246 とある結社の手記:9
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そっかあ…。うん。
そっか、もたないか。もたないかなー…そっか。
[何となく。自分が”人間”であるから失念してしまうのだ。
期待してしまうところがある。
他の人間も、「こっち側」に来れるんじゃないか。
声なき声で囁き交わせなくても。
楽しくやっていけるんじゃないのか、と。
───そう考えてしまうことが、もう「狂っている」のかも知れないけど。]
あ、でもたぶん正直、
明日は泣くと思うけど。
そこは許してね。
[明日彼が死ぬと思っている。
だけど声の調子はどこまでも気楽だ。
そうしてきっと、彼が死んでも。すぐに、この建物を出るころには、きっと何でもなくなっているのだろう。結局は、一時的な。今だけの、仲間だから。]
…本当ははわからないけどね。
期待して駄目だったら、それこそ悲しいじゃない。
分かった。
スージーの、好きにしていいよ。
[気楽に響く声に、音なく短い息が零れた。
返す口調は穏やかに、うんと一度合槌打って。]
まあね。
でも、…おめでと。スージー。
ラルフはそれだけ、スージーのことが好きだったんでしょ。
[人狼がとか、そういうんじゃなく。
それを彼女が喜び、またこの先に納得をするのならそれでいい。そう思った。]
だれもそんなところに文句なんざ
言ったことねえだろ。
[と、少し可笑しそうにして、ルパートは仕事に戻った。
ここは人狼の腹。明日もひとり誰か平らげる。
*宿屋の主人は、愛した自分の宿の手入れをする。*]
ありがと。
…お祝いされるってのも、変な気もちだけど。
でも、うん。ありがと。
そっかな。そうだと嬉しいな。
じゃあピスティオも?
ベッキーが、それくらいピスティオの事、
好きで居てくれるといいわね。
[なんて笑って。]
確かに。
[ルパートの言葉にはそう納得したような言葉を返して。うん、とひとつ *頷いた。*]
じゃ、ラルフに入れておくよ。
予定通り。
…二票、だ。
へへ…っ。うん、そうだね。
でもベッキーはきっと、ルパートさんが好きなんだと思うなあ。
怖いけど、怖くていいよってさ。人狼のこと。
[言葉の後半はルパートへ。
人間とは違う感性の彼が、どう聞くかは正確には分からないけど。]
どっちもじゃない?
って私は思ってるけど。
…そっか。
─── そっかあ。
ベッキー、いいこね。
そ、ベッキーの分。
あのまま持たせておくのも大変そうだし……、
もしかしたら、ベッキーには不本意かもしれないけどさ。
あーあ。明日怒られたらどうしようかなあ。
[軽い口調で嘆いた。]
だろ?
だからさ。一緒に来てくれるといいなあ。
[自分が褒められたように嬉しそうに無邪気に笑った。]
………がんばる。
あ、一緒にあやまっ……
[ヘタレが口をつきかけて、流石に踏みとどまった。]
[無邪気な笑いに、そうね。と笑い返したけれど。]
……
[踏みとどまった言葉を聞くと、]
よろしい。
がーんば。
甲斐性なしの汚名返上よ。
[危ないところだった。
目の前に居れば、ちょっと情けない顔をしただろうけど。]
甲斐性なしとかさあ……
…、が、頑張るっス。
[モンドと対峙した時と同じか、それ以上の勇気が必要そうだった。]
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