88 めざせリア充村3
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……知ってるよ、チアキ。
[知っているから、努めて平静なまま答える。 彼を見る目元だけが、ほんの少しだけ、険しい。 緊張ゆえにだ。]
ライジ。……俺の名前は、ライジ。
[名を教える声の調子もまた、同じく。 静けさの中で微かに張り詰める緊張感。]
(212) onecat69 2013/07/09(Tue) 09時半頃
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アリス。 ……読んでやろうか?
[チアキの目線が本の表紙へ落ちる。 気紛れに訊いてみたのは、 彼の顔があまりに幼く見えたから。
返答はどうだったにしろ、 きっと俺は黙って肯いただろう。]
(219) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃
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[二人分の足音だけを響かせ歩く廊下で、 唐突に質問を投げかけられて、瞬きを数度。
あまり積極的に答えたい内容じゃない。 実験にまつわる記憶の言語化は、 カウンセリングの時間だけに止めておきたい。
ふと見下ろすと、 チアキと視線が重なった。]
……死にたい気分、かな。
[最後の質問にのみ答えを返す。 言ってしまえば、二年半分の架空の記憶が溢れる。 溢れた記憶と感情に呑まれるように、
表情が失せた。]
(220) onecat69 2013/07/09(Tue) 14時頃
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[チアキの唇の動きは声無く問いかけてくる。
―― なんで?
変化の無い硬直した表情の中で、 じわりと瞳に暗い闇が浮かぶ。
―― なんで?こんなことに?
見えない何かに触発された傷口が開く。 そこから溢れるのは、 深く黒い虚構の記憶と絶望。
―― なんで?こんなことに?ここは何処だ?
ぐらりと視界が揺れた。]
(225) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
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[深みに嵌りそうになる意識を、 緩く頭を振る仕草で引き戻して。
落ち込んだ風なりチアキを改めて見る。 幼い視線と言葉に肯いて、 少し、話してやる。軽い笑みを作って。
深い妄想の世界に堕ちたアリスの物語を。]
(226) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
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ああ……、あれは、
[焦って走る時計うさぎは面倒事の中心へ向かい、 チェシャ猫は耳元でまやかしを説き、 アリスは狂った茶会に囚われる。 ハートの女王に追い立てられて、 トランプ兵は槍を血で染め戦場を走った。
仲間殺しの裁判にかけられたアリスは 結局どうなったんだっけ。
妹殺しの罪を背負ったのは誰だったっけ。
……話す途中で物語は大きく歪み、 “Wonderland”は焼け野が原に。
努めて穏やかな顔を浮かべたまま。]
(227) onecat69 2013/07/09(Tue) 16時半頃
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[廊下が妙に長く感じる。
このまま歩いても歩いても 何処へも辿りつけないんじゃないか。
目の前で笑うチアキの顔に かつての日常の中に在った彼が重なり モニタ越しに見た戦場での彼が重なり、 現実の輪郭が曖昧にぼやけていく。
穏やかな調子のままに語る物語は、 アリスが現実と妄想の狭間に落ちて 真っ暗な中でひとり微笑んだ場面で終わった。]
(231) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
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[結局彼女は 何処へも行けず、何処へも帰れなかった。
頭の中に描いたアリスは、 チアキの顔をしていた。
その顔を見つめていると、 像は歪んで、 ひとり嘲笑う俺の姿に成った。]
(232) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
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そう…ただの夢。ただの物語だ。
[―― 本当に?
