246 とある結社の手記:9
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[スージーの憤怒に笑っている。]
おまえはどうしてそうも面白いんだかなあ。
絶対失敗しない? そいつはどこだろうなあ。
ベッキーやラルフあたりは
守られていないんじゃあないかと思うが。
[いとも簡単に娘の名前を挙げながら]
どうせノアを信じる道はおれたちには残されてない。
どこを食ったってかまいやしねえぜ。
[素知らぬ顔で、ルパートはまだリンダを食べてしまうことを考えている。明確に誰と定まらなければまた"競争"になる可能性もあった。]
い〜〜〜ら〜〜いらする〜〜。
仕方ないけど〜〜。私がやりました〜〜〜!
なんだけど〜!
[また笑う〜〜〜〜と言いながら、]
は〜〜、うん、そうね、
処刑はモンドさんでいいんじゃない?
ベッキーに任せろーってお願いするのは〜〜、
やってみたいならまーかーせーる!
[スージーの憤怒が聞こえる。ルパートの笑いが聞こえる。
まだロイエの賭けはなんら終わってはいない。]
――――ラルフ様。ベッキー様。
どちらも成功する可能性は高いですが……
ラルフ様はいかがでしょうか?
なかなかの高い思考力の持ち主とお見受けしております。
ユージン様のように……。
う〜〜〜ん。うううう〜〜〜〜〜ん。
正直ラルフは考えてたよね。
皆にも信じられてるみたいだし。
ベッキーでもいいけど、
こっちの事信じてくれてるしなあ。
ラルフは解んないけど、
…なんかモンドさんとこでやってるし、
正直期待は出来ないかなって思ってるし。
食べる先だけど。
ラルフがさ。皆に信じられてるなら。
ラルフでもいいんじゃない?とか〜?
あ、でもピスティオが説得にいけるんだったら期待はしよ。
…でも、ラルフはほんとは、頭いいし。
おどおどしてんの、ほんともったいない人だから。
負けないよーにがんばって。
説得できたからって、食べない訳じゃないけど。
私はどっちでもいいよー。
でもベッキーいなくなったらあとあと困らない?
[ルパートに、大丈夫?と言ってみたり。]
ダメかも知れないけどさ。
ええ?説得とか張り切っちゃってるの?
あ〜〜、俺っちは逆に喧嘩ばっかだ。
だって、腹立つんだもんなあ。
[しかもよりによって、共鳴者相手だ。怒った彼女に偽物と断定されれば、なんともまずいことになるのは分かっているけど。]
ベッキーかあ。ちょっと聞いてみる??
それとも、お願いしてみようかな。
いや、分からないなあ…。
ええ?ルパートさん父親だろ?
しっかりしてくれよ。
ま、俺っちは人間だから少しは人間に詳しいかもね。
頼りになるだろ?
[そう笑って、少し胸を張った。]
ラルフはモンドのとこでなんかやってるみてぇだな。
ラルフがいいなら、ラルフでもいいぜ。
ん?ベッキーが居なくなった後のことは――
全員でその責任が降りかかるだけさ。
そういうもんだ。
気にすんな。
ただ、"困らない"とは、おれはいわねえけどな?
[茶化すように言った。]
あ、あとさ。
[そう言えば思い出した、と声を上げる。]
もしもベッキーを食べることがあったら、ちゃんと残さず綺麗に食べてあげてよ。そうしてって頼まれたし。
でも俺っちは、ベッキー食べるのは反対ね。
だって一番言うこと聞いてくれるもん。勿体ないだろ?
だからさ、その中じゃラルフかな。
あー、あと。
俺っち占い先の希望がないか聞くから教えてくれよ。
ま、誰を占っても人間かなって思うけどさ。
だってノアとモンドさんが「人狼」だしね。
そうそう、
目立たないけどそうでしょ。
いや今は目立ってるけど。
[ロイエに友人を褒められた気持ちで、ふふんとした声色だ。()
恐らくモンドは、パティかノアを護ると思う。だけど、ここでラルフを護るような選択をあの男がするのなら、それはそれで、何となく、面白いなと思ってしまうのも事実だった。]
それで全然オッケーよ。
[勿論ルパートの腹の底は知らない。()
でも、もしそうなったら…まあ、そうなった時に考えるのだろう。]
じゃ、ラルフにしよっか。
は〜〜たのしみ。
えええ、そうはいうけどね。
この状況で全部食べ切るって、相当よ?
翌日景気よく生肉吐きだしてばれちゃうわよ。
あの小さいマリオでさえ残しちゃったんだから。
[食べない人間はこれだから…という声色だ。
ベッキーに反対するピスティオに、ふうん、と呟いて。]
オッケー。ならそれでいいわ。
ベッキーは食べない。
ルパートさんも、"困る"らしーしね?
[聞いてみる?というビスティオの質問には()]
どっちでも。
おれが最も父親の視点でみたら、
あの子が一番入れそうなのは、
なんせまあ……リンダだろ?
