272 【R18RP】十一月と、蝶が奏でる前奏曲
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― 回想・去年の冬の日 ―
[雪面の照り返しの眩さに目を細めながら、吹きつける凍て風にぶるりと身を震わせる。しんしんと降る雪が鼻先に積もっては、熱に負けて溶け、一方で、手袋に降る雪のひとひらを見れば、その形をしばし留めて結晶を作っていた。
やがて形を失せたそれから視線を上げ、一面の銀世界を見やる。雪だった滴が視界のグラスを多少遮れど、春には緑の広がる野原が冬に白一色に埋め尽くされる光景は美しい。すう、と冷えた空気をいっぱいに吸った。肺がぎゅっと冷える。それをゆっくりを吐き出せば、気分もすっきりと晴れ――]
……朝っぱらから大声出すな。
[ひやりとした空気はぬるい溜息になって長く吐き出された。 キャンキャンと吠える大声に対し、憂鬱げに返した台詞にもどこ吹く風だ。あっちが空にぷかぷか浮かぶ真っ白い雲の高さなら、こっちは膝下十五センチぐらい低さで、声調から見るテンション差は歴然な癖にこいつはてんで気にしない。 まあ、気にするやつでもないのは知っているのだが。そういうやつだ。長年一緒にいたらそれぐらい分かるし、諦めだってついている]
(76) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[そもそも、夜が明け、太陽が昇って間もない朝イチで、「雪が積もった!!!!」と叩き起こされて、流石に早すぎるだろうがと文句をこぼしながらも、その誘いを断りきれずに素直に連れてこられた辺りで、この幼馴染みには妙に負けがちだ]
だからな。 仔犬か??
[けたたましく吠えながらそこらを夢中で駆け回る、なんてのは仔犬の遊びだ。久々の積雪に童心に返って遊ぶと言えばまだ響きはいいが、あいにくこいつは普段の言動から仔犬っぽい。 グルーミング離れもできていない。流石にそろそろ卒業させた方がいいと思っているが上手くいかない。 どうして……思わず他所に逸れた思考も、吠声が微妙に遠のいたのに気付けば]
ティム、おまえどこまで行く気だ!
[ハチャメチャにテンションが上がってしまったのだろう、あっという間に離れていった。だめだ、放っておけばどこまで行くか分からんぞこれは。はあ、ともう一度息をつくと、その背を追って走る]
(77) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[みしっ、みしっ、ぎゅ、みしっ。
新雪を喜色で冒した足跡に、重ねて踏みしめて道を辿れば、やがて雪まみれになった幼馴染みを発見する。自分から突っ込んだのか転んだのか。ツートンカラーの割合を常より白に寄せた顔は、ぶるぶるっと振れば元通り。 夢中で追いかけてきたこちらも鼻に積もった分をぶるりと払う。はあっ、と息を吐けば、存分に駆け走った心地良い疲れがある。勿論、それを素直に伝えはしないのだが]
……まあ、仕方ないな。 来年も積もったら来るか。
[放っといたらどこに行くか分からないからな。 ずれた眼鏡を掛け直しながら横目に伺えば、ご機嫌になって笑う幼馴染みの姿がある。ふっと口元を緩めて笑った。
どうせ、また強引に連れてこられる。 それを俺は、いつも断らない]*
(78) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[大和の冗談にこころが拳を振り上げる。 なんだかんだ言っていっつも仲良しで 特に大和には反抗期なんてないみたい。
年頃なのに二つ上のお姉ちゃんと ついでに私と並んで歩くのを嫌がらないって 本当にいい子だなあ〜。
いつの間にかなつ姉じゃなくて 菜摘って呼ばれるようになったのは ちょっと だいぶ 寂しいけれど ほんとの姉でもないし、しょうがないね。]
(79) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[ あの日あの時あの場所で君に会えなかったら、って もしもいつも通りにバスが来てたら 出会えなかったとか
もしも
いろんな歌手が歌うように
「もしも」はああ見えて「必然」なんだ だからそんな「もしも」は
…………期待をして、苦しいのは。
もしもに該当できない奴のifは 入れ過ぎた砂糖みたいに溶けやしないものだから。]
(80) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[そんなこと考えて二人の様子を見ていたら 今日もあっさり鞄を奪われる。>>74]
あっ、ちょ、大丈夫だってばー! 私だって鍛えてるんだからね!
