140 Erwachen〜lost wing of Jade〜
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[常識外のことが起きすぎて、恐らく混乱しているのだろう。 そんな事情は男にはわからなかったが。 警告を無視して一歩、近づく。]
パンッ!
[意外に軽い音を立てて、拳銃は火を噴いた。 しかし、弾丸は男には到達していない。]
飛び道具か……しかし、雷の方が速いな。
[ぱら…と真っ二つにされた弾丸が地面に転がった。]
『うわあああ!化け物…!』
[槍を喉元に突きつけられ、若い警官はついに意識を飛ばした。]
(137) 2014/11/13(Thu) 23時頃
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気にしないです。 ボクちんももう一度庶民のパン食べたいです。
[礼を言われても>>125軽く首を振るのみ。 彼女が完全に歴史を内包すれば 男より遥かに大いなる存在になるのだ。 敬意を払わなければならないのは男の方だが、 今一つ緊張感が足りなかった。]
まだそんなに人がいるですか? こう言う形で庶民が死ぬのは許せないです。
[生徒を護ると力強い台詞に頷いて、共に走り出すが]
人がいたら優先的に保護していくです。
[《チ》の守護者の探索と共に、人命救助も念頭にいれて 駆ける速度を少し落とした。]
(138) 2014/11/13(Thu) 23時頃
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[人には聞こえないものが聴こえる。
人には見えないものが視える。
いつものことだ。
誰にも理解されない、孤独の印。]
…… だれ、だ?
[いつの間に、それが呼びかけになっていたんだろう。]
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私に残った片目を抉れというのですか。 なかなかどうして、恐ろしい事を言う。
[右目に咲く薔薇からはらりと花弁が落ちる。]
悪魔を前にしたのなら交渉しなさいな。 貴方は私の瞳《ディザスター・アンバー》を得る対価に何を差し出せます?
[試すように悪魔は問う。]
(139) 2014/11/13(Thu) 23時頃
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ただの無力な民か…… 力量の差もわからぬか。
[殺す価値もないとばかりに槍を引く。]
……しかし、怪しい格好なのか。
[《大戦》の際には当たり前のように見かけたこの姿も、千年の時間の流れが時代を変えているらしい、と判断する。いちいち服装のせいで無力な者に絡まれるのも面倒だ。]
戦闘の起きぬ時は、姿を変えておくか……
[今は鎧を解くつもりはないが、そんな思考に至る。 そして翡翠色の瞳は、気絶している男の服装を目に留めて、脳内に記憶しておいたのだった。]
(140) 2014/11/13(Thu) 23時頃
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[その声は、排除と言った。
排除。
異端である俺はいつも、される側だった。]
……そうだな。
俺が、排除してやれるなら…… やっちまいたい、な。
[誰だかわからないその声に、同調する。]
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……とまあ、このような用がありまして。 居るのが私の姉ではなくて残念でしたね。
[背後を振り返り、後を追ってきた男>>133へと薄笑いで小首を傾げた。]
(141) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[ぱきぱきと音を立てて魔物は凍結していく。 面倒くさそうに腕を上げて指弾を撃つように指を弾けば魔物は粉々に砕け散った。 やはり悪魔にはこの程度の魔物など無意味だ。]
あんたなら両目なくなっても視えんだろ、別にいいじゃねぇかよ。 でもそれじゃ納得しねぇってならそうだなぁ…。
[ふむ、と暫し逡巡して。 それから己の左目を指差し。]
俺の眼、これじゃやっぱ駄目?
[ゆるりと首を傾げた。]
(142) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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それより……おほ。勇ましいです。
[庶民も護らなければいけないが、横の復元典は戦えるのだろうか。 彼女を護りながらか、 もしくは安全な場所へ下がって貰うしかないかと考えていたが。 突然モップを手にポセイドンの槍術を読み込む姿>>134に 感心したような声を上げた。]
さすがです。 でも無理はしてはいけないです。 貴女は歴史書の復元典でも、貴女の復元典はいないです。
[もしかして用意されているかも知れないが、 目の前の彼女は1人だけ。]
ボクちんこれでも頑丈です。 何かあったら後ろにいるです。
(143) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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──空き教室にて、出会い──
[悪魔の誘いに乗った……なんて言い方をすれば、 実際以上にひどいものに思えるんだろう。 いや。 実際も、ひどいものなのかもしれない。]
『災厄の琥珀《ディザスター・アンバー》……』
[その単語を聞いてから、どうもハツが興奮しているらしい。 そわそわ飛び回り、悪魔の顔を覗きこもうとしては、 溢れ出る力や邪魔な魔物に押されてふわりと舞う。]
(144) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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……寒川先輩、でしたっけ。 委員長が、気にしてた。
[異常に立ち向かう、それもまた異常《バグ》。 聞こえた声に少し目を見開いて、笑った。]
なんだ。 普通じゃないのは、先輩も?