でも、そいつをしないで、
他の意見に頼るなら、
もう流される先が要るってワケだ。
誰が一番あいつに接してやったか次第だろ。
ピスティオがお願いしてみてくれるなら、
おれはそれはそれで楽しみだ。
ああ、ここにきて頼もしいぜ、同胞。
とはいえ、いつも人間の事情についちゃあ、
助けられてたけどな。
[胸を張るピスティオに頷いた。]
ええ??
みんなで食べても無理っス?
生肉吐き出すのは、ちょっとなあ……。
[それは流石に困るなと思う。
もう。といった調子でも知りやしない。
こっちは人間なんて食べたことないんだし。]
ダメってなったら仕方ないけどさ。
でも俺っち、出来ればベッキーともやっぱり「こっち」がいいな。
楽しいと思うんだけどなあ。
[そんなことを言い出したら、みんな。になっちゃうけど。]
[綺麗に食べきるの話題について]
…………その…お役にたてず、
なんとお詫び申し上げればよいか……
[とっても肩身が狭い]
リンダかあ。…そっか、そうなるよな。
うーん…。うわっ。
モンドさん、ベッキーにも何か回してるのか。
ちえっ、こそこそしてさ。
あんまり面倒だと嫌だなあ……
[ルパートに返しながら、ベッキーらの動きを眺めて顔を顰めた。]
はははははははは!
あいつそんな事言ったのか?
ばかだなあ、人間まるまる食うなんて
出来るわけねえと知らねえから……
うちの娘が悪いねえ。
[ベッキーについてを楽しそうに謝って]
おや。困るのはおれだけかい?スージー。
なら、べつにおれは食ったっていい。
今日の貴重な一票も、
ピスティオのいうことを素直に聞き入れてくれるかも
ウチの娘にかかってると思っていたがな?
へっっ!?そうなのか。
俺っちてっきり出来るのかと思って、
俺っちからも同じ感じでって頼んじまった。
……ま、ベッキーに食べれるはずがないからいいんだけどさ。
[人狼らの感想を聞いて、ぺろりと小さく舌を出す。]
人狼の胃袋だって、
なにも無限に広がるわけじゃねえんだぜ。
一人切り分けて余るようでなきゃあ
ウチの商売が成立しねえとも。
[と、人にはわからぬ事情を話して]
なに、人肉を人間にゃ食えねえて話もねえだろ。
おれ達のように生で食えとはいわねえが
調理すりゃあ、いけるさ。
興味があったら、食わせてやるよ、同胞。
ロイエがなんでお残しに謝ってるんだか。
単に小食で済むんだから羨ましいよなぁ?
困るのはルパートさんだけよ、きっと。
私は誰でも問題ないもの。
とにかく成功すればだーいじょーうぶ!
そうそう、皆でもむーりむり。
[困るな〜って声に、でしょ〜と答える。
無限ではないという言葉にも、うんうんと頷いた。]
いいのいいの、三人でもどうせ余るって。
[ロイエの言葉にはそんな言葉を返し、]
ベッキーが、こっちに。
来てくれるなら、全然構わないわよ。私はね。
焼いた人間のお肉は…そういやあんまり食べないわね。
今度何か料理作って貰おうかな〜。
あ〜、そっか。
それもそうっスね。結構細かく分けてたもんな。
[たまにルパートから預かってはあちこちに届けた「肉」は、確かにそんなに大きくなかった。]
ええーー?
俺っちはいいかなあ。だって臭いし。
あんまり美味そうじゃないしさ。
[人の血の匂いをドブのよう、と表現したピスティオは、やっぱり少し顔を顰めて宿の主人の有難い申し出に首を横に振った。]
― ちょっと前 ―
[人間みたいに、と笑う、ルパート()に対して、
ロイエはただ冷めた声でかえした。]
はて、人狼と人間……どこに違いがございましょうか。
この数日間で、人間の腹の内を見た思いでございます。
なんとも、残酷で、滑稽で、そして……愛おしい。
[ローザス婦人とロイエ。
2人の違いは、どこにあるというのだろう。
その様はまるで『結社』の舞台で踊り狂う道化師]
[結局、ルパートのようには、なれなかった。
"父"の背を追い、"父"を追い越そうと、
その懐から飛び出したというのに。
新しい狩場で喰らったのは、人狼を殺す毒――。]
――……やれやれ。で、ございます。
[霊能者と名乗り出たあと、どこかのタイミングで。
屋敷の獣は、仲間たちに声なき声を届ける。]
さて……わたくしに、もしものことがあれば。
どうか、お嬢様には手を付けず……捨て置かれますように。
死んでも、お嬢様の血肉を独占したい。
"お願い"に従った、わたくしへのささやかな……ご褒美として。
[なんら強制力のない儚い楔。
そのことは、ロイエ本人もよくわかっている。
もしもの保険として、あわよくば、
同胞への情に厚いスージーに一抹の望みを賭けた。
とはいえ、そこは人狼。
いざとなれば、どうなるか、わからない。
彼女が、なにを思い、どう動くのか。
リンダお嬢様のいうところの"霊"になったとしたら、
その様を遠巻きに観察するのも悪くない、
と、心の片隅で少しだけ思った。]
……そして、どうか悲しまぬように。
長いこと人肉を絶っておりましたゆえ、どのみち、
……先は永くはございませんでした。
[嘘つきロイエは、また*嘘をついた。*]
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