのかもしれないと推測したのかもしれないが。]
……<解読魔術>…… [手にしている重力を制御する魔導書を掴む手が光れば、少女の体を布のように軽く肩口に担ぎ上げて――男は治療と、手に入れるために連れ帰ることにした。 死の門をくぐるために心血を注いできた身が、瀕死であっても生者を迎え入れる――それはいかなることになるだろうか]
(72) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
[──魔女。>>55幼いわたしにとってどんな存在だろう。
孤児として村で育てられ 日照りが続きおとな達はぎらついた目でわたしを見るのだ。
”このときのため の 子 が いる” ”もういいだろう”
その意味を理解するにはわたしは幼すぎた。 ただ村のおとなも、魔女も、森も。
何もかもが疎ましかった。]
(73) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
……うそ、うそ… そんなの、…
[そんなことは出来ないと言っている魔女に。 その言葉を否定する。そんな筈はない。>>56
だっておとな達は言っていた。 魔女に気に入った生贄を差し出せば助かるのだと──言っていた。
はく、はく。
土の上にあげられた魚のように。 息が苦しくて。口の形だけが無様に動いて
心臓がまたうるさく一際強く鳴る
いたい。いたいの。]
(74) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
[わたしは動けなかった。苦しくて…悲しくて動けなかった。 ただ触れてくる白い手を一瞬びくりと身を震わせる。>>57
この辺りにはない白い肌。しろい髪。 恐ろしいのはそれだけじゃなくて。そうじゃなくて。
いつもみたいに頭を殴られると思って。 手巾で柔く汗を拭われて目を丸くする。
( もしかしたら。ああ、もしかしたら。 これが生贄になるということなのかな? )
小さなからだを抱き上げられ 耳元で囁きかけた声は感情が無いようであった。
魔女に気に入られて──贄となる。 それがわたしが5歳まで生かされた意味。 ]
(75) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
[わたしは抱き上げてくれたその魔女に──そのひとの白いローブを 霞みがかった視界の隅で白だけが鮮やかで
ぎゅっと胸元のローブを握りしめて]
… いらない なら すてて
[わたしは糸が途切れるように意識を失ったのだった。]*
(76) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
──回想:魔女狩り──
[この土地で魔女狩りがあるかと言えば 表立って行われていないのが現状だったが それでも魔女を忌み嫌う者たちの存在は根強い。
──目の前の銀髪の幼子が忌み子として処分されようとしていたのも、また。
ここ数年の話ではなく、何十年、何百年と続く慣習 魔女リッキィの両親もまた、魔女狩りで奪われていた
その時、また、幼子だったのはリッキィで 逃げ迷って辿り着いたのが樹海のこの小屋
それが、目の前の幼子と重なったのは事実 ]*
(77) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
―― 川辺り ――
[岩がゴロゴロする川辺で瞳を開けたドリベルが まず感じたのは、背中と足の痛みでした。
自分に何が起こったのか 正直なところ、よく覚えてはいません。
それでも、首だけ動かしてあたりを見回せば ぺしゃんと潰れた馬車と、横倒しになった馬の姿 そして、車輪の下に見える赤いものはきっと]
―――あの指輪……
[誰のものか。なんて考えるまでもありません 馬車に乗っていたのは 自分の他にもう一人だけだったのですから。
車輪の下から生えた赤 その五本の指から目を逸らそうとした時です]
(78) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
[不意に聞こえた声>>53に、ドリベルは息を呑みました。
ここがどこかなんて正確には知りません それでも、あたりの景色を見れば 山の中だということぐらいはわかります。
人なんかこなさそうな深い山 そんな場所で、都合良く声が聞こえて来たなんて
なにかの罠か、聞き間違えか 落っこちた拍子に頭でも打ってしまったか 期待してはいけないと 自分に言い聞かせようとしましたが]
(79) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
――――生きて ……ぅ、ぇ?
[バシャリと水の鳴る音に 聞き間違いではなかったのだと抱いた希望は また違う形で砕けてしまいました。
聞こえて来たのは、確か人の声だったはず ですが、そこにいたのは人ではなく 山で出会ったら何より恐ろしいと言われてる そう、熊だったのですから]
!!?!
[死んだフリをしようかと一瞬は考えました けれど、よくよく考えてみれば ドリベルはさっき返事をしてしまっています。
これでは、生きていると証明しているようなもの どうにかして逃げられないものかと 大樽の下の両脚を引き抜こうとしましたが]
(80) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
くっそ! [押しても押しても樽はびくとも動きません ぐーの形に握りしめた手で樽を殴りつけても 余計に痛い箇所が増えただけです。
それでも、どうにか泣くのだけは我慢できましたから]
好きで来たんじゃない クマの土地なんて、知らない だいたい、なんでクマがしゃべるんだよ?
[声だけは元気があるように キッと目元に力を入れて、熊に問いかけました*]
(81) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
― 湖畔の館 ―
[余っている部屋に運び込めばタオルを敷いたベッドに寝かせて、治療に取り掛かる。 とは言っても魔法使いなので治癒魔法を唱えるだけでいいし、彼の流派で言えば治癒魔法の魔導書を手にすれば良いのだが――] えーっと、治癒の本、治癒の本…… どこだどこだどこだ、焦るな焦るな 確か去年入手したはず…… [自室で乱雑に重ねた蔵書から、該当する魔導書を探す。 散らかっていてもどこに何があるかわかるつもりだったのだが、整理されていない部屋とはなんと探しづらいものか――いろんなものを崩しひっくり返し、それでも見つからず、しまいには――]
(82) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
ちくしょう…どいつもこいつも…
[こんな所で死ぬ謂われはない。 ただ銀髪に産まれただけで──…己の子ではないと詰る父。 精神を病んでしまった母を見てもフェルゼは自らに非があるなどと思う幼児ではなかった。
自分の不幸は 自分で蒔いたものだろう。
早熟な幼児はそう考えたからこそ、存在を隠蔽し殺害しようとした従者から逃げた。
逃げた先が魔女の館ならそれを利用すればいい。 可愛げのない三歳児だった。]
(83) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
… きゃっかって…なに… ? むずかしいから…わからない
…… おなかすいた。
[よし。こうなったらおのれの可愛い容姿と幼さで媚を売る方向に変更した。 屋敷の中で匿って貰えれば良かった。
他の何も一切期待をしていない薄茶の瞳が、魔女リッキィは見ただろうか。 三歳にして拒絶をしめした、その色を]*
(84) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
だぁぁぁ!! しまったぁぁっ!! そういえば吸血鬼に治癒魔法なんぞ要らないからってこないだ交換したんだったぁぁっ!!
[貴重な本はお金で買えないこともある。 そういうときは自分の研究資産を切り売りすることがあり――不覚にも手放したばかりであったのを思い出した。 頭を抱えて絶叫しても時間を巻き戻す魔導書は所持していないので後の祭りである。] 仕方が無い、医術でやるか…… [研究の内容的に生命に関することは心得がある。 些細な事故で怪我をした際に購入した医療道具を抱え、少女が眠る部屋へと戻った。]
(85) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
う、…… [治療のため服を脱がせれば、痩せ細った身体が血まみれな傷痕と相まって痛々しさが倍増し、思わず目を背けた。 年端も行かぬ少女の身体には全く興味はないが――とは言いつつも、そこは今まで女と縁がなかった男のサガ的な理由で僅かな興味がどこかにあったかもしれないが――包帯を巻くときにそれがまったく刺激されないぐらいな貧相さは人間として劣悪な状況下にあった証拠と言っていい。 ――おかげで雑念なく治療に専念できたと言っても良かったが。]
必ず、助けるからな――
[もちろん、自分のためである――このときは。]
(86) 2018/06/10(Sun) 22時半頃
|
|
──出会いの日──
[静かな店内。 カウンターを伴ったキッチンで、 くつくつと大きな鍋の中から蓋を叩く音がする。
蓋をあけるとトマト色のスープがぐつぐつと煮立って、 酸味のある湯気が覗き込んだ顔を包んだ。]
(87) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
ん、いい感じ。
[満足げに口元を緩めながら小さく頷いた。 指を鳴らすと火が消え、 中身のスープも次第に大人しくなっていく。
木の大きなおたまでかき回して、 最後の仕上げのパセリをいれて完成──]
──っと、忘れてた。 まぁたマリーおばさんに叱られちまう。
[マリーおばさんの家は牧場だ。 彼女がたまに届けてくれる自家製ベーコンを、 このスープに入れなくっちゃいけない。 入れないと、 彼女のお気に入りのスープにはならないんだ。]
(88) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[街はずれの森の中。 そんなに深く入らない場所にカフェテリア、 「maga silva」はある。
客がくれば開店するし、 日が暮れたらその日はもうおしまい。 そんな気まぐれ営業だけれど、 案外近くの街から客がちらほらやってくる。]
(89) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[店から出て氷の魔法を施した貯蔵庫へ向う矢先、 人間より優れた耳が、 まだ遠くではあるけれど街のある方角から、 茂みを掻き分くような足音を拾った。>>6
街からここまでは、 彼らが迷わないよう細いながらも道は整えたはずなのに。]
熊かなぁ。
[それなら森の奥に帰ってもらわないと。 貯蔵庫へ向おうとした足は、くるりと向きを変え、 森の中へと踏み入った。]
(90) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
…子供?
[森の中、足音をたどって着いた場所には、 自分より背丈がまだ半分もない女の子だった。]
こんにちは。迷子? 迷子なら街までの道教えてあげるけど。 それともお客さんかな。
[迷子な割に泣いてないなって、第一印象。 だから、かけた声は優しくても 少しだけ、訝しく眉をひそめてしまう。 子の背丈に合わせてしゃがもうかと思ったけれど、 彼女の赤い靴みたく、 自分の衣服も汚れてしまうのは面倒だしやめておいた。]*
(91) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
― 翌朝 ―
[ベッドの隣に置いた椅子に座って様子を見ているうちにとうとう朝に。]
『痛っ』
[それが少女の声を聴いた初めてで――(>>12) 代わりに少女の耳に届いた自分の最初の言葉は――] か、完徹って昔は平気だったのに……
[労るものではなく、自分の衰えへの嘆きだった。]
(92) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[ただそれでもその自分の肉体にさらに鞭打って微笑みかけて]
おはよう、食欲はある? 傷の治癒もだけど、君には栄養が必要だ
えーと、君じゃアレだな 名前は? 僕はレオナルド この館に住んでいる――学者みたいなものかな?
[魔法使いだと告げるのはもう少し打ち解けてから。 研究の目的を告げるのは――たぶんもっとあと、成人してからあたりだろうか]
(93) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
ええ〜っと、スープの本スープの本 よし、これにするか! 材料は……
[これはちょうど昨日買った本。 料理本を魔法で解読すればその料理が作れるようになるのだ。 ――が。]
(94) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
ごめん まずいのは僕もわかっているのだが…… [現在の少女の状態でも啜れる重たさで、なおかつ滋養ある豆のスープ。 メニューのチョイスも、調理法も、何一つ間違っていないはずで、確かに栄養は充分で回復を大いに助けるものなのだが――完成したスープはただ不味かった。
なぜならば…… さまざまな美味しいレシピが載っている料理本は世に溢れているが、そこには料理の基礎技術について記されていないからである。 そんな本を解読したとしても、レシピ通りに作ったのに完成しないのは当たり前なわけで。 一言で言うならば――それがよく分からないぐらいこの男は生活力が不足していた。**]
(95) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[拒絶の言葉に価値観を覆されて、落胆をしたのだろうか。>>74 陸に上げられた魚のように、息苦しげに娘は口を動かす。
けれど、苦痛に寄せられる眉根。 無意識に胸に当てられる小さな掌。 しばし様子を観察して、 娘は病を――おそらくは心の臓の病を患っているのだろうと、検討をつける。
額の汗を拭ってやろうと、 手を差し伸べたときの反応を見ても。>>75 病持ちの娘は大事にされなかったのだろう]
(96) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[小さな手が、ローブをぎゅっと握り締めたなら、 あやすように優しく頭を撫でてやる。
意識を手放す直前、娘が零した言葉は>>76 幼子が口にするには似つかわしくないほどに、 諦めに塗れていたから]
そうね。……贄なら、いらない。
かわいそうな子。 貴女は誰かの犠牲になる為に、 生まれたわけではないのにね。
[たとえ、魔女が望まずとも。 娘が魔女の為に人生を歪められたのなら 無闇に捨てることなどできようか?]
(97) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[娘の身体を抱いたまま。 夜色の獣の背に横座りに腰を下ろせば。 僕は全てを心得て、旋風のように魔女の棲家へと駆け出した。
――――斯くして、黒い森に棲む魔女と孤児は 出逢ったのだった*]
(98) 2018/06/10(Sun) 23時頃
|
|
[クソガキなんて置いておいて! 小屋……じゃない、屋敷の扉に手を掛ける。 のたれ死にそうな幼子は邪魔だったが 扉が開かぬほどではなさそうだったから ]
……… あ”?
[その手を止めたのは、先程とはまた違う 媚売ったような声色が聞こえてきたから 見下ろせばこちらを見る薄茶色 そのいろは、何も映していないように見えた]
(99) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
[人間なんて嫌いだと、 幼き日の魔女が人間たちを恨んだように
”魔女なんて嫌いだ” と ”呪いを掛けられたあの瞬間” に 同胞に対する無力さを 痛感していたように
何も映さぬ薄茶色 その色は、まるで自分のようだったから]
(100) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
……… たいしたものは出せないぞ [ガチャリ、と扉を開いて招き入れよう ]
ようこそ、 アンタにとっての、地獄へ。
[追っ手がいるのかもしれないな。 簡単な結界を張っておくのも、忘れない ]
(101) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
──魔女の棲家──
[小屋としか形容できぬ広さのそこには 天井まで届く書棚と雑多に並べられた書籍。 足の踏み場もないほど散らかっているのはやはり本。 一脚の安楽椅子と、紙で埋まった書き物机。 書棚のあちこちに、古めかしい瓶が置かれている。
歩けるのなら、ソファへと促して ……そこにもやたら布が置かれていたが、纏めて床の端に重ねてやったりしながら。]
回復魔法は専門じゃないんだ 応急処置しかできないぞ
[それでも生きていく上で応急処置くらいは役に立つ 簡単な魔法を施すのなら、多少傷の痛みは和らいだろう]
(102) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
[それから堆く積まれた本の上にひょいと飛び乗れば 高い位置に置かれた本を手にとって、暫し眺め。 ふむふむふむ、と何かをはじめよう。 ごりごりごり、すり鉢で。魔女だって古典的なのだ。
滅茶苦茶苦〜〜〜〜〜〜い、よもぎの薬。 無論魔法が込めたので、効きは良いはずだが? ]
飲め。 [どろりとした緑色と、ほんの少し硬くなったパンを そっと、銀色のそいつに突き出した ]**
(103) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
―魔女の棲家―
[黒い森の奥深く。 余人が踏み込めぬよう、設えた結界を抜けた先。 開けた野原の中に魔女の棲家は在る。
”館” と言うほど立派な建物ではないが、 一通りの居住施設の他にアトリエと書庫を備え。 何より、規模はさほどではないが、 薬草や花を栽培する温室と畑は、 魔女の密かに自慢するところだった]
(104) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
[そんな森の奥深くに隠棲する魔女の棲家に、 訪れる客などいなかったから。 客室は在っても、すぐに使える状態ではなかったので 連れ帰った娘を取り敢えず自分のベッドに寝かせると]
彼女が起きたら、知らせなさい。 悪戯をしてはだめよ?
[使い魔の黒猫に命じ、寝室を出て。 アトリエで娘の為に薬の調合を始めるのだった]
(105) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
[黒猫はベッドに上がり、しばし、娘の寝顔を眺めると。 興味を無くしたのか大きく欠伸をして。 主の言葉などお構いなしに、娘の隣に丸まる*]
(106) 2018/06/10(Sun) 23時半頃
|
|
[自分よりも大きなものに押しつぶされる経験に乏しい熊は 大きな樽の下でもがく子供を見つめました。
痛みに泣き喚くわけでもなく 熊の出現に武器を構えるわけでもなく 動かない体のまま懸命にこちらを睨むだけ。 そのこどもはただただ無力に見えました。]
……にんげん、このやまで、どうぶつころす。 おまえは、ちがうのか。
[何故熊がしゃべるのか、なんてこの山に動物を屠りに来る人間なら知っていそうなものですが、どうやらこの子供は違うようです。
説明するのが苦手な熊は、うう、と唸ってこどもの足に乗った大きな樽を両手で掴みました。]
(107) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[まるで、赤ん坊が気に入らないおもちゃを投げ捨てるかのように少年の体を戒めていた大きく重い樽をぽーんと遠くに投げ飛ばし熊は少年に向き直りました。]
すきできたんじゃない、なら……
[かえれ、と続けようとした言葉は、樽の下から出てきた 少年の体を見て、ぴたりと止まってしまいました。
何故少年は手足を鎖で繋がれているのでしょう? これでは歩くこともままならないのではないでしょうか。
鋭い鉤爪では鎖と一緒に少年も傷つけてしまいそう。 仕方がなしに、熊は変身の魔法を解いて見せました。]
(108) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[ふかふかの毛がみるみるうちに肌の奥へと引っ込んでいき 見上げるような体躯も氷が解けるように小さく小さく……
……そうして熊は、人間の男になりました。 熊より小さくなった、とは言え、街に行き交う人と比べてまだまだ見上げるような体格のままなのですが。
髭面をむすっと顰めたまま、男は少年の足の鎖を掴んで 糸でも切るようにぶつりと千切ってしまいました。]
……ただのくまじゃ、ないから、しゃべる。 でも、おまえのこと、たべちゃうかもしれないぞ? だから、にげろ。おうち、かえれ。
[男は熊で魔法使いなのですが、人間を食べません。 それでも少年が怯えて逃げてくれればこれ幸い。 鎖も樽もないのに少年が動かないなら脅かしてしまえと喉の奥で低く唸って見せるのでした。]**
(109) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[胸が、痛い。喘ぐような呼吸しか出来なかった。>>96
煩わしいこえ。疎ましいからだ。 みんなキライになれたなら、いっそ楽だったのに
どこか遠くで優しく触れる温度がある。
……かわいそうな子>>97
唯々それだけが鮮明に鼓膜に灼き付いて、響いた。 閉じた瞼から透明な滴が落ちる。
憐れまれたのだと、思ったのは随分と先の話────。]
(110) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
─ 贄の少女 ─
[───…どうせ長い命ではないだろう。村の医師は言った。 小さな集落。働くことすら儘ならない病持ちの子は疎まれた。
どれだけ一生懸命やっても がんばっても がんばっても 健康な子よりも働けない。
がんばったね、と撫でてくれる優しい親の手もない。
わたしは災害に備えて。 占い婆が魔女の呪いが村に降りかかると予言をされて
魔女の生贄として今まで生かされていただけの、子ども
きれいな白のワンピースは死装束
そうなる筈だった。]
(111) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
─魔女の棲家─
………… ?
