155 【身内】砂煙の村
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[自分の舌打ちひとつにいちいち身体を震わせる坊主の様子には、何でそこまで、とかすかな苛立ちが募る。こうも中途半端な対応を返されれば、心中穏やかじゃあ無いだろうに。 "後悔してもいい"――そう言う坊主(>>104)は、まるで後悔するわけが無いとでも言っているようで。 何だって餓鬼はこう、無駄に自信があるんだか。先の事より今を取れる、その無鉄砲さが実に鬱陶しく……そして少しだけ、羨ましい。
乱雑に抱いた胸の中、告げた言葉を坊主がどう取ったのかは分からんものの。黙り込んだ坊主(>>105)の頭を撫でながら、ひとつひとつ建前が崩れていく感覚に目眩がする。 年を追うごとに、何の理由も無く行動を起こせなくなっていく。何かするには、もっともらしい理由と建前を用意せんとならなくなっていく。この餓鬼みたいに、ただ自分の気持ちだけで突っ走るような事は――自分にはもう、出来ん。]
(115) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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………。
["優しい"と。そう言う坊主の言葉には、またも答える事が出来なかった。 自分が優しくない事なんざ、自分が一番良く知っている。今だってそうだ、一見優しいように見えるかもしれんが、その実やっていることは……酷く、酷なこと。 それはこの坊主が一番知っているだろうから――その言葉を、言葉通りには受け取れずに。]
……いい子だ。
[引き攣れ頷く声に、静かに告げて。了承されたんだからとっとと腕を離しても良かったんだが、未だ腕は坊主の背に。 ここは先程と違い、教会だ。自分と坊主の他には誰も居やせんから――"人前で泣かれたら面子が立たない"という建前はもう、使えない。 ただ単に、"坊主の泣き顔はあまり見たくは無いから"と。そんな理由すら掲げられん自分は、少しすれば腕を離すしか無いんだ。
鎖を引けば、絡められる腕に少しだけ肩の力を抜く。回されたそれはいつもよりもずっと弱々しいものだったから、目を閉じて眉を寄せてしまいつつ。 指の代わりに、鎖に指を絡めながら。そのまま鎖を辿り、裾に埋もれた坊主の手首を、ほんの一瞬だけ軽く握った。]
(116) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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[教会の扉を潜る際、告げた言葉はどうやら聞こえてしまったらしい。隣の坊主の息が止まるのを感じれば、あぁまたひとつ塞がれた逃げ道に心が騒つく。 こうしてひとつひとつ逃げ道を失って、建前も全て崩れ去っていった先には果たして何が残るのか。その頃にはもう――坊主はきっと、居ないだろうに。]
――……あぁ、クソ。
[花に布を巻きながら、自分がまだ煙草を咥えたままな事に気付く。教会では吸わんと決めているのに、どうやら自分は思った以上に動揺していたらしい。 情けないような、悔しいような。自分への呆れと侮蔑を含んだ息を吐いて近くの紙コップに花瓶の水を入れ、中に煙草を放り込んで火を消して。
差し出された白百合の花を、妙に改まった(>>107)に、"何を改まってんだ"、と苦笑を浮かべつつも受け取って。 花粉が落ちて花弁もよれた花ではなく、ちゃんとはりのある綺麗な百合を持つ坊主には少しだけほっとした。 形だけの文句(>>108)は聞き流して、浮かんだ笑みには眉を寄せ――その顔は、酷く好かんかったモンで、坊主の鼻をぎゅっと摘んでやりながら。]
(117) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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期待はするな、と言っただろう。 餓鬼がそんな顔してんじゃあねェよ。泣きたきゃ泣け、笑いたきゃ笑え。
……あぁでも、俺の前では泣くな。扱いがわからん。
[ぐりぐりと鼻を揺らしつつ、支離滅裂な注文を押し付けて。じゃあどうすればいいのかと聞かれれば、知らん、と一言答えただろうが。 期待されたいのか、されたくないのか――応えたいのか、応えたくないのか。答えが例え心の奥底で出ていたとしても、それを認めるにはまだまだ時間と勇気が足りない。