[二つも年下に鞄を持たせるとか これはパワハラというやつでは?
もちろん私が頼んだことなんてないのに 最近は大和に荷物をとられてしまうんだ。]
も〜〜、自分で持つって言ってるのに。 大和だってこころだって疲れてるんだから まっすぐ帰っていいんだよー?
[私がそう言うのもいつものことで 大和は聞いてない風に見えるし こころはいいからいいから、と こっちもやっぱり聞きいれてはくれない。]
(81) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[でもでも、だいすきな二人と一緒に ちょっとでも長くいられるのは嬉しいから。
私はいつものように二人の優しさに甘えて こころの隣に並んでいつも通りの雑談をする。
そう、いつも通り。 こころがぽろっと言った言葉の 正しい意味を私が理解するまでは。>>75]
……え、ショッピングモール? そこって先月オープンしたやつだよね?
[そこに行く? 私とじゃなくて? 私とでも友達の誰かとでもなくて? 一人でも大和とでも家族とでもなくて?
ぐるぐる聞きたいことが頭の中で巡って 思わず足を止めてしまう。]
(82) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[先月郊外にオープンしたショッピングモールは いまオープン記念セールをしていて 私はこころを誘って一緒にいこうかなって 考えていたところだったの。
約束なんてしていないし 私が勝手に思っていただけなんだけど。 新しくできるって話を聞いた時に 二人で一緒に行こうねって その場で盛り上がっただけだったし。
でもこころは私じゃなくて 別の――ともだち、じゃない人と 一緒に行く予定を立ててたんだと知ったら]
あ、ううん。びっくりして。 そっかー、デートかぁ。
[違うって言われても 似たような何かってのはわかるよ。]
(83) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[電話が来たって言いながら ちょっと離れて話している背中を見つつ 好きな人がいることも知らなかったなぁ、なんて ぼんやり思って、鼻の奥がツンとした。
幼馴染で親友だけと 全部知っているわけじゃないんだね。]
……デート、いいなぁ。
[何を、誰への羨みかもよくわからず ただそうとだけ口に出して 私は足元の小石を蹴った。**]
(84) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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―――おやすみ、義姉さん。
[ ―――もしも。 あの瞬間に戻れたのなら、
俺はどうするんだろうな。
『if』が隔てる扉は閉じられる。 それが、必然だと言い聞かせるように**]
(85) 2019/11/02(Sat) 01時頃
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[反抗期は恋の前に無力だった。
そして好きな人を姉に知られている弟は 生まれたての子犬みたいな存在だ。
つまりはおもちゃ同然である。
それでも邪魔をするでもなく、むしろ 応援してくれるのはありがたがるべきなのか?
