158 Anotherday for "wolves"
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お前さんは、何も悪かねぇだろ。
[いつも彼女の手を握っていた己の片手。 血に染まることのなかったその手>>88で、自分の涙よりも先にマーゴの頬に伝う涙を拭う。
白い丸みを帯びた頬から、人差し指を上へと滑らせ。 そうして、今度は親指で彼女の目尻を拭ってやる]
悪いのは、俺だろ。 守れなくて、傍にいてやれなくて、ごめん。
[マーゴの最期となった夜のこと。 >>3:+3ねだられた添い寝を誤魔化すようにして、額に口づけて別れた。
彼女がねだったままにしていれば、もしかしたら結果は変わっていたかもしれないと。
喪失がくれる忘却の恐怖の中には、そんな後悔が混じっていた。 だから、懺悔をするのは己のほうだと。
涙で震える声で謝って。]
(96) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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[片手を、ふわりと波打つ黒髪が垂れる頭の後ろに添える。
あの夜のように一度、額に口づけ。]
これからは、一緒にいる。 ……いさせてくれ。
[魂が行くべき場所へと、導かれるその時までは]
(97) hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
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薬屋 サイラスは、メモを貼った。
hisetu 2015/05/25(Mon) 03時頃
本屋 ベネットは、メモを貼った。
helmut 2015/05/25(Mon) 14時頃
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[サイラスの命を半分だけ己の糧とし、 もう半分は身を隠す末の妹へと託す。 最初から彼女の為の狩りで本来ならば喰う必要などなかった。 思うがゆえに喰らう業。 一生負う覚悟など疾うに出来ている。
「“過ち”は一族の手で、正さねばなるまい。」 そう一族の者に言い渡した族長もこの手で屠った。 一族を纏める者を選出するにどれだけの時を費やすだろう。 混迷の間に、埋葬を済ませ“正した”事にして、 後は誰も襲わねばそれで事件は終結する。 終結させる心算で、ベネットはこれ以上ひとを襲わぬ決断をした。
ドナルドから預かるものはベルトへと挟み両手使えるようにして 宿の備品であるシーツを拝借しサイラスを包む。 墓地まで運び穴を掘り、これまでの犠牲者たちと同じように埋葬して 安らかな眠りを祈りながら祈りの言葉を口にせず立ち去る。 再び宿屋に戻ると水場を借り着替えを済ませて、 クラリッサと話すために、彼女の姿をさがす。*]
(98) helmut 2015/05/25(Mon) 15時頃
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本屋 ベネットは、メモを貼った。
helmut 2015/05/25(Mon) 15時頃
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―宿屋― [男が再び宿屋に姿を現した時、 住み慣れていたその家屋の中は赤く、 同族の血の色で染まっていた。]
――――…、
[数日前まで皆がここで集まって、飲んで、笑って。 酒場が、村が、このような姿になってしまうなんて 考えもしなかった。
目の前で、男の命に裁を下したサイラスが ベネットの手によって殺される―――…、 立ち尽くす、ベネットの、その表情に。 従妹の共犯者の最後の1人を見つけた気がして。
小さく、彼の名を呼ぶ声は彼自身には届かない。
2人の様子に傷ましげに目を伏せて、 サイラスを運ぶベネットの姿を見送った。]
(99) chiz 2015/05/25(Mon) 16時頃
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[彼の、彼らの行き先を追う事はなく、 誰かの姿を探すように赤く染まった場を仰ぐ。 この場に生き延びて欲しいと願った、 ラズベリー色の色を纏う赤い瞳の幼馴染の姿はなく。 それもまた、辿りつくひとつの答え。
男が進むのは、その奥――…従妹のいる場所へ。*]
(100) chiz 2015/05/25(Mon) 16時頃
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[ 10年ぶりに瞳を焦がす光は ちかちかと瞬いてうまく像を結んでくれない。
