267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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─────、……
(180) mayam 2019/06/25(Tue) 00時半頃
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[ 忘れなくなった記憶を手繰って、鮮やかな庭。 ]
(181) mayam 2019/06/25(Tue) 00時半頃
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[ 機嫌だって何時も通り悪く、 此処まで連れられる間も終始無言で、 ……まあ 色が増えたのは 気晴らしには良いのかもしれない。
硝子を通って その向こう。 ]
(182) mayam 2019/06/25(Tue) 00時半頃
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[ にんげんは移り気で無責任だから、 きっとわたしだって、興味が薄れてきている。
うつくしいとは 思えど、 何時かのあの夜に願った時は、 …………信じていた 筈だけれど、 ]
(183) mayam 2019/06/25(Tue) 00時半頃
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[ しらぎくたちの前、 車椅子に座ったわたしは、手を伸ばし、 ひとつ摘み取った。 花弁いちまい、咥えて、 取り戻すみたいに 千切って、
呑み込んで。 ]**
(184) mayam 2019/06/25(Tue) 00時半頃
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[ 植えられなかったさくらの苗は、 この窓の向こう、 針葉樹の林の、 交ざらない何処かに ひっそりと据え、
────10年の先を 夢見ている。*]
(185) is0716 2019/06/25(Tue) 21時頃
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[ あじさいの葉は、 見た目よりもざらつく。 ──── 視界と触覚が別を伝えてくるので、 何だか、新しい発見でもしたかのように、 興味深げに 指先を這わせていた。
葉から、 茎、 然して柔かな蕾へと。 ]
(186) is0716 2019/06/25(Tue) 21時頃
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…花って、綺麗なだけじゃないんだよね。
[ いまさら、とでも言うべき呟きを 誰に聞かそうというわけでもなく、 唯、 ぽつん と 宙に浮かせた。
この視界になってから、 ばらには良く刺されるし、 葉や花の付け根に棘を持つしょくぶつが、 案外多いことに気がついた。
色のない世界に、結局は、 慣れつつあるおとこは、 …楽しんでいる、 わけではないのだけれど 世界のうちに 真実 を 捉えている。 ]
(187) is0716 2019/06/25(Tue) 21時頃
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[ 連れ出してきたのは、 やっぱりおとこだった。 半分はかんじゃさまを脱している"かんじゃさま"を "それ以外"の理由で構うせんせいは少なく、
人体のせんせいから遠く、 …半分は、かんじゃさまに足を突っ込んだせんせいは、
唯、 暇潰しに 気晴らしに、 中庭まで。 ]
(188) is0716 2019/06/25(Tue) 21時頃
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[ 葉を一枚、手にして、 振り向けば、 "様式的"な 姿。
戻った として 戻れない ことを ──── ほしはかたるから、 ]
今度は食用菊でも植えてみる?
[ 茶化すよに、 騙るばかりで。]
(189) is0716 2019/06/25(Tue) 21時頃
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[ 多分、きっと、─── 絶対に、 わたしから命を吸ったしらぎくは、 食んだところで戻ってきてくれない。
いろを 見せたところで、 香りを 纏ったところで、 只綺麗なだけだったら、 淘汰されずにここまで生きていないでしょう。 只 綺麗なだけだったら、 あんな風にわたしから なにもかも奪うことだって無かったでしょう。 独り言はもうひとつ、 花弁を食んで 聞き流し、 ]
(190) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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[ ぷつ 、と 切り離したところで、くろいろと合った。 ]
(191) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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───…………、
[ 茶化されようと笑う気が起る筈無く。 ( そんなことあったら本当に"おばかさん"だ! )
何時も通りに、片手で正面に招き、 寄ってきたすがたの そのくちびるに、 咥えていたいちまい、ゆびさきで突っ込んだ。 ]
(192) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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在る筈のものが ない とか、
そんなこと ちっとも気にしていないので、
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[ ゆびさきをほんのすこぅし埋めた後、
─── 未だ、ほんとうのにんげんだった頃、 気紛れにした あの仕草を、
くちびるを、閉じるように 伝ってしまって。 ]
(193) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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─── あなた、十年経っても その可愛く無いくちは変わらない気がするわ。