[ 目が覚めたとき。わたしは見慣れぬ天井をみつめた。 鼻腔をかすめた甘い匂いは花の匂いだったろうか?
寝台の上と思しき場所で首をめぐらせるが 視界は朦朧としていて輪郭をとらえない。]
…… こ こ …どこ… ?
[ もしかして天国だろうか? そんな風に幼い思考を紡ぐ
だったら”おかあさん”が迎えに来てくれるのかな。 わたしを産んですぐに死んでしまった
”おかあさん”────。 ]
(112) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[ 胸のツキンとした痛みが現実感を少しだけ引き寄せたか。 きれいな木目の天井がみえる。
天国、とは少し違うようだ。 胸の痛みが何よりの証拠だろう。
黒猫(>>105)が隣で丸まっているのを見てびくりと震える。 見慣れぬ天井。知らない感触の、寝台。]
(113) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
……わた し…?
[わたしはどうしてこんなところにいるのだろう。
予想以上にその声は枯れて、喉からすべてを吐き出しきれなかった。
──…ああ、またか。
自らの弱い体に嫌気がさす。 さっき走ったせいか、鹿に怪我をさせられたせいか。
高い熱を発して意識が上手く紡げない。 黒猫の翠の目だけがいやに鮮やかに見えた。
白。 ────すべての色を包むような白を思い出す。 魔女は どこ ?
紡げない思考で 視線をさ迷わせる。 ]*
(114) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[目的地などなく知らない場所を歩いているから 迷子といえば迷子になるのかな。 でも、困ってるわけじゃないから違うかな。
頭の隅っこの方で考える。 街に戻るつもりは一切ないので、 やっぱり否定しておいた方がいいだろう。]
まいご、じゃない よ。
[ふるふると緩く左右に首を振って、 ふと引っかかった「お客さん?」と聞き返す。
その言葉は来訪者を意味するもののため 必ずしも"店"とは限らないのだけど、 幼子の知識量ではイコールで結ばれることとなった。]
(115) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[続けて、「なんのお店ですか」と問う。
森の中にあるお店など想像つかないけれど、 絵本に出てきたのにはパンケーキ屋さんと ハチミツ屋さんと斧屋さんがあった。
斧には興味はないが、 他のものだったら覗いてみたいなぁと思いつつ 優しそうなひとを見上げる格好。
──パパより低い。]
(116) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[もしかしたらママよりも低いかも…?と 首が痛くないことに内心ちょっと喜びながら、 この先にお腹を満たせる森の休憩処あると知れば ごそごそとワンピースのポケットを漁った。
空腹感と、歩き続けていた疲労感が ここに来てむくりと存在を主張し始める。]
このお金で なにか食べれますか?
[前方に突き出した手のひらの上には、銅貨が2枚。]
(117) 2018/06/11(Mon) 00時頃
|
|
[娘が目を覚ますのを見届けると。 黒猫は寝台から軽やかに飛び降りて。 前脚で器用に寝室の扉を開け、部屋の外へと出ていった。
それから少しして。 黒猫を伴い、魔女は寝室に戻ってきた魔女は 視線をさ迷わせる娘の枕頭に歩み寄ると 小さな額に手を当てる。
掌から伝わる高い熱は>>114 病によるものか、それとも怪我が原因だろうか]
(118) 2018/06/11(Mon) 00時半頃
|
|
不安なことばかりだろうけれど、 今は心配しないで休みなさい。
[吸い飲みの先を娘の唇に当て、水を飲ませたり。 顔や首筋の汗を拭く。 死に装束となるはずだった>>111 汚れたワンピースは脱がせて、今は魔女の寝間着を着せてあった。
娘が何かを話したいのなら、 無理をさせない程度に耳を貸すつもりでいるし、 そうでないのなら、再び彼女が眠るまで 傍についていようか*]
(119) 2018/06/11(Mon) 00時半頃
|
|
[ 森の奥へ、奥へ、奥へ────。
そうして王都から離れていたはずだった。 夜の闇に紛れてナルチーゾの教えから遠ざかり 敬虔な信徒であった両親の元を去って そのまま国外へと逃げきってしまう筈 その筈だった。
しかし子供の足ではまだ国外へは至らずに 疲れ切って森の中、眠りに落ちてしまったが 獣に襲われなかったのは 奇跡としか言いようがなかった。
目が覚めたのは朝のこと。 鼻先に漂う何かが焼ける匂いに眉を寄せた。
────その先で。 村が焼かれている事にまでは気づかない。>>68]
(120) 2018/06/11(Mon) 00時半頃
|
|
……ん、ゥ。
[ だから寝ぼけ眼で身動ぎして ぼんやりとその瞳を開いて まずはここが今までいた暖かな部屋では無いと それに気づく事から始めなければならなかった。 体を起こしながらもボゥ、と辺りを見渡して ああそう言えば追い出されてしまったのかと 胸に訪れたのは深い悲しみ。
じわりと涙が滲んで、ホロリと溢れて。 喉が乾いて、お腹も空いて、寂しくて。 声を上げて泣きそうになった時に漸く気づいた。
風に流れてくる煙の匂い。 何が燃されているのか嫌な匂いが、 やけに強くなっていく。 ]
(121) 2018/06/11(Mon) 00時半頃
|
|
………母さま?
[ 土地勘のない子供はまず母を想った。 もしかして、自分が禁忌に触れたから? 何か両親に恐ろしいことが起きたのかと。
そう思い至れば折角逃げ出してきたと言うのに 立ち上がって、走り出して、 向かったのは煙の方。 その煙の量はどれだけ続いていた? 魔女裁判も、その存在は知っていたけれど まさかそれが行われていたなんて思えない。 否、若しかしたら両親が火刑に、と、そう 思い浮かぶのは別れ際のあの哀しげな顔から。
だから、無我夢中で走って。 ……けれど、直ぐに息が切れて。 カラカラの喉、空腹も疲れも祟って フラフラの足取りで見たものは。 ]
(122) 2018/06/11(Mon) 00時半頃
|
|
[ 焼け焦げた村の跡。 城門も城壁も無かったからきっと 自分の住んでいた王都では無かったけれど
その光景に目を瞠り、血の気が引いて ガタガタと震えていたそんな時。
その場所から無事に現れた その人の姿を、見たのだ。>>68 ]
(123) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
………だ、大丈夫、ですか? い、いったい、なにが………?
[ ここで何があったのだろう? どうしてこの人は無事だったのだろう。 そんな疑問符が湧いては消えて、 けれど、ぽろぽろと涙をこぼしながら。 ]
(124) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
ごめんなさい! ぼ、僕が、いけないんです……! 僕が早く、森から出て 国から離れられなかったから……!
[ 嗚呼、でも。 きっとこれは災厄なんだ。 この人は免れることが出来ただけで。
これはきっと自分が禁忌に触れたせいなのだと そう思い至るのは自分がまだ ナルチーゾを信じる徒の一人だから。 だから自分の存在を恐れて、 ここで起きた事を誤解して震えて、
へなへなとその場に座り込んでしまう。 ]
(125) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
ごめんなさい……!
[ ひぐ、えぐ、しゃくりあげながら。 自分のしでかした罪の重さに畏れおののき 怯える姿があった。
ただ、その神官たちの闇を 見てしまっただけだと言うのに この子供はまだ、それを理解はできはしない。 親もまたそこまでの仔細を教えることは できぬままだったのだから。 ]**
(126) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
[黒猫が主を呼びに行ったことも知らずに 熱のせいで苦しげな息を吐く。
木目の天井をぼんやりと眺めていると ───…ふわりと柔らかな甘い匂いが強くなる。
花。花の匂いだろうか?
さ迷っていた視線が、白を定める。 すっと白い手が額にあてられる直前にいつもの癖でびくりと震えた。
怪我と病。両方が原因だろう。 どうせ長くは無い身だと何度も聞かされれば年端もいかない少女でも
────…わたしでも、わかる。]
(127) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
… さわったら いや
[口では強がりを吐きながら 吸い飲みを宛がわれればおとなしくこくりと嚥下する。
汗だくになったからだを拭き取る所作にも 反抗するほどの気力も体力も 無かった。
魔女の寝間着は少しばかり大きくて 少しだけ柔らかくて優しい匂いがした。 ]
うつるから…さわらな… いで
[白くてきれいなひとはこの森の魔女だと言っていた>>55 災いをもたらす────魔女
病のからだに触れられて災いが起きるのが怖かった。]
(128) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
どうせ… わたし ”おとな”になんてなれない、から
[まだ高い熱に浮かされながら、紡ぐ。
白くてきれいなひとはこの森の魔女だと言っていた>>55 災いをもたらす────魔女
病のからだに触れられて災いが起きるのが怖かった。]
… もう くるしいのも さびしいのも イヤ …なのに…。
[───…生贄になると決まって受け容れた。そのつもりだったのに。わたしはどうしてあんなに必死になって逃げて走ってしまったのだろう。
目に見えない”何か”に怯えるわたしを、魔女はどう思ったかわからない。
ただ赤色の瞳からは何の感情もわたしには読み取れなかった]**
(129) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
[キッと力を込めたドリベルの瞳 その先には、大きな大きな熊がいます。
辿々しい口調で人の言葉を話す熊>>107 少なくとも、ドリベルの暮らしていた村では 話す動物を見たことはありませんでした。
話す動物。だからでしょうか こちらへ襲って来る様子もない相手に ほんの少し緊張の糸が緩みかけましたが]
ナイフもないのに どうやって、動物とるのさ? [そんな場合ではないとわかっているけれど 熊の言葉に、きょとんと目が開いてしまいます。
動物を殺しに山に来る人間 狩人か何かと間違えているのだろうかと ようやく気がつけば、首を左右に振ることにして]
(130) 2018/06/11(Mon) 01時頃
|
|
[主張が通じたのかどうかはわかりませんが 熊の次の行動は、願っても無いものでした>>108
麦藁の束のように軽々と放られた樽 岩場に叩きつけられてそれが砕ければ 辺りに、ばらばらと干した肉が散らばります。
もったいない。なんて一瞬考えて そちらへと体がつい、動きかけたのですが]
―――っ、
[ジャラリ。鎖の音に身動きが止まります 体を潰していた樽は無くなりました けれど、自由に動けるかといえばまだ無理 手足を縛る鎖が残っています。
だいたい鎖がなかったとしても よくよく考えてみればもう ドリベルの帰る場所はないのです]
(131) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
|
|
[鎖に気がついたらしい相手 毛に覆われたその頭が何を考えているのか ドリベルにはわかりませんでした。
わからないまま 熊の一挙一動を見つめていましたが]
……おっちゃん?
[毛に覆われた獣が人へと変わる 目を疑うような場面を目にしたというのに 驚き過ぎたせいか、思わず言った言葉はそれ 『凄い』という言葉も、感嘆詞すら浮かびません]
おっちゃんがクマで、クマがおっちゃん? 食べるなら、鎖取らなきゃよかったじゃん
[言い返すことに不安はもちろんありました 怒った相手に本当に食べられてしまったら そんなふうにも思いましたが]
(132) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
|
|
おうちなんて、ないよ どこからきたのかわかんない
もしわかったってさ 売られたんだからボクだけ帰ったら 母さんたちだって、こまる
他の子はみんな帰ってこられないんだもん ボクだけ帰ってきたら、ずるいじゃん
[だからと言って 食べられたいわけではなけれど 走って帰る場所もない。
どうしようか。と問いかけて 小石をひとつあさっての方向に投げました**]
(133) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
|
|
[少女が頻りに、触れられることを拒絶するのは。 魔女を忌み嫌ってのことだろうか。 生贄にされ、原因の魔女を忌避する気持ちは理解できた。 その理解は若干の苦味を伴うのだが。
けれど、譫言のように娘が紡ぐ言葉に>>128 それが間違いだと、すぐに気付かされる]
うつる、って貴女の病が? ……誰かにそう言われたのね。
[やり切れない気持ちを追い出すように、 深く――深く息を吐いた]
(134) 2018/06/11(Mon) 02時頃
|
|
[魔女の見立てでは、娘の心の臓の病は、 誰かに罹患する種の病気ではなかった。
病の見立てを誤るのは仕方がないし、 人に感染する可能性を疑えば、 無碍に扱われるのも無理からぬとは言え。
年端も行かぬ娘に、 生贄になることを肯わせるほどの絶望を与える 彼女の周りの大人達と 彼らにそうさせる巡り合わせが、余りにも悲しくて]
(135) 2018/06/11(Mon) 02時頃
|
|
[小さな掌を握って。優しく語りかけるのだ]
贄を欲しがる悪い魔女のせいで、 苦しくて、怖い思いをしているのに。 その相手に病をうつすことを心配するなんて。
貴女はとても、優しい子なのね。
……でも、安心なさい。 その病は誰かにうつるものではないわ。
[貴女の村に、貴女と同じ病で苦しむひとはいた? などと、少し意地悪な問い掛けをして]
(136) 2018/06/11(Mon) 02時頃
|
|
大丈夫。 貴女が苦しくないように、寂しくならないように。 此処にいてあげるから。
――Hush a Bye Baby (静かにおやすみ、愛し子よ)
[怯える娘が眠りに落ち、やがて熱が覚めるまで。 魔女は傍に付き添い続ける**]
(137) 2018/06/11(Mon) 02時頃
|
|
[村人の居ない村となったのち 神官は 最後に、直接。 己を縛っていた縄を焼き解くと この手で引導を渡してあげた。
" まさか……ホンモノだったなんて " " 許してくれ!王都にいる奴らばかりが うまい汁吸いやがって……魔が差したんだ! その上に…オトコだったなんギャッ " ]
やっぱり…脱がせたのね もう………えっちぃ [抱けなかった逆恨みで、魔女に仕立て上げた ────そんなところだろうか。 ]
(138) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
[振り返れば、ヒトの形をした炭の山。 特に これといった感情は覚えない。
" 魔女狩り "が許されて " 人間狩り "は許されない───── そんな道理もないのだから。 ] ………あらぁ? [村から── 村だった跡、そう言うのが正しいか。 焼け跡から離れたところで声が掛かる。>>124 声を発した先へ視線を向ければ、 まだ少年と呼ぶべきな ニンゲンがひとり。 ]
(139) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
[紫炎は、村の全てを焼き尽くしたハズ。 善であろうが悪であろうが。 男であろうが女であろうが。 成人であろうが幼子であろうが。
焼き尽くし損ねた──── この紫炎の魔女が? ぽろぽろ、涙を零す少年の顔を 首を傾げつつ見つめたのも束の間。 その疑念は彼の言葉で払拭された。>>125 ] ………どうして、アンタが謝るの? つまりは、森から出てきたトコだったのね? [へなへな、と座り込んだ彼の前で しゃがみ込み、顔を近付けると 出来るだけ優しい声で聞いた、つもり。 ]
(140) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
[成程、あの村に居合せていたので無ければ 紫炎が少年の身体を焦がす事は無いだろう。
ただ、何故泣いているのかが理解できない。 けれど──── 興味が沸いた。
しゃくりあげる姿に>>126 己の手を伸ばして頭を撫でたのは無意識で。 今まで、謝罪する姿なんて 命乞いの時以外 見た事なかったから。
後々に この時を振り返れば気付くだろうか 今まで己が知る事も無かった感情 何かが 心の奥底で芽生えた瞬間だったと ]
(141) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
[されど、芽生えた感情に自覚は無く " 興味 "という言葉で ひとくくりにする。 故に──── 魔女は普段通りの魔女で。 ] なんだか…… この燃えた村を 気にしてるみたいだけど これ、アタシがやったんだよね
………ほら こうやって紫色した炎、でね?
[少年の頭を撫でていた手を 己の胸元に引き寄せ 手のひらに生み出したのは 小さな、とても小さな 紫の炎。 ぎゅ、っと炎を握りしめて クスクス笑う。 ]
(142) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
つまりね…… アタシは" 魔女 "って貴方たちが呼ぶモノよ それを知ったキミの選択肢は ふたつ
此処で、燃やされるか 一生、アタシの玩具《オモチャ》になるか
─────── どーする? [魔女だと明かした者を 己は基本的に生かさない。 さればこそ、素性も明かされず 知れ渡る事も無く 旅なんて悠々とできるのだ。 彼は、なんて答えたんだろうか。
更に増して 怯え泣き叫ぶのなら───── 己の笑みは 比例して深みを増すだけ。 ]**
(143) 2018/06/11(Mon) 03時頃
|
|
[ 目の前の人はどこか飄々としていて まるでこの村で焼かれた被害者には見えず
だとすれば旅の人だったのだろうか? けれど混乱するこどもには そんなことはわからない。
ただ、自分がいけない事をしたことだけは 何となくでも分かっていたから。 それがきっと恐ろしい事を招いたのだろうと その恐ろしさに身を震わせ涙するばかり。 ]
(144) 2018/06/11(Mon) 08時頃
|
|
[ 問いかけにコクリと頷いた。>>140 手の甲で溢れる涙を拭えば、 辺りに漂っていた煤が頬に触れて 黒い汚れをぐいと広げることになる。
優しげな声だった。 頭に手を伸ばされればビクッ、と身を震わせ けれど抵抗せず受け入れればなんと優しげな 手つきだったのだろう。>>141 ひく……としゃくりあげながらも 涙いっぱいのぐしゃぐしゃな顔で見つめてみた。
そして告げられる、信じられない言葉。>>142]
(145) 2018/06/11(Mon) 08時頃
|
|
燃やした……魔女……?
