244 【R18】ミゼリコルディアの宴【魔女村】
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どうせ… わたし ”おとな”になんてなれない、から
[まだ高い熱に浮かされながら、紡ぐ。
白くてきれいなひとはこの森の魔女だと言っていた>>55 災いをもたらす────魔女
病のからだに触れられて災いが起きるのが怖かった。]
… もう くるしいのも さびしいのも イヤ …なのに…。
[───…生贄になると決まって受け容れた。そのつもりだったのに。わたしはどうしてあんなに必死になって逃げて走ってしまったのだろう。
目に見えない”何か”に怯えるわたしを、魔女はどう思ったかわからない。
ただ赤色の瞳からは何の感情もわたしには読み取れなかった]**
(129) 2018/06/11(Mon) 01時頃
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[キッと力を込めたドリベルの瞳 その先には、大きな大きな熊がいます。
辿々しい口調で人の言葉を話す熊>>107 少なくとも、ドリベルの暮らしていた村では 話す動物を見たことはありませんでした。
話す動物。だからでしょうか こちらへ襲って来る様子もない相手に ほんの少し緊張の糸が緩みかけましたが]
ナイフもないのに どうやって、動物とるのさ? [そんな場合ではないとわかっているけれど 熊の言葉に、きょとんと目が開いてしまいます。
動物を殺しに山に来る人間 狩人か何かと間違えているのだろうかと ようやく気がつけば、首を左右に振ることにして]
(130) 2018/06/11(Mon) 01時頃
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[主張が通じたのかどうかはわかりませんが 熊の次の行動は、願っても無いものでした>>108
麦藁の束のように軽々と放られた樽 岩場に叩きつけられてそれが砕ければ 辺りに、ばらばらと干した肉が散らばります。
もったいない。なんて一瞬考えて そちらへと体がつい、動きかけたのですが]
―――っ、
[ジャラリ。鎖の音に身動きが止まります 体を潰していた樽は無くなりました けれど、自由に動けるかといえばまだ無理 手足を縛る鎖が残っています。
だいたい鎖がなかったとしても よくよく考えてみればもう ドリベルの帰る場所はないのです]
(131) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
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[鎖に気がついたらしい相手 毛に覆われたその頭が何を考えているのか ドリベルにはわかりませんでした。
わからないまま 熊の一挙一動を見つめていましたが]
……おっちゃん?
[毛に覆われた獣が人へと変わる 目を疑うような場面を目にしたというのに 驚き過ぎたせいか、思わず言った言葉はそれ 『凄い』という言葉も、感嘆詞すら浮かびません]
おっちゃんがクマで、クマがおっちゃん? 食べるなら、鎖取らなきゃよかったじゃん
[言い返すことに不安はもちろんありました 怒った相手に本当に食べられてしまったら そんなふうにも思いましたが]
(132) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
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おうちなんて、ないよ どこからきたのかわかんない
もしわかったってさ 売られたんだからボクだけ帰ったら 母さんたちだって、こまる
他の子はみんな帰ってこられないんだもん ボクだけ帰ってきたら、ずるいじゃん
[だからと言って 食べられたいわけではなけれど 走って帰る場所もない。
どうしようか。と問いかけて 小石をひとつあさっての方向に投げました**]
(133) 2018/06/11(Mon) 01時半頃
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[少女が頻りに、触れられることを拒絶するのは。 魔女を忌み嫌ってのことだろうか。 生贄にされ、原因の魔女を忌避する気持ちは理解できた。 その理解は若干の苦味を伴うのだが。
けれど、譫言のように娘が紡ぐ言葉に>>128 それが間違いだと、すぐに気付かされる]
うつる、って貴女の病が? ……誰かにそう言われたのね。
[やり切れない気持ちを追い出すように、 深く――深く息を吐いた]
(134) 2018/06/11(Mon) 02時頃
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[魔女の見立てでは、娘の心の臓の病は、 誰かに罹患する種の病気ではなかった。
病の見立てを誤るのは仕方がないし、 人に感染する可能性を疑えば、 無碍に扱われるのも無理からぬとは言え。
年端も行かぬ娘に、 生贄になることを肯わせるほどの絶望を与える 彼女の周りの大人達と 彼らにそうさせる巡り合わせが、余りにも悲しくて]
(135) 2018/06/11(Mon) 02時頃
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[小さな掌を握って。優しく語りかけるのだ]
贄を欲しがる悪い魔女のせいで、 苦しくて、怖い思いをしているのに。 その相手に病をうつすことを心配するなんて。
貴女はとても、優しい子なのね。
……でも、安心なさい。 その病は誰かにうつるものではないわ。
[貴女の村に、貴女と同じ病で苦しむひとはいた? などと、少し意地悪な問い掛けをして]
(136) 2018/06/11(Mon) 02時頃
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大丈夫。 貴女が苦しくないように、寂しくならないように。 此処にいてあげるから。
――Hush a Bye Baby (静かにおやすみ、愛し子よ)
[怯える娘が眠りに落ち、やがて熱が覚めるまで。 魔女は傍に付き添い続ける**]
(137) 2018/06/11(Mon) 02時頃
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[村人の居ない村となったのち 神官は 最後に、直接。 己を縛っていた縄を焼き解くと この手で引導を渡してあげた。