そうして菓子を詰めていれば、近付いてきた坊主に――坊主の問いに、怪訝そうな顔を向けて。菓子を詰める手を止め、視線を上に向けて坊主の言葉を反芻する。 一体、何の話だろうか。話し方から、何かの比喩なんだろうが、それが何なのかが自分にはまったく分からない。 それとも、この坊主の事だから。本当に食い物の話をしているのだろうか。]
(118) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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食わん。……が、どうだろうな。 食うなって言われりゃ、誰だってそれが実物以上に魅力的に見えちまうモンだ。
[視線を菓子へと戻し、そんな言葉を零す。 そう、神の言いつけを破り、蛇にそそのかされて果実を口にした者達のように。ひとたび禁じられてしまえば、人の心は容易くその果実に捕らえられてしまうのだろう。 どんな味なのか、歯ごたえなのか、香りなのか。日が経つにつれてその想いが、更にその果実を魅力的に見せてしまうのだろう――自分の命すらも、投げ出しても良いと思う程に。
そう、まるで今の自分のようじゃあないか。菓子を詰め終えた袋を眺め、そう思う。 食ってはならない、食うものかと。食う理由などないのだと目を背ければ背ける程に、じわじわと心を絡め取られていく自分のよう。]
(119) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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――……坊主は食うのか。 その果実とやらを……いや、お前さんは食いそうだな。
[手を離し、手にした花弁はその場に落とし。坊主の最後の問いには答えないまま――質問の意図がわからん以上、答えようがない――代わりの質問を口にする。 付け足した言葉には、呆れを込めて。何故だろうか、この坊主はそれを食べてしまうような、そんな気が、したモンで。 あぁ、でもそれは……俺も人の事は、言えんかも知れんな。
順調に、順調に。ひとつひとつ失われていく逃げ道と、重ねられていく失態と。 今でも頭を抱えて自分を殴り飛ばしてはやりたいけれど、あぁそう……そろそろ、慣れてきた。]
(120) 2015/04/11(Sat) 12時頃
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[いい子だって言われるのは>>116すきだったはずなんだけどな。 こういう場面で言われても、なんだか嬉しくないよ。 ……ぼくが大人だったら、もっとちゃんと ぼくのこと 見てもらえたのかなあ。
触れたままの手に、ずっとこのままでいたいって、そう そう思ったけど。 そんなことできないって、わかってるから だから 離されたら引さがったりはしないよ。
腕を絡めたときのおじちゃんの表情は、どういう意味があるんだろう。 ……腕を握る手は、どういう意味があるの? そうやって、こっちが期待するようなことばっかりして。
やっぱりおじちゃんは、言ってることとやってることが ちぐはぐだ。 悪い大人に、つかまっちゃったな、って こっそり 苦笑い ]
(121) 2015/04/11(Sat) 14時半頃
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[あぁそういえば、教会ではたばこ吸わないって言ってたのに いいのかな って、ゆらって流れる煙を見つめる。
でも すぐに吸うのをやめてたから、やっぱりだめだったみたい。 おじちゃんの動揺なんて知らないから、ぼくはただ 首を傾げるだけだけど]
ん、ぎゅ…… い いたいよ、おじちゃん
[何が気にくわなかったのか知らないけど、鼻をつままれれば眉を寄せながら いやいや、って 首をふったら、余計痛くって 結局、されるがままになるしかないや ]
……じゃあ、だれのまえならないていーの。
[ふふくそうなお顔のまま、いーって 歯をむき出して 知らないって答えられたら>>118、睨みつけてあげようか。
ほんのすこし戻ってきた調子には、自分でも安心しちゃう。 さっきから、沈んだ気分になってばっかりだったから ]
(122) 2015/04/11(Sat) 14時半頃
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[よくわからないまま尋ねたぼくの質問は やっぱりきちんと意味が伝わらなかったみたい。 そもそも 色々はしょって伝えちゃったから、無理もないんだろうけど。
