158 Anotherday for "wolves"
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どこに?
[答えは返っただろうか。
聞けば、また歩きだす。]
せんせ……………、ごめんなさい……。
ごめんなさい………なんでもないの、だだ…
こわくて………………。
[泣いたらカビてしまうって言ったのに]
サイラスのおうちに……います………。
[ 瞑った瞼が、 また 濡れた。 ]
『過ち』……。
悪いこと。
でも…、友達は、食べちゃいけない…もん。
[「どっちが過ち」か、なんて。
そんなことはわからないけど。
少女はその先の考えを
遮断した。答えを知るのが 怖い気がして。]
止めないよ……。
怒られても、しらないもんね。
お姉さんの言ってること
意味わかんない。
[わたしを馬鹿にしようとして
わざと難しい言い回しをするんだ。
と、少し不機嫌そうに不満じみた声で。]
[“お姉さん”の声に呼応するように聞こえる男の声。
幸か不幸か自分に話しかけられたことはないから
あまり聞かぬふりをするけれど。
男はオンチョウというのが誰のことかわかっているようで
ここでもおとなの仲間はずれのような気がして面白くなかった。
何が『味方』なもんか。
ラディスラヴァの口ぶりに頭の中で
そう否定して。]
お父さんまで難しい話する……。
[『力持つ者』の話。
それが何なのか
力とは何なのか
見当もつかない。
けれど。]
わたしかくれんぼ上手だから。
大丈夫だよ。
[と父には嬉しそうに
その無垢な弾む声で
返事をした。]
[不利益を被ると思しき考えは共有する意識にのせず。
それはいいこで在り続けた癖か本質か。]
犠牲を払わねば得られぬものもある。
寧ろ、犠牲を恐れた故に失うことの方が、怖いよ。
[可哀想と称される娘を思う。
より失えぬものの為に見捨てる。
力をつける為の糧があるにこしたことはない。]
『邪魔』を消して、
耐えることを強いられぬ『楽園』でも作るかい?
[手助けするという『味方』に軽い調子で言葉を向ける。]
[諦めにも似た音色が
彼には思うところがあるのだろうと感じさせた。]
――……。
[お前たちが生き延びる道、と彼は言う。
私たちではなく、お前たち、と。
自身を含まぬかのような物言いにピクと片眉がはねた。]
我が子が愛しいならその子の傍に居て
その子が大人になるまで守っておいでよ。
何処の馬の骨とも知れぬ者に任せたくはないだろう?
[軽口染みたものを年上の彼へ投げ]
[力を持つ者の話には]
御伽噺や伝承にそんな話があったような気がするけど
人を食らう人狼を見抜く術持つ者、か。
この村に、いなければいいね。
もし居たら、厄介だ。
族長と同じかそれ以上に『邪魔』になるかもね。
――…ん、用心するよ。
[普段と変わらぬ柔らかな口調で。]
[「おとなの仲間入り」なんて
全然違うじゃない……。
ツン、と口をとがらせる。
昨日からこのかた、うまくいかないことばかり。]
お兄さん、聞こえる?
…あなたは誰?
わたしの頭の中に住んでる悪魔なの?
[と女よりは幾分か柔らかな声色の持ち主に語り掛けてみることにした。]
[聞こえる少女の声に意識を向ける。]
聞こえているよ。
――…ああ、名乗っていなかったっけ。
残念ながら悪魔じゃないなぁ。
ほら、聞き覚えがないかい?
僕は本屋のベネットだよ。
[柔らかな口調のまま、名乗り]
辛い時は、誰かに頼れと言っただろう?
だから。それでいいんだよ。マーゴット。
[繰り返される「ごめんなさい」を
宥めるように]
……待ってなさい。
[それだけ告げた*]
せんせ、 …ありがとう………。
[ わたしの声を聞いてくれて。 ここまで来てくれて。
彼を連れて、きてくれて。]
宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/14(Thu) 22時頃
ベネット……?
本屋のベネット…。
[聞いたままに繰り返して]
うそ…――。
じゃあもしかして、お姉さんの村に住んでる人…?
じゃあ本当に村の人を殺しちゃうの…?