" まさか……ホンモノだったなんて " " 許してくれ!王都にいる奴らばかりが うまい汁吸いやがって……魔が差したんだ! その上に…オトコだったなんギャッ " ]
やっぱり…脱がせたのね もう………えっちぃ [抱けなかった逆恨みで、魔女に仕立て上げた ────そんなところだろうか。 ]
(138) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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[振り返れば、ヒトの形をした炭の山。 特に これといった感情は覚えない。
" 魔女狩り "が許されて " 人間狩り "は許されない───── そんな道理もないのだから。 ] ………あらぁ? [村から── 村だった跡、そう言うのが正しいか。 焼け跡から離れたところで声が掛かる。>>124 声を発した先へ視線を向ければ、 まだ少年と呼ぶべきな ニンゲンがひとり。 ]
(139) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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[紫炎は、村の全てを焼き尽くしたハズ。 善であろうが悪であろうが。 男であろうが女であろうが。 成人であろうが幼子であろうが。
焼き尽くし損ねた──── この紫炎の魔女が? ぽろぽろ、涙を零す少年の顔を 首を傾げつつ見つめたのも束の間。 その疑念は彼の言葉で払拭された。>>125 ] ………どうして、アンタが謝るの? つまりは、森から出てきたトコだったのね? [へなへな、と座り込んだ彼の前で しゃがみ込み、顔を近付けると 出来るだけ優しい声で聞いた、つもり。 ]
(140) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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[成程、あの村に居合せていたので無ければ 紫炎が少年の身体を焦がす事は無いだろう。
ただ、何故泣いているのかが理解できない。 けれど──── 興味が沸いた。
しゃくりあげる姿に>>126 己の手を伸ばして頭を撫でたのは無意識で。 今まで、謝罪する姿なんて 命乞いの時以外 見た事なかったから。
後々に この時を振り返れば気付くだろうか 今まで己が知る事も無かった感情 何かが 心の奥底で芽生えた瞬間だったと ]
(141) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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[されど、芽生えた感情に自覚は無く " 興味 "という言葉で ひとくくりにする。 故に──── 魔女は普段通りの魔女で。 ] なんだか…… この燃えた村を 気にしてるみたいだけど これ、アタシがやったんだよね
………ほら こうやって紫色した炎、でね?
[少年の頭を撫でていた手を 己の胸元に引き寄せ 手のひらに生み出したのは 小さな、とても小さな 紫の炎。 ぎゅ、っと炎を握りしめて クスクス笑う。 ]
(142) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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つまりね…… アタシは" 魔女 "って貴方たちが呼ぶモノよ それを知ったキミの選択肢は ふたつ
此処で、燃やされるか 一生、アタシの玩具《オモチャ》になるか
─────── どーする? [魔女だと明かした者を 己は基本的に生かさない。 さればこそ、素性も明かされず 知れ渡る事も無く 旅なんて悠々とできるのだ。 彼は、なんて答えたんだろうか。
更に増して 怯え泣き叫ぶのなら───── 己の笑みは 比例して深みを増すだけ。 ]**
(143) 2018/06/11(Mon) 03時頃
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[ 目の前の人はどこか飄々としていて まるでこの村で焼かれた被害者には見えず
だとすれば旅の人だったのだろうか? けれど混乱するこどもには そんなことはわからない。
ただ、自分がいけない事をしたことだけは 何となくでも分かっていたから。 それがきっと恐ろしい事を招いたのだろうと その恐ろしさに身を震わせ涙するばかり。 ]
(144) 2018/06/11(Mon) 08時頃
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[ 問いかけにコクリと頷いた。>>140 手の甲で溢れる涙を拭えば、 辺りに漂っていた煤が頬に触れて 黒い汚れをぐいと広げることになる。
優しげな声だった。 頭に手を伸ばされればビクッ、と身を震わせ けれど抵抗せず受け入れればなんと優しげな 手つきだったのだろう。>>141 ひく……としゃくりあげながらも 涙いっぱいのぐしゃぐしゃな顔で見つめてみた。
そして告げられる、信じられない言葉。>>142]
(145) 2018/06/11(Mon) 08時頃
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燃やした……魔女……?
[ この優しそうな人が? そう尋ねそうになって、紫色の灯火に 目を見開いてマジマジとそれを見つめていた。 だとすれば、これは自分の招いた災厄か。 優しいのは悪魔の甘い言葉そのもので 人を堕落させるものだから、だろうか。 それでも。 ]
………、きれぇ………。
[ 彼女の手の内に消えてしまった炎は 紫色のとても綺麗な明かりだった。>>142 悪い人に見えないけれど、それでも 答え次第では自分を殺してしまうらしい。 >>143
殺されたくは、ないけれど。 ]
(146) 2018/06/11(Mon) 08時頃
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……魔女、なんだ。 オモチャ……に、しても、良いから、
もう、この国の人、燃やさないで?