……道場の帰りも本当は2人で帰りたい。 でも、間がもたないのも分かってて。 姉ちゃんがいるのはありがたかったりも、する。
荷物を取り返そうとする菜摘を それとなく止めてくれたりもするし。>>81
結構な無茶を振ってもくるけど。]
(86) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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[記念セール中のショッピングモールは きっとすごい人だろう。 示し合わせて合流しなければ きっと知り合いがいても気付けないくらいに。
だから姉ちゃんは俺に菜摘を誘えって唆してきた。 自分は別の人と行くことにするからと。
本当にそんな奴がいるのかと聞いたら、 私だっていいなと思う人のひとりやふたり……と 左側に視線を寄せて返してくる。 嘘吐く時の癖ってなかなか直らないのな。
一緒に行こうって話していたなら>>83 そっちを優先させてくれと さすがに申し訳なさが先に来るんだけど。
どうしても1人で買いに行きたいものがあるって 内容を教えられたら乗るしかなかった。]
(87) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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[――でも彼氏候補とってのは さすがに盛りすぎじゃないの、姉ちゃん。
菜摘が俺に初めて菜摘呼びされた時みたいな 顔のまま固まってんだけど。>>82 あの時は嫌われたと思った菜摘の誤解を とくのにだいぶ苦労したっけなぁ。
今回も菜摘はデートと信じ込んだらしい。 姉ちゃんが意図的にしているとはいえ テンションが低くなった様子を見ると胸が痛んだ。
楽しみにしていた2人の時間を奪ったようで。 これで本当によかったんだろうか。
俺が、誘っても、菜摘は楽しくないんじゃ?]
(88) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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[電話の着信音で我に返る。
たぶん家からの電話に出ながら 少し離れていく姉ちゃんと視線が合った。
菜摘には見えない角度から 今だ行けって指で催促してくるな! 俺は今、繊細な心を痛めながら悩んでいるんだ!
けど、菜摘の口から 羨むような声を聞いてしまったから、>>84]
(89) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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菜摘、俺とデートしよう。
(90) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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――、っと、だな! 今のは言葉のあやっていうか、
菜摘がいいなぁなんて言うから!!
[口から出た言葉は戻らない。 慌てふためき忙しなく視線を動かしながら 緊張で拳を握り締める。
まだ早鐘みたいな心臓の音は治まってないけど 視線はなんとか菜摘に合わせて、]
俺も、ジャケットとか、新しいのほしいんだけど あんだけ広いとよく分かんなくてさ。
菜摘も行きたいならちょうどいいかなって。
[言い訳みたいな誘い文句。格好つかねぇなぁ。**]
(91) 2019/11/02(Sat) 02時頃
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[それは、たった一件だった]
(92) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[急な早退があり、仕事に穴が空いた。 本来、社内全体の飛行艇の航路確認、配送業務の割り当て等の運行管理を任されているが、幸い最低限すべきことは済ませていた。残りは穴埋めの手伝いをしながらこなせばいいだろう。
繁忙期でもない。手の空いた同僚も時折応援に駆けつけてくれれば、人不足と多少の不慣れからの忙しなさはあれ、特に問題も起こらず、受付業務は恙なく進んだ]
(93) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[それに気付いたのは夕暮れも近付いた頃。
発見したのは、今日が必着日だと記されている荷物だった。ぎりと歯を噛む。これは今朝までに気付くべきものだったのに。 見落とした原因は明らかに自分だった、手伝いにかまけて本来の業務の確認を怠った結果だ。
だが届けるにも業務の割り当ては既に終わっている。対応出来る人がいない。ならば俺が――と言いたくとも、この届け先、この時間。飛行艇でなければ到底間に合うまい。陸四免許しか持たない自分には不可能だった。 どうすべきか。業務外の仕事になるが、無理を押して誰かに頼むか、いや、しかし]
(94) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[そんな矢先だ。幼馴染みが配達から帰ってきたのは。 どうしたと声をかけられ、渋い表情で自分のミスと事情を説明すれば、ひどくあっさりとその荷を抱えてしまった。もう一件増えるぐらい平気だと、いつもの明るい笑みで引き受けてくれた。
