267 【突発】Sanatorium,2880【RP村】
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・・・ 「 きっと…逢いに来られるのですか? 」 小さくなるばかりでなく、見えなくなる 小さな手のひらの温度にふれながら、 寄越された言葉にそのように返していた。
(52) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時頃
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「 君の心臓を朝陽の下、 温もる雪の中に埋めたなら 硝子人間や魚にも成らずに 今日のようにお話できると? 」 ──────── 意地の悪さを自覚した。
(53) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時頃
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・・・ 僕の言葉に他所事を考えていた君が どのように返したのか、 口籠っていたって構わなかった。 眠りたがる君を まるで医者である僕が ■き■めるようだったんだろうと思う。 幼い顔が困ったふうになったのを見て 僕は包帯の巻かれた肌から、視線を持ち上げていた。
(54) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時頃
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「 …どうして って。 医者の気持ちを患者である君は 理解してくれるのですか 」 然うして平然とした顔で 差し出された君の両手へと目を移し、 医務室に屯する患者が残した絵具と 筆などを取りに腰を上げようとする。
(55) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時頃
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「 ただ眠って過ごす一日よりは 退屈しないでしょう 」 指先に挟んだ細筆で、 僕は何を描こうとしていたのだったか。 描いても描いても絵具が滑り落ちるようなら 諦めて油性のペンを持ち出すこともあったが 揃いのグローブを嵌めて、 お終いにすることは無かった筈だ。
(56) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時頃
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絵描きを志したことも、 趣味として抱えたことも無いのだから 出来栄えとしては悲惨なのだろう。 透明な掌に泳ぐイルカは、不格好に笑っていた。
(57) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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「 君が魚になるのなら 一体どの魚になるのでしょうね 」 つい先ほどの少女の終わりを知っているのだから 冷たさを越えて無慈悲な言葉だったろう。が、 >>3:+18君の思うところを預言も出来ない僕は 何てことのない事のように吐き付け……、 静かな絵描きは、 イルカの横に骨身の魚を描いて終わった。
(58) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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言葉数もわずかな時間だった。 医者が患者にいたずらしている…など あらぬうわさを立てられそうな場でもあったが ■えていく153のからだに見える■を残すのは 何故だか……冷えた脳髄が融けた心地がした。
(59) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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僕はそのことに、無性に■■感を抱いたので 礼を告げられても「 はい 」と 素っ気無く返すことしか出来なかった。 綺麗な弧月の描かれた口許から目を逸らし めちゃくちゃな落書きをされた手のひらからも やがて、緩慢に目を逸らしていた。
(60) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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いずれは取り上げられる遊具に 名を付ける行為に似ると思ったからだ。
(61) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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その夜には、 少女の部屋に遺されていたらしい手記のコピーが 研究員の間で出回っていたものだから、 興味半分にも目を通し、うち一枚を 白衣の下に仕舞い込みもした。 研究員より研究員らしい試みだ。 あの少女が日頃過去に縋りつくように 星空と口にする理由も漸く理解出来た。
(62) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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翌朝には、 その一枚を抱えながら、 硝子人間や魚に成ろうと、少しずつ 人を辞めている153の病室へ歩を寄せていただろう。 廊下に差し込む陽射しが僅かに陰る、 吐き出すと息の重い朝だった。 何故だか無性にどきどきと心音が逸ったが 目の下に日頃より浮き付く隈を擦りながら 眠っていない所為だろうと考えていた。
(63) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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妙に浮足立った心地は、 かつて迎えたあの日に似ている。 ■せると信じていた、昔のことだ。 愚かしくも■■を信じた過去の僕が 羽搏くに及ばず沈んだ X-DAY.