それでも答え>>119がもらえたなら、ひとつ うなずいて おじちゃんも食べないんだなって、すこしほっとしちゃう。
だってそれなら、もし おじちゃんにすきな人がいても 触って消えちゃったりは しないもんね ]
たべたくっても たべちゃだめだよ。 おじちゃんがしんじゃったら ぼく なくからね。
[泣くどころじゃないだろうけど、からかうように言って お菓子の方ばっかり見るおじちゃんのお腹を、つんつん。 ぼくがとなりにいるんだから、お菓子じゃなくってこっちを見てよ ]
(123) 2015/04/11(Sat) 14時半頃
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[ひらひら 落ちる花びらを目で追いながら 熱いほっぺを隠すみたいに、ぼくは うつむくしかなくって なんでもないふうに質問を返してくるおじちゃん>>120が、すっごくにくたらしく思える ]
……ぼく いまならたべてもいい。
[腕を絡めて、ぴったり おじちゃんにくっつく。 ぎゅう、って 腕を抱きしめたらこのどきどき も、バレちゃうかも。
胸の辺りに、ぐって顔を押しつけて せめて真っ赤になったお顔は見えないようにって、思ったんだけど 耳までは隠せないから、きっと意味はないんだろうな ]
たべなくてもいいって、おもってたのに。 おじちゃんの せいだからね。
[言ったってきっと 意味なんて伝わらないんだろうけど でも 言わずにはいられないや ]
(124) 2015/04/11(Sat) 15時頃
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[触れなくったって 手に入らなくったって となりにいれればいいって、そう思ってたのに。
死んでもいいくらい あなたに触れたい、だなんて ちゃんと キスがしたいだなんて そう思わせたのは、おじちゃんなんだから ]
……せきにん、とってよ
[ちいさくちいさく、聞こえないように呟きながら 押しつけてた顔を上げて、おじちゃんを見上げる。 そうしたら、どんな表情が見れたんだろう。
腕を上げて、そで越しにおじちゃんの唇に触って ほんのすこし背のびをして、顔を近づける]
………… すきだよ、おじちゃん。
[――それでも 結局 直接触ることは、できなかったけど ]
(125) 2015/04/11(Sat) 15時頃
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[鼻をつまみながら、素っ頓狂な呻きを上げる坊主(>>122)を見下ろして。さっきまで泣いていやがったくせに、その反応が愉快で愉快で、ついつい手に力が籠ってしまう。 歯を剥き出して睨み付けてくる坊主には、口を歪めて鼻を鳴らして。 "泣きたい気分にならなきゃいいんだよ"、と。少しばかり無茶な事を言ってやった。
本当なら、泣かせてやるのがいいんだろうが。しかしどうにも、泣いてる餓鬼の扱いが分からんモンでね。]
……泣き虫が。 だがもしも、そいつを食って俺が死んじまっても、墓の前では泣くなよ。
[からかうように言われた(>>123)モンだから、こっちもまた軽口を返す。 今朝、雑貨屋に行く前のような。何年も続けてきたようなこんなやり取りが戻ってきた事に、内心少しホッとしながら。 ――それでも、その時とは確実に違う坊主の表情に。またひとつざわりと、胸を引っ掻かれながら。]
(126) 2015/04/11(Sat) 17時頃
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……はぁ?今ならって何だ、時期で味が変わりでもすんのか。
[腕を回され、真っ赤になった顔を押し付けてくる坊主には、今度はこっちが素っ頓狂な声を上げる番か。坊主の話は結局何の話か分からんかったから、一先ず言葉通りに食い物の話と受け取って。 カソックとシャツに阻まれて、坊主の心臓の音までは伝わっては来なかったが、坊主の耳と行動を見れば想像くらいは出来ようもの。
そのまま告げられた恨み言(>>124)の意味は、やっぱり分からずに。首を傾げてただただ不思議そうな視線を向けるばかり。 自分にとっての毒の果実と、坊主にとっての毒の果実。それらが同じ物だなんて、考えようともせんままに。]
……ん?今何つった、もう少し大きな声……