[ 眉根をキュッと寄せて、 拳を膝の上でぎゅっと握りしめて。 この村で起こったことなんて知らない子どもは 決意に満ちた眼差しを魔女へと向ける。 ]
わ、悪いのは、巫女入りの儀を見ちゃった 僕、なんだから。 これ以上、災厄を国の人たちに与えないで、 魔女さんだって、悪く言われちゃうよ。
(147) 2018/06/11(Mon) 08時頃
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……僕が……。
[ ぶわっ、と涙がまた溢れてきていた。 えぐえぐ、なんとか泣き声を我慢しようとして 口は山型に、顔は真っ赤に染まる。
プルプルそのまま震えながら。 ]
僕を、オモチャに、してください…。
[ きちんと正座して、告げるのだ。 ]**
(148) 2018/06/11(Mon) 08時頃
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[魔女が恐ろしくない訳では、無かった。>>134 もっと恐ろしいことがあっただけ。]
……そう よ
[だからわたしに触ったらダメだっておとな達は言うのだ。
病持ちの孤児を──…労るには実りが少なすぎた。 癇癪は弱者へ向けられるんだと、幼すぎてわたしは知らなかったのだ。]
(149) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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[深い──深いため息の おと からだが弱いから贄としても役に立てないのだろうか。
きゅっと唇を噛み締めたときに 白い手が掌に添えられる。>>136]
………… うつ ら…ない?
[きょとん、と目を丸くする。 問いかけには小さく首を振る。>>136
だけど でも───…どうして言い切れるのだろう。 不思議そうに目を瞬いて
疲労しきって熱に浮かされたからだは 柔くやさしい声で瞼が落ちる。]
(150) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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( きっと これは夢ね 黒い森の魔女がこんなひとな筈はない。
鹿に追われたあたりで 気絶でもしてしまったのかな…。 )
[苦しいとき 寂しいときは ひとりぼっちだった。 病がひどい時ほどおとな達は近寄ろうとしなかった。
さびしくて さびしくて くるしくて。 顔も知らない空想上に近い”おかあさん”に縋るしかなかった。
今、ここにあるのは確かに生きている人の 暖かさだった。]
(151) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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[熱が下がるのに数日は掛かっただろうか。 魔女と名乗ったきれいな白い人は、わたしを無碍に扱わなかった。
治ったら、治るまで。 それまで、とじぶんに言い聞かせて ほとんど喋らずに過ごしただろう。
彼女が話し掛ければ多少の応えはしても わたしにとって魔女≠ヘ恐ろしいものでは、あったのだ。
数年続いた不作は魔女が生贄を欲していると おとな達は真しやかに囁いていたものだ。 ]
(152) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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[熱が下がって 少しだけ頭がふらつく程度にまで快復した、ころ。
少し大きな寝間着から 鼻を掠めるたおやかな匂いを吸い込んでいた。
白くてきれいで──…透きとおる宝石のようなひと。 顔色をうかがってもわからなくて、寝台の上で膝を抱える。]
あなたは…黒い森の…魔女…なのに どうして…
たすけて、くれた…の?
(153) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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助けて、くれたって どうせ……
[村には何もしてくれないくせに。 寝台の上で丸くなる。
泣いている顔なんて見られたくない。 (帰る場所なんてないのに。)
わたしはわたしのためだけに泣いている醜さをみられたくなくて小さくなった。]*
(154) 2018/06/11(Mon) 09時半頃
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[かけられた声、繋ぎ止められる意識……ぼやけたままの視界に映る人。
どうして助けたの
苦情を言うだけの体力も無くて]
メルヤ
[自分の名前を言うのがやっとだった。
ーーー今、このまま死んだとして、レオナルドと名乗ったこの人は、自分を森へ捨ててくれるだろうか。
否。声を、口調を、聞いただけでわかる。彼は苦労知らずの、もしかしたら良い家の出なのかも知れないと。
このまま目の前で知らない少女が息絶えたら、墓くらい作ってくれるだろう。そのまま、忘れ去ったとしても]
(155) 2018/06/11(Mon) 13時頃
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[それなら死ぬわけにはいかない。生きてさえいれば、彼女に再会できる日もくるだろうから。
彼が時間をかけて作ってくれたスープを、手の痛みを我慢して自分の口元に運ぶ。
乾燥した豆を水で戻さずに煮たのだろう。ところどころ堅い部分があって、舌触りが最悪だった。
森で暮らしていた頃は、そこらから採取した果物や、自分で起こした火で焼いただけの、調味していない物を食べていたので、普通に味がついたスープが濃く辛く感じ、咽た。
それでも、生きる為に全部食べた。
汚れた口元を、包帯を巻いた手で拭う]
ここに置いてくれるのなら、私が料理をする。
[拙い取引を持ち掛けた。利害が一致しているとは知らないまま**]
(156) 2018/06/11(Mon) 13時頃
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蝋燭職人 フェルゼがいたような気がしたが、気のせいだったようだ……(蝋燭職人 フェルゼは村を出ました)
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