それでも、これだけはと見続けた空色は 伏せられたいまも鮮明に脳裏で揺れて、 わたしの目線を引き寄せるんだ。]
……さい、らす……。
[ ふわりと笑む目の前の口元>>91
( ああ、人ってこんなふうに笑うのだっけ )
だんだんと視界は広がり、二重になるひとのかたち。 「きんいろ」の髪にからみつく鮮血の「あか」 「薄めの肌」にぼっかりと空いた深淵の「くろ」
むせ返るような血の香りが 抱いた掌にまとわりつくのに
( わたしはすこしも 悲しくないんだ )]
(101) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
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[ 「彼」は目をとじたまま、「影」がゆっくりと目を開く。
( 気がついて、わたしを見て、名前を呼んで )
わたしが願ってしまった通りに響く声>>93 先生にすら隠せなかった>>5:+95、わたしの本心>>5:+104
聞きたかった声がわたしの名前を呼ぶたびに 頬に添えた手が、包み返されることに 嬉しさと自責が 津波のように押し寄せて 開けたばかりの瞳から泪が溢れて止まらない。
( ごめんなさい ごめんなさい ごめんなさい ) ( わたし、あなたに会いたいって思ってた ) ( それってつまり 死んで欲しいって 思ってた )
( みんなみんな しんでしまえばいいのに って )]
(102) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
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……………。
[ 目の前の蒼い宝石がわたしを射抜いて 滴る罪を拭うように、優しい指が頬を滑る>>96
どうしようもなく、嬉しいんだ。 それがどうしようもなく つらい。
悪いのは俺だと、守れなくてごめんという彼の謝罪が わたしの耳に刺さるのを避けるように、 ぶんぶんと 大きく頭を横に振るって]
……いいの。 …サイラスはなんにも、わるくない。
[ 「お前さんは、何も悪かねぇ」そうだったらいいのに。 守りたかった人を守ることが出来なかったことと 大切にしてくれた人の死を願うこと。
どっちが「わるいこと」か、そのくらい子供でもわかる。]
(103) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
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[ ぎちり、と噛み締めた下唇は 血が浮くこともなく 吐き出せない「罪」は、体の中を喰い荒らす。
優しく添えられた手も、 「もういちど」降ってきた口づけも 耳をくすぐるやさしい言葉も>>97
わたしの望むものが与えられるたび、 まるでおなかの中に石が詰められたように、重くなる。
どんどん どんどん 尖った石でいびつにふくらんだ腹部は垂れ下がり
「愛」>>-456は迷いなく その腹を裂いていった。]
(104) kanko 2015/05/25(Mon) 21時頃
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[臆病のままに、蓋をしていた感情。 その蓋を取り去り、身体から自由になった魂に任せるように吐き出した想い。
死と生で隔てられていた、そう長くはない間。 少女の中に根付いた罪のせいか、吐き出した想いは彼女の中を重く石のように蝕んでいく>>104。
それを知らない男は、マーゴがぎちりと下唇を噛み締めたことに気づいた時、わずかに蒼の瞳をまたたかせた]
(105) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
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[額と同じように届けようとした口づけは、拒絶の言葉>>-476に止まる。 振られたか? と思う間もなく、顔を寄せた少女の目尻からは花びらのように涙が溢れ出した。
それに目を瞠らせて、涙をまた拭ってやろうとしたのだが、それより先に髪に鼻をうずめるようにしたマーゴに逃げられてしまう]
……くすぐったい。
[そうして嗚咽に混じる繰り言と一緒に、耳朶が涙で濡らされる。 その感触に思わず静かに呟けば、彼女の華奢な腕が抱きついてきた。
続くのは、己の身体に抱きつく少女にとっては懺悔の言葉なのだろう。]
(106) hisetu 2015/05/25(Mon) 22時頃
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―― 教会 ――