[小さく呟かれた坊主の言葉(>>125)は、この静かな教会の中でも耳に届かん程には小さいもので。聞き返そうと軽く屈んだ先、押し当てられた袖口に思わず口を噤む。
先の自分のように、布を隔てて触れてくる坊主はどんな顔をしていたろうか。じゃらりと硬い鎖の音に漸くハッとしたのなら、まるで触れようとでもするようなその腕を――いつの間にか眼前に迫る坊主の顔を振り払おうと、手を上げようとしたんだが。]
(127) 2015/04/11(Sat) 17時半頃
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………、そりゃあもう聞いた。何度も言わんでいい、ったく……、
[つい、と。真っ直ぐに見つめてくる坊主の視線に耐えかねて、ふいに視線を逸らして。ついでに一度止まった手を再度持ち上げ、坊主の顔を押しのける。 餓鬼は本当に、これだから。自分のような歳を食って汚れたオッサンには、その真っ直ぐさが痛々しい。
言葉も、行動も。どれもこれもが"間違って"いる事など、わかっているのに。 未だその間違いも正せずに――かと言って、間違ったまま進む覚悟も決まらずに。 ただ坊主を弄ぶようにして、中途半端な事ばかりを繰り返す自分が嫌になる、が。]
――……考えておく、と言ったろう。俺は男に走る趣味は無ェんだよ。
[押しのけた手で坊主の前髪を掻き上げ、絞り出すように言葉を紡ぎ。あぁまた一つ潰れた逃げ道に頭を抱えるのは内心だけで、今度は逃げないように坊主の目をじっと見据える。
これじゃあまるで、期待しろとでも言っているようじゃあないか。決定的な言葉はひとつもやらずに、ただこうして餌ばかりを撒き散らす自分に、坊主が愛想を尽かすのは果たしていつになる事か。]
(128) 2015/04/11(Sat) 17時半頃
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息子程も年の違う男の餓鬼に靡くには、オッサンは少し歳を取り過ぎたんでな。 そう簡単に、今すぐお前さんに応えられる訳が無ェだろう。
[わしわしと頭をかき混ぜながら、眉を下げて告げる言葉は自分でも驚く程落ち着いたもので。告げた事実は坊主の顔を歪めたかも知らんが、そこは我慢して貰うしかない。
かき混ぜる手は、徐々に緩やかに。最後には手を止めてしまいながら、次の言葉を用意して。すう、と息を吐き、一度息を止めれば頭を抑え、坊主にこっちを向かせながら。]
…………、
結論を急くな、大人しくしてろ。じゃなきゃ考えてもやらんぞ、……ん?
[漏れた小さな嘲笑は、自分に向けて。浮かべた苦笑は、坊主に向けて。語尾を上げて、伺うように口の端を持ち上げる。 未だ揺れる心の中で、自分が出せる言葉はここまでだ、と。背に壁を感じながら眉を下げれば、諦めたように息を吐いた。]
(129) 2015/04/11(Sat) 17時半頃
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[わけがわかんないってふうにされても>>127、なんにも言えない。 だって 触って消えてもいいなんて思ってるってバレたら、きっと 怒られちゃうもん。
もう一度っていうおじちゃんの口をふさぐみたいに、手を当てて 見つめる表情は、真剣そのものなんだろうけど ほんのすこし かなしかったから、こわばっちゃったかも ]
まだ ちゃんと、言ってなかった から。 ……うそじゃないし からかってもないからね。
[そらされる視線>>128に、また胸がズキン、って 痛む。 笑顔をうかべようとしたけど、やっぱり、上手にはできなくって だから おじちゃんの手にお顔が押しのけられたら、すこし安心しちゃった。
目はそらさないでほしいけど でも こういうお顔は、きっと嫌がられるから ]
しゅみがないなら なんで、かんがえてくれるの?
[おじちゃんの手が前髪にいくまでには、表情もマシになったかな ]
(130) 2015/04/11(Sat) 20時半頃
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……そう だね。 かんがえてくれて、ありがとう。
[こっちを見てくれたおじちゃん>>129に、にっこり、って 笑顔をうかべて言う。 この言葉が、どう伝わるかなんてわかんないけど ……やっぱり少し、非難する気持ちを 言葉に隠して。
歳の差って、そんなに気にすることなのかな。 ぼくから見たら、そりゃ おじちゃんはおじちゃんだけど そういうところもひっくるめてすきなんだから、それでいいんじゃないの?