[なるほど、なるほど。 時が来たのは、本当にそうらしい。 目玉の交換だなんて、俺に似てとんでもなく”おかしい”発言だ。]
(145) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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……やりてぇの、変なヤツ。
[精神感応で感じる気配と、今目の前にいる気配。
同一だ。]
じゃ、そこの悪魔やってみる?
ああ、でも殺してもいいけどその前に災厄の琥珀《ディザスター・アンバー》は貰ってくれよな。
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[教室に入ってきたのは一人ではなく、またもう一人。]
委員長…ああ、美村。 まあ普通じゃねぇよな、さっき普通じゃねぇ事思い出したんだけどさ。
そこの悪魔災厄の琥珀《ディザスター・アンバー》、それが欲しいんだよね。 丁度いいからあんたの命でも捧げてみてくんね?
[己の片目よりは一人の命の方が重いだろう。 それで交換が成立するのならばなによりである。]
(146) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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『これはいずれ来る歴史の一頁となる』
[初代宝珠魔道士《ジュエリスナイト》>>0:156に己のページを渡した>>99のは何時のことだったか。 それは、彼等にとって気の遠くなるような、昔の話。 それは、自分にとっては昨日とさえ思える、最近の話。
インクを幾ら零そうと純白を保ったままの白紙は、まだ文字が刻まれる時ではない。
そこに刻まれるのは、終わりの歴史。
彼等《ジュエリスナイト》が作りだした楔が砕け散る時。あるいは世界が終る時。その時、初めて白紙で無くなるのだ。 世界の終焉≪ピリオド≫を、その身に刻んで。
来るべき時が来れば宝物庫から抜け出し、終焉の≪目撃者≫の前にその身を露わすだろう。 たとえ、己≪ハワード≫が既に燃え尽きた後であろうとも。
《ジュエリスナイト》に己の身を分けたのは、蜜月の楔の礼。友好の証。 それが何時までも白紙であるようにと、己の最終ページは乱暴に切り取られたまま。*]
(147) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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ま、命を捧げろってのは冗談。
でもそれでもいいなら死んでくれてもいいよ?
[小さく笑う。
排除の手伝いは助かるが、琥珀を手に入れてもらえるのならばその命など安い。]
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おかあさん、なんで…? おかあ、さん…私は。
[得た力の大きさ、凶悪さに触れた少女は、ふらふらと歩きだす。 世界を視る為に。世界を識る為に。
触れて、世界を変える為に。]
……あ。
[無意識に向かっていたのは、轟音と光の轟いた方角。 そして、槍を構えた男の姿>>140]
(148) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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終焉――― 否、可能性の収束。極限に至ること。 M・N・U………。
[土竜ののんびりとした言に答える間も、銃弾を撃ち込む手は決して止まることはない。 むしろ、煽りのような台詞にその量は更に増す]
貴様にとっては、終焉だろうが極限だろうが同じことだろうけどな。 腕が悪い?戯言はこの雨を避けきってから言え!
[BLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAMBLAM!!!]
(149) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[歴史書≪イストワール≫が手にするは、重く鈍い、人の子の負の歴史。
争いの結果がもたらす物を、人はいつまでたっても理解しない。 それは酷く愚かで、醜く、悲しい行為で在り続ける。
…と言うものの、戦争は文明の繁栄を齎す物でもある故、全て否定する事は出来ず、 争いの上でしか成長が出来ないと言うのも困りものだが、それを増長させるのは人が元より備えている競争心等もあっての事なのだろう。
人が争えば争う程統括者が、国が、人が、文明が、時代が巡るましく変わり続け、そうして己のページ数は増えていく。]
(150) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[人の子の作り出す機械など、設計図があれば組むのは容易い。 材料の、主成分の創造は備えもった魔力で補い、後は設計通りに組み上げてやるだけ。
轟音を、硝煙を散らして、放たれたるは重い銃弾。 到底素手では扱えぬ実量の鉄筒を従えて、暗いコンクリートの上を駆けて行く。
雨は好かぬ。 元より、紙とインクで出来た身。あまり晒してはページが溶け落ちてしまうと、黒い雨を鋼鉄で遮って、行く手を阻む異形を散らして行く。
高射砲と呼ばれる部類の筒が出現したのは、比較的最近の歴史項目。 ある筈の土台は捨て、面倒な弾の補充を省き、放つ巨大な弾丸は通常より早く、早く。 異形を言葉通り『散らし』、派手な立ち回りはより一層黒い雨を引きよせて。
これでいい。 構わない。
人の子は殆ど逃げてしまっただろうが、それでも全てと言う訳では無い。 虫はより、明るい方へ。 害虫駆除には丁度いい。]
(151) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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まだ、殺す気は無かったんだがな。
[斃れた土竜を見下ろして、彼は嗤った。]
構わない。 とどめを………… ―――っ、!
