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――沙羅と――
そうね……。
沙羅の美味しさ次第かしら。
[彼女の寝室への誘いに瞳を細めて。
敢えてほんの少し曖昧な返事を。
今まで食事の相手にした人間の中にも、魅了の術を使った訳ではなくても、時に沙羅のように自分たちを歓迎する者がいた。
吸血鬼によってそこから深い付き合いを続けることもあれば、食料のストックとしてしか見ないこともある。
自分の過去を一瞬思い返す。
出会い、共に過ごし、見送った人々を。
記憶のあたたかさと心に残る鈍い痛み。
今の自分には、と――瞼を伏せ。]
[ロマンチックな言い回しに表情を綻ばせる。
沙羅の場合は牙に襲われることを怖がってはいないようだが、雰囲気に酔ってもらえることは大事だ。
照れてしまったらしい彼女。
普段の彼女なら褒め言葉もさらりと受け取ってしまいそうと思っていたけれど、こんな反応も微笑ましくて良いと思う。]
あら、逃げてはいけないわ。
[後ずさる様子に。
困った子を見守るように微笑んで。
沙羅を囲い込むようにして、柵に片手を置き、頬に伸ばしていた方の手はするりと首筋まで下ろす。
人間にとって急所のひとつであろう場所。
血管の上をなぞるように指先で撫でてみようか。]
希望の場所があれば、そこを噛むけれど……。
任せてくれるのならココにしようかしら。
[白い首筋に牙の跡は映えるだろう。
この夜に沙羅を彩る飾りのひとつとして。]
私の身体も素直なものね。
得られると知ったらとても喉が乾いてきたわ。
沙羅、いただいても良い?
[彼女の頬に口付けをひとつ落としてから。
牙を隠した唇を笑みの形にし、確認の問いを。*]
―ホール
[こちらを見つめ聞いてくるミタシュを見て、それからミタシュの視線の先の、絡み合う人狼と魔女の姿を見た]
ん、そうね。私はどちらでも良いけれど…
でも、ミタシュがあんな風にするところを見たら、来客達は喜ぶでしょうね。
私も見られるのは… 嫌いではないわ。
[実際、ホールはざわざわと騒がしく、誰もこちらに気を留めていないようでいて、視線はちらほら感じる。この若い見習い魔女に興味を持つ者は少なくないだろう。
彼女の望みは、具体的な形ではなかったけれど、この場に融け込むことを望んでいるのはよく理解できた]
そう。それじゃあ… この際、やってみたい事があったら、
いつでも遠慮なく言ってちょうだいね。
もちろん、もっといっぱい触れてあげるわ。こんなふうに…
[白いブラウスの上から、まさぐるという言葉が似あうようにミタシュの体に触れていく。体を密着させ、稜線をなぞり、体のラインがギャラリーにも伝わるように、見せつけるような仕草で肩から胸、腰、太腿まで撫でまわす。
ゆっくり、ゆっくりと。時間をかけ、次第に瞳が蕩けてくるまで服の上から触れ続け、しばらくしてミタシュの服の中に手を伸ばした]
少しは効いてきてるかしら、薬。
そう言えばそのウサギのぬいぐるみ…可愛いわね。大事にしてるのかな。
[そんな雑談を交わしつつ、膏薬を手のひらに取り、ミタシュの服の中に手を伸ばす。
素肌に触れると、薬の触れた場所が熱くなるように感じるだろう]
これはね。塗った場所を少しずつ成長させる薬。
何度も塗れば塗るだけ、いくらでも大きく成長させられるの。
私の一番得意なものよ。
どこからがいいかしら?皆に見てもらいましょうね…まずは、やっぱり…
[服の中、ミタシュの胸を両手で押さえる。膨らみはどのくらいだろうか。
薬を塗りこむのは頂以外、両方を均等に丁寧に、マッサージするように伸ばしていった*]
![]() | 【人】 蝋燭職人 フェルゼ[フェルゼという従者はこの屋敷のどこにでも存在した。ホールにも、ハーブ園にも、あるいは誰かの部屋にも、同時に、何箇所にでも。 (42) 2020/10/18(Sun) 16時半頃 |
![]() |
![]() | 【人】 ろくでなし リー 貰った? (46) 2020/10/18(Sun) 19時頃 |
![]() | 【人】 蝋燭職人 フェルゼ (48) 2020/10/18(Sun) 19時頃 |
− ロイエと −
血を美味しくするために
今日からとまとじゅーすを飲み始めることにします
[誤魔化された答えに抗議のふくれ面。揺れ動くロイエの表情は今までの出会いと別れを想起させる。長寿の彼女の半生に思いを馳せればほっぺたから空気は抜ける。代わりに冗句と同時にほほえみを送った。]
んっ…、ロイエが真っ直ぐ私の事を見るから悪いのです
[素直に見つめ返せなかった私を照れ隠しでひとのせいにしてしまう。バルコニーに囚えられた私はもう彼女と向き合うことしかできなくて。首筋をなぞる細い指先に甘く声を漏らしてしまう。]
私は美味しそうですか?
どうぞおあがりください
[私を欲してもらえるのは光栄なこと。頬への口づけに生娘のように赤面しながら、長い髪を掻き分けて傷一つない首筋を顕にする。そっと首を傾げればロイエに私を差し出した。]
――沙羅と――
[吸血鬼といえば、やはりトマトジュースなのかしら。
血液サラサラ効果の上に見た目も赤いし?