疑問はあったけど、困らせたくはないから何も言わないまま 頭をなでられれば、きっと今の表情もおじちゃんには見えないよね。
止まる手にすこしきょとんとしながら 抱えられておじちゃんの方を向けられれば、 ついつい さっきのことを思い出しちゃって、眉が寄っちゃう ]
(131) 2015/04/11(Sat) 20時半頃
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ず るいよ。 ……おじちゃんは、ずるい。
[こんなこと言うつもりなんてなかったのに。 眉を下げて、下手くそな笑顔を浮かべて ため息をつくおじちゃんに、ズキ 、胸が痛む。
そうやって、むりやり何も言えないようにして ぼくにばっかり我慢させるくせに、あんなことをしてくるんだから。
大人しくしてほしいなら、おじちゃんも大人しくしててよ。 期待させたくないなら、気をもたせるようなことしないで。
……うかぶ言葉は、やっぱり口にはできない。 言ったら、ほんとにつきはなされちゃいそうだもん ]
……ぼくがおとなだったら、よかったのかな
[それにしたって、男だっていうのはどうにもできないよ。 おんなのこみたいなやわらかい体も、甘いにおいも、ぼくにはないから きっと おじちゃんを満足させることなんて、できない ]
(132) 2015/04/11(Sat) 20時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2015/04/11(Sat) 21時頃
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[少しだけ強張った顔で再度念を押してくる坊主にも、やはり視線を戻す事はせずに。からかっているだとか、嘘だとか。今更そんな事は思わんし、それを理由に出来るとも思っていない。
話は終わりだと言ってるにも関わらず、最後に一言付け加えられた言葉には、敢えて返事は返さずに。 ――またしたくなったら、だと。これが最初で最後だと、そう言えれば一番良かったんだろうが。 それでもどうして、これが最後じゃないような。そんな気がしているんだか……また触れたいと、心の底では思っていると言うのだろうか。]
揚げ足を取るんじゃあない。お前さんは本当に、余計な一言が好きだな……えぇ?
[坊主の顔を押し退け、投げられたどうして(>>130)には舌打ちと共に非難の言葉を。ギロリと坊主を睨み付け、指で額を押し込む。 余計な事は言わずに、そうして頷いてりゃいいんだと。笑顔と共に言われた言葉(>>140)に頷きつつも、そこに込められた別の色には気付かずに。]
(133) 2015/04/11(Sat) 23時頃
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[――考えんようにしていた、と。そう言った方が正しいか。そりゃあそうだ、考えてしまえば、そこから自ずと答えが出てしまうから。 骨ばった貧相な男の餓鬼に触れた所で、何も楽しくなんざ無い。それでもあの時確かに、そう願う気持ちがあったのだと……認めざるを得なく、なってしまうから。]
大人は狡いモンなんだよ。お前さんもそのうち、狡くなる。
[きっと五年後十年後、坊主はこの時の事を忘れたいと思うのだろう。父程も年の離れた男に、こうして好きだと宣った事を。 "おとなだったらよかったのかな"、あぁまったくその通りだ。もしも坊主がもう少し歳を食っていて、色んなしがらみを知っていれば。その上でなら、自分はもう少し、臆病にならずに済んだのかもしれない。
そう、もっともらしい理由を捏ねてはいるものの、要は自分が怖いだけだ。坊主が間違いに気付いた時に、自分だけが引き返せなくなるのが――怖いだけだ。]
(134) 2015/04/11(Sat) 23時頃
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……その時にはきっと、後悔してるだろうがね。
[小さく呟き、坊主の頭を掴んだ手を離す。 坊主が後悔した時に、せめて少しでもその後悔が少ないようにと、そう考える自分は既に、戻れない所まで来ているのかもしれない。
あぁ、それなら。この呪われた村は好都合なのかも知れん。 触れれば消える、分かりやすく恐ろしいその呪いは、何よりの大義名分。この先決して坊主に触れずに済む……何よりの、理由になる。]
(135) 2015/04/11(Sat) 23時頃
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……さて。そろそろ帰れ、お袋さんが待ってんじゃあねェのか。お使いの途中だろう。 送ってやる、行くぞ。
[坊主を引っぺがし、椅子に置いたままの袋を取り。随分と長居させてしまったから、と小さな理由を付けて同行を申し出る。 坊主の事だ、きっと断りはせんだろうと。不恰好になってしまった白百合に苦笑を向けつつも、さっきみたいに鎖を引いて、教会の扉へと向かった。
坊主はもしかしたら、駄々を捏ねはしただろうか。捏ねたのならまた鬱陶しげに、なら勝手にしろと自分一人で扉へと向かっただろうが。 そうすりゃあきっと、――追い掛けて、来るんだろう?]