[ さくり。 さくり。 土を踏む。 歩む先は暗くとも、その足取りに迷いはない。 時折、パキリと乾いた音が鳴る。 乾燥した木の枝を、踏み分け行き着いた先は、 焼け焦げた、教会の残骸。]
――……。
[辛うじて建物の名残である事を伝えるような入り口を潜り抜け、 中へと足を踏み入れる。 半身を失った教会は、屋根も残さず焦げ落ちて、 見上げれば闇を彩る瞬く星が、天井の代わりとなっていた。
村の唯一の医者であった彼の人を埋葬する為に、 避けられた建物の残骸と、辛うじて形を残した長椅子の合間を縫い、 今はもう跡形も無くした聖母を見上げた。]
(107) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[静謐な空間だった場所に、さざめく森の音。
もう、サイラスはベネットの手に掛かった後だろうか。
彼らの会話が終わる前に、席を立った。 二人の会話を邪魔せぬように。 先に席を立ったドナルドの後を追う為に。
サイラスの最期を、見ない為に――。]
(108) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[紅い石を持っていた手に今あるのは。 自室に戻った時に洗面器から拾い上げた 紅く染まったマーガレットの花びら達。
その足で墓地に向かおうと思っていた。 墓地に並んだ墓碑に花を手向けて、弔いたかった。
行くことは、出来なかった。 私は――]
(109) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[夜風が頬に当たる。 掌を開けば、ふわりと。 風に紅く染まった花びらが舞い散る。
聖母を失ったこの場所で。 紅く染まった『信頼』の名の花が
ひらり、ひらりと
夜空に舞い上がり、夜闇に溶ける。
その行く末を見届けながら、弔う事の出来なかった同胞へ]
『 』
[口にした言葉は音を為さず。 最期の一枚までその花を見届け、別れを惜しんだ。*]
(110) milkxxxx 2015/05/25(Mon) 23時頃
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[サイラスを手に掛けて立ち尽くす男の脳裏には 集会のあった夜にドナルドと訪れた酒場の光景がふと過ぎる。 あの時飲んだ蜂蜜酒の甘さが、 サイラスの血肉の甘さと重なったせいかもしれない。 ひとの血肉も酒と同じ嗜好品で己にとっては無くとも困らない。 美味いと思えど贅沢を好む方でもなく、 ただ、共に過ごす者との時間を彩るものに過ぎず。
血に酔うたとしても案じる酒場の主人も、 手伝うグレッグの姿もなく掛かる声は無い。
ふと耳朶を掠める風が懐かしい声を思わせる。 呼ぶ声は失われた。 助けられなかった自責が、望みが顕れたに過ぎない。]
――…平気だ。
[己に言い聞かせるように呟き、酒場を離れた。]
(111) helmut 2015/05/26(Tue) 00時頃
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[夜風はほのかな冷たさを孕む。 村を巡れど探す彼女の姿はなかなか見つからない。 ふと目の前を過ぎる小さな紅く染まる花弁。 足を止めた其処は、焼けた教会の前。
どうしてこんな場所に、と過ぎる疑問。 祈りを捧げる場所は焼け落ちたはず。
不思議に思い、花に誘われるように門を潜る。 薄雲の切れ目から月が覗き、 教会にいるそのひとのもとへと柔らかな光が降り注ぐ。 ふわと風に揺れるその裾、ひらり、ひらりと舞う花弁。 その向こうに見える彼女は探していたそのひとで]
此処にいたんだね、クラリッサ。
[サク、と足音たてて、男はクラリッサへと歩み寄る。]
(112) helmut 2015/05/26(Tue) 00時頃
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[口にした言葉は音を為さず。 最期の一枚までその花を見届け、別れを惜しんだ。*]
[名を呼ぶ声が耳に届いて、その声の主を探す。 夜の闇に紛れた姿が、月の灯りを借りてその姿を映し出し、 その眼に留めれば]
――ベネット。
[確かめるように彼の名を呼んだ。 花びらを送り出した手を丸め、彼が歩み寄るのを待つ。 月夜の中でその表情を捉える程に近づいたなら、さくりと一歩音を立て。 胸の内に収まるように歩み寄る。 顔を上げて見上げたなら、その瞳を覗く。]
(113) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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[何と言葉を掛ければいいのか。
躊躇いに、目を伏せる。 うまく言葉にすることは出来ずに。 丸めた拳を開いて、そっと彼の頬に手を伸ばして]
……終わったの?