そうでない事を俺は知っている。
頭で理解した“実験”という真相とは違う 記憶よりもっと深い場所に刻み込まれたものから けして目を逸らせないのと同じで。
子供の顔をして無邪気に笑うチアキから 俺は目を逸らせなくなる。
目眩がする。 白く点滅する視界に、雪の日を思い出す。]
(233) onecat69 2013/07/09(Tue) 19時頃
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[影の世界で振り翳される鋏には気付かず。
明るく返事をするチアキの髪に指を絡ませ。 甘い手付きで撫でてやるのは、 かつての日常と同じ。
笑う顔も。
違っているのは――何だろう? 思い出せない。]
(245) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時頃
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[食堂の前を通りかかって、 中へと入っていくチアキとはその場で別れた。
誰かに会えるなら、 俺が道案内をする必要も無い。
甘い香りと賑やかな気配に背を向けて そのまま、誰にも声はかけずに廊下を引き返した。
チアキと離れれば、 狂ったワンダーランドの物語は 頭の中からすっかり無くなっていた。*]
(246) onecat69 2013/07/09(Tue) 20時半頃
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― 半年後・冬の早朝 ―
[荷物は、小さな鞄ひとつに収まった。
朝から降る雪で白く染まりつつある中庭、 誰も居ない静かな食堂や談話室、 寄り道をしながら
良い思い出も苦い思い出も この研究所のあちこちの残っている。
半年前の“実験”で見た悪夢で ミナカタ先生を殺害した日と同じ日付の今日。 俺は、この研究所を出て行く事になった。
誰にも会わずに行きたいと、 昨夜のうちに、皆には挨拶を済ませてある。]
(280) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
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[行く先は、 最近勢力を伸ばしつつある小国の軍。
“魔法使い”を兵器として活用するため 各所から使えそうな実験体を 買い集めているらしい。
―― もう、間違わない。俺は。
国へと向かう車に揺られながら、 車窓を流れる景色を眺め、薄く笑った。*]
(281) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
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[研究所に報せが届くのはその翌日。
買い取った“兵器”を乗せた車は 落雷事故により横転し谷底へと落下。 運搬兵二名及び“兵器”共に死亡。 新たな商材があれば買い取りたい。
…そんな報せだ。*]
(282) onecat69 2013/07/09(Tue) 22時頃
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― さらに半年後《トラルーニュ自治区》 ―
[着々と戦争の支度を整えつつある小国の外れ、 遊牧民族を中心とした独立自治区。 バラックが建ち並ぶ小さな土地を中心に、 俺は結局、“戦争”をしていた。
各国にじわりと広まりつつある不穏な気配、 “魔法使い”を使った争いの話も聞く。]
……殺すな、死ぬな。生きろ。
[自分の生きる道を拓くためにと 逃げ出してたどり着いたこの土地で出来た 新しい“仲間”にかけるのは、 あの“悪夢”の中に居た俺とそう違わない言葉。
それでも、何かが違っていた。]
(308) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
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じゃあ、行ってくる。 またな。
[暑い夏の日。 半年を過ごしたこの土地を離れる。 戻ってくるかもしれないし、 もう戻らないかもしれない。
放浪の民の気質が根付くこの地では そんな別れは日常茶飯事で。
荷物は殆ど持たずに、軽やかに駈け出した。*]
(309) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
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― 研究所から伸びる道 ―
[得た情報を信じて。 街道の真ん中に立って馬車を待つ。
遠くから聞こえる馬の蹄の音。 車輪がガラガラと回る音。
―― やっと、
馬車の行く手に、 目一杯の力で雷を落としてやった。 辺りに満ちる青白い光と、雷鳴。
土が抉れて道は断たれ、 怯えて慌てた馬は足を止めるか。
―― やっと、会える。ソフィー。]
(310) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時頃
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― 一年後の再会 ―
[光が失せた道中、揺らぐ馬車へと駆け寄る。
早く逢いたい。
急いた気持ちのまま、真っ直ぐに。
そこで見つけた。 焦がれた愛しい君の姿。]
(331) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃
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ソフィア! ……迎えに来た。
[そして、彼女へと手を差し伸ばす。
手を取ってくれるなら。 共に来てくれるなら。 一緒に生きてくれるなら。
俺は、もう二度とソフィアの手を離さない。 何があろうとも。 どんな“悪夢”が訪れても。 どんな“未来”に呑まれそうになっても。
もう、間違える事はない。 ソフィアが一緒に居てくれる限り…――**]
(332) onecat69 2013/07/09(Tue) 23時半頃
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……カリュクスはもう目覚めない。
だから……もう自由になっていい…の。
――お前も、死ぬのか?
[だから淡々とした温度のない声で尋ねるのは違うこと。
元になったカリュクスが目覚めない、ということは。
そのまま――ポプラの「自我」にも関わってくる。]
―ー 『今までありがとう。長い夢を見させてくれて。』
……ポプラ。
[呼ばなかった名前を、そっと呼ぶ。
瞬きはまだあるだろうか。
彼女が彼女ではなくなる前に、言葉を紡ぐ。]
お前が好きだよ、ポプラ。
[子供達に惜しみなく愛していると愛を注ぐ男が
誰にも一度も告げたことがない気持ちを。]
お前が好きだ。
今まで側に居てくれてありがとう――
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