どうして…。
[どうして。
理由はずっと話していた。
なんとなく話が理解できるようになってきた。
思い出せ、思い出せ。
彼らはなんと言っていたか。]
宿屋 ルパートは、メモを貼った。
2015/05/14(Thu) 23時半頃
[少女の反応から
正体に気付いていなかったのだと確信する。]
――…お姉さんに名を訊いてみるといい。
きっとキミも知ってるひとだ。
全部、村での話だよ。
[屠ろうとするのが誰なのか。
それを導き出すとすれば彼女自身。
どうして、の答えは綴らず、
村の人を、という言葉を肯定する応えを。]
|
─ 花屋 ─
クラリッサ。 何もしていなくとも…、
… 罪人は出来るものだよ。
[先の言葉>>517へと、遅れたこたえ。 身体を斜めに、少し後ろを振り向くように返せば、 その表情はきっと彼女からはひどく見難く]
ここに味方はなく、ここに敵はなく。 されどお前の心が私を敵と見るなら、 お前はお前の心で私をそのようにするだろう──…
[何かを暗誦するかのように口にして。 一度静かに目を伏せる]
(529) 2015/05/14(Thu) 23時半頃
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|
ありがとう。
[少し躊躇うようにしてから、音を続ける]
君も、…気をつけるんだよ。
[そのまま、振り返らず店を出た。 だから彼女の足が止まったことに気付くことはなく、 その躊躇いに気付くこともなかった*]
(530) 2015/05/14(Thu) 23時半頃
|
あーら、奇遇なこと。
いつも守られているお姫様。
自分から食べられに来てくれたのかしら?
[くすくす、くすくす。
高く澄んだ声は、目の前の二人へと落ちました。
偽りの涙で腫らした瞼を抉じ開けて。
奥に光る真紅は、瞳孔を細めて獲物を見つめます。]
誰…――?
[あなたは誰?]
誰…――?
[殺されちゃうのは…誰?]
そうだな。
…ああ、メアリーはかくれんぼの名人だ。
きちんとそのまま隠れておいで。
なあに、心配することはない。
ここに居るのは、みんな味方なのだから。
[弾むような娘の声に返るは、父の声。
優しい声色で安堵させるように告げる言葉は、
ひょっとしたら己のためでもあっただろうか]
[ベネットの軽口が響く。
聡い青年だと、内心苦笑した。
確かに、先の言葉に男は自分を入れてはいない。
入れずとも良いと思っていた。
彼ら──族長に従う者らは、犯人を捜すだろう。
犯人を見つけずにはいられぬだろう。
ならば自分が。その時には彼らの盾になろうと]
おやおや。
[けれど口に出す音は別のこと]
私がそう簡単に死ぬように見えるかい?
これでも、伊達に年を重ねてきたわけじゃない。
……そら。
誤魔化すのだって、充分お手のものさ。
だから、大丈夫だよ。
[そんな言葉で、彼の気遣いをはぐらかす]
────…
[やがて聞こえて来た、彼女の声
急がなければと、それには応えず、男は黙って空を見上げた*]
──見捨てられた、可哀想なあなた。
[それが誰と知らないから、容易く見捨てられ
得るものの為か、失うものの為か
犠牲に払われるであろう命の灯火
投げやりに放たれた、見捨てる言葉]
ああ、そうそう。
私もこの村の一人。
誰かわかるかしら?
[それでも少女に名前を告げなかったのは
ただの意地悪のつもりです。
隠す気など毛頭ありません。
誰かが口にすれば、それはそれとばかり。]
|
─ 川辺 ─
[墓へ向かう途中、男は足を止めて小川に寄った。 村内ではざわめいていた人の気配も、この場は遠い。 風が草木を揺らし、水がさらさら流れる音に耳傾ければ、 不穏な話もどこか遠いところの話のようで]
………、
[それでも。 この場に来たのは、その不穏があったからこそだ。 手にしている花の束、カーネーションは一度脇に置き、 ベコニアとカルミアの花を手に取った。
短い時間、瞑目し。 カルミアの花を小川へ投げ込む]
(534) 2015/05/15(Fri) 00時頃
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──── 族長に。
[さあっと風が吹き、小川に花の色が散る。 それへまた、一度頭を下げた]
……、オーレリアに。
[そしてもうひとつ、ベコニアの花を取って川へ投げ込む。 その花言葉を知ることはなかったけれど。 きらきら光る川へと落ちてゆく───”幸福な日々”]
(535) 2015/05/15(Fri) 00時頃
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オーレリアや。お前を、
[亡き人へと語りかける。 自分を怖いと言っていたと聞いた。 きっとそれは、正しい怯えだったのだろう。
己は人の肉を口にしたことがない。 食べてきたのは人と同じもの、多分これからもそうだろう。 けれど自分は”人狼”だった。
彼女は敏感に気付いていたのだろう。 自分の優しさが、宿屋の裏の動物たちへ向けると 同じ種類であることに。
食べようと思ったことはない。 けれど──…ただ、それだけのこと]
(536) 2015/05/15(Fri) 00時頃
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