159 戦国 BATTLE ROYAL
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[土下は恐るべき使い手だ。 それでいて目つぶしに足狙いと、戦術はきわめて正当。
安心して命を賭けられる相手である。 これは好敵、そうでなくては面白みがないと、奇しくも土下と同じことを感じて気分は高揚した。
その身で確かめてみよとの言葉に諾と頷く。]
よかろう、 渾身で死合うぞ。
[斬撃の構えをとる相手へ、手元をブラさんとの地響きを乗せて迫り、面積では刃を遥かに上回る大槌の質量をそのまま乱舞させた。]
(142) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[不可視の刃は炎で防がれた。>>141 かち合ったふたつの刃は、しかし手負いの数からこちらが押し負け。 狙いより少し逸れた猫手は喉を跳ね飛ばすには足らず、しかし喉を切り裂いた。
……『お見事』
[声なき声で、にぃ、と笑い。 喉元に届く沙魅助の獲物に左手を置いて赤を残す。 沙魅助の肌を軽く裂いたに留まった長刀を手にしたまま、猫手が退けばその場に膝を突いた。]
(143) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[これがお前の答えか、と。 男は言った。頷くことも許されないまま、無言を肯定とした。 忍刀の直刃が、己を貫いた。痛いという感覚は、なかった。 例えるなら、冷たい。氷に貫かれたような思いだった。 息詰まり喉にせり上がる血流に声も出ぬ。ただ、血を吐く。 いっそ痛ければいいと思えど、強すぎる衝撃は痛みという罰すらくれやしない。]
(144) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[人はあっさりと、実に呆気なく死ぬ。 首をかき切れば死ぬ。胸を一突きすれば死ぬ。幾度となくそうやって殺してきた。 すぐ傍に横たわる、天下の象徴その人さえも、そうやって。 よくよく、知っている。
だからだろうか。 嗚呼こんなにも、己の死もあっさりとやってくるのだと、冷えていく意識の何処かで思っていた。 己の甘さが、弱さが、決めた一太刀。 くだらない。最期のその瞬間、紅の口端がかすかに、泣くように笑った**]
(145) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[絞り出す喉もないが、言葉として改めて残すものはない。
西の勝利は疑わず。 自軍も大将亡くとも取るべき動きは承知していよう。
上向いた視線の先で、沙魅助は得意気に見下ろしているだろうか。 剣戟が遠い。どのみち耳もよく聞こえぬと、渇いた息をひとつ吐き出す。]
(146) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[ああ、けれども。 悠仁に誘いの礼を言えなかった事は、少々悔いが残る。 家紋に頂く“忠実”故に誘いに乗ることはなかったが、友として送られた文は嬉しかったのだ、と。
茶を共に飲むのは、黄泉の事となりそうだ。]
(147) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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三元道士 露蝶は、メモを貼った。
2015/05/20(Wed) 01時頃
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現界喰───……
[すかさず次の手を繰り出そうと、踏み込もうとした刹那、槌が地面を揺るがせた。>>135]
……ッチ!
[揺れのせいで踏み込みが浅くなり、放つ筈だった斬撃は飛ばず、近くの転げた小石を弾くのみとなった。]
地割れでも起こすつもりかよ、おっかねぇな。
(148) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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[狭まる視界に、最期を思い。
やがて、戦場から李の旗が消える。**]
(149) 2015/05/20(Wed) 01時頃
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