131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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く、クラウディア卿!
こちら…………
[聖堂に広がる魔の沼に、彼女への報告をせんと、言葉を放ちかけて。]
…………いえ。
聖堂に蔓延る闇の者は、聖都へと及ぶ前に。必ずや、この手で浄化致します!
この命に代えてでも……!
[広がる闇の気配に、言葉を止める。
より尊く、より力ある卿や聖上の手を、煩わせまいと。少女は、その言葉だけを残して。]
……レティーシャ。
いえ、なんでも無いわ。
[そう、彼女を自分達の為の戦力として洗脳したのは自分だ。
今更彼女の身を心配するなど……どうかしてる。]
期待しているわ。
聖都には近づけさせないで。
勿論です、クラウディア卿。
[名を呼ぶ声音に、答える誇り。
例えその呼び声が、自らの記憶が、偽りであったとしても。
あのまま、スラムで生きていたよりも。きっと……。]
/*
業務連絡ー
今のところ、襲撃イアンの投票レティーシャにしてあるよー。
/*
了解です、終始どっち付かずな狂人で申し訳ございませんでした。
光の御世に、幸いあらんことを……。
/*
まだ、ドナルドは気を失ってる状態みたいだけれど。
もう殺しちゃうの?
/*
片手+片足切断+毒状態で武器は私が持ってるんでどうしたもんかと。
/*
レティだけ生かしても良いなら、あたしが介入するけれど。
どうしましょ。
/*
自ら重傷化して来たのとである程度覚悟は出来てるかなと見て、
戻って来てからの動きを見て逃げようとするなら逃がそうかとは
思ってますが、こちらから積極的に逃がす方向にはいかないかな。
オスカーやブルーバード逃がして、ドナルドまで逃がすの?って
感じになるので。
/*
無論私の方はどのような結果になっても対応します、が……完全に胸貫いてたので、イアンだけ残るケースが一番辛そうかな、とは。思う。
/*
むしろクラウディア様がドナルド連れて行きます?
子供達の為に洗脳させるとか何とか理由付けて。
レティとイアン同時落ちが美しいのは同意ですので。
/*
それで良いなら、私が介入してドナルド連れて行くわ。
/*
ではその方向でお願いします。
襲撃はパスにしておきます。
[それでも。
叶うならば、どうか。]
――――…………ドナ兄。
――――ドナ兄は、……生きて……。
[闇に溶ける最期に、光に乗せて無意識に呟いた。
光も闇もない残酷なエゴ、と、知りつつも。願うは、兄のように慕った彼の、無事*]
[それが、例え。
彼に取って、どれほど残酷な願いになろうとも*]
― 堕ちゆく意識の中で ―
[懐かしい顔を見た。]
(アマネ…、お前がいれば)
[理性が残っていても躊躇わずにあの少女を喰えただろうか。
人のままで死にたいなどと思わなかっただろうか。]
(残念だ、死ぬ前に一度)
[会って、くだらないと笑い飛ばされたかった。
喉に手を突っ込んででも吐かせてやると言ってくれたのに。]
(…俺は結局、どちらにもなれなかった)
[それでもきっとそれを受け入れてくれたであろうアマネ。
変わる姿を見られたくなくてカーライルから逃げたのに。
それでも会いたいとずっと思っていた。
彼がここに捕えられていたと知っていれば動いただろうか。
きっと無謀にも飛び込んでいただろう。
そうしていたら怒られただろうか、それとも笑っただろうか。
その姿を見たかったと、ほんの少しだけ悔やむ気持ちはあった
それでもここで終わる事を選んだのは自分。
後悔はここには存在していない*]
アマト!! 聞こえるなら応答しろ!!
ヘクターを止めるんだ、あいつ頭に血が上っている!!
…………ティソ…………何だよ、まだ俺に……。
[忘れていた。この精神共鳴がまだ途切れていない事を]
…………だとしても……俺はもう……。
ヘクターの騎士である「資格」を放棄したんだ……。
………………。
放棄してんじゃねーよ!!
そうやって大事な人を失ってさっきみたいに八つ当たりか!!
いじける暇があったら今うごけよ!!
お前が呼びかければまだヘクターは平気かもしれない!!
俺の声じゃだめなんだよ!!
お前じゃないとだめなんだよ!!
[同時に気づいていた。感じていた。
この精神共鳴はティソとだけの物じゃない、後ひとりがいるのに。
ずっと、その彼からの声が途切れたままであること]
…………。 。
[関わらずにはいられない、放ってはおけない。そんな既に捨てた本質の「アマト」がもし、聖堂のその場所でその姿を見ていたなら。どうしただろうか。
奇しくも兄が口にした様に、口の中に腕をぶちこんででも止めた可能性もあるかも知れない。彼がそんな己を望まぬ様でいたなら]
…………………………。 …。
[だけどもう道は違えられた。全て黒く染めると決めたから。
大切な家族の友人という、その人が既に終わり行く存在だとしても。
一抹の後悔は…きっとない]
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