[ この優しそうな人が? そう尋ねそうになって、紫色の灯火に 目を見開いてマジマジとそれを見つめていた。 だとすれば、これは自分の招いた災厄か。 優しいのは悪魔の甘い言葉そのもので 人を堕落させるものだから、だろうか。 それでも。 ]
………、きれぇ………。
[ 彼女の手の内に消えてしまった炎は 紫色のとても綺麗な明かりだった。>>142 悪い人に見えないけれど、それでも 答え次第では自分を殺してしまうらしい。 >>143
殺されたくは、ないけれど。 ]
(146) 2018/06/11(Mon) 08時頃
|
|
……魔女、なんだ。 オモチャ……に、しても、良いから、
もう、この国の人、燃やさないで?
[ 眉根をキュッと寄せて、 拳を膝の上でぎゅっと握りしめて。 この村で起こったことなんて知らない子どもは 決意に満ちた眼差しを魔女へと向ける。 ]
わ、悪いのは、巫女入りの儀を見ちゃった 僕、なんだから。 これ以上、災厄を国の人たちに与えないで、 魔女さんだって、悪く言われちゃうよ。
(147) 2018/06/11(Mon) 08時頃
|
|
……僕が……。
[ ぶわっ、と涙がまた溢れてきていた。 えぐえぐ、なんとか泣き声を我慢しようとして 口は山型に、顔は真っ赤に染まる。
プルプルそのまま震えながら。 ]
僕を、オモチャに、してください…。
[ きちんと正座して、告げるのだ。 ]**
(148) 2018/06/11(Mon) 08時頃
|
|
[魔女が恐ろしくない訳では、無かった。>>134 もっと恐ろしいことがあっただけ。]
……そう よ
[だからわたしに触ったらダメだっておとな達は言うのだ。
病持ちの孤児を──…労るには実りが少なすぎた。 癇癪は弱者へ向けられるんだと、幼すぎてわたしは知らなかったのだ。]
(149) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
[深い──深いため息の おと からだが弱いから贄としても役に立てないのだろうか。
きゅっと唇を噛み締めたときに 白い手が掌に添えられる。>>136]
………… うつ ら…ない?
[きょとん、と目を丸くする。 問いかけには小さく首を振る。>>136
だけど でも───…どうして言い切れるのだろう。 不思議そうに目を瞬いて
疲労しきって熱に浮かされたからだは 柔くやさしい声で瞼が落ちる。]
(150) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
( きっと これは夢ね 黒い森の魔女がこんなひとな筈はない。
鹿に追われたあたりで 気絶でもしてしまったのかな…。 )
[苦しいとき 寂しいときは ひとりぼっちだった。 病がひどい時ほどおとな達は近寄ろうとしなかった。
さびしくて さびしくて くるしくて。 顔も知らない空想上に近い”おかあさん”に縋るしかなかった。
今、ここにあるのは確かに生きている人の 暖かさだった。]
(151) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
[熱が下がるのに数日は掛かっただろうか。 魔女と名乗ったきれいな白い人は、わたしを無碍に扱わなかった。
治ったら、治るまで。 それまで、とじぶんに言い聞かせて ほとんど喋らずに過ごしただろう。
彼女が話し掛ければ多少の応えはしても わたしにとって魔女≠ヘ恐ろしいものでは、あったのだ。
数年続いた不作は魔女が生贄を欲していると おとな達は真しやかに囁いていたものだ。 ]
(152) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
[熱が下がって 少しだけ頭がふらつく程度にまで快復した、ころ。
少し大きな寝間着から 鼻を掠めるたおやかな匂いを吸い込んでいた。
白くてきれいで──…透きとおる宝石のようなひと。 顔色をうかがってもわからなくて、寝台の上で膝を抱える。]
あなたは…黒い森の…魔女…なのに どうして…
たすけて、くれた…の?
(153) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
助けて、くれたって どうせ……
[村には何もしてくれないくせに。 寝台の上で丸くなる。
泣いている顔なんて見られたくない。 (帰る場所なんてないのに。)
わたしはわたしのためだけに泣いている醜さをみられたくなくて小さくなった。]*
(154) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
|
|
[かけられた声、繋ぎ止められる意識……ぼやけたままの視界に映る人。
どうして助けたの
苦情を言うだけの体力も無くて]
メルヤ
[自分の名前を言うのがやっとだった。
ーーー今、このまま死んだとして、レオナルドと名乗ったこの人は、自分を森へ捨ててくれるだろうか。
否。声を、口調を、聞いただけでわかる。彼は苦労知らずの、もしかしたら良い家の出なのかも知れないと。
このまま目の前で知らない少女が息絶えたら、墓くらい作ってくれるだろう。そのまま、忘れ去ったとしても]
(155) 2018/06/11(Mon) 13時頃
|
|
[それなら死ぬわけにはいかない。生きてさえいれば、彼女に再会できる日もくるだろうから。
彼が時間をかけて作ってくれたスープを、手の痛みを我慢して自分の口元に運ぶ。
乾燥した豆を水で戻さずに煮たのだろう。ところどころ堅い部分があって、舌触りが最悪だった。
森で暮らしていた頃は、そこらから採取した果物や、自分で起こした火で焼いただけの、調味していない物を食べていたので、普通に味がついたスープが濃く辛く感じ、咽た。
それでも、生きる為に全部食べた。
汚れた口元を、包帯を巻いた手で拭う]
ここに置いてくれるのなら、私が料理をする。
[拙い取引を持ち掛けた。利害が一致しているとは知らないまま**]
(156) 2018/06/11(Mon) 13時頃
|
蝋燭職人 フェルゼがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(蝋燭職人 フェルゼは村を出ました)
|
[このままでフェルゼの人生は此まで ──となりかけているのにこの幼女無視である。
威圧するような声に失敗したか、と舌打ちをする。>>99
産まれた時から忌み嫌われて 己以外に何を期待しようか。
年相応ではない知能はまさに”忌み子”かとひそやかに皮肉に嗤う。
その姿は三歳の子どもとは思えぬ姿だったろう。 ]
……… 期待してねえよ。 [>>101扉が開く音がした。 だから笑みは濃くなった。
魔女の物々しい口振りには、鼻でせせら笑う。 ]
(157) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
どこにいたって地獄だろ
[ 生きてる限りは地獄なのだ── 。 ]
(158) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
─ 魔女の棲家 ─
[>>102魔女と聞いてフェルゼが思い浮かべるのは理不尽な性分。 髑髏などを好むといったおどろおどろしいお伽噺。
整理整頓はなっていないが 骸骨はいないようだ。 本。本。ひたすらに本の山だった。
もう碌に動けぬ躰を叱咤して促されたソファで横になるのが精一杯。
埃が舞ったような気がした。]
べつに、期待してない。
[同じことをもう一度告げる。 応急処置だと告げた簡易な魔法は傷口に僅かな温度を与える。
痛みが軽減されたことで、逆に緊張の糸が途切れて意識が底にいきそうであった。]
(159) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
[────どれぐらい経っただろうか。 フェルゼが半ば意識を失っている間に魔女は忙しなく動いている気配がした。
どうにも人の気配があると、眠気が浅い。
飲め、と通達されて厭う余裕もなく 緑色の謎の液体(よもぎ)と少し固いパン。
迷わずに緑色の謎の液体を胃に流し込んで ]
くそ苦え、毒かよ。 [ぱたり。余りの苦さに悪態をついた後に気を失った。 恐らくは暗殺されたことにより精神的疲労や、孤立。
怪我が重なったせいだったがそれを表に出すフェルゼでもなかった。 何も映さない薄茶の瞳は 誰もフェルゼを映してくれなかった 周囲の せい。]*
(160) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
………ああ、毒かもしれないな。
[悪態つきながらもちいさな銀色は 苦い緑を喉へと流し込む。 それを毒かもしれないと揶揄しながら見つめれば パタリと彼が意識を失ったようだったので 思わずぱち、と瞬きしてから手元の本に目を落とす
── 大丈夫なはずだが、
それでも幼子が呼吸をしていることを確かめたのなら 安堵してひとつちいさくため息を落としたか。
布の山から割と上質なブランケットを引っ張り出せば ちいさなその体躯に掛けてやろう。
── さて、このままでも、いいのだが ………、 ]
(161) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
[── 暫しの時間が過ぎる。 ソファの周りにはさきほどよりも堆く本が積まれ なにやら記号やら文字やらがびっしりと書かれた本が 開きっぱなしで投げ出されている
”散らかっている” そう形容してしまうのならば まあ、それまで、といったところだが もし文字が読めるのであれば、開かれた頁すべて 傷の治癒に関するものが書かれたものだと知るだろう
当の魔女と言えば、大きな安楽椅子で器用に丸まり 古めかしくぼろぼろのブランケットを膝に掛けて すやりすやりと寝息を立てている
安楽椅子の背もたれには 先程まで魔女が着ていたコートが一枚。
窓から見えるのは真っ暗な樹海 曇った空には、今日は月の影も見えず 暗闇の中、ただただ背もたれだけが、彩度を帯びる ]
(162) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
[その物音はなんだったのだろうか。 銀髪が起き出して何かしらの音を立てるなら 同時に魔女も目を覚まそう。 魔女というのは、ほら、地獄耳なのである(たぶん)。]
……なんだい、逃げるのかい? それとも、寝首でも掻くつもりかい?
[彼がどういう理由で動き出したかはともかくとして。 安楽椅子の上から暗色の瞳で少年を見つめれば さてさて? 彼はどんなふうに反応したか。 ]**
(163) 2018/06/11(Mon) 14時半頃
|
|
[どれだけ強がろうが幼子には変わりなかった。 庇護してくれる対象は、害を加える対象であった。
生来の負けん気の強さか。 己の境遇も忌まわれることも憐れまれるのを一番、嫌った。
暖かな感触。 それが上質なブランケットを掛けられたとは知らずに すぅ、と小さく寝息を立てた。]
(164) 2018/06/11(Mon) 15時頃
|
|
[── 目が覚めた時には周囲は暗くなっていた。 苦すぎる緑色の液体を飲んだ為か。疲労は除かれていた。 怪我の度合いは思ったよりも深かったようで完治はしていない。
そろり。物音を立てずに家を出ようとする。 そろり。何も踏まぬように心掛けたが堆く積まれた本の山を倒したせいで >>163鬼ならぬ魔女を起こしてしまったらしい。 小さな舌打ちは、彼女に届いたかどうかは知らない。]
……ねてるあいだに殺すなんて卑怯ものと一緒にすんな! 俺はただ、追っ手…がくるから
逃げるわけでも…
[ねえよ、と言い掛けて一体どう違うというのか。 魔女から逃げるわけではない。 追っ手から逃げようとしている、その違い。
安楽椅子が揺れて夜色の瞳が見透かすように見下ろしてくる。]
(165) 2018/06/11(Mon) 15時頃
|
|
逃げないでいいとこが…ほしいよ。 できることならなんだって、するのに
おれ…なにもしてないのに。
[我慢していたものが溢れたのは 真っ直ぐ見つめるその瞳に誘引されたような錯誤のせいだろう。
銀色の髪は不吉だから隠蔽したまま暗殺されかけた。 生きることすら、産まれた時から許されなかったことを幼子は薄々気づいている。 寄る辺もなくただ自尊心だけで立っているのだって限界で
無様な泣き顔を見られないように腕で顔を隠すのが精一杯の子どもだった]**
(166) 2018/06/11(Mon) 15時頃
|
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2018/06/11(Mon) 16時頃
|
[しん、と静まり返る小屋の中は、よく音が響くから。 彼が放った舌打ちも、彼が零した心の吐露も、 そして、その言葉に含まれた、僅かな震えも。
ぼんやりとした灯りの中では、 幼子の表情までは きちんと伺うことはできないが それが、どういった表情をしているかくらい ── わかりすぎるほど、歳を取ってしまった筈で ]
……結界を張ってあるから。 暫くは誰にもこの小屋は見えない筈さ 効力はあまり強くはないから 度々貼り直さねばならないがな
[ぽつり、呟いた言葉。 ”ここに隠れなさい”でも”ここは安全だ”でも、無い ただ、告げるのは酷く、酷く、遠回しな許可。 その言葉を相手がどう受け取ったのかはわからない なにか尋ねられるのならば、それには答えた筈だけど]
(167) 2018/06/11(Mon) 16時半頃
|
|
……暖炉に火を入れよう。 だいぶ、部屋が冷えてしまった。
[ぼわり、掌に力を込めれば、ゆらりと炎がゆらめく 見かけは普通と変わらぬ赤色の炎
まほうでうみだした ほのおやみずは にんげんが うみだしたものよりも とても とても きょうりょくなのです
部屋を暖めるのは、魔法が生み出した優しい炎 ]
(168) 2018/06/11(Mon) 16時半頃
|
|
………私は炎の魔女、……リッキィだ。 アンタの名前は?
[暖炉に火を入れたのならば、 部屋は明るくなり相手の顔はよく見える。 夜色の瞳はふたたびちいさな薄茶色を見据えたか]
できることならなんだってする、というのなら ああ、そうだな、私のためにメシを作ってくれ 残念ながら、料理は私の専門外なんだ。
[肩を竦めて、小さな子どもに告げようか。]**
(169) 2018/06/11(Mon) 16時半頃
|
|
[ハハオヤは、春をひさぐ女だった。それ故、メルヤは父親を知らない。
夜は小さなあばら家で、ハハオヤの帰りを待っていた。機嫌によってメルヤを殴ったり、ご飯を与えなかったりしたけど、メルヤにとっては唯一の拠り所だった。
ーーーあの日まで。
メルヤが10歳になったその年、家に帰って来たハハオヤはいつになく上機嫌で、メルヤを連れて街に出ると上物の肌着やワンピース、アクセサリーに帽子に靴、どんなに強請っても与えなかったものを買い与えた。
喜ぶメルヤを連れて街の大きな館へ向かい、
…………………
メルヤを置いて、帰ってしまった]
(170) 2018/06/11(Mon) 16時半頃
|
|
[大きなベッドがある部屋に監禁され、不安な時間を過ごすメルヤ。
やがて、部屋に現れた派手な服を着た肥った男が、下卑た笑いを顔いっぱいに浮かべてメルヤを追いかけ回した。
必死に逃げ惑うメルヤ。捕まったら何をされるか、わからない程初心ではなかった。
ふと、大きくて重そうな灰皿が目に入った。両手で掴み、渾身の力で肥った男に投げつけた。それは弧を描いて男の頭に吸い込まれていった。倒れる男、朱く染まる絨毯。
生死は確認していないが、死んだと思った。殺した事に悔いは無い。が……
ハハオヤに売られた事がただただ衝撃で
男が入ってきた扉の鍵が開いていたからそこから逃げた。人間に捕まれば殺されてしまうから、森へと。
そこで彼女に出逢った。銀色の狼に**]
(171) 2018/06/11(Mon) 16時半頃
|
|
[熊から人間に、人間から熊に代わる時、大抵の人間は気味悪がって悲鳴を上げて逃げ出すだろう……なんて。
男の見通しは何処までも甘く、少年は悲鳴を上げるどころか、変身する一挙一動をじっと見ているではありませんか。 しかも冷静なツッコミのおまけつき>>132 男はちょっと恥ずかしくなって吠えました。]
ちょっと、じゅんばん、まちがえただけ!
[苦しい言い訳です。頭上の小枝に止まった小鳥も呆れたように鳴いています。]
(172) 2018/06/11(Mon) 17時半頃
|
|
[しかし、かえれ、の言葉に返ってきた返事も、また男の見通しの外のものでした。
おうちがないのは困ります。 暖かく迎えてくれる家族がいないのは、もっと困るし 他の子がみんな帰れないのに一人だけ帰るのはずるい……? 男は訳が分からずまた呻くのでした。
もう家族も、同じ力を持った友達もいなくなって久しいですが 記憶の深いところに根付いた男の暖かな家族の思い出の中では 家族はとても暖かなものでした。
毛むくじゃなら胸の奥がつきん、と痛くなりました。]
(173) 2018/06/11(Mon) 17時半頃
|
|
[ああ、でも人間は怖いのです。 山に住む動物を飾るために殺し、害のない魔法使いを追いやってきたのです。
少年の手が石を拾った瞬間、思わず身を固くしましたが…… その石が男と全く違う方向に投げられたのに安堵の息を漏らして 男はぐるる、と唸ります。]
ううん、そうしたら……ううん、と…… おまえのいくとこ、おまえがきめれば、いい しかになって、このやまのむこう、いってもいい わたりどり、なって、うみのむこう、いってもいい
[男の一族の持つ力は『動物に変身する力』ですが、何にでも好きなものに化けられるのではありません。 本人の持つ資質によって、成れる動物が異なるのです。 男は熊以外にはなれません。また、男の両親も、ヤマネとカッコウ以外にはなれませんでした。
少年に変身の力を教えたとて、最悪の場合、今より遥かに無力でひ弱な存在になるかもしれません ですが、今ここで何の助けもチャンスもなく死を待つだけより遥かにマシでしょう。]
(174) 2018/06/11(Mon) 17時半頃
|
|
[狩りに来る人間に少年を渡せば、少年はやがて男を殺しに来るのではないか。 けれど獣になれる力を与えたとて、少年はまた自分と同じ追われる身になるのではないか。 男がいくら考えても、一番いい答え、というのは見つかりません。
しかし、何もしないまま、少年が一人ぼっちのまま死んでいくのは この男にとってもひどく悲しい出来事なのです。]
あきまで、おでのうち、いていい。 おまえが、もしここで、しにたくない、なら おでが、おまえに、ちから、やる。
[再び姿を獣に転じさせながら、熊は少年に大きな手を差し伸べるのでした。]**
(175) 2018/06/11(Mon) 17時半頃
|
森番 ガストンは、メモを貼った。
2018/06/11(Mon) 17時半頃
|
[帰り道がわからないこと 自分だけ、帰るわけにはいかないこと。
そんなことを、この熊に言ってみたところで どうしようもないということくらい ドリベル自身、ちゃんとわかっています。
それなのについつい弱音を吐いてしまうなんて まるで一番下の妹が駄々をこねた時みたい どうしようもない事をごねるなんて 随分と格好悪い話です]
んー……
[カラコロと転がる小石を目で追いかけて 小さく呻いてはみたけれど その次の言葉が見つかりません。
人型になった相手を覗き見すれば 人の姿でも唸っているようで]
(176) 2018/06/11(Mon) 19時半頃
|
|
はへ…… 行くところを決める
[鹿や渡り鳥になる。 そんな予想もしなかった言葉に>>174 口がぽかんと空いてしまいます。
たしに、他の動物になれたら素敵です でも『そうする』と言えるかといえば]
あのさ。とーちゃんも、かーちゃんも おっちゃんみたいに熊にならなかったよ? どうやって、なればいいの?
