240 光と闇の夢幻神楽
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生きていられるわよ? 私に逆らわないなら……ね。
[平然とそう告げる。 そう、強者だけではない。 外界で居場所が無いからと妃奈子の元へ来た者達だって居るのだ。 周囲の生者達は遠巻きに見ていたが。]
(48) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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無垢の境地……ね。
[その言葉に苦笑していた。 言うまでもないが雑念だらけのこの大地。
無垢とはまるで逆だったから。]
期待しているわ。 無垢の境地に至ったならその時は。
――してあげる。
[最後の言葉は風に溶けて行っただろう。 両手を広げると、闇色の式神が現れて。
沙耶へと飛びかかっていく。 それは今までの死者よりも明確に強力で。
それでも、彼女の力を試そうとしているかのように動き。 攻撃を加えてくるのだった。]
(49) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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…………っ、これじゃあ本当に、埒が明かない……!!!
[屍人を撒いて逃げ込んだ宿場町で、息を吐く。 幸い、ここには屍達の手は及んでいないらしい。 町人が妃奈子に好意的なのか、あちらこちらで死者と生者が家族として日々を営んでいる様には、溜息を吐いて。]
にしても、この先どうすれば…………
[…………ふと。]
(50) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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…………荷馬車?
[見回した先。荷を載せ後は出立を待つばかりらしい幌馬車が、声を張り上げ人を呼んでいる。 曰く。道中、死者の軍勢に群がられかけて難儀した故に、急遽剣の心得のある用心棒を探しているのだ、と。]
(51) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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用心棒、ねぇ。
暇な時なら引き受けても良かったけれど。 生憎と、今は探し物を…………
…………ん?
[しかし。馬車の荷と行き先を聞いて、考えを改めた。]
(52) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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五療郭……?
[>>0:103聴けばそれは、治療院として魔改造された、かつての城郭で。 光も闇も拘らず診て、生者も死者も分け隔てなく見舞わせる医者に恵まれた場所故に、行き交う物資も相応なのだ、と。]
………………医者……ねぇ。
[屍人を祓う武具があるとは思えないが。人体の構造に明るい医者ならば、如何様に対処すれば一瞬でも動きを抑え込む事が出来るか、相談できはしまいか、と。算段は一瞬。]
(53) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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…………気が変わったわ。
一緒に行ってあげる。 女だからと侮るなら……。
[前置こうと発した言葉は、歓迎の喝采に遮られ。 数刻もしない内に、女は荷台に乗り込み、五療郭への道を揺られる事となった*]
(54) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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……なあ、なあ、聞こえるだろぉ? 終末の鐘の音が。
そう、もうすぐ!!もーうすぐなんだぁ!! 我が君が《三種乃神器》全てを手中に収める!!
だぁー かぁー らぁー……
[にい、と目を見開いて。]
返し《えぐらせ》てくれよなぁ!!! おれの《叢雲》ぉぉぉーーーー!!!!
