246 とある結社の手記:9
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[すっかり役に入り込んでいるロイエにわらって]
じゃあ、スージー。
頼んだぜ。
やーったあ。
では任されました。
役割分担、役割分担。
私は人を殺すおそろしーい狼さん役です。
[役も何も、な事を言いながら。]
霊能者も占い師も、
食べられないように気を付けてね。
[勿論、本物の霊能者は、ロイエだけのものだけど。]
――― は。
[ともにサイモンの遺体を見た男が
こうして名乗り出た。
ルパートは、楽しそうに小さくわらった。]
えーと、えーと、
うらないしがさんにんで…
れいのーしゃも、ふたりで、
あしたにはさんにん………
[頭の中で指折り数える]
()()
[ ――――ハァッ
――――ハァッ
――――ハァッ
ジュルルルルッ
――――ハァッ
――――ハァッ
涙や鼻水やヨダレで、ぐちゃぐちゃと音をたてていた。]
あっはっはっはっはっ。
いやあ、笑い話がとまらんな。
["襲撃するなら俺を"とばかりに名乗りでたユージン。]
……ほほぅ…ほほぅ……
……これは、これは……なるほど?
……つまり、皆…だれかに庇うために"嘘"を…?
それとも、他に思惑が……?
皆食べられたいなら、
最初からそーいってくれたらいいし、
皆食べられたいなら、
人狼退治なんてしなくっていいんじゃない?
食べてくださいって言われてるんだもの。
[勿論前提条件が違うのは解ってはいるんだけども。]
わかった、わかった。
みんな死にたいなら列になってくれればいい。
しかし、そんなことなら、
いかにも「能力者です」なんて死なずに
人狼です、と言ってしにゃあまあるく収まったのに。
結局どいつも、人間を
"助けたい"気がないのかねぇ………
……あたしは、黙っていたほうがいいです、か?
[出ないほうがいい、と言われていました。
てっきりそれはユージンさんもだと思っていたので、驚いたのですが。
同意する前に問いかけるくらいの落ち着きは、残っていました。]
はーあ、おもわぬ形で
よりどりみどりになっちまったな?
[食べるつもりでたらふくご馳走を与えたマリオもどうしてやろうか。]
けど、おれとしちゃあ、やいのやいのと
「おれをくえ、おれをくえ」と言ったことで、
だーれにも守ってもらえず
むざむざ殺される子供ってのも
教訓じみてて嫌いじゃあないさ。
……… ロイエ。やっぱりおまえの仕事は完璧だ。
リンダお嬢様はひとり。
[傍らのモンドをちらりと見遣って]
モンドはリンダおお嬢様を守ってくれるかねえ。
まったくよ。
ラルフだって、自分は人狼だから殺してーっていってたら、ひきとめられはしたけど結局は死ねたでしょーに。
[ねー。と言いながら。人狼三人分で、この騒動は終わるはずなのだから。死んでも良いのならそう言って、人狼のふりして身代わりになってくれたらいいのに。]
私は死にたいなら殺してあげてもいいんだけど、
もうマリオをたべるつもりだったしなー。
[はー。と息をひとつ落とす。考えていたことではあったけれど。]
うん。そーだね。
…… 今日のところは、そうしてて。
なんかあったら、お願いすることがあるかもだけど。
[わたわたさせてごめんね。と、添える声は少しため息交じりになった。]
[モンドがほんとうにそうかはしらないけれど。"結社員がいるからこそ来た"とまで言うのだから。今は試しに信じてやってもいいじゃあないか。彼のいうことには、20年ぶりにこの人狼に会いにきてくれたってわけだろう?]
……それだよ。
おれもすっかり、マリオを食べる気になっていたから。
……あっはっはっはっ
人間たちは人狼の腹具合なんざ知りゃしねえだろうから、
しょうがないんだけど。
そうだなあ。
じゃあ。
………期待に応えて。
おれはユージンでも殺しににいこうかな?