[それとも、ドリベルが知らないだけで 他の人間は皆、動物に変身できるのでしょうか。
男の境遇も知らず見当違いのことを考えていれば またもう一つ、提案があって>>175]
(177) 2018/06/11(Mon) 19時半頃
|
|
なれるならさ、鹿は嫌だな だって角が毎年生え変わるんでしょ? ……抜ける時、痛そうじゃん
それなら、渡り鳥――― ううん、それだとカラスに狙われるから もっと大きな
[大きな鳥になって妹や他の子をみつけて 村へ連れて帰れたら、どんなに幸せだろう
芽生えた希望はどんどんと膨らみ 胸の中でいっぱいに広がっていきます。
あの動物がいいか、この動物がいいか 頭の中でぐるぐる考えを巡らせてから]
(178) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
んー…… クマがいいな
おっちゃんと同じ、クマ
[熊がいいと言っても、変身する法則も何も知りません そもそも熊と言ったのも、強そうという理由だけ。
それでも目標を見つけた分だけ 前よりは前向きな気分になれましたから]
(179) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
おっちゃんちに、連れてって それとさ、えーと
[熊の手に自分の手を重ね、 ごにょごにょ小さな声で感謝の言葉をぽつり
そして、ありがとうを言い終わったなら 多少よたつきながらでも立ち上がり 連れていって欲しいと、せがむのでした*]
(180) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
[藍色の夜に灯りはぼんやりとしているだけ。
泣いていることだけは露見されぬようにと 意固地になる様はどう見えただろう。
泣き喚いて 我が儘を言う年頃の幼児を ]
…………どういう いみ?
[直截に尋ねたなら魔女はどう応えたのだろうか。 ぐずついたような表情で
その癖意地を張り通すようにくしゃりと歪めた顔を向ける。]
(181) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
[──── それは不思議な光景だった。 暖炉に日をいれると告げた直後に揺らめくは赤の焔
お伽噺で語り継がれるよりもずっと 優しい色をした、赤だった。
冷え切った部屋を、からだを温める赤だった。]
……フェルゼ ただの、フェルゼだ…。
[冬の湖の底のような闇色が暖炉の淡い炎に照らされる。 ただの≠ニ名乗ることで家名を捨てた。
しがみつかねばいけねばならなかった 名高き家を自ら捨てた、瞬間だった。]
(182) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
じゃあ、 ………つくりかた、おしえて
[リッキィと名乗った魔女よりずっと小さな小さな子ども。 出来ないとは言えない。出来るようになる、と遠回しに伝えた。
そこに、いることを許してくれたひとは ────誰ひとりいなかったことを
きっと魔女は知らないだろう。]*
(183) 2018/06/11(Mon) 20時頃
|
|
[淡くぼんやりとした暗闇の中の輪郭は 泣かぬように、意地を張っているようで。
… 後々魔女が語るには「3歳には見えなかった」と 語る言葉も、生きるための行動も、仕草も。 すべて既に世界を諦観しているようにも見えた。
どこまでが生きるための演技で どこまでが三歳児の本能かはわからぬが 遠回しに伝えた言葉の意味を問われるのなら ]
……子どもを虐めるような馬鹿な奴らには この建物は見えないってことさ [その返事で納得してくれるなら 言葉少なに、いまは、それだけ。 ]
(184) 2018/06/11(Mon) 21時頃
|
|
[優しい炎がからだの芯を暖める 銀髪の幼子は問いかけに、自分の名を名乗る “ただの、フェルゼだ” と。 ]
そうか、ただのフェルゼか。 ………判った。
[それ以上は名前に触れることはなかった。 良い名だ、とも褒めなかったし 私もただのリッキィだからと寄り添うこともない
─── 言葉を、付け足すには、もう 魔女は “名前” に囚われすぎていたんだろう ]
(185) 2018/06/11(Mon) 21時頃
|
|
[衣食に専ら興味のない魔女は 毎月たいしたものも食べず、ベッドですら眠らない
小さな身体は大きな安楽椅子に収まるサイズで それ以上のものを必要としなくなってしまった 傷まぬように魔法で丁寧に補修をされたコートは 身の丈に合わないほど、酷く、長い。
食べても成長しなければ、病気になることもない 炎の魔女の体は「そういうふうに呪われている」 元から興味のなかった食事は尚更興味がなくなり、 空腹を感じればなにか「食べられるもの」を口にする それだけの、生活を営んできた。 ]
(186) 2018/06/11(Mon) 21時頃
|
|
作り方、か
[幼子のちいさな「決意」をちらりと横目で見て ふうむ、と唸ってみせた。
といってもそんなに小難しいことは考えておらず 寧ろ教えられるスキルもないのだから、 どうしたものかと首を捻っているだけで。 ]
……… 期待はするな。
[仏頂面だった魔女の顔に、ニィ、と小さな笑みが浮かぶ それは、たぶん、今日はじめての、意趣返し。]*
(187) 2018/06/11(Mon) 21時頃
|
|
[その取引(>>156)がいかに僥倖であったろうか。 彼はまだこの館に住まわせる旨を言っておらず、メルヤからここに置かれるための取引を持ちかけて来た。 しかも対価が料理をするという生命に関係ない安い提示――言い換えれば、そこに苦渋の選択は感じられなく。 つまり、このメルヤと言う少女には『帰りたい』という願望がほぼ存在しないのだ。]
よし、ではそういうことにしようか ――でも、それは治ってからだからね?
[微笑んで取引を了承した。 身の回りの世話に必要なのはもちろん、彼の研究は完成したとしても実行のためにはどうしても助手が必要なのである。 そのためには人間から隔絶された、しかもできるだけ無欲な人物でなければならない――それが偶然にも見つかったのだ。 とはいえ、あっさりと信じて受け入れたのは人間に敵視される魔法使いとしては軽率で、その意味ではメルヤが感じたとおりに苦労知らずなのだろう]
(188) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
──回想:炎の魔女──
[嘗ての御伽噺には、家を燃やした魔女が登場する 子どもを怖がらせるための作り話、御伽噺。 しかし、これが史実に基づいた伝承だということ 今やそれを知る者は、本当にごく僅かしかいない
古い古い文献。 今から何百年も昔の記述。 一部の学者しか手にとることの出来ぬ文献に ひっそりと記されているのは 災いを齎した魔女の名
Blaze・Mudrock
炎の魔女が名前に囚われすぎている”理由”のひとつが 歴史に密やかに、刻まれている。 ]*
(189) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
よし、じゃあ今夜は記念して腕に奮って作るか!
[もちろんその料理も食えたものではなく――傷が癒えるまでメルヤ(と本人)にはもう少し苦労してもらうことになる。 快癒を願っての適切な栄養はあるんだよ栄養は。]
(190) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[どうやったら熊になれるか、とか 普通の人間が熊になれないのは何故、とか 説明下手の男は唸って黙り込んでしまいました。
手紙はまだしも、言葉を交わすのは本当の本当に久しぶりなので、筋道をきちんと立てて話すなんて芸当は、熊が一輪車に乗るより難しいのです。
鹿は嫌、渡り鳥より大きなの…… 少年の口は、寝惚けた男よりよっぽどうまく回ります。]
くまは、たいへんだぞ。
[望んで熊になった訳ではない男は、ただ一言もそもそ言い返しました。熊になられては困るのです。今この山に踏み入る人間の中には『魔法使いが化けた大熊』を狩りに来る輩がいるのですから。
ですが、そう……この男は説明が下手なのでした。]
(191) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[差し出した手に重ねられた手は、芽吹いたばかりの楓の葉のように小さくて……熊を傷付けるにはあまりに幼いものでした。 足が痛むなら、塒までは背に載せてあげましょう。 感謝の言葉に、ふす、と鼻を鳴らしてみせたのは、笑ったのでなく照れ隠し。]
おでのうち、このすぐちかく。 かえったら、おやつ……
[と、ここまで言いかけて、熊ははっと気が付きました。 しっかりくわえていた筈の籠は……? ああ、きっとぷりぷりに実った桑の実がぎっしり詰まったあの籠は、どこへともなくどんぶらこどんぶらこと流されていくのでしょう。
熊はそっと肩を落とすのでした。]
(192) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
……ええと、くまになる、ほうほう?だったか。 どうぶつになる、は、おでのかぞくみんなのちから。 おでのぱぱ、やまねになれた。ままは、かっこう。 なりたいものは、えらべない。 おまえのちから、どういかすか、おまえしだい。
[熊は強くてかっこいいかもしれませんが、ヤマネのように素早く移動することも高い木に登ることも出来ないし、カッコウのように美しく歌えません。 少年が一体何になるのか想像もつきませんが、熊としてはこの山から安全に出て行けるものであることを望むばかりです。]
(193) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
あと、おで、おっちゃん、ちがうぞ。 おで、がすとん。 おまえは、なんていう。
[歳を気にしてはいないのですが、何となく訂正を。 まだ少年の手や足に鎖が残ってしまっているのなら、彼の名を印すものはあったでしょうか。]*
(194) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
― その夜、遅く ―
メルヤ君、まだ起きているかい? [呼び方があっさり決まったのは、彼がメルヤに何を求めているのかよく表していた。]
包帯換えるよ 自分で服脱げる?
[彼から見れば(栄養不足による細身により)子供という結論に達していたので、新しい包帯を手にメルヤを促すことに何も問題を感じなかった。 少しでも女性に慣れていればこういうことはしなかったのであろうが。*]
(195) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[ 子どもをいじめるような馬鹿なヤツらと魔女はいう。 ほんとにバカなのはどちらかフェルゼにはわからない。
────ただ 想うものは素直には表せずに口籠もり床に視線を送る。 ]
(196) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[魔女の思惟はフェルゼにはわからない。 名前に拘りがあるなどとは知れる筈もない。
この歳にして生家を自ら捨てた 幼心に疵付いていることに勘付いたか。
魔女の生態すら無論知らない。>>186
───…呪われているなど夢の果て]
アンタってそればっかだな…。
[ 仏頂面が零した悪戯めいたような小さな笑み それは、まだ稚い幼子に灼き付いた。
ただ安心出来る場所が欲しかった。 眠っている時の音に怯えないで済む場所が欲しかった。]
(197) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[ ──── それを得たのだと 実感するのには時間はそう掛からなかった。
これが炎の魔女と銀色の忌み子の出会いと始まり。 ]
(198) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
────数年後
おい、リッキィ! どこいきやがった、彼奴
[ 数年経ってフェルゼが8歳になった頃だった。 この頃になれば背も伸びて家事が出来なくはない程成長した。
拾われたばかりの頃はそれは悲惨であったが。 その事は一旦棚上げし
棚から取り出すかはわからないが置いておくことにする。]
ほんとにすぐ家よごして…今日という今日は許さねえ
[ 未だに魔女リッキィの背丈には追いついてはいない。 ぷりぷりと腰を両手にあてて怒っても鼻で笑われるがオチだろう]
(199) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[ 5年も住めば実親よりも共に暮らしていた年数も上回る。
フェルゼは、フェルゼらしく暮らしているという実感はあった。 ただ街には降りたがらないのは、未だに追っ手が恐ろしいからだったが。]
ん? 何だ、これ。またこんなとこに変なモン起きやがって。
[共同のリビングに炎が一滴入ったような透明な小瓶を見つける。 リッキィの整理整頓能力は皆無に等しいとはフェルゼの見解だ。
彼女の部屋に戻そうと触れた時に 奇妙 な 感覚が した。
硝子を爪で研いだような歪な 音色]
(200) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
う、うわあああああ!!
[小瓶から火柱があがり慌てて部屋の隅に投げ飛ばしたが遅かった。 瓶から湧き上がる炎は蜥蜴のような形となり、赤く朱い炎となった。
蜥蜴のような生物はフェルゼと同じぐらいの大きさだろうか。
ギョロリとした目玉が獲物を見定めるようにフェルゼを見る。]
り、…り、リッキィ! リッキィ!
ちょ、助けろ。助けやがれ!
[というかこれ何だと半狂乱になりながら、同居人に必死に助けを求めた]*
(201) 2018/06/11(Mon) 21時半頃
|
|
[それから魔女は宣言をした通りに、 時間の許す限り、娘の傍らに付き添って。 例えば ”母親” のように。 甲斐甲斐しく面倒を見るだろう。
娘が黙りを決め込むのなら、彼女の意志を尊重して。 寝台の枕頭の横に設えた椅子に腰掛けると、 静かに本を読んで、時間を過ごした]
(202) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[それから、数日が過ぎて。 娘の熱が下がり、やや体調が落ち着いてきた頃。
彼女に食事と薬湯を摂らせてから ここ数日で習慣付いた、 寝台の傍らでの読書に勤しもうとすると。 珍しく、娘の方から問い掛け>>153があった]
(203) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[少しだけ驚いた風に、ぱちりと一度瞬いて。 本を閉じると、気持ち姿勢を正すと。 紅い瞳を寝台の上の、所在なさげに膝を抱える娘へと向ける]
どうしてって、……そうね。
貴女が望んで。 私にそうするだけの力があったから。
それで納得できなければ、ただの気紛れと そう、思ってくれても良いのだけれど。 [肝心の理由については、意図的に口にしない]
(204) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[涙と煤で、頬を濡らした男の子>>145 頭を撫でれば ぐしゃぐしゃな顔を向けてくる。 どうして少年の頭を撫でたか、は分からない。 撫でたかったから──── それだけ。
誰かが、この状態を遠目に目撃していたとすれば " 母性本能あふれる母と子 もしくは姉と弟 " そんな印象を受けるのかもしれない。
──── 色々と間違えているのだけれど。 ]
(205) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[この村を燃やした犯人だと告白すれば 論より証拠、紫の炎を手のひらに浮かべた。
マジマジと見つめていた少年が、声を漏らす ────── " 綺麗 " だと。>>146 その言葉に、一瞬だけ顔を曇らせた。
遠い昔────── 誰かに同じことを言われた気がした。 思い出せないのは 己で封印した 記憶の向こうにある出来事だったからか。
かつて、人を信じて。裏切られて。 幼少期を仲良く過ごした友人に 剣で 心の臓を貫かれても死なない身体。 否─── " 心 " の方は、それで死んだか。
何れにせよ、己に残っているのは 50年より前の記憶を封印した事実のみで。 何故封印を施したのかさえも 忘却の彼方。 ]
(206) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[己が顔を曇らせたのは 本当に一瞬で。 次に魔女であると明かせば、 年端もいかぬ少年に選択を迫る。死か玩具か、と。
そして、決意に満ちた眼差しを向けた少年は 対価を求めてきた─── >>147
おもわずキョトン、と目を見開いて彼を見る。 言葉を続けた少年は 悪いのは自分だと、紡ぐ。
正座をして、玩具となる事を選択した少年。>>148 そして真っ赤な顔をして、嗚咽を漏らすまいと。
そんな姿に──── 己の口は 彼とは正反対の方向に弧を描いた。 ]
(207) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
ふふ…… あーら 手がすべったぁー [山型になった口を崩さん、と両手を伸ばせば 少年のほっぺたを指で軽くつまみ、横に伸ばす。 声を出して泣きたいのなら泣いてしまえ ──── そう言わんばかりに。 そのまま微笑んだまま口を開く。 ]
(208) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
うーん…… 降りかかる火の粉を払ってるだけなんだけどなぁ
まぁ、いっか キミがオモチャになるのなら この国の人を燃やさないであげよっか …………あーら また手がすべったぁー
[うりうり、と少年のほっぺたを摘まんでいた両手を 彼の背中に回り込ませ、抱きしめる形になった。 必然的に顔が近くなれば、少年の耳元で囁く。 ]
(209) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
キミは────… この国を アタシの災厄から守った英雄だね ………これからは、アタシのオモチャだけど
オモチャにはね?もう罪もなにもないんだよ だから、キミがなにを見てたって────
キミは悪くない 持ち主のアタシが 許す [最後に、ぎゅっと強く抱きしめると立ち上がり 少年を見下ろしたまま手を伸ばした。
なぜ 頭を撫でたいのか抱きしめたいのか 行動を生み出す感情の名は 知らぬままに。 ]
(210) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
それじゃあ……一旦家に帰ろっかな あ、アタシはフローラ 持ち主の名前は間違えないようにね
で、オモチャの名前は? [伸ばした手は、少年の手を取っただろうか 立ち上がらせたにせよ 一人で起き上がったにせよ 今度は1日かけてきた道を戻る 『 家に戻ったら とりあえずはお風呂ね 』 煤で汚れたままの 少年の顔を見ては笑んで。 ]*
(211) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
[娘の唇から零れる、涙の滲むような独白。>>154
――どうせ、何? 続く言葉を問うことはせず。
その代りに。 魔女から顔を隠すように身を丸めた小さな背中を、 あやすようにさすりながら、 彼女の気の済むようにさせてやる*]
(212) 2018/06/11(Mon) 22時頃
|
|
──5年後──
[魔女の小屋は酷く散らかっていた。 それは少年がこの家にやってきた時もそう。 本で埋まったリビングと、物置と化した部屋ふたつ 5年前突如強いられた物置?の大掃除のことは ………もはや思い出したくもない、悪夢。
もう片方の「物置」がどうなったかって? 魔女が未だにリビングの安楽椅子で寝起きし 積まれた「本の上」で生活している点で、お察しである]
(213) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[魔女は片付けられることを酷く嫌った まじないが効いているから勝手に動かすな、と 何度少年を怒鳴りつけたことかはわからない。
……尤も、そのもっともらしい理由も実は半分は嘘で ほら、なんていうか、散らかっているほうが 暮らしやすい、っていうのがあるじゃあないか。 魔女の本音を聞けば、きっと、そんな所。 ]
(214) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[その日、リッキィが居たのはちょうど小屋の外で、 弱まった結界をもう一度張り直しているところだった
主の居ぬ間に、中で少年が腹を立てているとは知らず ましてや、とんでもないことを ──────── ]
!!??