申し訳なくもあったが、何より安堵した。 ティムならば大丈夫。そんな安心感があったから]
悪いな、助かった。今度埋め合わせはする。 それに夜はおまえが好きなの作るから。
[そう告げるとまた楽しげに笑って、ティムは再び愛車の空二へと戻っていった]
(95) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[だから、受け入れられなかった]
(96) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[管理室で自動監視システムを走らせるモニタが、一つの登録機体に異常接近する飛行艇の応答信号を拾って喚いてることも。衝突回避を指示してもみるみる距離が詰まっていくことも。接近した飛空艇と共に、見覚えのある機体の位置信号が完全に停止したことも。何度も何度も通信を試みても一切の応答が無かったことも。 何も、何も、何も受け入れられなくて、ただ、ただ、]
うそだ、うそだ、
[何が起こったかなんて考えたくもなくて、否定をして、有り得ないと繰り返して、だが巡る思考はどのような事故が発生したかを鮮明に想像させてしまう、応答信号は空四だ、彼が乗ってるのは空二、衝突すればどうなるかなど、そんなまさか、違う、何故、どうして、なんでティムが――]
(97) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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……俺の、
[たった、 たった、一件だった。 ミスは、ただそれだけだったのに]*
(98) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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― 11月・病室 ―
[ゆるく暖房がかかり、暖かみのあるベージュの色調が施された部屋にいるのは、二人だった。 ベッドに横たわるティムが手を伸ばし、がら、と窓を滑らせる音に耳をひくりと震わせる。硬い椅子に座りながら、幼馴染み越しに窓を眺めていれば、一気にひやりとした風が毛を撫でる]
もう、そんな時期か……
[椅子から立ち上がり、窓へと歩み寄ってみれば、疎ら降る雪は地に溶けていく。雪に似て、吐き出した声も常より弱く、平静を装いながらも語尾がかき消えた]
(99) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[“間に合わなかった”のが何を指すかを理解すれば、声も詰まる。 窓を眺める。雪を見つめる。だが意図して視界から省こうとしても、その端にちらと見えるものは意識を瞬く間に侵食した。
両足の義足、杖、車椅子。 あの日の衝突事故より、彼の相棒は二輪飛行艇ではなくなった。足を失っては空二に乗れはしない。もう二度と空を駆けることはかなわない。
空だけでなく、地も。事故から半年近くが経過して、未だに自力で立つことすら難儀する彼では、走るのはまだ先のこと。高く吠えて走り回るのが何より楽しいのだと言わんばかり、幼く笑うティムを見る日は、まだ遠く]
……代わりじゃ、意味がないだろう。
[冗談交じりの笑って告げる彼に吐き出せたのは、それがやっと。 瞬く間に小さくなるその背を追いかけてひっ捕まえる――そんな、仔犬じみた遊びに興じる時間が、どれほど貴重だったのか。
知らなかった、知るわけがなかった、そんなもの。来年の約束が叶わないなんて思ってもいなかった。当然のように果たすつもりでいた。 だが、彼の足は失われた。飛空艇の運転手の立場も、配達員という職も]
(100) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[――奪ったのは、自分だ。
吸い込んだ息は、病室と外気の混ざったぬるい温度のくせ、じくじくと喉を胸を刺していく。 例えそれが、中毒患者の起こした事故が原因でも。その現場でのティムの判断の結果としても。そもそも彼に荷を頼まなければ、起こらなかった筈の事故だった]
(101) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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[窓から手を伸ばし、雪を手に受ける。一瞬の内に淡く溶け落ちた]
粉雪だ。 ……まだ、積もらない。
[息が白むとは気温はまだ高い。積もるのは更に冷え込んでからだ。 だから。だから、まだ間に合うだろうと。ぽつりこぼした声は、粉雪の如く温い空気に消えていった]*
(102) 2019/11/02(Sat) 05時頃
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……君、嶺二くんの事好きだったの?
[眸を真ん丸くしながら尋ねてみる。>>60 だったら私、悪いことしたかな。 考えるんだって。真剣だね。それはそうか。 同性で…… ―――兄弟だもんね。 そんな思考は、カランカラン。 氷が重なる音に奪われる。]
(103) 2019/11/02(Sat) 11時頃
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[ ……マナの方が、いいな。 ]
(104) 2019/11/02(Sat) 11時頃
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