フェルゼといい沙羅といい、なんだか面白い。
後で機会があれば、彼女とトマトとタマネギのスープでものんびり飲んでみようかな、なんて。
まあ、今はスープなどよりも。
美味しそうなものが、ある。
久しぶりの――吸血鬼にとってのご馳走。]
身体の力を抜いて、ね。
[露わにされた首筋。
幾分小さい彼女を抱き寄せるようにして。
此方も髪を片耳にかけ、目を伏せ、顔を下ろす。
ちらりと彼女を見上げ、微笑んだ口元に、鋭い牙が覗いたことに沙羅は気付くだろうか。]
そう、いい子。
[滑らかな肌にキスを。
それから、一息に鋭い2本の牙を突き刺す。
ずぶりと埋め込む瞬間だけ痛みが走るかもしれない。
だが直ぐにそれは曖昧になる筈だ。
傷口から染み込む吸血鬼の唾液には、痛みを麻痺させ、麻薬のような幸福感をもたらす作用がある。]
ん、……っ、
[温かな血を吸い上げる。
口の中に広がるほんのりした甘さ。
沙羅の姿に相応しく、お菓子を食べているみたい。
でも甘ったるいばかりではなく、深みやほろ苦さも楽しめるのは、彼女の経てきた年月があるからか。]
![]() | 【人】 飾り職 ミッシェルーフェルゼとー (49) 2020/10/18(Sun) 19時半頃 |
[こくりと喉が鳴る。
つい夢中になりかけた意識が我にかえる。
いけない、1人から飲み過ぎるなんて持っての他。
貧血で彼女の具合が悪くならないように。
引き際を知っている吸血鬼は、まだまだ腹は満ちていないものの、自制心を保って吸血を止める。
沙羅の様子はどんなものだろう。
牙を抜けば、ふたつの傷口から溢れる血がもったいなく感じてしまい、行儀悪く舌で舐めとる。
そうすればじきに出血はなくなり服を汚すこともない。]
ごちそうさま、沙羅。
とても美味しかったわ。
[久しぶりの新鮮なご馳走だった。
不健康に白かった頬がほんのり上気している。
唇に僅かな赤を残したまま、貴女はどんな感じだったかしら、と赤い瞳で見つめ、問いかけた。*]
― ロイエと ―
ロイエ…
[抱き寄せられてうっとりと名前を呼ぶ。微笑みと共に月明かりを反射する鋭い牙も彼女に抱かれているうちはなんの恐怖も感じない。早くあれで皮膚を破って欲しいとさえ願ってしまう。]
んぁっ…くぅ……
[そしてついに私は穿たれる。ピリッとした痛みはすぐに引いて代わりに包まれるのは幸福感。どくどくと血がロイエへと流れていくことに心からの安堵を覚える。まるで母親に抱かれて微睡むような幸福を与えられ、ぼんやりとした私はロイエへと陶酔していく。]
はぅっ……はぁはぁ…
もう終わってしまったのですか…?
[ずっと微睡の中で溶かされたいのに。至福のひと時はすぐに終わってしまう。別れの挨拶のように舐められた首筋にふるりと震えて離れていくロイエに切なげな目線を向ける。]
私の血がお気に召して良かったです
もっと貴女と一緒にいたくなってしまいました…
[本能が彼女のそばに居たいと望み始める。あの幸福感をもっと味わいたいと欲している。赤い目に吸い込まれるように見つめ返して、そっとロイエの腕の中にもたれかかった。]
![]() | 【人】 蝋燭職人 フェルゼ─ ミッシェルと ─>>49 (50) 2020/10/18(Sun) 20時頃 |
![]() | 【人】 姉妹 ロイエ
(52) 2020/10/18(Sun) 20時半頃 |
――沙羅と――
[沙羅と見つめあって、数秒ほどか。
柔らかな人当たりではあれど、誰かに深入りはしない空気を纏っていたというのに、それを翻して。
もう一度沙羅を抱き寄せるようにして微笑む。]
では、一緒にいましょう?
貴女も私も満足できるまで。
[柔らかな声で。]
沙羅は、これからどうしたいかしら。
これ以上血を吸うと貧血になってしまうと思うから……とりあえず他のことがいいと思うけれど。
あと、そうね。……。
夜の楽しみごとなら、貴女に習ってみたいわ。
[自然な仕草で沙羅の髪を撫でる。
赤い瞳に、愛おしげな色が宿っていた。*]
― ロイエと ―
ありがとうございまずに
[彼女から抱き寄せられて感謝を述べる。言葉の端に滲ませるのは2つの感謝、一緒にいてくれることともう一つの事。]
ロイエに吸われて倒れるなら本望ですよ
とはいえ、そんな素敵な提案をされては揺らいでしまいます
私の身体も血と同じくらい美味しいですよ
是非味わっていただきたいです
[情念を持って触れられれば胸が熱くなり、夜の秘事を彼女と過ごそう。]
――沙羅と――
とりあえず、そうね。
私はまだ人前でそういうことをするのは、少し、躊躇いがあるものだから……客室に行きましょうか。
[そういう面でもリリスと正反対かもしれない。]
貴女に風邪をひいて欲しくもないし。
[床に落ちた着物を拾いあげ、沙羅の肩にかける。]
抱き上げていきましょうか。
これでも見た目以上に力はあるのよ?
[赤い瞳を煌めかせてから、そう背も変わらない沙羅を、ひょいと抱き上げてみせよう。
彼女の反応がすこし楽しみになって覗き込む。]
[勿論降ろして欲しいと言われれば降ろそう。
貧血になっていないか心配なのもあったけれど。]
皆さんも、盛り上がり始めているわね。
[バルコニーからホールを抜けて。
良ければ、沙羅に当てがわれた客室へ向かおうか。
沙羅だけを見つめる吸血鬼が通った後には、ほんのりとした血の匂いが残ることだろう。*]
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