[ "そういうところがきらいよ。" 足して、しらぎくを手渡し、 ]
(194) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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……どうせわたしも このままで、 中身だけ歳を食うのでしょうけど、
あなたはちゃんとにんげんなんだから、 さくらを見る頃にはおとなになりなさいな。
[ ちぃさな患者に仲間意識を持たれる とか、 実際あるのだから笑えない。
それだって、 周りだけ変わっていく光景が何時かあって、 ……正直な話、夢にすら見たくない気も して。 ]
(195) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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そうじゃないと あなた、
何時か わたしから離れる時が来ても、 おばかさんのままなんだから。
[ 色彩から 片側を逸らし、 ]
(196) mayam 2019/06/25(Tue) 23時頃
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[ この中庭には 繊細なしょくぶつばかりだと思っていた。
少しでも茎に傷を付けたなら、 其処から萎れてしまうような、 肥料を濃くしてしまえば、 直ぐにでも根から腐り落ちるような…
──── 唯、 このあじさいの葉ひとつとっても、
間違って口にいれようものなら、 丸一日は苦しむことになる。]
(197) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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[ そんなことを知ったのも、 書物に触れるようになってからだ。
しょくぶつのせんせい、なんて名ばかりも甚だしい。
呼ばれる、 と 同時、 足跡のよに 葉が落ちる。 ]
(198) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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[ なあに、 と 紡ぎかけたうすい唇は、 完全に防御能を失っていて、 抵抗もなく、 ゆびさきを受け入れ、 ]
(199) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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[ 触れるものは薄く開いた歯のみで、
──── 咥内に"おちる"よに 花弁を残す。 ]
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[ 口のなかに入ったものを、 押し戻す其れも無いから、 伝うゆびさきに、 大人しく従う。
従順な こどものよう。 見た目は逆だっていうのに、酷く自然に。
そのあと、 だって 子離れを促す親のようだ! ───知らないけど。 ]
(200) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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ふふ、 おとなになるってなんだろね。 十年経ったところでどのくらい変わるのかな。
── 外に、 出られるようになってたら良いのに。
(201) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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[ それだから、 中途半端な"こども"は、 おとなってなぁに? なんて 質問さえしてしまって
同時に、 とおくのゆめをかたっていた。
遠くからでは、 きっと、 さくらの " しろ "は見分けられないだろう。]
(202) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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それこそ、 ほしに願わないといけないかなあ…
[ "ササ"というしょくぶつに、 願いを下げてみようか、 それとも もみの木にでも飾ってみようか。
─── 死に行くほしでなければ、抱えてはくれないか。
幾つか指折り数えてみるも、 くろいろの空を翔しる其ればかりが、 信じられる何かにも思えて、
手の内の、数枚欠けた真実の白を 人工日光に掲げた。**]
(203) is0716 2019/06/26(Wed) 00時頃
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[ おとな、なんて なんなんだか。 わたしも言ってしまえば中途半端だけれど、 素知らぬ顔で。 ]
(204) mayam 2019/06/26(Wed) 21時半頃
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─── 此が通るような場所なのかしらね、
[ 足元の車輪を 指さし。
其れこそ 十年以上出ていない場所なんて、 どう変わっているかも、分かったものじゃあ無い。 ]
(205) mayam 2019/06/26(Wed) 21時半頃
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[ くろいろを見上げて、思う。 ゆめを語るうちはこどもなのだろうか。
……わたしが"こども"の時に、 おんなじようなゆめを抱いたかと言われれば、 さあ と、答えるしか無いけれど。
さくらのゆめは未だに見られないから。 ]
(206) mayam 2019/06/26(Wed) 21時半頃
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……さくらが咲くよりは 先に 星が降るんじゃ無いかしら。 知らないけれど。
[ 空を見上げた。 くろいろに、陽光がはしり、 ]
(207) mayam 2019/06/26(Wed) 21時半頃
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