おまえは好きなものを好きなように食べなさい。
同じ獲物でもいいが、久々に競争でどうだい。
[のんびりとスージーに話しかけて、ポケットの中の投票用紙を確かめた。]
わかりました。
……ところで、どうして今名乗りあげに行かれたんですか。
票をもらわないために?
[あたしたちの力は、片方が欠けてしまってはお話になりません。
もし、占い師とその占った先、それから霊能者も票を入れないとすると6人も欠けるのですから、偏りが出れば誰が失われてもおかしくはありません。
ただ、そうするとあたしが黙っているのは危ない気もするのですが、出ない利点もなんとなくはわかりましたので、そこは触れませんでした。]
でしょ?
あら、それも楽しそうね。
じゃ、競争しましょう。
うーん、ルパートさんに勝てるかな〜?
負ける気はしないけどお〜。
私は予定通り、マリオを狙いに行くわね。
勝負がついたらそこで連絡、負けた方は踏み止まる、と。
じゃあ、そういう手はずでいこう。
お互い食いたいものを食う。
先に食ったら、先に手を付けた方が勝ち。
……――まだ、深い夜まで少しあるから。
獲物を変えるのも、また自由。
距離で選んだっていいぜ。
ははははは。おれも年寄りだからな。
おまえの脚に敵う気はしないが、なにせここは俺の家だ。
オーケー、耳は立てておくわ。
たぶん、もうこれ以上はなにもないとはおもうけど。
あ、あと、勝っても負けても山分けね!
そのためにスープしか食べてないんだから。
[保存効かないのが勿体なくて]
距離だったらラルフだけど〜〜、
そのうち名前書きたいわよね。
本当に、“迷った時“に。
[()()]
……ええ、ええ…ご明察通り…
ピスティオ様が人狼モンド様を告発し、
わたくしが彼を人狼と証言すれば……
ピスエィオ様とわたくし、2名の信頼は…
…確固たるものに……。
となれば…わたくしは、か弱き霊能者。
人狼が告発されないうちは……ええ…
恐ろしい人狼から逃れるために…
様子を見ながら…震えておりましょう。
うん。まあ。
妻なし子なし家族なしのおじさんとか、
ふつうに、票とか入れやすいから。
[票をもらわないために。それに肯定を返す。]
あとは。まあ。
… … それこそ誤解してくれたら、
ぐらいかな。
[後半少し、ため息交じりにそう言った。]
ふふふ、そーなるのが楽しみ。
ひっそりひっそり。
隠れてすごすのは得意だものね?
はーあ。 今日はうまいこと、
ワンダさんになるといいんだけど。
ま、ラルフがつれてかれるなら、
それはそれでしゃーないかって感じね。
そんなこといったら、あたしだって。
夫も子供もいやしませんし、家族はみんな出払っています。
……だめです、よ。そういうのは。
殺人者には、なるべく、なりたくないし、させたくないですから。
[誤解を生ませたくはありません。誤解されていいことなど、どこにもないと思っていました。
今あたしたちに必要なのは、真実だけですから。]
()
[その目が求めているものは――]
……リンダ。
女の子には、いれにくいけどね。正直、オレは。
… ちゃんと、守ってあげれたらかっこいいんだけど。
[甲斐性なしの、酒と女と食事を人生だと言った舟守は、
少し困ったように笑った。]
そうだね。… うん。 ……見え方次第だから。
どう転ぶかちょっとわからないし。
状況によったらパトリシアの方が、
… 大変になったりはするかもしれないし。
そういうトコは、迷惑かけちゃうねえ。
[だから。ごめんね。と、小さく付け加えて]
(……どうか、わたくしに…やりとげる勇気を…)
[一番大切なことは、なにか。
ロイエは、決断を迫られていることを自覚していた。
護れるものは、少ない。選ばなければならなかった。**]
[そうして、それはいつの時間のことだったか]
…ねー。パトリシア
[酒入りの、ぽつ。とした声がある。]
…… 寝るとき、よかったら。
子守歌がききたいな。
あれ、結構 好きなんだよね。
落ち着いて、よく眠れて。
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