212 冷たい校舎村(突)
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それが分かんねェ事が、俺の悩みだって。
言っちまっていいものかを、未だ決め切らない。
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── 3階 渡り廊下 ──
[ 制服からのぞく、マネキンの白い手足は、 賑やかな色とりどりの光を受けて、 ぼんやり、カラフルに光るのだ。滲むみたいに。
きっとその時、俺が見ていたのは、 ソレの胸元に光るナイフというより、 人間じゃない証明 みたいな、白色だった。
そこに、突然触れる>>341のは、 にんげん の、掌だったから、
不意をつかれた から、]
(391) 2017/03/13(Mon) 10時頃
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── う わ、
[ 弾けるように、振り返った。
振り返る そのときの、 赤く濡れた廊下は、よくよく”滑って”、 とられた足で、なんとか踏ん張るように、 咄嗟に、廊下の壁に、手をつく。]
(392) 2017/03/13(Mon) 10時頃
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[ 振り向いた、その視線の先で、 当たり前 のように、手を伸ばして、 おまえ は、笑ってた。フツウに。
バタバタと、体勢を立て直してから、 視界 の、焦点が合うまで、3秒。 理解まで、およそ5秒?
その、短い一瞬に、 なにか、遠いもの でも見るように、 笑みの滲む眸>>341を、見ていた。
自分と異なる いきもの。
擬態。]
(393) 2017/03/13(Mon) 10時頃
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── あ、ああ。 うん わりい
[ 結局また、我に返ったように、 口にしたのは、「 悪い 」とか「 ごめん 」で、 慌てて、マネキンから距離を取る。
気遣う ような、クラスメート からも。
ぱら ぱら と、動き出すクラスメートたちに、 ついていけないまま、俺は、その後姿を、眺めて、
誰もいなくなったころ、ようやく動き出す。
行き場 とか、とくにないけど、 ああ、保健室とか、様子見に行ってもいいか。 それか、ええ と、……考えながら。
もと来た道、引き返す ように。**]
(394) 2017/03/13(Mon) 10時頃
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[ 正解だよ、健士郎。
だけど、悪ィな。
アンタにまであんな目ェして欲しくねェんだ。
―――――― だから、俺は、]
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── 現在 ──
[ 声 をかけられて>>407、 はたと立ち止まった。それほど、上の空だった。]
── 上須賀? なにそれ
[ バケツを手に、階段を上ってくる。 眉を顰めかけて、隣にいるのが誰かを理解した。
あーー、あーー、そういえば。 片付けるって、そういうこと、言ってたな。
俺の視線は揺れる。 足元に落ちて、上須賀のほうに戻って、 それから、ちらりと入間のほうを見てから、
ぺたぺた と、赤いハンコを残す上履きで、 ふたりのほうへと、歩み寄った。]
(446) 2017/03/13(Mon) 15時半頃
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……俺もやる、貸して …………悪い。さっきは、どうかしてた
[ もそもそと、口を開いて言ったのは、 そんな、短い言葉だけで、
俺は、言葉少なに、隣に並ぶ3人目になる。
これ以上、汚れを増やさないように。 脱ぎ捨てた上履きを、ゴミ箱に突っ込むのも、忘れずに。*]
(447) 2017/03/13(Mon) 15時半頃
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[ 笑ってくれて、
バレなくて、
良かったって、
二つの意味の“安心” ]*
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── 現在:3階 ──
……や、みんな、言ってた そんなわけないって
人形が血を流すわけないけど、 ひとが人形になんのも、ありえねーし
だから、おまえは、間違ってなかったんだって
[ 真っ白なタオル>>457は、 受け取った端から赤に染まって。
やっぱり、こんな量の血を流しては、 無事じゃあ済まないと思うんだ にんげんなら。]
(509) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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[ 結局、俺には触れられなかった人形も、 上須賀が、どこかへと運んでいって。
床が元の輝きを取り戻したころ、 ふと、入間が言った。>>459
死んでみよっかなって思ったこと、ある? ある。]
(511) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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## 成績にも、進路にも、将来の夢にも、 一切、なにも口を挟まなかった母が、
ただ、漠然と、 ひとり息子の連れてくる"お嫁さん"と、 仲良く、買い物に行って、 孫の洋服とか、見繕うとか、 『 ずっと娘が欲しかったの 』とか、
熱心に祈るでもなく、 ただ、いつか訪れるはずの未来を、 なんとなく、思い描いていること。
知っている。 ##
(513) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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じわり じわり と、 失望を降り積もらせていくよりも、 一度の絶望で全部終わらせたいんだ。 だめかな。
##
(514) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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[ あるよ とか、うん。と言ってしまうには、 その問いかけ>>459は、重過ぎて、
俺はただ、「 知ってる 」と言った。
知ってる。 その話も、今の状況がそうかも ってことも。
そんな俺とは裏腹に、 上須賀>>495はあっさりと頷いて、 全部ひっくるめて、肯定してしまう。
顔を上げられない。 死にたい ではなくて、 死んだほうがいい と思うことの意味。
……想像、つかない なあ。]
(515) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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[ 代わりに、口にしたのは、 またも、質問に質問返し。]
どうならいいと思ってんの、入間は
[ 証拠はない と、彼女は言う>>460が、 望む答えは、どちらなのだろうか。
それから、もうひとつ。]
あのメール、見たとき、 ── おまえ、どう思った?
怖かった とか、腹が立った とか それこそ、趣味わりい とか
[ まだ、鮮明に思い出せる文面。 みんなへ。いざとなると──、]
(516) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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[ 何事もなかったみたいに 白く、 明るい色を反射する床から、 ようやく、視線を剥がして。
揺れた視線は、再びふたりへ。
考えながら、口を開く。]
── ピンと、きた?
[ ぴん と、指を立ててみる。 さっき、「 上だよ 」って、 古辺が示したみたいに。]
(519) 2017/03/13(Mon) 23時頃
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……結局、
「 死んでしまおうか 」なんて、 実は、誰だって、考えててさ、 大事なのは、「 どうして 」なのかもしんねーな って
……思った *
(522) 2017/03/13(Mon) 23時半頃
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