[驚いて小屋の方を向いたのは、 中から彼の叫び声が聞こえたから 窓の端に、赤い焔が揺らめいた気がして ]
フェルゼ!
[扉を開ければちょうど焔と少年が対峙している矢先 机の上には転がった空き瓶、 ── ああ、矢張り、 ]
(215) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
焔の精霊よ、鎮まり給え!
[急いで小瓶を手にして、魔力を込める。 開いた口を炎の蜥蜴のほうへ向ければ、 吸い寄せられるように、小瓶へと収まっていく。 尻尾の先まで収まって一滴の炎に変わった瞬間、 しゅぽ、と瓶の栓を閉じることに成功した。
安堵とともに、湧いてきたのは 疑問 ── ではなく、腑に落ちるような、感覚。]
(216) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[炎の使い魔を封じた小瓶は ”魔力を持たないと瓶を開けることができないもの” それをどうして一介の人間が開けることができたのか?
銀色の髪色、疎まれた忌み子 出会いの時から感じ続けている 彼の中に眠る、魔力の存在 それが、いま、確信に変わる。 ─── が 今は。]
(217) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
大馬鹿野郎! 勝手に部屋をさわるなと言っただろう!
[怒声を飛ばす。 だが何時もと違うのは瞳に真剣な色が点っていること
今の生き物がなにかと聞かれたら、 蜥蜴の形の炎の使い魔であることは伝えたかもしれないが
もし一悶着が落ち着いたなら、ゆっくりと口を開く。]
(218) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[施されるのは御免被るが、対等な取引なら問題はないだろう。
もしもレオナルドと名乗る彼がメルヤとの身体の関係を望むのなら、それさえも取引のカードにしてしまえば良い。痩せて傷だらけの身体に欲情するほど下劣には見えないが。
その日の夕食は品数が多く、消費するのに苦労をしたが]
レオナルド、さん。ご飯、作ってくれてありがとうございます。
[ハハオヤはメルヤがケガをしても病気をしても、看病してくれなかったし、どんなにフラフラでも家事を代わってはくれなかった。
善良な人間に拾われて良かったと思った。その印象は、彼の正体を知っても変わる事はないだろう]
(219) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
……… なあ、フェルゼは。 魔法は「力」になると思うか?
力が、あったら良いなと 思うことは、あるか?
[珍しく、極めて真剣な口調で、問おう。]*
(220) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[夜。襲い来る痛みに目覚める。窓から差し込む月の光に浮かび上がる、包帯に滲む朱。絨毯を侵食していたのと同じ色……
と、その時扉を叩く音が聴こえた]
起きています。
[部屋に入ってきたレオナルドは、メルヤの顔色の蒼さに驚いただろうか]
痛くて自分では無理そうです。お願いできますか。
[身体を見られる事に抵抗は無い。包帯を巻かれているので、もう既に一度見られているだろうから。成長期に満足に栄養を取れなくて、身長も低く、女らしい丸みもない。
窓にもう一度視線を遣る。月の光で近くの森が見える。メルヤが暮らしていた森だと推測できる]
こんな所に家があるなんて知りませんでした。
[彼女がわざわざ彼を避けて縄張りを張っていたからだと気づくのはもう少し先の事。
噛み裂かれた傷痕を初めて目視して、予想以上の酷さに微かに眉を顰めた。女としての価値が下がったのを、喜ぶべきか悲しむべきか、本気でわからなかった**]
(221) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[娘の背中をさすりながら、 安心させるよう、優しい声音で語りかける]
貴女を助けると約束した以上、 半端に放り出すような真似はしないから。
病が治るまで、しばらくは、 そうね……少なくとも数年は、 此処で暮らしてもらうことになるけれど。
いずれ人の世界に還してあげるから、安心なさい。
[”帰る場所なんてないのに”>>154 寄る辺なき娘の嘆きを、魔女は察せないままに*]
(222) 2018/06/11(Mon) 22時半頃
|
|
[熊になるというアイデア それは、まだ人生経験の浅いドリベルにとって 何より優れたもののように思えました。
けれど男に言わせれば 熊は、たいへんということ>>191
それが、熊になる道が険しいということなのか それとも、熊になった後が大変なのか どちらの意味合いを持つのかは その口調からは読み取ることはできません。
だから、せいぜいドリベルが考えたのは 熊の毛色は蜂に狙われやすいということぐらい。
魔法使いが化けた大熊を狙うものがいるなんて そんなこと、想像すらできません]
(223) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
[歯切れ悪く落としたありがとうの言葉に ふす、と鼻息が返ってきたなら>>192
なんとなくきまりがわるくて ついついそっぽを向いてしまいましたが それは、熊の反応に気を悪くしたわけではありません。 誰かにありがとうを言うことが久しぶりすぎて 言ってから、恥ずかしくなっただけなのです。
乗せて言ってくれると言うのなら 最初こそ、意地を張ったりもしましたけれど 道を知らないから。と最後には自分に言い訳して]
おやつ? [魅力的な単語に、耳がピクリと動きます。
もっとよく聞こうと、体を乗り出せば なぜだか熊は肩を落としたようでしたから どうしたのかと、首を傾けてみたのですが]
(224) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
[首の角度が戻るより早く、話題が変わったなら 興味はすぐ、そちらへと移ってしまいます。
落ち着きがない性質なのもありますが おやつも、熊になる方法もどちらも同じくらい ドリベルにとって大切なものでしたから]
えぇー…… 何になるか、選べないの?
[熊の言葉にがっくり 今度はドリベルが肩を落とす番。
それにしても、ヤマネの父親とカッコウの母親 それに子供が熊なんて ずいぶんとバラバラな組み合わせです。
ヤマネになるという父親はどんな人なのか カッコウになるという母親はどんな人なのか 熊の背中の上で想像を膨らませかけましたが]
(225) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
――――……
[言いかけた言葉が途切れてしまったのは 一瞬、家族を思い出してしまったせい。
これから向かうという家 そこに彼の家族はいるのだろうかと考えたら ぶつけていないはずの胸が痛い気がして]
大変でもやっぱり、クマがいい でっかい体で木に登るの楽しそうじゃん
[また、意地っ張り けらけら笑って、背中の上で体をゆらゆら。
熊に家族がいないことも何も知らないまま 熊がいいと、再度主張して]
(226) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
[名前を尋ねられたなら 肩口から顔をひょっこりと顔をのぞかせて 熊の言葉に耳を傾けます]
おっちゃんは、おっちゃんじゃないの? んー……ガストンかぁ じゃあさ、そう呼べばいい?
ボクの名前はカー……
[カーター。 その名前で呼んでくれる人はもういません 希望を持ってその名をつけたはずの人は お金でカーターを手放してしまいました。
だから今の自分の名前は。と 少し考えてこんどはきっぱりと]
(227) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
ドリベルって呼べばいいよ ほら、ここに書いてある
[そう言うとごそごそ 。落ちないように身じろぎして 名札のついている方の手首を前に出しました*]
(228) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
― メルヤの部屋 ―
……! ごめん、もっと早くに来るべきだった ちょっと研究が捗っちゃってね [メルヤの顔色に少し狼狽し、すぐ包帯の交換に取り掛かる。 目の前が女体であることを意識できず包帯を外し、肌を露わにさせて、慎ましい頂きよりも痛ましい傷痕に注視して少し目を背けて、新しい包帯を巻き始める。] 崖の上だから街からはちょっとわかりにくいかな? 去年、庭の大きな木が雷で燃えちゃって、昔よりかは見えやすいかなと思うけど [その雷は野盗を撃退した際に放ったものだがさておき]
(229) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
よしこんなものかな もう一晩眠ればだいぶ良くなるんじゃないかなぁ まだ痛い? だいじょうぶ、目をつぶっていれば、すぐ眠れるよ ――開けちゃダメだからね?
[メルヤをベッドに横たえて目を閉じさせて。 密かに手にしたのは、魅了魔法の魔導書。 魔力を絞って微かに発動させる――感覚があやふやになれば痛みもあまり感じないだろうと。 肝心の魅了の効果は、相手を見なければ何も無いはず。 ――魔力を帯びた手でしばらく頭を撫でていれば、不思議な安らぎが訪れさせられるだろうか。**]
(230) 2018/06/11(Mon) 23時頃
|
|
[どこに視線を定めてもいいかもわからずに わたしは小さな身を震わせる。
わたしが、望んだ。 ───…白い人はそう嘯く>>204]
わ…たし…は 村…のこと… おねがい…して
[嘘つき。震えを帯びた声。 助けて────と自分のことしか考えなかった。
そのことが悔しくて なさけなくて
ぽとり、ぽとりと掛けられていたシーツを濡らす。]
(231) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
きまぐれ…な んて いらない。 そんなの いらない。 [だって一時的な優しさは毒なんだ。 わたしを殺す毒となりえるんだ。
可哀想にと哀れまれてやさしくしても それはずっとずっとは続かないって
知ってるから──…いらない。]
(232) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
ふえっ?!ひ、ひたひ……。
[ 口元を左右に引き伸ばされて>>208 子どもは思わず驚いて声を上げた。 それくらいで声を上げて泣いたりはしないけど むしろ驚きで涙が引っ込んでしまっていた。
ぱちくり、目を瞬かせながら その次には抱きしめられて>>209 あ、良いにおい、なんて思いながらも その近くなった距離に頬が赤くなる。 どぎまぎ、してしまったのは仕方がない。 子どもとはいえそんなに近い距離は 両親としかなかったものだから。
……そうして、語られた言葉には。 ]
(233) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
[だから。抱きすくめるようにあやされて わっと大きな声で泣いた。
泣いて泣いて…また泣き疲れて眠ってしまった。
柔らかくて甘い匂いは ────まるで夢に見た母親のようであった。]
わ…たし … わたしが… おねがいしたら
いっしょに いても…いい…です、 か?
[魔女だと知って縋った。 その内、贄にしてもいいからと涙ながらに伝えながら。 きれいな白いローブを汚してしまいそうで慌てて離れようとして、したけれど名残惜しくて。]
(234) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
ゆるして、くれるの? …神さまはお許しにならないのに?
[ 自分の信じていた神様は、むしろ自分を罰して 親とも別れさせ一人きりにさせたのに。 ]
……それじゃあ、これからは魔女さんが ぼくの神さま、なのかな。
…えへ、ありがとう、フローラ…さま?
(235) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
[ ぽわ、と胸の中が温かくなる。 だって許されるのは嬉しいことだったから。 神さまの教えに背けば、 目上の者の言うことに従わなければ、 鞭を振るわれる生活がこの国では 当たり前だったから。
間違いを、過ちを許されたことに ふにゃり、頬が緩んで力が抜けた。 この人がこの国に訪れた災厄であったとしても この人は自分をその罪ごと受け入れてくれた。
それがとても嬉しくて。 ]
(236) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
[温かくてやさしい ────わたしは、飢えて餓えたものに
望んで縋ったのだ。]*
(237) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
僕のことはみんな、ラルフと呼んでいます。 ラルフ=クヴェレ。 ……今までは王都に、住んでました。
[ 腐敗がより進んだ、なんて枕詞は知らず。 ]
立派な神殿があるんですよ。
[ なんて、昨日まで暮らしていた場所を思えば 差し伸べられて繋いだ手に力がこもって またじわり、涙が滲みそうになって。 未練はまだ残ってる。 でも、せっかく許してくれたのに 泣いたらきっと鞭打たれるだろうと にこり、無理に口の端を上げて笑って。 ]
(238) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
お風呂、あるの嬉しいな。 フローラさん……フローラさま? ご主人様……って呼べば良いですか?
[ そんな風に魔女とで歩いた先。 魔女に、両親からの手紙を渡すことになるのは きっと、丸一日経ったあとくらいのことになる。
だって、子どもは不安でいっぱいで けれど魔女に捨てられたくなくて 精一杯だったのだから。 ]**
(239) 2018/06/11(Mon) 23時半頃
|
|
[少女曰く、迷子じゃないという。>>115 表情と淡々とした様子は嘘ではないように見えるけども。 妙に子供らしくない。]
カフェだよ。コーヒーとか出してる。 …それじゃあさすがにお客さんにはなれないかな。
[差し出された銅貨をみながら、>>117 小さく首を振る。
別に利益のために経営してるわけでもないから、 お金はなくても料理は出していい。 けれど小さい子が一人、こんな場所にいるなんてさ。 さすがに聞かなきゃいけない気がする。]
(240) 2018/06/12(Tue) 00時頃
|
|
ご飯食べたいなら出してあげっから。 一人でどうしてここまで来たか理由聞かせて。
[ベーコンなしスープでいいか。 あと、仕込んでたハンバーグ。 客が来なきゃ僕が食べようと思ってたものだから、 まあいいかー、なんて。
彼女からは道すがら話を聞こうか。 反応があれば、指で小屋の方角を指して そちらに向けて先に歩みだした。]*
(241) 2018/06/12(Tue) 00時頃
|
|
[やがてメルヤが復調し、料理とは美味しいものだと知って感動した彼は自分の身の回りと館の世話を、彼の使い魔であるホウキごと彼女に託すことにした。 研究室には入るなと厳命もしなかった――触ったら危険であることは言えば伝わるし、どうもそこらへんの感知が鋭いのか言わずとも察知してくれることが多かったからである。 研究内容は明かさなかったが、奥の密室に安置された重厚な棺桶がだいたい物語ってくれるだろうか]
メルヤ君、いつもありがとう おかげで研究が捗るよ、完成までぐっと近付いたよ [そんな謝辞が伝えられる平穏な日々が五年続いて――彼はより中年らしくなり、彼女は成長し女らしくなった。**]
(242) 2018/06/12(Tue) 00時頃
|
|
[選べないの?などと無邪気な質問に、熊は少年を乗せたまま喉の奥で笑って言いました。]
そんなに、まほうは、べんりじゃ、ない。
[いろんな動物になれたならきっと素敵なことでしょう! 偶に山を訪れる魔法使いみたいに>>1移動の魔法が使えたり……熊だって、そんなことを幼い頃に考えたこともありました。
きっと、人間が生まれる国や家を選べないのと一緒。 ……それを鎖で繋がれていた少年に言うことは出来なくて 熊は心の中でだけそっと付け加えるのでした。]
(243) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
[少年はそれでも熊になりたいと言うので、熊は内心頭を抱えてしまいます。 特にでっかい体の熊なんて、本当に困るのです。 これでもし少年が人間に撃たれでもしたら 熊が力を与えるのは大きな間違いになってしまいます。]
…………、
[しかし、熊はやはり口を噤んでしまいました。
遅くとも秋までこの少年を守りぬいて、そして少年が自分の足で 自分の居場所を探しに行くためここを去ってくれるなら 自分と人間との争いの子細を話す必要はないのだと。]
(244) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
[それでも名前を尋ねてしまったのは きっと心の何処かに残った 温かな家族への憧憬からなのでしょう。]
(245) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
おっちゃん、ちがう。おっちゃん、ちがうぞ。 がすとん、とよべ。
[そう呼んでくれる人はもう何人もいないのですが、両親からもらった名前は熊の大事な宝物なのです。 少年は背中の上でほんの少し、言葉を濁らせ……そしてひょい、と熊の目の前に手首についた名札を翳してみせたのでした。]
ろりべ……どりべる。どりべる。
[慣れない名前を舌の上で馴染ませて、熊は大きく頷きました。 彼の両親は何を思ってこどもの名前を手首につけたのでしょう。 疑問はあれど、そこには悲しいものが潜んでいそうなので 熊は深く追求することをしませんでした。]
(246) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
[あの日。髪に触れる優しい手に、閉じた目から何年ぶりかの涙が一滴ーーー
開けちゃダメと言われたのに薄っすらと開いて、彼を視てしまった。……すぐに閉じたので、きっと気づかれなかっただろう。
傷の痛みではなく煩いほど鳴る胸の痛みに意識が集中するけれど、やがて訪れた眠りの中、甘やかな夢を見た。内容は覚えていないけれど。
傷が癒え、体力も戻れば、彼の身の回りの世話を始めた。彼は時々ご飯を食べるのを忘れるくらい研究に没頭している時もあったけど、出来うる限り共に食事を取ってくれて、とても嬉しそうに美味しそうに幸せそうに笑ってくれた。
掃除も洗濯も、毎回ではないけれど気づいた時は褒めてくれた。
とても穏やかな日々。 その裏で、森で彼女を探したけれど、遂には見つからず。ただ、メルヤを襲った狼の群れが壊滅していた。
街に降りればハハオヤを探した。もし見つければ、その喉笛を噛み千切って殺してやろうと考えていたが、それも見つけられず。
レオナルドとメルヤが共に在る五年は、あっという間に過ぎた**]
(247) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
― 魔法使いの塒 ―
[そうして幾らか歩いた頃に、ようやく熊の塒が見えてきました。]
あれ、おでんち。
[それは一見、ただの木こり小屋のようでした。 屋根も壁も、しっかりと太い木で組み込まれています。
違うと言えば……普通の木こり小屋より造りが大きなことでしょう。人間の姿でも見上げるような大男になれる熊が暮らすにはちょうどいいくらいの。
中に入れば青いギンガムチェックのテーブルクロスのかかったテーブルの上にちょこんと野の花が活けられたガラスの花瓶が置かれています。 奥の方には藁を敷いた寝床と、何枚かの羊皮紙が置かれた書物机が見えるでしょう。 熊は背中から少年を下ろしてやると、一冊の古びた本を書物机から取り上げました。]
(248) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
|
これ、ずかん。どうぶつの。 どり、に、やる。 なにが、できるか、かんがえて、みるといい。
[ドリベルが家の中を見たり図鑑を開いたりするのなら、その間に茶を沸かして……ああ、桑の実は失くしてしまったけれど胡桃がまだあったっけ……あれやこれやと考えながら、熊は台所に向かうでしょう。 話し相手を失って久しく、誰かに何かを説明することをしなくなってしまった熊はこれからドリベルに順序立てて話さねばならないことを頭の中で組み立てねばならないのです。]**
(249) 2018/06/12(Tue) 01時頃
|
森番 ガストンは、メモを貼った。
2018/06/12(Tue) 01時頃
|
[魔女の言葉に自らの本心を知って>>231 背中を向けたまま、身を震わせる娘の耳朶に 優しげに囁きかける]
黒い森の奥深くにまでやってきて。 悪い魔女に、きちんとお願いが出来たのだから、 貴女の役目はもうお終い。
村が救われないのは、私のせい。 貴女が気に病む必要なんて、ないの。 そもそも貴女にとって、 村は、生命と引き換えにしてまで 救う価値があるものなのかしら?
