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そうですね。
私が生まれた時に、私だけの石として両親が誂えてくれたもの、ですから。
[
大切にずっと肌身離さず持ってきたのは、高価だから、だけではない]
これには、私の意に沿わぬままに奪われたり、盗まれたりすれば炭に変わってしまう呪が掛っているんです。
魔法などで成り代わりなどが出来ないように、私が私である証でもあるんですが…
私以外がこれを持っているのなら、それは私が、正気のまま、自分の意思で渡す他無いんですよ。
[そ、とペンダントを伯爵の骨の手に乗せれば、ちゃり、と小さな音が立つ。
そのまま私が手を引いても、透き通った輝きは変わらぬまま]
私が居た国との交渉をなさるのが、伯爵ご自身でなくても。
直接対面される方に身につけさせておけば、私がもう戻らない事が両親にも伝わるはずですから。
[どこまで察せられるかは分からないけれど、少なくとも魔に身を寄せる事になったことは分かるはずだ。
悲嘆か、軽蔑か、それ以外か。両親の心を翳らせることになるだろうとは思うが、報せるならきっと、早い方が良い。
私も、ずっと心に未練を残したままでは居られない、それに]
……私の、すべてを貰って下さるなら。
私の一部であるこれも、貰って頂きたいんです。
[私の心が貴方にあると、目で見て分かる証を持っていて欲しいのだと我がままを言った*]
ふむ、成程。そういうものでしたか。
[何か呪的なものが施されてる装飾品だとは思っていたが特に戦利品の一部として徴収はしていなかった。
元は五年も働ければ自国に帰ってよいというとこからだったからで]
大切に育てられたのですね。
[あるいは利用されないためでもあるか。と、自分である証である。というものと聞く。
そんなペンダント
でしたら交渉の際には利用させていただきますね。
とはいえ、こちらからは特に譲歩する理由がありませんので、レディの両親を納得させるものにはなるでしょう。
[それはレナータの家族での一種の決別となってしまうが、彼女の両親がどのように感じてしまうかは骨伯爵には興味が薄かった。骨伯爵にとって領民や忠を尽くすものなど優先順位が確りとあるのだ。そこまで憂慮してはいられない]
そういわれたら、いただかないわけにはいきませんね。
ええ……レナータの全て、私がいただきます。
[レナータの我儘な願い
[ 黍炉が頭を擦り寄せて来る。
いっそ無邪気なほどの仕草だった。]
どっちが子供だ。
[ 押し負けたように身体を開く。
腕よりもっと近いところを枕用に明け渡す。]
[ 耳元で黍炉がささやく愛の言葉に、ふ、と息を吐いた。
どれも、これまで与えられたことのないものだ。]
食わず嫌いはしないでおこう。
[ 持たざる者だと侮られてはならないと、平静を装う。]
全身全霊には、全身全霊で応える。
それが礼儀だ。
[ 新しい名の響きは、すんなりと魂に馴染んだ。
滑らかなオパールを連想させる共感覚。]
…黍炉の砿矢
[ 呟いてみて、その音のいいのが気に入ったが、
一瞬後に、何を言ったんだ自分はと、動揺の遊色を踊らせた。*]
ふ、ふふ。
[彼の懐に潜り込んで、肩の窪みに頭を乗せて、収まり良くしていた体が笑いに揺れる。
愛の告白にも冷静な態度を崩さなかった彼の口から、そんなことが聞けるなんて。]
黍炉の砿矢。
そうだね。私の可愛い子。
[たまらない、と笑みが溢れてどうしようもない。]
さあ、ほら。
接吻けておくれ。
おまえと私の、新しい絆の印に。
[笑み蕩けた顔を上げて、誓いの接吻けを要求した。*]
[
大切に育てられた、と聞けば少しだけ翳りが浮かんだのは両親の胸中を思って]
…そう、ですね。
政略の意図も、あるのでしょうけど。
[悪意をもって操られたりなどの予防も含めての呪だとは教えられていた。
けれど、それ以外の理由もきっとあっただろう。
名家というのは綺麗ごとだけでは成り立たないものだ。
だから、この石が伯爵の手に在ると分かるだけで、両親は私を見限るだろう]
ありがとうございます。
[私の願いを聞き届けてくれた伯爵がペンダントを身につけてくれたのにまずはお礼を言ってから]
…お仕事の手を止めさせてしまって、ごめんなさい。
[執務の途中だったのに、邪魔をしてしまったことを謝って。
布だけを纏った身体が感じる肌寒さに、そろそろ服を着ないと本当に風邪をひきかねないと頭を過ぎった*]
何もしない約束だぞ、
[ 今更ながら抑止にかかる。
けれど、心から楽しそうな笑みというのは伝染する性質があるものだ。]
…っ、調子に乗るな。
[ 押さえ込む動きで黍炉の頭を抱える。]
[ お互いに目を瞑っていても、唇はうまく合わさるのだろうか。
考えるより動け、とは武人の基本。
己の欲するままに振る舞おう。*]
むしろなければ頭の中を疑わなければなりませんよ。
[親とは別に、政に携わるものとしてのこと。
ただの綺麗ごとだけをいうようなやつとは付き合えないのが世の中です。
あっさりという。翳りをもつレナータ
いえ、よいのですよ。レナータ。
大事な話でしたからね。
それを邪魔というほど私は狭量でも無粋でもないつもりです。
[謝るレナータ
ですがそうですね…体も回復したのでしたら早速手伝っていただきましょうか。
こちらで、今回捕虜となったものたちの適正から職業を割り振るつもりでいます…といってもだいたいであって、後は雑に振り分けるのですが、レナータから参考までに意見をいただけますか?
