266 冷たい校舎村7
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[ まるで、魔法にかけられたみたい。 暖かい部屋も、開いた鍵も、そのままに 人だけが消えてしまった、廊下。
十枚のタオルで、前方不注意だけれど 学校の雰囲気が不思議なのは、 ええ。十分伝わりました。
階段を上がって、指先で扉を開けて。 ]
おはよう、皆
(1062) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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実のところ僕は、満ち足りていた。
(1063) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[ いち・に・さん……うん。 校舎の静けさの割には、集まった方。 ]
タオル使う人〜
[ 尋ねるような聞き方をしておいて、 答えはね、聞いていないのだけれど。
そのまま、教壇の上に置いちゃいますので 使いたい人は、使ってね。 ]*
(1064) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[ ……痛そうに仕上げたのは僕だった。
大丈夫。簡単に剥がれるから。 ……強引にやると少し痛むかもしれないけど。
そう、誰に言うでもなく内心で呟いた。 だいじょうぶかと問う声に、 僕は曖昧に笑うしか能のない生き物なので、 やっぱりそういうふうに笑っていて、
……灰谷さんを呼んだのは、たぶん、 理解されないと、思っていたからだ。*]
(1065) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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……どうしてかは、わからなかった。 自分の行動に理由をつけられないこと。 ないかな? 僕にはよくある。
(1066) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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この世に生きる。生きる。生きるには、 *
(1067) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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──── 回想:買出し ────
[ 宇井野は、広い交流を好みはするが、 そこまでずかずか踏み込まない性分であった。
踏み込んで、踏み込まれるのは怖いから。
だから、 クラスメイトの彼女事情も、 噂にでもならなければ知らないし。 考えても空しいだけだということを>>1032 考えもしない。
互いに知らないくらいが良い。 それがきっと、一番。 男子高校生らしく けらけら笑い合える。 ]
(1068) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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ねーわ。
[ ばっさり切った。>>1033 ギャップってやつか。 ギャップなら何でも受けるわけではない。
冗句も全部、 本心から軽く流すことが出来れば良いのに。 おとこのこって ノリでできてる。 それはよぉーく、知っていて。
犬にするか? とか。 会計に行きながら、やはり冗談を。 疲れた様子は、店の外に出てしまえば、 すっかり なりをひそめたのだった。>>1034 *]
(1069) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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―― 回想 / 文化祭準備 ――
俺と張り合ってどうする。
[勢いよく手を挙げて 実験台に名乗りを上げる拓海>>901に、 俺は思わず苦笑を漏らした]
それじゃあ俺は、 拓海よりも見栄えがする感じで。 京輔よろしく。
[そんな無茶な注文をしてみる。 やっぱり俺は、はしゃいでいたんだ]
(1070) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[お手並み拝見、とばかりに両腕を京輔に差し出す。
木工用ボンドで絞りだした傷の輪郭は、 紫や赤を絵筆でなぞられ、 やがて本物の切り傷と見まごうばかりに 仕上げられてゆく。>>944
片栗粉で血糊を作るという発想がなかった俺は ただ感心して京輔の手腕を見守っていた]
京輔、才能あるよお前。
[俺は自分の手をしげしげと見つめて 率直な感想を述べた。心からの、賞賛]
(1071) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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本番まで、まだ時間あるだろ。 また実験台になる。これ楽しい。
[子供のように、はしゃいだ顔になる。 だから、隣の拓海の顔を見遣って>>1002]
うっわ、拓海。今のお前すごい。 夜道で出会ったら確実に裸足で逃げだすぞ俺は。
[だなんて、からかうように笑ってやったんだ]
(1072) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[そのときはまだ、 京輔の姉貴を見たことがなかったから。
だから、こんなに無神経にはしゃげたのかもな]*
(1073) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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――現在:七月と――
どっちだよ。怖くないの?
[怖いんだろうなあ、と思う。>>1046
七月の声の震えなんかを聞いていると 純粋にお化けを怖がっているようで
賢くて大人っぽい普段の七月と違って見えて 可愛いな、と普通に思った。]
(1074) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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──回想:予算──
[ 軽く扱われる千円と二千円に怒りを覚える。 目の前にいる拓海にとっては、端金なのだろう。 ふつふつと沸く怒りを表に出さぬように気をつけて、 言葉を紡ぐ。 少し硬くなった声色になっていないだろうか。 半分程、投げやりに答える。 ]
……はい。 そんなに言うなら、 とびきりコンセプトにばっちりのものを買ってきて。
[ ぼろがいいなら、ゴミ捨て場にいけば? と突き放した回答も考えたが、 ここは協調が重要だろう。 協調や協力は文化祭の目的の一つでもある。 ]
(1075) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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──── 教室 ───
[ ひとり。また、ひとり。 おはよう、を、重ねるのはいつものことで。 いつもと違うのは、その数がすくないことで。 ]
……いない?
[ せんせいが、いないって。 そんなことを聴いたら流石に、 教科書をめくる手が止まりもするけど。
なんでだろう。 連絡もなかったし 休校か。高本の言う通り、無駄足になったか。 また、時計を見あげる。始業時間まで、あと。 *]
(1076) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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領収書は忘れずに御願い。
[ 数日前、領収書のことで揉めたばかりだ。 けれど買い出しのメンバーを聞き出せば、 怜奈も安心したろう。>>305 去年もきっちりと領収書を提出した堅治がいたから。
そういったわけで、>>812 病室には予算が降りた猫が鎮座することになる。 ]*
(1077) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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希望をもって次代をつくるべき? まず彼女いないんですわー!悲しいことに!
[俺としても深く考えちゃいないから、 不安に蓋をして、糊付けでもするように 軽口を叩き続ける。
大人が誰も見当たらないことに 少しだけ、俺は安心していた。]
(1078) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[そうして、教室の扉を開けて いつもどおり、高本の隣に座る。
いち、に、さん、よん。 それ以上はいる教室の面々を見渡した。]*
(1079) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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[ミルクティーの缶の中身がはんぶん、減った頃、 宇井野が入ってきて、それから、ひとり、またひとりと。 教室にひとが増えてきた。 いったん離れた面々も戻ってきた。 職員室が無人という、不思議な情報も引き連れつつ。
……うん、10人くらいはいるみたいだ。イロハ自身を除いて。 それでもじゅうぶんではない]
あっレナちゃんも来たんだ! おはよう。 雪すごかったよねぇ。
[後ろの席に腰掛けた田所に気さくに挨拶をする。>>1052 話が続くようなら世間話のノリで言葉を投げる。 始業のチャイムが鳴るまでのイロハは、きっとこんな風*]
(1080) 2019/06/08(Sat) 00時頃
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