[そう一言、口にして彼の答えを待った。*]
(114) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 00時半頃
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[ とおもいかぬ幼子のように、ぐすぐすと鼻を鳴らして いま いちばん安心できる場所に縋りつく。 あの日玄関先で貰った安心と、寸分違わぬそのかたち。
ぽん ぽん
背中から染みこむおとが、失った心音のように響いて わたしのからだに血を送る。
体温が戻るような錯覚と、あたたかな声。 そんな言葉を紡ぐサイラスのかおの形を想像して
( 見ればいいのに。見られないってこともあるのね )
目元から鳴る小さなリップ音>>-488に目を瞑った。
腫れてしまった目を、ぽんやりとひらくと 目の前のだいすきなひとの顔をみて ゆっくりと説き聞かせるような「おはなし」を聴く。]
(115) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
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わたしは…なんにも傷付いてなんかないよ。
[ ふわり、視界から消える彼の顔。>>-489 目はどこかへ彷徨って、抱きとめていてくれた背に落ちる。
生きていているのが怖いと 忘れてしまうのが怖いと、そう紡ぐ声が愛おしくて わたしは 思ったよりも大きかった自分の手で 見つめた背中を ぽん、 ぽん と。
6歳のままでどこか止まった記憶を塗り替えるように 自分の手のひらを一度見て、男の背中を包み込む。]
わたしも、怖かった。 サイラスを見ていると あなたをこっちに引っ張ってしまいたくなるから。
……サイラスを連れてくるためなら わたし おおかみにだって、なれたかもしれない。
[ 眼前の首筋に小さな犬歯を押し当てて、直ぐに離した ]
(116) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
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サイラスが嬉しくても…… でも…
[ やっぱり死んで欲しいなんて 思っちゃいけない。 でも…… 忘れられるのは 触れられないことよりも、何よりもきっと つらい。]
…………うん。 わたしを忘れちゃ、いや。 わすれないで。 …おぼえてて。
[ 「わすれること」は生きるために、必要な事だけれど 死んでしまえば、全部抱えていたって いい。 両腕に力をきゅっと込め、その人が居ることを確かめて]
ん、っちょ っと、 ………ぅぅ…
[ 目元を弄られて>>-491小さくぱちぱち、と瞬き。 蒼い宝石と目が合うけれど、 生きた彼のものの色とは 確かに違っていた。]
(117) kanko 2015/05/26(Tue) 01時頃
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[同胞の命を奪ったその手を彼女に伸ばすのは躊躇われた。 名を呼んで、互いの距離を縮め]
待たせたね。 ひとりで心細くなかった?
[胸の内へと収まるクラリッサの肢体。 躊躇いは薄れて、彼女の背をそっと抱きしめる。 見上げる眼差しにゆると目を細め見詰めていれば 頬に彼女の手が触れ、微かに口許を緩める。]
――…終わったよ。 ああ、違うな、終わらせてきた、だね。
[さらと向けた言葉の意味は彼女なら正確に理解できるだろう。*]
(118) helmut 2015/05/26(Tue) 01時頃
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[背に回る腕に身を委ねながら、 問い掛けには緩く首を振り揺らす。]
どこかで。 貴方が来るような気がしていたから。
[怖くはないと。あの時伝えたように、 そう告げたなら、声が返るのを待った。
静かな彼の言葉が夜の闇に落ちて。 言い換えられたその言葉に、意味を悟る。 迷いのないその言葉に、彼の決意が見えた気がした。]
(119) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
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[ゆっくりと瞬きを一つ、肯定の代わりに返す。 労う言葉も、悼む言葉も。 きっと今彼が求めるものではないのだろう。
彼が浮かべた笑みにつられたように、淡く笑みを作る。 笑みを形作るその様子が、どこか憂いているようにも見えたから。 指の腹で、見えない涙を拭うように。 彼の頬を撫でたなら、驚かせてしまっただろうか。]
(120) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
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ねえ、ベネット。 貴方の今までの話を聞いたら、 これからの話をしましょう?
.
(121) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
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[終焉を迎えたこの騒動にピリオドを。 そしてこれから始まる物語を。
童話のように綺麗なものではないけれど。 貴方が望んだ道ならば、共に歩みたいと切に願って。*]
(122) milkxxxx 2015/05/26(Tue) 02時頃
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― >>110 ―
[――……掌に、誘われるように舞いこむ赤い花弁が一つ。]
……マーガレット、か。
[言い当てると同時に、 サフラン、桔梗にスイカズラ、ライラック。 墓地の一角に見たそれらの花々を思い出した。
静かに花弁を見下ろしてから、 男は夜に沈む焼け残った教会を見上げる。]
……やっぱり、 ”また” すぐに枯らしてしまったんだよ。 (診療所のマーガレットも、”彼ら”も、)
(123) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
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医者だったってのに、 どうもね……駄目みたいだ。
[ひとの命を花と例えるならば、 男は花を枯らしてばかりだった。]
[呟きと共にそっと赤い花弁を握り 村で起きた騒動の顛末を ただ見守っている。]
[生き残った彼らが、 これからどの道を信じて進むとしても どのような花を咲かせるとしても。 路傍の石の如き亡霊はそれを見送るのみ。 それ以外に道はなく]
(124) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
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[掌を開く。 風に、「信頼」の花が舞い上がり、消えていった。**]
(125) sane 2015/05/26(Tue) 06時頃
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