もちろん服を着た後ですけどね。
[よければといって、隣の席へとどうぞ。としながら、そろそろ退院のことを考えてもいた*]
[
領主だからこそ通じるものがあるのだろうか、そんな事を思いながら見つめ。
少しの間の後に頼まれた事は、私で力になれそうな事だったから]
はい、勿論。
[嬉し気に微笑んで快諾を返し。
服を着てから、伯爵の隣の席へと腰を下ろして捕虜の名簿を見始めた*]
[種族や風土など環境による差というものはあるものだ。あとは配置されていた部隊の種類にもよる。レナータの意見を参考にできるようにメモに書き留めていきつつ、一度骨の手をとめて、傍らのレナータ
そういえばですね、少々悩んでいたのですが、レナータは、私のものとしていただきましたし、領民にもなりました。
そこでレナータの立場ですが、捕虜や借金奴隷。領民。などでは味気ませんので。
私設秘書兼愛人兼ペット。ということにしましょうか。
働いていただくために私設秘書。情欲を向け求め我儘をいわれる愛人。
わるい子になったときにお仕置きをするペット
どうでしょうか?
[そんな提案をしたりしつつ過ごすのであった*]
[
しかしこれを一人で全部決めるのは大変だろうな、と思っていたところにふと、視線を感じて見上げたのだが]
はい?
[レナータの立場、という言葉に、ぱちりと瞬く。
借金奴隷と言われていたからそうだろうと思っていたのだが、告げられたのは思いも寄らぬ…というかなんというか。
恥じらいと嬉しさ、どちらも抱いた結果耳まで赤くして]
……はい。
[目を伏せて頷くことで、了承を返したのだった*]
![]() | 【人】 飢奢髑髏 ビジリア― 退院時 ― (9) S.K 2019/12/21(Sat) 02時頃 |
![]() | 【人】 飢奢髑髏 ビジリア― 退院後 ― (10) S.K 2019/12/21(Sat) 02時頃 |
![]() | 【人】 飢奢髑髏 ビジリア さて、報告していた通り。この人間がレナータだ。引き取ることにした、しばらくは文官として秘書として扱うのでそのつもりでな。 (11) S.K 2019/12/21(Sat) 02時頃 |
![]() | 【人】 飢奢髑髏 ビジリア [そこは、地獄の入り口。狂気が蔓延する空間。 (12) S.K 2019/12/21(Sat) 02時頃 |
![]() | 【人】 肉屋 ニール[魔界の王たるスヴァルニールは、謁見を求められれば大抵は応じた。 (15) catroad 2019/12/21(Sat) 17時頃 |
[顔の両側に彼の掌を感じる。
顔が近づく気配。息が掛かる。
どれも温かい。
引き寄せられるように唇が合わさる。
柔らかく、軽い接触。
けれど、今までのどの接吻よりも甘く深く感じた。]
[それからは、寄り添いながら様々なことを話した。
地上のことや、城のこと。
待っているだろうあれそれに、共にしたいことの数々。
今後のことを語りつくし、穏やかに病院での最後の日を過ごす。]
![]() | 【人】 宝飾交易 黍炉─ 退院の日 ─ (16) nekomichi 2019/12/21(Sat) 17時半頃 |
![]() | 【人】 宝飾交易 黍炉[彼が応じるにせよ違うにせよ、手を取って抱き寄せる。] (17) nekomichi 2019/12/21(Sat) 17時半頃 |
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