266 冷たい校舎村7
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キーンコーンカーンコーン…………
(#0) 2019/06/14(Fri) 00時頃
──午後8時50分
規則正しく時計の針は進み、
冷たい校舎は2度目の夜を迎え、
4度目のチャイムを響かせた。
今なお吹きすさぶ冬の嵐は、
一向に収まる気配を見せず、
深く、暗い夜を運び来る。
(#1) 2019/06/14(Fri) 00時頃
そして、もたらされた夜の代わりに、
また校舎から消えた2人。
柊紫苑と宮古瑠璃が見当たらない。
(#2) 2019/06/14(Fri) 00時頃
[覚えていますか。遅すぎる四月一日。
春の日差しの中現れたあなたの足取りは
どこまでも羽のように軽やかで、
ちょっとばかり重石がないと、どこか寂しそうだった。
宮古瑠璃。
青空と春の花がよく似合っていたよ。]
あんまり寂しい思いをしないようにな、みやこさん。
[野良犬からの心配はいらないと思うけど
痛いなら痛いといってもいい、なんて
そんな慈悲をくれたものですから
俺は、ちょっぴりあなたの背中が好きです。
なんにも背負っていない
ただの人でしかない、小さな背中が。]
[よくイヤホンをしている姿が
整って微笑みのよく似合う顔が
少し浮世離れしているようにも見えていて
あなたが作った音響は、真に迫るようだった。
柊紫苑。
あなたは誰に忘れられることを恐れますか?]
素敵な名前。ってずっと思ってた。
[こんな世界から出るのを嫌がったあなた。
きっとここが好きというわけじゃなかったと思うけど
俺はここにいるあなたが好きだった。
笑う以外の表情もちゃんと覚えたので
来世は、親しくない仲からお友達になりたいものです。]
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