278 冷たい校舎村8
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キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2020/06/22(Mon) 00時頃
──午前8時50分
そしてまた、新たな今日が訪れる。
歪に膨らんだ校舎のどこかで、
またひとり、ふたりと誰かが消える。
阿東礼一郎と福住誠香が見当たらない。
(#1) 2020/06/22(Mon) 00時頃
そして、5度目のチャイムが鳴ったとき、
君は理解しているはずだ。
──ここは、君の世界。
すべて、君が望んだものだった。
君が望んで、作り上げたものだった。
どうかな。二度目の文化祭は楽しかった?
ごまかさなくていいから、本当のことを言いなよ。
(#2) 2020/06/22(Mon) 00時頃
……どちらにせよ、決断の時はやってきた。
もう今更だから、正直に言おうか。
君の作り上げた世界は有限なのだ。
気づいているだろう。
もうじき、誰もいなくなる。
君以外誰も、この世界に留まれやしない。
だから君も選ぶのだ。
悩みはない、けれど誰もいない世界に一人留まるか、
痛みや苦しみ、悲しさと、そして、仲間の待つ世界へ帰るか。
もう時間はあまりないけれど、
どうか君にとって悔いなき選択を。
(#3) 2020/06/22(Mon) 00時頃
冷たい校舎の時は────、
(#4) 2020/06/22(Mon) 00時頃
[縄張りを守る黒い馬が、虚構の世界から消える。
ちゃんとしてる委員長だなぁ、って思ってたし、
実際どこにも澱みは見えなかったから凄いよね。
嘘は誰にもバレずに突き通すもの。
当然あなたのほうが正論だったし、耳が痛くてしょうがなかった。
くだらない理由で死を選んだことが明るみになったら、
その時はスッキリした顔をしてくれるんでしょうか。
やっぱり理解できないって頭を抱える?]
[原稿用紙を睨み続ける深緑色のフクロウが、虚構の世界から消える。
作家としてより、気安い友達だという印象のほうが強くて、
素直で可愛いなぁって思ってた。
何かを証明しようとしていた、その結果はどう?
嘘が真実になることもあるって、たぶんあなたが一番知ってたんじゃないかな。
わたしからのファンアートはどうか、本来の作者に届けてくれたらいいな。]
[すべてを失ったわたしにとって、眩しいほどに大切なものでした。]
[信じてくれることを疑っていなかったけど、責められることを恐れていました。]
[でも、今まで生きていたから、かけがえのない思い出ができました。]
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