[次の瞬間、>>442本の太刀を胸の前で交差させ、 修羅の如き速さで須佐之男に斬りかかった。 狙いは突き刺さった《神器》が片割れ、ただ一つ。*]
(55) 2018/05/10(Thu) 23時頃
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隷属は生に非ず。 凄烈なる旋律をこそ血潮の証である。
……力なき者を否定する気はないがな。
[そうしなければ生きていられない、そういう者を否定するつもりはない。 ただ、沙耶の価値観ではないというだけだ。]
―――ああ。
(56) 2018/05/10(Thu) 23時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2018/05/10(Thu) 23時半頃
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―――愉しみにしていよう。 お前が、私が至った境地を、さらに越えさせて呉れる、というのであればな。
[刃を払う。 式神には、無数の枝葉を模した気が突き刺さっていた。]
弐ノ型・挿頭
(57) 2018/05/10(Thu) 23時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2018/05/10(Thu) 23時半頃
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[鞘に剣を納める小さな音が鳴る。 それと同時に、式神は霧散した。]
―――……
[閉じていた目をゆっくりと開く。 引き結ばれたままの唇は、僅かに綻んでいた。]
(58) 2018/05/10(Thu) 23時半頃
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屍漁り 梅子は、メモを貼った。
2018/05/10(Thu) 23時半頃
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伊邪那美の名を冠するに相当する女、穢夷の巫女姫だと…………
[巫女姫という名前は光の眷属では耳にしていたものの。 まさか梅子に死者の力を賦与したのも彼女だと云うのか。]
(59) 2018/05/11(Fri) 00時頃
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ぐ、ぐ……………《大殲》(あ)の時とは速さも力も格段に違う。
[2本の太刀を手に襲いかかってくる梅子(>>55)に応戦するも、名前を思い出しただけの《須佐之男》では太刀を受けることだけでも至難の業で。 せめて、体の奥底に突き刺さった《叢雲》の呪縛だけでも解放されれば――――――――]
(60) 2018/05/11(Fri) 00時頃
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―――――――――五療郭。
[華陀をも凌ぐ医学の知識と技術を擁した名医がいるとされる高等医術機関。 あそこなら《須佐之男》の力を殺さず、《叢雲》を抜いてくれるのでは、と頭に過り。]
(61) 2018/05/11(Fri) 00時半頃
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くっ、ここは退却だ。
[《須佐之男》の梅子の追跡は承知で五療郭の方角へと駆け抜ける。 五療郭にいるとされる名医の元へと――――**]
(62) 2018/05/11(Fri) 00時半頃
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革命家 モンドは、メモを貼った。
2018/05/11(Fri) 00時半頃
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ひゃはは、おらおらおらおらぁぁ!!
どうしたどうしたぁーー!!? 前に戦った時とまるで別人じゃねェかぁ!?
[切り結んだ長短の刃をぐぐい、と押し付け。 物足りなさに横倒しに首を傾げてみせる]
これじゃぁ期待外れだろぉ!? もっともっともっと楽しませてくれよぉ!!
[手を抜いているのか、はたまた別の理由か。 何れにせよ斬りかかる手は休まる事が無い。]
(63) 2018/05/11(Fri) 00時半頃
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[この調子であれば、《叢雲》の回収など 赤子の手を捻るが如く造作のない事だろう。 ――――そう思った矢先のこと。]
……ひひひ、どーこに逃げるつもりだぁ?
予母都志許売ってのはなァ、 どこまでもどこまでも追いかけるんだぞォ!
ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃぁぁ!!
[>>62 かの《大殲》の雄姿は何処へやら。 突如として背を向け走り出した男を見やると、 骸の女は其の両の手に刀を持ったまま、 騒がしい狂い笑いを響かせながら後を追う**]
(64) 2018/05/11(Fri) 00時半頃
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屍漁り 梅子は、メモを貼った。
2018/05/11(Fri) 00時半頃
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ふふ、苛烈ね。 嫌いじゃないわ。
[生に非ず。 その言葉を愉しそうに聞いていた。
彼女の価値観からすれば。 きっとこの地の在り方は受け入れられないだろうけれど。
そして、操る式神が次々と霧散するのを見やり。]
(65) 2018/05/11(Fri) 08時頃
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私の式神を簡単に倒すとはね。
……ふふ、愉しめそうじゃない。
[何も持っていない手で。 まるで矢を射るような仕草を見せて。]
(66) 2018/05/11(Fri) 08時頃
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[刹那、闇色の風が沙耶の脇を掠めていく。]
(67) 2018/05/11(Fri) 08時頃
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あーあ……を持ってきた訳じゃないし。 今はこの程度かしらね。
[わざと外した一撃。 それは彼女の背後へと放たれていき。
無人の荒野を削っていた。]
愉しみにしているわ。 無垢の境地に至った貴女を……ね。
[そう語ると。 巫女姫は闇へと溶けていく。]
(68) 2018/05/11(Fri) 08時頃
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― 五療郭 ―
「にしても、こんな荷物を運ぶのに、意味はあるんだかなぁ」 「おいおい何だそりゃ」 「いやぁ、だってよぉ。死んだ所で、妃奈子様に蘇らせてもらえりゃ、生き返れるんだろ? そんなら、病に罹ってもいっぺん死んじまえば…………」
[道中は死者の襲撃も無く。 それに気を緩めたか、荷台に乗る荷物番の間からそんな話が漏れ聞こえて。]
(69) 2018/05/11(Fri) 13時半頃
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止めなさい。
立って動いた所で、死んだ人間は死んだままなんだから。 死んで蘇っても、病が治る訳じゃない。病魔をばら撒く疫神にでもなりたいの? ……そんなの、医者に対する冒涜よ。
そもそも私を何故雇ったのか、忘れた訳じゃ無いわよね?