[突然の新たな来襲>>132に伸ばしかけた手を払った。
しかし「観測」自体が遅れたことが差となった。 琥珀に手の動きを絡めとられ、飛んできた方向を振り返りきっ!と睨む。]
(152) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[校舎内を漂う力の気配が濃くなって来る。 正負入り混じった様で、今回の騒動の起点が あの樹だけではなく、この地でもあった事を嫌でも理解させた。]
こんな所に人間住んじゃいけないです。
[どすどすと廊下を走り、アンバーの気配を追い掛けていたが。 煙突の様に空気を運ぶ構造の建物の何処からか 不吉な生臭い香りが漂って来た。]
(153) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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……はい、じょ?
[聞こえる。
人でありながら、ヒトでない者達の声。]
ばぐ、排除。
[あまりに大きな力の矛先を向ける術も分からず。わかった、と小さく呟き。
災厄の琥珀≪ディザスター・アンバー≫が話題に出れば、きゅ、と口を噤む]
…がんばる。
[縋るようにポシェットの紐を握りこむ。
琥珀はそこで、時を待つ。]
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[俺の復讐は、その時が来たらと決めていたものだった。
この俺を、異能者……いや。 異常者として産んだ世界への、復讐。
俺の異常な力でもって、世界の理へ挑戦する。 力あるものを破壊する。
たとえそれが、どんなに大きな犠牲へ繋がったとしても、 俺が生まれることを許容したのは、世界だ。 文句なんか、言わせない。]
(154) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[砕け散った魔物>>142と氷の破片がキラキラと輝きながら舞う。]
そうですね。 元々は私の瞳ではなかったものですし。 でも、無料奉仕するほどお人好しではありませんよ。
[無くとも視えるという点については首肯する。]
……おや。 人間、しかも《解析者》にとって。 例え片方だけでも眼は大事なものでしょうに。 それを差し出してしまうのですか?
[指差された対価。 悪魔は仮面のような微笑みを浮かべ。]
(155) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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そんな簡単に差し出せるものに価値があるとでも。
(156) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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できるもんなら。
……いや、 できるんだ。
できないかどうかは、試してからだもんな。
[悪魔を殺すなんてさらっと言う先輩が、
異常(おかし)くて面白(おかし)くて仕方がない。]
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己の全てを賭けなさい。 他者を踏み躙ってでも願いなさい。
報うとは叶うとは限りません。 その権利を幸運な他者へと掠め取られるかもしれない。
それでも賭けて、捧げて見せなさい。 それが「悪魔」への対価です。
[抱えた魔器《ハーディ・ガーディ》が、まるで泣く様に不協和音を奏でた。]
(157) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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[――見られている。]
…………!
[その瞬間、黒鎧の男の視線が、真っ直ぐに幼い少女を射抜く。]
……子供? だが、この重圧《プレッシャー》は……
[少女の目を通して、次元の違う、大いなる存在に観察されているかのような感覚。>>148]
……貴女は、何者か。
[問いかける声は、あくまでも静かであったが。 多数の異形すら一撃の元に屠る男が、幼い少女に警戒を示したのだった。]
(158) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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さっき思い出した、なんて…… ああ。その時が来たら、ってやつです?
まあ、琥珀そのものに興味はないけど…… 俺も、やりたいことはあるんでね。
[命を捧げろなんてさらっと言う先輩が、 異常(おかし)くて面白(おかし)くて仕方がない。]
(159) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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ふお!? 運命の人!? いや、それより見ては駄目です!!
[そこに横たわる惨劇>>128に、復元典の目を思わず遮った。 様々な負の経験をした男にも生々しいと顔を歪める光景。]
……何をして、何をしてしまったのです?
[だがそれ以上に顔を歪めたのは、その場に立っていたのが 彼の運命の人だったからに他ならない。 複雑な表情で彼女を見つめる視線には、何処か縋る様な色が合った。]
(160) 2014/11/13(Thu) 23時半頃
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