(136) 2015/04/11(Sat) 23時頃
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[大人はずるいって、知ってたけどさ。 それを自分で言うのは>>134、どうかと思うよ。
頭を離されれば>>135、おじちゃんの顔を盗み見ながら べぇ、って 舌をつき出して ]
こうかいするかしないかは、ぼくがきめるよ。 そんなの、おじちゃんがしんぱいすることじゃ ないもん。
[逃げてないで、もっと真剣にぼくを見てよ。 子供だとか、大人だとか そんなの どうだっていいじゃない。
人をすきになるのって、そんなに難しいことだとは思わないけどなあ。 どうして大人って、そんなに難しく考えるんだろう。 後悔するかもとか考えながら人をすきになってたら だれもしあわせになれないよ。
……そう考えるぼくが 単純すぎるのかもしれないけどさ ]
(137) 2015/04/12(Sun) 01時半頃
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…… かえりたく ない。
[鎖を引かれても>>136素直については行けなくって いやいや って首を振りながら、おじちゃんの方を見る。
触ることもできないし、その代わりにしたおねだりもつっぱねられちゃったから せめてもうすこし、一緒にいたいと思ったんだけど ]
やっ やだ、いかないで! ……かえる。かえるから、
[うっとうしそうに扉に向かうおじちゃんの背中を、あわてて追いかけていく。 おじちゃんがいないなら、ここにいたって意味ないもん。 なんだか いいようにされてるみたいで、複雑だけど。
ふふくそうにしながら横に並んで おじちゃんの腕を取りながら、すりよるように腕を組んで。 ……もっと 一緒にいてくれても、いいのにな ]
(138) 2015/04/12(Sun) 01時半頃
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[離れないように、ちゃんと腕を組みなおして、ひらいた扉から 教会の外へと。
大人しくおうちへの道を進むけど、どうしても あゆみは遅くなっちゃう。 おじちゃんが速くあるこうとしたって、これだけはゆずれないよ。 言うことはちゃんと聞くから せめて もうすこしだけ、一緒にいてね ]
――おじちゃんは、
[ぐ、って腕を引きながら おじちゃんの肩のあたりに、頭をすり寄らせて ぽつり ちいさな声で口をひらく ]
おじちゃんは、ぼくがきえたら ないてくれる? かなしんで、くれる?
[だからそんなに、触られるのを嫌がるのかなって そんなの、ただ ぼくの願望でしかないんだけどさ。 それでも すこしでも 悲しんでくれたらいーな ]
ぼく おじちゃんがかなしむなら ぜったい、きえたりしないから ね。
(139) 2015/04/12(Sun) 01時半頃
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許婚 ニコラスは、メモを貼った。
2015/04/12(Sun) 01時半頃
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[ああ、>>65また困ったような顔をする。困るなら言ってくれれば良いのに。きっと、それをしないのも彼だからであると思うけれど。]
(140) 2015/04/12(Sun) 05時頃
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気にするなよ。 もう決まった事なんだからさ。
[>>66意地かと思えるほど袋を渡さない彼さえも面白くて、首を向けて振り返っては口元を緩めて笑う。 遠慮されたからには、じゃあいいや、って素っ気なく手を引いたけれど。]
あ。あんたは大丈夫?
[ぶらりと落ちる空いた手の手持無沙汰を埋めたくて視線を彷徨わせていたら>>102結構な荷物を抱える変わり者の彼女。 自然と手を伸ばせばそこに紙袋を受け取って。]
いーよ、持つ。
[いつも顰め面かと思ったけど、何だ、ちゃんと笑えるじゃん。]
(141) 2015/04/12(Sun) 05時頃
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や、暇だし。いいよ。 それとも、行かない方が、いい?
[嫌なのかもって本当は考えたりもする。けれど、気にしていては商売は出来ない。 交渉するように細めた目でチラリと、>>67遠慮する彼を一瞥しながら片腕に抱え込んだ袋を揺すって見せる。一人で持っていけるのか、と。]
いいって!
[か細く謝る彼はきっと考え過ぎだ。俺にとっては何も大したことは無い。 そんな彼を想像すると面白くて、眉を下げて困ったように笑った。]
(142) 2015/04/12(Sun) 05時頃
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…?
[広場に立ち入ってすぐに、皆が耳打ちをする、嫌な感じ。 隠し事をする時の細やかなざわめきと異質な静けさ。
迅速に同行する彼女が捕まえた情報源>>103の話から、原因ははっきりしたのだけど。]
(143) 2015/04/12(Sun) 05時頃
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…だから、気をつけろって…
[触れれば砂になる。 仕組みも、理由も、説明はできない。 それはただの常識だった。神が言う言葉が正しいように疑いようの無いものだった。
それを破るなんて。 苛だちか悔しさか不快な感情に眉間に皺を寄せる。]
(144) 2015/04/12(Sun) 05時頃
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