[だから、娘が救われたいと願うことは、 いけないことではないのだと]
(250) 2018/06/12(Tue) 01時半頃
|
|
[感情を昂ぶらせ、大泣きをして疲れたのだろう。 いつしか娘は眠ってしまう。 良い夢を見ているのだろうか?>>234 浮かぶ表情は安らかなものだった]
……あの子も貴女のように、 助けてって言えてたら、良かったのに。
[あどけない寝顔を見つめながら、紅い瞳に過去を映して。 かつて救うことの出来なかった少女を悼む]
(251) 2018/06/12(Tue) 01時半頃
|
|
[やがて目を覚ました娘が希うのは。 魔女と共に暮らすこと>>234 気紛れではない>>232確かなものを欲して。 懸命に紡がれる願いに魔女は応える]
貴女がそうしたいと望むなら、 好きにして構わないわ。 助けるとも、約束したのだし、
……それと、言っておくけれど 貴女を贄になんて、するつもりはないから。 そんなことはもう言わないって、約束して。
[ぼろぼろと零れる涙を拭いてやりながら、 対価など必要ないことを繰り返し諭して。 少なくとも病が治るまで、庇護下に置くことを約束する>>222]
(252) 2018/06/12(Tue) 01時半頃
|
|
[娘が遠慮をして、縋り付くことを逡巡するのなら>>234 いっそ、抱き寄せてしまおうか。 親鳥が雛を抱くように。 小さな身体を優しく掻き抱いて、温もりを与えながら>>237]
私の名前はカリュクス。 貴女は――?
[一緒に暮らすために。まずは名前を尋ねるのだった**]
(253) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
[この金額じゃあご飯は食べれないみたい。
お兄さんのお店が高いのか、 それとも私の持ってるお金が少ないのか分からないけど 無理と言われてしまってはひっくり返せそうにも無い。
いやだ、どうして!と分別無く騒ぎ立てられる時期は もう何年か前に過ぎてしまっていたから、 ダメなものはダメと諦めよう。
( そっかぁ…… )
なんともいえない物悲しさに 肩と、それから気持ちも一緒に下に落ちたけど、 そのタイミングで掛けられたお兄さんからの言葉に すぐに気持ちは浮上することとなった。
いいの?って、顔も同じように上を向いたかな。]
(254) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
[正直、お腹が減ってきたし 足もいたいし お兄さんが良いって言うならその言葉に甘えたい。
知らないひとについて行っちゃダメよって いつかのママの言葉がチラついたけど、 3秒と経たず無視することに決めた。
このお兄さんは悪い人には見えない。 それに、私にはもうママなんていないからいいんだ。]
(255) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
となりの、もう一つとなりの町から歩いてきたの。 なんとなく行きたい道をえらんでね。
パパとママとエミリーを捨てて どこかべつのおうちを探そうとおもって──…
[「…──あ、エミリーは妹のことよ。」
たまに落ちてる木の枝を踏みつけたらしく、 パキッと子気味のいい音がなった。
ふとつられて足元へと視線が行ったが、 お店まで案内してくれる彼を見失ってはいけないと思い 視線を元に戻す。
私に合わせてゆっくり歩いてくれているお兄さんは きっと私を置いて行きはしないのだろうけど。]
(256) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
[" もっと泣かせてやろう " と 少年のほっぺたを引っ張ったのは逆効果だった。 泣き止んだのなら、それはそれでいいけれど。
それから、何故か無性に抱きしめたくなったから 好きに抱きしめる。己の玩具なのだから。
持ち主が、玩具の罪を赦す───── 意味するのは " 罪があるのなら貰ってやる " それは 赤子の罪を親が償う様に ─── まあ、償う気など更々ないのだけど。
この少年の罪を言及するものが現れれば 返り討ちにしてやろう、程度の思考で。 ]
(257) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
アタシが神さま……? くっくく………アタシは正反対の存在だよ まあキミがそう思いたいのなら それも赦してあげるけどね
あ………いいね… " フローラさま "って [神なんて偶像だ───── 人間を救うのが神という存在ならば、 己など、とっくの昔に粛清されているだろう。 それでも、信仰の対象としては優秀で。
少年が、なにか拠り所を欲するのであれば 受け入れてやるのも" 持ち主 "の裁量か。 ]
(258) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
ラルフ……ラルフ………そう、立派な名前ね 王都は行った事ないわね…… なら、今度行ってみようかしら [彼の名前を聞き出せば、嬉しそうに反芻して。 立派な神殿があると聞けば 率直な感想を。
" 一緒に "と付け加えなかったのは 繋がった手に籠るチカラと無理矢理に見える笑顔 王都を離れないといけない理由──── まだ何も少年の事を知らないから。
本当に行くのなら 当然 "玩具" は持参するつもりではあるけれど ]
(259) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
[己の家までは、宿泊できる場所も無い。 道中で呼び方を聞かれたなら、>>239 先程の" フローラさま "が気に入ったと伝えて。
到着したのは1日過ぎた昼頃だったか。 国外に出たがっていた少年の望みには反して 此処は、まだ聖ナルジス王国領。 国境すれすれに存在する樹海の中に " 紫炎の魔女 " が住む隠れ家が存在する。 ───ほとんど旅に出ていて不在がちだけれど。 己が、樹海の外から家に辿り着くのは簡単で。 ただ、結界を解いてやればいい。 現れた一本道を ただ進むだけ。 されど、結界を解かぬまま侵入する者が居れば すぐさま この樹海は墓場となるだろう。 ]
(260) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
あー 帰ってきたー やっぱり家が、いちばんね! ラルフも中に入りなさい? [己をよく知る者がいたならば " だったら何故旅ばっかり出るのか " そう首を傾げたくなりそうな言葉を吐きつつ。 煌びやかな装飾が施されたベッドへと横たわる。 魔女と言えども、調合やら研究やら興味が無ければ 膨大な古文書も、大きな窯も無く。
上級貴族の部屋────── そんな表現が 一番しっくりくるだろう。
事実、危害を受けそうになった貴族の屋敷を 燃やすついでに頂戴してきた物ばかりなのだが。]
(261) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
[ただ、貴族の部屋と一線を画す点があるとすれば ランプが部屋全体を灯す色彩は " 紫 "。
己の作り出す" 紫炎 "には意思がある。 『 村の全てを燃やせ 』と念じて生み出せば 村人や建物─── 村にあるモノを炎が襲う。
『 明かりだけを灯し続けろ 』 ランプの中の炎には そう念じている。 あとは、己が遠く離れても半永久的に機能する。 前回の魔女集会で配ったら、中々に好評を得た。 紫、なのが やや難点だが。 ]
(262) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
さてと……お風呂、の前に まずはラルフに刻印を刻まないとね
このままじゃ キミひとりで樹海から出られないし お使いも頼めないわ?
[己と共にいる時ならば結界の解除は簡単だけれど。 少年ひとりで結界を解こうとするならば 己の魔力を宿らせた刻印が必要となる。
普段見えない所に刻むのが良いだろうが─── ]
(263) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
とりあえず、上着脱いで [背中あたりが良いだろうか。 ベッドに横たわっていた身体を起こして 少年の方を見やると、小さく首を傾け笑んだ。
ここで手紙を差し出されれば先に読んだだろうが はて、どうだっただろうか。]**
(264) 2018/06/12(Tue) 02時頃
|
|
うん。ちゃんとおぼえたから おっちゃんてもう呼ばないよ
[おっちゃんは違う。と繰り返す様子が面白くて ついつい笑い声が漏れそうになります。 本当は友達と遊ぶ時のように 何も気にせずに笑いたかったのですが それで気を悪くされては困ってしまいますから 漏れかけた笑いは、袖口で隠しておきましょう。
そうして、ドリベルの名前を繰り返す相手に さっきよりもはっきりと もう一度自分の名前を繰り返して]
うん―――ドリベル。だよ
[こくり。大きく一つ頷いて いくつかの藪や茂みを抜けたころ 目的地らしい場所へとたどり着いたのです]
(265) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
―― 魔法使いの塒 ――
[森の中にある熊の塒 もしかしたらば、洞窟か何かかもしれない そんな懸念も多少はありました。
けれど、実際に辿り着いた目的地はというと]
あ、ふつうの家
……あれ?でも なんか、おっき……
[遠目に見たときには、ふつうサイズの小屋に見えました。
けれど段々と近づくうちに その大きさが普通とは違うことに気がつきます。
ぽかんとしている間に、熊とドリベルはお家の中に そして地面ではない、床へとおろしてもらえたなら]
(266) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
あー、そっか ガストンがおっきいから お家もでっかいんだね
[気がつくのが遅いのは分かっています それでも、気がついたらば 黙っていられない性格なのです。
大きい家と、大きな熊 改めてみれば二つのサイズはぴったり といっても、ここが彼の家なのですから 当たり前といえば当たり前なのです。
でもそれならば、ここに暮らしているのは ガストン一人だけなのでしょうか ヤマネの父親や カッコウの母親はどこにいるのでしょう まさか、家族全員が大きいなんてことは ないように思えますけれど]
(267) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
[あちらこちらをきょろきょろ。 走り回りこそしませんでしたが 小人になったような気持ちで見回していると 不意に声がかかりました。
いいえ、不意というよりは、 景色の珍しさに、意識がそちらへと向いていた そう表すのが正しいかもしれませんが]
……へ!?ず、かん?? くれるの?でも、高いんじゃ?
[突然の言葉に声が上ずってしまいます。
これまでの人生で、本なんて ほとんど手にしたことはありません
村にあるわずかな本は大人向けのもの 一冊を何人もで肩を寄せ合い、読んでいたのですから]
(268) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
[もらってもいいものでしょうか。
飛びつきたくて仕方がないのに あるかなしかの警戒心がなかなか許してくれません。
それでも最終的には欲しいという気持ちが勝利して 図鑑はしっかりと、ドリベルの腕の中 こうなったらばもう、離すつもりはありません]
ありがと 大事に読む。ちゃんと調べる
(269) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
あとさ、ここにいる間 手伝えることがあったら、なんでも言って タダ飯喰らいは格好悪いし
[だからここに居て良いでしょう?なんて 一番言いたいことは言えないまま
ぎゅっと大事に図鑑を抱きかかえ 椅子まで歩くのが惜しいと、そのまま床にぺたり 腰を下ろし、ページを開き始めます。
ガストンがどこかへ向かうなら 耳だけはそちらに注意を払うものの 目は図鑑のページにしっかり釘付け]
(270) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
なんだろ、こいつ 栗のイガみたい
[変な動物。 そんな独り言共に ハリネズミのページを見ていました**]
(271) 2018/06/12(Tue) 03時頃
|
|
[食事があることに表情が明るくなるのが見て取れる。 それはとても子供らしく、年相応の女の子の顔。 決して悪い心地はしない。
顔をあげて、目があったら─── とりあえず笑っとこ。]
ふーん… それ、おうち見つからなかったら死ぬよ。 魔法も使えないのに。
[同時に、めんどくさいな と直感的に思った。
事情には踏み込むつもりもないし、 ぶっちゃけ興味はぜーんぜんない。 もし、事を丸く収めようと動いたら、 それはそれで もっとめんどくさそう。]
(272) 2018/06/12(Tue) 03時半頃
|
|
[深く人間たちに関わりすぎてはいけない。 同時に離れすぎてもいけない。
名は縁を呼ぶ。 だから簡単に相手を名乗らせてはいけないし、 自分も名乗ってはいけない。]
(273) 2018/06/12(Tue) 03時半頃
|
|
[いつかの、師匠と呼んでいた魔法使いの教えが ふと思い出された。
この少女の名はまだ知らない。]
座りなよ。トマトスープとハンバーグね。 文句は受け付けねーよー。
[店に戻って、扉を開けて少女を招き入れる。 そのままテーブル席を指差して自分はカウンターへ。 適当にライ麦パンを切り分けて、バターを上に乗せたら。]
先に食べていいよ。
[彼女の目の前のテーブルに。
不思議なことに皿のパンは既にこんがり焼け、 バターは溶け、芳醇な香りを漂わせた。]**
(274) 2018/06/12(Tue) 03時半頃
|
逃亡者 メルヤは、メモを貼った。
2018/06/12(Tue) 07時半頃
|
[朝食後、小さな城内の窓を開け放つと、暖かな風が通り抜けて心地良い。冬は長く厳しい地方だが、短い春は充分な実りを齎してくれる。
基本的に、この辺りの街の人間が穏やかでのんびりしているのも、飢饉があまり起こらないからだろう。
それ故、彼もここでのんびりと好きな事をして生きられるのだろう。
……そう 不幸は、生憎、個人レベルでしか起こらない……。
時々、不足な物を買いに降りる街の人に、どれだけ優しくしてもらえても、そこにメルヤの居場所を求める気にはならなかった。
研究室。研究に没頭している彼の傍ら、漆塗りの棺桶を乾拭きで磨きつつ]
だからと言って、此処を私の終の住処にしてもいいのだろうか。
[呟きは、活き活きと立ち働く彼の耳には届かなかっただろう。彼の研究内容を察するに、それが成功したら、彼とメルヤの時間は、ズレていくと思う。
いつの間にか、手を止めて彼の方を視ていた。ふと我に返り、返りの邪魔にならないように研究室の拭き掃除を終え、別の部屋に移動した*]
(275) 2018/06/12(Tue) 08時頃
|
|
──回想:呪い──
[人間からしてみれば “災い” だった >>189 それは魔女にとっては単なる “復讐” であったこと 魔女の言い分虚しく、彼女は敢えなく生命を失い また、その一族も、根絶やしの対象となった
ブレイズ・マドロックが歴史から姿を消して数年 故郷を追われたちいさなちいさな魔女にも、 おなじくちいさな、友だちが出来た話をしようか。
人間に追われ、逃げ惑い、ひとりきりになり、 心許す相手など誰もいなかった魔女に寄り添ったのは 奇しくも同じ年頃の人間の少女だった ]
(276) 2018/06/12(Tue) 10時頃
|
|
[ “セシリア? 美しい聖女さまと同じ名前ね。 きっとあなたも素敵なレディになるわ。”
初めて友だちと呼べた彼女は、 名をセシリア・リケットと名乗っていた魔女にこう言った どうやら彼女の信仰する宗教に登場する聖人のようだった
彼女には魔女であることを隠していたからこそ 正反対でもある名に、どこか胸がつきんと傷んだが、 それは笑顔に隠されて、気づかれなかったとは思う
思春期を迎えたばかりの小さな少女がふたり 秘密の森の奥 美しい泉の縁 しあわせな日々を過ごしていた ── のに、 ]
(277) 2018/06/12(Tue) 10時頃
|
|
[そんな幸せが長く続くわけもなく 彼女たちに不幸をもたらしたのは、 今度は人間ではなく、力の強い、悪い魔法使いだった。
魔法使いは人間の子どもを集めていた 何をするつもりだったのか、最早定かではないが 魔女とともに過ごしていた少女もまた、生贄となった
魔女は願った 「人間の少女を助けて欲しい」と そのためならなんでもするし、命さえも捧げよう、と
そんな酔狂な魔女に魔法使いは双眸を細め そうして ────── 彼女に、”呪い”を与え、
少女の生命は約束通り助けられたが、 その後、魔女は少女の前から、姿を消した。]
(278) 2018/06/12(Tue) 10時頃
|
|
[セシリア・マドロック・リケット。 嘗て御伽噺にもなった炎の魔女の娘であり、 齢14の頃、”歳を取らぬ呪い”を掛けられた魔女。
その呪いは呪いを掛けた魔法使いしか解く術を知らず ”解けた瞬間に一気に老いるため成長が追いつかずに死ぬ” 恐らく ── 魔法使いが死を迎えたとしても、 その呪いは解けてしまうのだろう。
生命の限りを他人に預けたままで。 彼女は家の名を捨て、聖人の名を捨て、 長い長い永遠のときを、リッキィとして生きている。]**
(279) 2018/06/12(Tue) 10時頃
|
|
[この5年間は確かに平穏だった。 この館を根城にしようと野盗や山賊が寄って来ても簡単に撃退しているし、森の主との関係も先代との契約を引き継いで以降も悪くない。 そのまま隠遁生活を送るなら最期まで平穏だったかもしれない……が、自らそれを打ち破ることもあった。
不死の研究を進ませるためには、どうしても死霊魔術の実践が必要不可欠なのである。 だからこの地方の不穏な怪談は増やさざるを得ないのだ。
――それに巻き込まれた動物や人間にとっては不幸な話だし、何かしらの因縁や偶然があったかもしれない。]
…………。
[魔術の特性上、それは夜に行うしかないので、メルヤが寝静まったあとこっそり館を出ている。 ただ必ずメルヤの寝顔を見てから行くのは、メルヤとの日々に反することをしている罪悪感から来るものだろうか。*]
(280) 2018/06/12(Tue) 11時半頃
|
|
ー メルヤの誕生日 ー
やった…! でき、た……!!
ぬわっ!
[奇しくもこの日、研究の理論が完成した。 歓喜を全身で表現しようとして椅子ごとひっくり返ったぐらいの悲願。]
メルヤ君!メルヤ君! 今夜はちゃんと食べられるよ!お祝いしよう!