(64) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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自分で導き出したものでもないのに、 実験の成果に喜ぶ学生さながらに浮ついていた… 昨日彼に残した証が、存在が、 覆い難い事実であると感じられる────── …そんな期待を寄せていたのだろう。
(65) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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■から遠退くとでも思っていたのだろうか。 だとしたなら、余りにも救えない気楽さだ。 逸る鼓動と足先に突き動かされるまま、 ノック一つとあいさつと同時に開いた扉の向こう、 朝陽から匿された場所に、 溶かされない氷が輝いているようなのを見て 僕は、一瞬それが何≠セか理解出来なかった。 昨日まで見えていた顔もなく、瞳も、表情も あッという間に小人になってしまったのかと思い それから視線を逸らしたあとは、少しばかり 焦ったふうに床を見渡していたが───────
(66) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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「 ……… 216? 」 落ち着きのない視線が落ち着いたのは 水に浮くように不自然な衣服を辿っての事だった。 衣服のすき間から、いつかに見た、 青い心臓が覗いているのに目を瞬かせ 僕は、それが君だと、その瞬間にも理解しなかった。
(67) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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───── どこか冷え切って、冷めきって 温めようのない一部分が、漠然と 手遅れ≠ナあると嘲笑うだけ。
(68) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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真っ暗な夜空に同化した木々に、 青いイルミネーションを施すより鮮やかだ。 その心臓がたった一つの太陽であるかのように 薄暗い場所をさめざめと照らしているのを見て その水底に深くまで這入り込んで 肺腑も、臓腑も、水で満たしたくなっていた。 何か言葉を吐き出すにも、 僕の舌は唾液をねぶるだけで、何も。
(69) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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差し込む陽光もない中で、主張し続けている その心臓だけが153の証のようだった。 僕は水にさらわれたような心地のまま 一歩を踏み出し…… 僕へと伸ばされる指先───衣服を見とめ、 強く掴んでも逃げていきそうなそれ≠セから いっそ、砕けるほどに、強く掴もうとしていた。
(70) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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だからその腕が、弾ける水しぶきのように 燦然と散らばっていったのは>>3:+32 僕のせいだったのか、性質のせいなのか。 手のひらから零れ落ちていく冷たさが 遠くの日に■し、■した感覚を呼び起こさせるようで 背筋が凍えていく。 いまにも傾れ、崩れるような躯を 支えるにも手は使えず、不格好に宙を泳いだ両の腕は、 ガードル台を倒したかもしれない。
(71) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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「 153.... おはようございます。 まだ眠る時間ではありませんよ。 ・・・・・ 顔色が悪いように思いますが 悪い夢でも見たのですか 」 曖昧に持ち上がった唇が、平然と、 まるで見えているかのように 153にそう訊ねてはいたが……、……
(72) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 17時半頃
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問うても答えが返らずに、 つめたい冬の息吹すら 感じ取れずに居るのなら 僕はどうしようもなく、■り、 珍しく大きな声で、他の研究員に呼びかけるんだろう。 陽射しを嫌う様子であるのを知っているから 外に連れ出すことはしなかったが……、 熱の通さない■の中に 慎重に眠らせて 氷の代わりに外から雪を搔き集めることすら …応えのひとつも感じないなら、したに違いない。
(73) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 18時頃
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僕から平常さは失われていたんだろう。 澄ました顔には状況に不似合いな、 曖昧で、不格好な笑みがあり ほの昏い瞳には、 ■■を認めていないイロが浮かんでいる。 「 悪い夢を見ているようですね 人が硝子になるなんて有り得ないのに 」 自分に言い聞かせるようだった。
(74) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 18時頃
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星の夜を探しに行くにも、 星の夜は先程に終わり、陽があるばかり。 決して行けない遠くの地に 焦がれているわけではないからこそ、 居心地の悪い■■■が、いまだ、 心の臓に喰らい付いて離れなかった。*
(75) すくらぶ 2019/06/22(Sat) 18時頃
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[ さすがの男も、 すれ違っていくだれかに、 置いてくの? とか 言った気がした。
のち、 "げんきなかんじゃさま"は 任せた と 返事を貰ったり等した ────
空の車椅子を手押し、 はぁい、 と ゆぅるい其れと共に、 片手を差し出して、 ]
(76) is0716 2019/06/22(Sat) 22時半頃
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[ 首を傾げている。 ]
(77) is0716 2019/06/22(Sat) 22時半頃
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[ 同時、 "しらぎく"の姿ばかりは、 あんまり変わらないなあ と
中庭の其れを思いつ、 ]
(78) is0716 2019/06/22(Sat) 22時半頃
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やっぱり ちゃんはヤだった? 見ため可愛くなっちゃったんだもんなー。
[ 伸びたほそい指先を捉え、 "なんにも違わないように" 語る。
それとも、 何かついてる?って ───── 鏡を見て、
確かめるよに前髪の毛先を弄り、 ……それだけ。 ]
(79) is0716 2019/06/22(Sat) 22時半頃
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どっか行きたかったの?
[ 中庭? それとも図書室? もしかしてご飯だった? ─── 等、
うざったいまでに 世話を焼く気で。]
(80) is0716 2019/06/22(Sat) 22時半頃
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[ 首を傾げた。おんなじように。 怪訝な 顔で。
端で、黒髪が揺れる。 ]
(81) mayam 2019/06/22(Sat) 23時頃
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