[咄嗟に口を挟むと、男達は気まずげに黙り目を逸らした。]
(70) 2018/05/11(Fri) 13時半頃
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「そうだぞぉお前ら。 ほら、お嬢さんも外をご覧よ。」
[そんな様子が聞き取れたのか、御者台の男が荷台へと声を掛ける。 その声に幌の後から外を覗き見ると。]
「見事な桜だろう。 五療郭と言やぁ、こんな事になる前は、桜の名所としても知られていてね。
俺もよく、死んだ女房と一緒に来たもんだ。」
[見事な桜並木の間を、馬車が駆けている。 所々壊れかけた石畳に、薄紅の花弁が舞って。]
(71) 2018/05/11(Fri) 13時半頃
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「桜と言えば…………
かつて、《大殲》で《須佐之男》様と共に戦った《天照》様が、長きに渡る傷を癒してるって話だ。
真名をなんと言ったかな、ええと…………
…………そうだ、春告鳥様だ!」
(72) 2018/05/11(Fri) 13時半頃
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………………ふぅん。
春告鳥、ねぇ。
[そんな話をする間に、馬車は五郭郭に到着し。 御者から聴ける限りの話を聞きつつ、荷降ろしを手伝った**]
(73) 2018/05/11(Fri) 13時半頃
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看板娘 櫻子は、メモを貼った。
2018/05/11(Fri) 15時半頃
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切るしかねぇな。
「先生、先生、冗談でしょう、塗り薬!塗り薬とか飲み薬とか!!」
…残念だが、切るしかねぇなぁ。
「ぎゃあああああああああああああああああああ」
[急患と運び込まれた患者は左手に裂傷を作っていた。止血をし、作業に移っている中、もう一度同じ言葉をさも残念そうに告げる。局所麻酔で意識があると偶にこういう患者がいる。阿鼻叫喚が手術室から響いてくるのを、待合室の患者は恐ろし気に。職員は慣れたように業務を行っていた]
(74) 2018/05/11(Fri) 16時半頃
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「ありがとうございます!さすが先生だ、あんな酷い怪我だったのに全然痛くない!」
お大事に。ちゃんと飲み薬と塗り薬も処方したから、食事の後に使うように。
「はい!ありがとうございました!!」
[診察室を軽い足取りで出て行った患者の左腕の裂傷を切り落され、綺麗に縫合されている。診療録を書き込んで次に診る患者の診療録を手に取った*]
(75) 2018/05/11(Fri) 17時頃
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― 幕間・《大殲》 ―
[《須佐之男》の相手は別の者に任せ。 《天照》……春告鳥と交戦していたが。
どこか奇妙な膠着状態であった。 その様子を見ていたとある者は語る。]
「《伊邪那美》……妃奈子様も。 《天照》も力を明らかに温存していたんだ。
妃奈子様は仕草だけで闇の力を打ち出して。 《天照》は拾った獲物で弾いては、その武器が砕けるような。」
(76) 2018/05/11(Fri) 17時頃
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――ここまでにしときましょうか。
お互いに、ね。
[《三種乃神器》を使う気のない自分と。 同じように、何かの切り札を隠している相手。
このまま硬直状態を続けても仕方ないだろうと。
彼が隠していたもの。 その正体を知った時は。 流石の妃奈子も地団太を踏んでいたとか。]
(77) 2018/05/11(Fri) 17時頃
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