[もちろん完成したのは理論だけで、実践するためにはまだまだ年月がかかる。 目処がついたことを祝いたいのはもちろんであるが、今年はメルヤの誕生日なのに研究に没頭しすぎて祝い損ねたり済みそうことを自覚せず嬉しかったのだろう。 何にしても、メルヤが買い出しに行く際には多めのお金を持たせた。*]
(281) 2018/06/12(Tue) 12時頃
|
|
[優しそうなお兄さんが口にしたのは 全く優しく無い言葉だった。>>272
住み慣れた町を離れここまで歩いた道すがら、 時折浮かんでは深刻に考えないようにと避けていた 「死ぬかもしれない」という現実。
私の行く末がどうなろうと大して気にしないのだろう お兄さんの言い方や表情からそれが伝わってきて、 改めて他人との距離を再確認した。]
──…魔法が 使えたらよかったのに、
[お兄さんの言葉を受けて、同調するつぶやき。]
(282) 2018/06/12(Tue) 13時半頃
|
|
[空を飛べば足は痛くならないし、 お腹が空いたらご飯を出せばいい。 というか、おうちを作れば万事解決だと閃いた。
( でも、黒いお洋服ばかりは楽しくなさそう… )
やっぱり魔法は使えなくてもいいかなとか考えていたら お店に着いて、中へと通され。 木でできた暖かな空気感の漂う店内の様子に 意識と視線を奪われてあちらこちらをキョロキョロ。
そんな風に気もそぞろだったからか、 指定された席に向かうまでに蹴躓きかけて はっと気を引き締めた。
すぐに遠くに行きそうになる 好奇心を抑えられない両目をこの場に繋ぎ止めたのは、 コトリと置かれた皿の上のパンだった。]
(283) 2018/06/12(Tue) 13時半頃
|
|
[直接胃に訴えかけるような美味しそうな香りが 周囲に充満し、私の鼻をも刺激する。
この距離に置かれる前に 漂ってくる匂いに気づいてもおかしくないのに 不思議と、今の今になって初めて認識した。]
手品《マジック》みたいね
[先の会話を思い出して。 ほんの少しの時間のあいだに最高の状態のパンを 目の前に置かれたことに対して。
双眸を細め、表情をやわらげながらそう言えば ほかほかと熱を持つパンを 冷めないうちにと口元へ *]
(284) 2018/06/12(Tue) 13時半頃
|
露店巡り シーシャがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(露店巡り シーシャは村を出ました)
|
ーーー湖畔の街ーーー
[買い出しの為に街に降りたメルヤの足取りは重く、視線は石畳に落ちる。
今回も行方不明者の捜索が打ち切られたと、聴こえた噂話も頭には入らず。
彼には、おめでとうございます。と微笑んで言えた。
だから何も問題は無い。
なのに、メルヤは酷く打ちひしがれていた]
肉は、ウサギを狩れたから買わなくていいから…、ワインは赤、レオナルドさんの好みはライトボディだから……
[酒屋で少し値の張る赤ワインを購入する。二人で飲むのだから一本で充分。テーブルに飾る花も、今日は街で買って行こう、白い薔薇を。その他、スープ用のトマト。サラダ用の野菜。買い物籠はすぐにいっぱいになった。
それでもすぐには帰りたくなくて、重い買い物籠を持ったまま、しばらくの間街を彷徨っている*]
(285) 2018/06/12(Tue) 14時半頃
|
|
[フェルゼは散らかっているのが嫌いだ。
家主の意向など無視して整頓することはよくある。 魔女の言い分も嘘だと決めつけていた。>>214
余りにも衣食に興味を示さない 魔女に肩を竦めることもよくある。
炎の魔女は安楽椅子で寝起きしているが フェルゼには新しく寝台が出来た。
どうにも納得がいっていない点の ひとつだがさておき────。]
(286) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
[急激にあがる火柱にまだ幼い少年は怯える。
助けを呼ぶように家主の名を連呼していれば 慌てて駆けつける姿があった>>215
簡素な呪文とともに出現した 炎の蜥蜴は小瓶へと吸い込まれていく>>216
赤色が線となりかすかな火の粉を舞わせ 透明な小瓶へ吸い込まれる様が
不謹慎にも綺麗な光景だとさえ思った。
─── 知っていたけれど彼女はやはり ”魔女”なのだと改めて痛感した。]
(287) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
[ フェルゼは知らない。 銀色の髪が忌まわれるのは
潜在魔力を秘めているからだということを───。
国では魔女狩りの歴史もある程だ。 男であろうが魔法を扱う者は弾圧される。
己に眠る力を知らずに 同居人たる魔女が気づいたとも知らない。]
(288) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
[ 怒号が響き小さな体を震わせる。
共に住みだして 激しい怒りを買ったことは終ぞ覚えが無かった。]
………だ、…おれは か、かたづけようとおもっただけだ、ぞ
リッキィ、が、いつもちらかす、から
[フェルゼは炎の蜥蜴のことは問い質さなかった。
叱責に唇を尖らせてくしゃりと顔を歪める。
だって────。 出来ることなら何だってするって フェルゼは幼い頃に告げた事を覚えているのだ。]
(289) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
リッキィは…魔女で 魔女だから…いろんなことができるんなら…
ちから、あったらいいとおもう。 まもられてばっかは、いやだ。
[フェルゼにしてはしおらしく ───…また強い無念さが滲んだ声であった。
魔女が──リッキィが 定期的に結界を張り直しているのを、知っている。
未だに追っ手のことが気掛かりだから 掛けているのだろうと フェルゼは尋ねもせずに思い込んでる。
お伽噺の悪い魔女のように その内煮て喰う気配も無いからこそ、居たたまれない]**
(290) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
おで、ちっちゃい、いえ、こまる。 あたまごりごり、たなにぶつかる。
[小さな家にぎゅうぎゅうに詰められるのを想像して熊はぶるりと震えます。
しかし、この小さなこどもにとって、確かに熊の家は大きいでしょう>>267 小さな小さな両親がこの塒で暮らしていた時も、随分ちょこまかと忙しなくしていたものでした。
あちらこちらに向くドリベルの姿は、ちょっとだけ記憶の中のヤマネに似ています。]
(291) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
[図鑑は、熊がまだ小さい時に父親から買い与えられたものでした。 いっぱい読んで勉強しなさい、と。 たくさん覚えるのがこどもの仕事だよ、と。 そう言ってくれた優しい声を、熊は覚えています。]
ほんは、よまれてこそ、かち、ある。 よまれなければ、ただの、かみ。
[驚いた様子のドリベルに、答える熊の声は穏やかです。 本を受け取られるまでちょっと時間がかかりましたが、それで臍を曲げたりはしません。 手ずから糧を受け取るまで、小鳥だって慣れが必要なのです。
だから、ぎゅう、と図鑑を抱き締める様子が可愛らしくても 大きな手をにゅっと伸ばして撫でたりするのは今しばらく我慢しましょう。]
(292) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
てつだえること……? あったら、いう。
[時折図鑑の頁を捲る音に耳をぴくぴくさせながら 熊は器用に水瓶から薬缶に水を汲み上げてお茶の準備を始めます。
さてさて、どうしたものでしょう。 古くから熊の一族は人間から忌まれてきました。 『呪いの化け物』、『生皮を剥いで纏う者』……様々な呼び方はありますが これは単に動物に変身する力だけを畏怖したわけではないと聞いたことがあります。
一族の祖……とある恋人を持つ女が、王に見染められ高い塔に幽閉された時 嘆き暮らす彼女の前に一匹の悪魔が訪れて、動物に転じる力を与えたのだと。 小さな小鳥になって飛び立った彼女は、恋人や子らと悪魔の力を分つため 己の血を彼らに与えたのだといいます。
そうして、一族は子や伴侶に血を分け与えることで永らえてきました。]
(293) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
[ドリベルに力を分けるなら、与えた血が体に馴染むまで、ここで面倒をみなくてななりません。
秋になって……冬になる前までに、生きる力を授けたら、それでいい。冬眠中の隙に、ここの小屋が襲われたとしても、犠牲は一人でいいのです。
温かなハーブのお茶と、蜂蜜の小瓶をお盆に載せて。 ひょい、とドリベルの本を覗き込めば、とげとげの生き物が書かれています。]
これは、はりねずみ。 ねずみ、だけど、もぐらのなかま。 とげとげ、いたい。 そうやって、じぶん、まもってる。
[いつぞや、カッコウがそう教えてくれたので、ちょっと熊は自慢げです。]
(294) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
|
ここに、なまえ、かいてある。 は、り、ね、ず、み。
[本を与えておいて、字が読めるのか聞かなかったのはとんだうっかりの熊です。 知っているなら、もっと細かなことを教えましょう。 字の読み書きを知らなくても、何も問題はありません。 終ぞ誰ともおしゃべりをしなかったせいで、口は下手になりましたが、鳩を使って手紙のやり取りをすることがあったので字の読み書きは、一応、できるのです。]
こっちのも、つよいぞ。 や、ま、あ、ら、し。 こっちの、とげとげも、いたい。
[もしドリベルがはりねずみやらやまあらしになってしまったら、撫でるときにはきっと注意が必要な事でしょう。]**
(295) 2018/06/12(Tue) 15時頃
|
森番 ガストンは、メモを貼った。
2018/06/12(Tue) 15時半頃
|
ーーー晩ごはんーーー
[テーブルの上に、真ん中に白い薔薇、食事のメインはウサギ肉のソテー。スープはトマトを煮込んだ。後はサラダとパンと赤ワイン。
ケーキを誕生日に食べる習慣はこの国には無い。
レオナルドのグラスに赤ワインを注ぐメルヤ]
今日は良い日ですね。
[それだけ言って黙々と食事を進める。いつもなら、なにかしら話題を探して話すのに。ゆっくり話せる時間は食事の時だけだから。
メルヤは自分の誕生日を特別視していない。出逢った頃にレオナルドに聞かれたから何気なく答えただけで。この五年、レオナルドは研究室に籠もりきりで無い時には、積極的にメルヤの誕生日を祝ってくれた。
レオナルドは意図的に自分の誕生日を忘れているようではあるが、自分の年齢は覚えているようだ。時々、増えた年齢と衰えた身体を嘆く言葉を呟いているので間違いない]
(296) 2018/06/12(Tue) 17時頃
|
|
[アルコールは、この国では未成年でも飲んでも良いので、メルヤも初めて飲むわけではない。
水が美味しい国だから、敢えてアルコールを選ぶ気にもなれず、西方から流れて来たコーヒーという飲み物が眠気覚ましに良いので、時々レオナルドの為に淹れている。すごく顰めた顔でコーヒーを啜る彼を、メルヤは眺めるのが好きだ。
今はメルヤが顔を顰めて赤ワインを流し込む。選んだワインが渋すぎたから]
ふぅ。
[赤らんだ頬が熱くて掌で扇ぐ]
すみませんけど、先に休みます。少し、酔ったようです。食器は朝に片付けるのでそのままにしておいてください。おやすみなさい、レオナルドさん。
[椅子から立ち上がり、覚束ない足取りで寝室へ向かった*]
(297) 2018/06/12(Tue) 17時頃
|
|
[片付けようと思っただけだ、と萎縮する少年は呟く 真剣な目はそちらに向けながらも、小さく息吐き。 それから、少年の “意思” を聞く。
それは、いつもの威勢や生意気さの欠片もない、 無念さの滲む、弱気な少年の心のかけら
魔女自身 魔法を持つことが強さだなんて思っちゃいない それを悪用しようとした強欲な人間のこと 力に溺れ、同族ですら手にかけた魔法使いのこと
魔女も人間も同じだ 力を悪用しようとすれば、 世界は間違った方向へ歪んでいく
だけど、目の前の少年には、少なくとも。 そういった意思は感じることは無かったから ── ]
(298) 2018/06/12(Tue) 17時頃
|
|
そうか。
なら、フェルゼにも魔法を教えてやる お前が火を使いこなせるようになったほうが 料理だって何百倍も旨くなるだろ、きっと
今日から、私は師匠で、お前は弟子だ。 ……わかるな?
[ぱちんと二本指を 少年の眼前で弾けば 指先に、ぽん、と小さな火が跳ねた。 ]**
(299) 2018/06/12(Tue) 17時頃
|
|
[ 王都に行く。>>259 そう聞けば思わず眉が八の字になり 不安を隠さない顔で魔女を見ていた。
だって自分は逃げろと言われた。 禁忌に触れたから追い出されたのだ、 これ以上災厄を招かないよう。 だと言うのに災厄の一つであるこの魔女を 王都に入れてしまったら?
きっと両親も悲しむだろうと思えば 不安は募るばかりで隠せない。
それでも、目上の相手に歯向かう事はいけないと そう教えられてきてもいたから 困ったような、また泣き出しそうな顔で じぃと見つめていただけだろう。 意見を述べて良いなら述べるが、 基本的、従うように教えられているから。 ]
(300) 2018/06/12(Tue) 17時半頃
|
|
[ 魔女と歩く、森の中。 かなりの距離を歩いたものだから、子どもは もう聖ナルジス王国から 出たのだろうと思い込んでいた。
自分が思っているよりも 世界は広く美しく厳しいことを この子どもはまだ、知らない。
そうして訪れた魔女の家は、 貴族として暮らしていたこどもには どこか落ち着く雰囲気の家だった。 生活の気配は薄いかもしれないが、 品の良い調度品は見慣れたもので、 それに怖気ついたり 物珍しげにジロジロと見ることもない。 唯一目を瞬かせ不思議そうに見つめたとすれば 部屋を染める紫色。>>262]
(301) 2018/06/12(Tue) 17時半頃
|
|
[ ぺこ、と頭を下げながら中に入り お風呂だとか刻印だとか>>263 お風呂はともかく刻印?と首を傾げたが 脱いで>>264の一言に逆らう筈もなかった。
逆らう筈もなかった、のだが。 ]
……あ、はい、わかりました……?
[ 相手に向き直り、両腕を広げる。 若しかしたらそのまま数秒、見つめ合うか。 こて、と首を傾げて相手を見つめていたが ああそう言えば魔女は使用人ではなくて 自分の主人となる存在なのかと思えば かあっ、と思い違いに顔が赤く染まる。 ]
(302) 2018/06/12(Tue) 17時半頃
|
|
あっ、えっと、は、はいっ!
[ 慌ててスカーフを外し、 上着の留め具を外そうとして…もたつき。 シャツの釦を外そうとして…もたつき。 本人は急いでいるつもりなのだが、 いかんせん不慣れな為に遅いのだ。 今までは親の信頼する使用人が 世話をしてくれていたのだもの。 しょうがないといえばしょうがないのだが。
やっとそこで気づいたもの。 上着のポケットにずしりと入った革袋。 そして、それに添えられた手紙を思い出した。
慌ててまだボタンが残ったまま、 それを取り出して煌びやかな寝台にいる 魔女へと渡す。 ]
(303) 2018/06/12(Tue) 17時半頃
|
|
あの、……ぼくの母さまと父さまが。 これを、持たせてくれて。 お世話になる方に渡しなさい、って。
[ 革袋の中は金属質な音。 相手にそれらを渡せたなら、 子どもはまだボタンと格闘を始める筈。
ボタンを全て外し終えたなら、上着もシャツも 床に落としてしまうだろう。 ]
刻印って…………………瀉血より痛い?
[ 恐る恐る、そんな疑問符と共に。 ]**
(304) 2018/06/12(Tue) 17時半頃
|
|
[───…鼻歌まじりに男はふらりと路地裏に消える。
さて同胞と呼べる者達はどう過ごしているのだろう]**
(305) 2018/06/12(Tue) 19時半頃
|
|
[読まれることで生まれる本の価値なんて ドリベルには想像もつかないものでした。
けれど、読まれなければただの紙 その理屈だけは、小さい頭でも納得できます。
あとで食べようと思って 大切にとって置いたパンはいつだって カピカピになってしまうものでしたから]
うん。なんでも 肩たたきとか、これでも得意だし
[図鑑から目を離さないまま 出来ることを一つ、伝えてみます。
とはいえ肩たたきが、手伝いに入るのかどうかは ドリベルにもイマイチわかりませんが]
(306) 2018/06/12(Tue) 20時頃
|
|
[図鑑に描かれた奇妙な生き物 毬栗のようなその姿に釘付けになっていると ふわり、良い香りが漂って来ました。
枯れ草の香りとは違う爽やかな香り ずっとずっと昔、村の畑がまだ青かった頃 似たような香りを嗅いだ記憶があります。
スン、と香りを吸い込みながら顔を上げれば すぐ近くに熊の姿があって]
へー……ネズミなのに、モグラの仲間?
じゃあさ、もしこいつになったら 穴掘って暮らさなきゃいけないの?
[動物に姿を変えることができたとして どこまで生活を似せればいいのでしょう 穴掘りだけはごめんだと 小さく小さく唸り声をあげました]
(307) 2018/06/12(Tue) 20時頃
|
|
こ、ここが名前。だね 「み」「ず」えーと……あれ?
[文字そのものは読めるのです
けれど、名称の欄を辿る指は右から左へうろうろ 一文字一文字を読むことは出来ても 文として読むには拙いものでしたから]
……これ、読めないと クマになるの無理?
[村には読み書きが出来ない人もおりましたが できた方がいいのは決まっています。
無理と言われたらばどうしよう うぅ。と、唇をへの字に曲げて しょんぼりと熊の顔を見つめて]
(308) 2018/06/12(Tue) 20時頃
|
|
あのさ。ガストン
べんきょー、するから 読むのと書くの、おしえてほしい
[至極真面目にお願いしました*]
(309) 2018/06/12(Tue) 20時頃
|
|
[役目は終わりだと白いひとは告げる。>>250 村が救われないのは自分のせいだと
わたしの重荷を引き受けるように。 白い女のひとは淡々と語る。
わたしの命と村と。 天秤にしたことは、なかった。
それは ──…ごく当然のことだったから。
わたしは生贄として育ったから考えたことも無かった。]
(310) 2018/06/12(Tue) 20時半頃
|
|
[おかあさん、小さな声で囁く
あの子、と呟いた声音をどこか遠くで聞こえたような、気がした。>>251]
(311) 2018/06/12(Tue) 20時半頃
|
|
[──目を覚まして乞うたことをどう思われただろう。 おそるおそる、その赤い瞳を覗けないままで。
床に視線を落として震えて、唇から零れる声を拾う。]
……やくそく…
わたし、贄になれない…ならない…の?
[それだけが存在意義のように育ったから 不安まじりの問いかけを彼女はどう思っただろうか。
対価を必要とせずに 無償に与えられるものを受容するには
わたしの病が治るまで置いて貰う。 その代わりにわたしを何をすればいいのだろう。]
(312) 2018/06/12(Tue) 20時半頃
|
|
[ふわりと抱き寄せる仕草はまるで子を慈しむ母親のよう
じわりと目の前が霞んで、白いローブに涙の染みをつくる。 悲しいわけではないのにどうしてか嗚咽がとまらない。]
わ…たし……ペラジー……。
[嗚咽まじりに母が生まれる前に名付けてくれた名を どうにか紡ぐのが精一杯
カリュクス…のことは何て呼んだらいいのかと尋ねたのは、落ち着いてからのこと]**
(313) 2018/06/12(Tue) 20時半頃
|
|
〜〜〜過去回想〜〜〜
[レオナルドの家には書斎があった。暇な時は其処に籠もって本を読んだ。文字は小さい頃に趣味で店をやっている近所のご隠居に教わったし、意味がわからない単語を調べる為の辞書もある]
飢饉で食い詰めた継母は、継子を森に捨てようと、父親に提案しました……
継子の美しさが気に入らない継母は、継子を殺すように命令しました……
[そんな風に纏められている童話。でもそれは、真実が歪められた話。ホントウは、実のハハオヤの子捨て話]
………。
[自分を重ねて見ているつもりはない。これらの物語の結びは、めでたしで終わるのだから。
今夜は雨。古傷が疼く。眠っても悪夢を見そうだから、徹夜で本を読んで過ごそう]
レオナルドさんはまだ起きているのかな。
[歳のせいか完徹は厳しい、とボヤいていた姿を思い出して少しだけほっこり*]
(314) 2018/06/12(Tue) 21時頃
|
|
[かたたたき……なんと不思議な響きの言葉でしょう! 残念なことに、熊を銃で撃とうとするもの、罠を仕掛ける者はいても、熊を叩こうとするものは、未だかつて何処にもいなかったのです。]
かたたたたき、て、たのしいか?
[イマイチ想像がつかず、お盆を手にした熊は神妙な顔で言いました。]
もし、するなら、いたくないように、して。 ……あ、こんどで、いいぞ?!
[心の準備が出来たら、そっとお願いしてみましょう。]
(315) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
[ドリベルがハリネズミになってしまったら そっと土に埋めてやればいいのでしょうか? いえいえ、そんなことはありません。]
おで、くまだけど、いえにすんでる。 やまねと、かっこうの、ぱぱとまま おでと、いっしょに、すんでた。
[変身をしなければ、普通の人間として 普通に暮らすことができるようです。]
……ああ、でも、ふゆによわくなる、ことがある。 おでは、さむいと、ねちゃう。 くまと、いっしょ。
[図鑑を眺める旋毛を見下ろし、熊はううんと唸りました。ハリネズミも冬眠するのですが、共倒れはいけません。]
(316) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
[これまでくるくるよく回っていたドリベルの舌は 本をなぞると一気に遅くなったようです。]
よめなくても、どうぶつには、なれる。 どりが、しんぱいすること、なにひとつ、ない。
[への字に曲がった口元に、熊は穏やかに唸ります。 優しく優しく、熊になりたい少年に 人間として生きる術を与えるのです。]
おでが、ふゆに、ねちゃうまで どりは、ゆっくりおぼえれば、いい。
[そこでようやく少年が床に座っているのに気が付いた熊は、裏の納屋にしまってあった椅子を取りに行くことにしました。昔大きな家で暮らしたカッコウとヤマネが使っていた、背の高い椅子です。
図鑑を抱えた少年をそこにちょこんと座らせて、熊は変身の魔法を解きました。]
(317) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
[小さなため息の意味などフェルゼにはわからない。 ただ少しでも役に立ちたかっただけなのだ。
いつもはふてぶてしいフェルゼは消沈する。 守られてばかりだなど、フェルゼの気性が許さなかった。
───魔女の事情を知らない。 己が忌避される意味すら知らない。
世界の在り方を見るには 己の在り方を見るには
魔女の在り方すらも知らない身では わからないことは多く
見極められているとも知らない。]
(318) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
じゃあ…おれもリッキィみたいになれる? りょうりうまくなったら…もっとたべる?
[今日からお前は弟子だと言われても実感は湧かない。 火が扱えるようになるのだろうか。
リッキィみたいに…かっこよく、とは
声には出さなかった。]*
(319) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
― 晩ごはん >>296 ―
いやぁ〜 いい日だいい日だ メルヤ君は成人を迎えるし、僕は研究に目処がついた! 僕の誕生日のことは気にしないで、うん ほら魔法使いの年齢とかあてにならないじゃない? というか吸血鬼は歳とらないからそれこそ関係ないわけだし あぁ言ってなかったっけ僕の研究、うん、吸血鬼になるための秘術 ほら拭いてくれてた棺桶、うんあれに入るの でもここまで来るのに本当に苦労したよ いやそもそもこの研究は先代から受け継いだものだから先代の苦労のほうが多いのかな 先代ってそそっかしい人でさ、研究のために本読み耽ってたら時間足りないからってまず長年かけて解読魔法を習得してね、やっとこさ『リッチ(不死者)』になれる秘術の本を入手して実践したら手にした本間違えてて『金持ち(リッチ)』になっちゃって まぁおかげで僕は触媒の調達とか日々の生活とか苦労しなくて済んでいるんだけどね 受け継いでずっとやってきて理論は完成したけどこれから大変で、なにしろ……
(320) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
[ワインがとても絶妙に回っているようだ。 魔法使いではあるが根が学者なのは確かなのだろう、彼は酒が入るととてもよく喋ったし、とてもよく口が滑った。 メルヤとは逆にワインは甘く感じたし、メルヤが顔を顰めてワインを流し込むさまを見つめてもあまり好感触ではなかった、お祝いだしどうせなら美味しく飲んでほしかったなと。 ただ……。]
あ、うん
おやすみ [ただ……ワインで紅潮した顔は魅力的に見えた。 それを伝える隙も意思も無いまま、寝室に向かうメルヤを見送った。 残った料理と酒は独りで片付けて。 ちょっと腹に入れすぎたことを少し後悔しながら自分のベッドに倒れ込んだ。*]
(321) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
くまだと、じがかきにくい。よみにくい。
[小さなカップにラベンダーの香りのお茶を注いだら男は一緒になって図鑑を眺めて、なりたい動物について一緒に考えるでしょう。 外は山の木々がさざめくだけで、あの悲しく響く銃の音は聞こえません。]
どり、どうぶつなる、ほうほう。 おでの、ち、のむこと。いってきで、だいじょぶ。
まほうのちから、なじむまで、じかんかかる。 じも、まほうも、おなじ。
[甘い蜂蜜を自分のカップに溶かし入れ、男はたどたどしく語ります。]*
(322) 2018/06/12(Tue) 21時半頃
|
|
[リッキィみたいになれる?と聞かれるなら、 表情だけは笑みを作って「勿論さ」と告げよう 実際自分みたいになって欲しいか、って? 魔女は自身の無力さを知っている 人間に迫害されて、同胞にすら呪われて 結界を貼り続けるのも フェルゼの想像の半分は正解、半分はハズレ 本当に逃げ、隠れたかったのは ── ?
だけど、そんなところまで、 目の前の無垢な(たぶん)少年に悟られる理由はない
魔女は ……いや、年長者は。 こういうときは年長者らしく、あるべきなんだ。 ]
(323) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
そうだな、もっとうまくなったら たくさん美味しい美味しい、って食べてやる ほら、まずは胃袋をつかめ、って言うだろう?
[それは別の話だった気もするけれど、それはそれ。]
(324) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
[それからきっと魔法の修行はすこしずつ始まった 最初は魔導書や触媒の扱い方、基本的なところからで いつまでたっても魔法を教えてくれない魔女に 嫌気がさしたりした日もあるのかもしれない、が。
もう二度と、事故を起こさせないため だ 力を扱う、ということは それ相応の覚悟と責任が伴うのだと 力の引き出し方やコントロールの仕方 実際に魔法を扱いはじめたのは、 ………さて、どれくらいの年月が過ぎていたんだろうな ]*
(325) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
[ひとまず上着を脱ぐように命じたのだけれど。 少年は 此方に向きなおれば両腕を広げた。>>302 ───── なに?新手の魔法使い? そこから服だけがシュッと脱げ落ちるの?
期待の眼差しで、視界の変化を待ったけれど 何も起こらない。 いや、少年の顔が赤く染まったか。
彼は赤面した後、慌てて───慌てすぎな程に 上着を脱ごうと試みる。
あまりにも不慣れな動作に、 先程 此方を向き両手を広げた理由に思い当たれば 顎下に、立てた人差し指を ぽんぽん、と当てながらニンマリと ]
(326) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
手伝いましょうか? おぼっちゃま 全部、ぬぎぬぎさせてあげましょうかー? [意地悪く声を掛けたところで 少年がベッドへと近づいてくる。 本当に脱がせて欲しいのだろうか、なんて。 当然 そうではなくて──── 渡されたのは、ずしりと重い皮袋。>>303 ] ふぅん…… [少年が、再び上着と格闘を始めたのを横目に 革袋を開けてみれば 中には金貨。 ──── 1年ぐらいは普通に暮らせるほどの。 其れと一緒に入っていたのは 一通の手紙。]
(327) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
刻印? そうねぇ……… ヘタすれば、死ぬかもね
[視線は手紙へと動かさぬまま、 質問が飛んで来れば>>304 適当に返事を。 細心の注意を払うつもりだから 実際は 痛みなど感じないだろうけど。
少年が上着を脱ぎ終えた事も気付かずに 手紙に記された文面を目で追っていく。
当面の生活費を入れてますので もし親切な方がこの子を拾ったなら よろしくお願いします──── そんな文面 ]
(328) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
ほーんと アタシみたいな親切な魔女が 拾って良かったわねー [手紙に向かって にたにたと笑いながら うんうん頷き、呟いて。 しかし──── そのまま読み進め、 最後の文面を読めば目を大きく見開いた。
そして顔を上げれば、 上半身裸の" 少年 "を見やり、問う。 ]
(329) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
ラルフィーネ? それがキミの本当の名前────?
(330) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
[" 訳があり男として育てられてはいる " " 確かに女の子 " 文の内容に 少し驚きはしたけれど。 己も似たようなモノだ──── むしろ訳ありな分、己よりも真っ当か。
さて問題は───── 少年自身、本当は女の子だと自覚しているのか 男の子だと思い込んでいるのか。 " キミは本当は女の子? " なんて問いも足しておこうか。 ]*
(331) 2018/06/12(Tue) 22時頃
|
|
[まだ幼いフェルゼから見れば リッキィは何でも出来るように思えた。
この魔女が自分のように”何か”から逃げたいなどとは 夢にも思っていない。
少なくとも8歳の少年にとって 彼女は───…もっとも身近な”おとな”であった。
だから彼女の思惑通り 何も悟ることは出来ない。
静かな尊敬の念も表に出すことはほとんどない。]
(332) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
……それ、まえに本読んだけど すきな相手、とかだからリッキィちがうし…。
[あっさりと首を振った。]
じゃあ、リッキィは今日から おれの師匠でもあるんだな。
……師匠、よろしく。
[ 小生意気な性分の少年にしては珍しく珍しく 無邪気な、少し照れ臭そうな笑みを浮かべて握手を求めた。]
(333) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
[────…魔法の修行は楽しかった。
最初の内は、だった。 いつまでもいつまでも基本の基本。序の序ばかりで すぐに文句を垂れはじめることとなる。
そもそもどうして魔法が使えるのか。 フェルゼは結局考えには及ばなかった。 だがリッキィの言うことに文句は垂れても
投げ出すような真似はしなかった。
力の引き出し方や コントロールの仕方を覚えるまで更に月日は流れて 魔法を覚えだしたのは
──20歳を過ぎた頃になっただろうか]*
(334) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
いえっ、フローラさまの手を 煩わせるわけにはいきませんので……!
[ ぬぎぬぎなんて、子供扱い。>>327 いやまだ子どもなのは確かなのだけれど、 これからは今までのようではいけないのだから。
それでも良いよ、と言ってくれたなら 甘えてしまいそうになるところだけども。 それはそれ、甘え過ぎてはいけない気がした。
自分は、拾われた身なのだろうし。
けれども。 ]
(335) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
…………。
[ へにょ、と眉が情けなく下がった。 だって死にたくはないのだもの。>>328 全幅の信頼を置くにはまだ出会って間がない。 それでも文句を言わないのは、
自分は彼女のオモチャと決まったから。
鍛えられていない柔らかな肌を晒し そんな時に向けられた問いかけには きょとん、と目を瞬かせたけれども。 ]
(336) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
………そう、なんですか?
[ 自分自身の本当の名前。>>330 それは自分でも知らなかった。 知らなかった、し、 ]
大人になれば教えてくれるって、 母さまが。 でも、なんでそんな女の子みたいな…?
[ 愛称がラルフなのだから、 ランドルフとかそこらかと思っていたのに。 怪訝そうに眉を寄せればさらに 君は女の子?なんて!>>331 ]
(337) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
お……、男、です! あの……確かにまだ、生えるの遅いけど、 そんなの人それぞれだって……!
[ 真っ赤になりながら眉を吊り上げ わなわなと拳を震わせた。 何が生えてないのかは推して知るべし。 ]
……女の人の胸だって、 大きさは人それぞれだし、 大きくなってから育つでしょう? 女の子みたいな名前だからってそんな、 フローラさま……。
(338) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
[ そう言うフローラさまの胸は 一見ぺたんこに見えるのか。 どちらにしたってそこを凝視せず 気まずそうに、だが不満げに それを口にするのだ。
自分は男の子なのだと。 ]*
(339) 2018/06/12(Tue) 22時半頃
|
|
[胃袋掴む、にはあっさりと否定。>>333 無論、こちらからもこんなガキんちょ願い下げだが それにしたってあっさりしぎやしないですかね 魔女はぴくりと片眉動かして、感情を示す ]
うむ、師匠と呼びなさい
[……………優越感。悪くない。
なお、それがいつのまにか師匠ではなく、 なんだか段々と無礼な呼び方になっていくのは このあと訪れる、日々のお話。]
(340) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[少年は年相応に成長を続けた やがて数年後には魔女の背丈を越し、 いつしか見上げる存在(物理)に変わっていった
どうして歳を取らないのかと、 彼に聞かれたことはあっただろうか
もしあったとしても、 「そういうものだ」と答えただろうし 「若さは素晴らしいものだぞ」と説いたかもしれない ]
(341) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[決して魔女は語らなかった。 それが呪いによるものだということを。 もし少年が魔法を自在に操れるようになり、 他人の魔力の感知までできるような素質があるのなら
……やがて、それは厄介な魔法で雁字搦めになっていること いつしか気づかれてしまうのかもしれないけれど。
そして魔女は、語らなかった、だろうか。 「好きで、この歳で居るわけではないのだ」と。 深く、深く、問われることがなければ、きっと。 それはまだ、20を過ぎた青年にも、知られていない儘。]*
(342) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[ガストンの説明を聞く限りでは どうやら、ハリネズミに変身したとしても 穴の中で生活するわけではなさそう
それが分かっただけでも一安心 うっかり生き埋めになる危険だけは すくなくとも、避けられたわけですから
よかった。なんて心の中で大きく息を一つ]
(343) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[一つ安心したとはいえ 疑問のタネはまだまだあります。
たとえばそう、魚になったらどうしようとか 希望通りに熊になれたとしても 子熊の状態から大人へと成長するものなのか それとも、最初から大人の熊の姿がなのかとか。
そんな疑問の一つ一つはもしかしたら 熊にとっては他愛のないことかもしれません 聞いたら笑われてしまうかも。
それに、なによりあんまり質問ばかりしていると 小さい子みたいだと思われそうでしたから 残りの質問は、胸にしまうことにしましょうか]
(344) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[動物の姿に変わることと、文字を読めること 二つの因果関係はどうやら特にない様子。
冬になって、ガストンが眠るまで それまでに覚えればいいのだと分かったなら だいぶ肩の力も抜けてきました。
背の高い椅子を運んできてもらったなら ちょこんと座って、足をぷらぷら ガストンが人間の姿になるまでの間も しっかりと図鑑を抱えて離さずに]
(345) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
クマだと書きにくいの?
あー、たしかに おっきいペンがあればいいのに
[これもまた、熊の大変なところなのでしょうか。
膝の上で図鑑をぱらり どのページを開こうかと少し考えて やっぱり開いたのは、熊のページ。
今までは、動物といえば犬や猫が好きでした でも今は熊の方が好きになっています。
強いだけではなく、ガストンと一緒がいい そう思うようになってきたのですけれど]
(346) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[動物になる方法。
たどたどしく説明されたそれに カップに伸ばしかけた手が止まってしまいます]
血をのむの?
でもさそれって、痛いじゃん 一滴だって、怪我するんだよね?
[ちょっとだって、怪我は怪我です
動物にはなりたい。その気持ちは変わりません でもそれで彼が痛い思いをするのなら それはやっぱり嫌なのです]
ねぇ、他の方法はない? 長い呪文だって、ボク覚えるよ
それか、人間のままここにいたら……
(347) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
|
[ポロポロ、川辺では出てこなかった涙が 次から次へと溢れてきます。 手の甲で拭って、カップのお茶を一気飲みしたら]
やだけど 他にないなら、やる
[スン、と鼻を鳴らしました*]
(348) 2018/06/12(Tue) 23時頃
|
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
[メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報
プロローグ
1日目
2日目
エピローグ
終了
/ 最新
視点:
人
狼
墓
少
霊
全
トップページに戻る