人狼議事


278 冷たい校舎村8

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【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
「これください」

ラムネを指さして、いっくんは言います。

「はい、どうぞ」

思ったより優しい顔で、駄菓子屋さんは笑いました。
思っていたよりも、ずっとずっとです。

なんだか恥ずかしくなって、
あーちゃんの手を引いて逃げるように駄菓子屋を出ました。
 

(820) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
ちょっとだけ歩いた場所にバス停があって、
いっくんとあーちゃんは、そこでラムネを飲むことにしました。

そーれ、えいっ!
って、いっくんは思いっきり蓋を押しました。
あれれ、でも……

「あかない……」「えーっ!」

二人とも困り果ててしまいました。
せっかく苦労して手に入れたのに!

諦めたくありません。二人で何度も挑戦します。
でも、開きません。うーんうーん。

そんな時、いっくんのお兄ちゃんが通りかかります。
 

(821) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
自転車に乗ったお兄ちゃんは、
いっくんとあーちゃんのことをちらっと見ると
そのまま走り去ろうとしていました。

「まって、にいちゃん!」

いっくんが大声を出すと、自転車は止まりました。

「ねえ、これ、あけられなくって。
 にいちゃんなら、あけられるよね?」

いっくんのお兄ちゃんはラムネの瓶を受け取ると、
それを思い切り道路に叩きつけました。
 

(822) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
「鬱陶しいんだよ」

いっくんのお兄ちゃんはそう言って、
また自転車に乗ってどこかに行ってしまいました。

砕け散ったラムネの瓶は照ったアスファルトを濡らし、
巣から出たばかりのアリを溺れさせ、
夏の日差しを受けてキラキラと輝いています。

「いっくん」

ラムネの瓶の冷たさが残るいっくんの右手を
あーちゃんのじめじめした手がぎゅっと握りました。

「だいじょうぶだよ、いっくん」

そうです。
あーちゃんが居るので、いっくんは大丈夫です。
 

(823) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
いつかはラムネの瓶、開けられるようになりたいな。
 

(824) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
めでたし、めでたし
 

(825) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 

  [ ─→ 閑話休題 ─→ ]

 

(826) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

── 現在:階段 ──

  あれっソーマ?
  なにやって、…あっははは!
  ヤベえ!ちょーウケんだけど!

[ 下の階に降りようとしたら、
 絶体絶命なクラスメイトが居た。>>796

 カシャ。と無慈悲な音が響く。
 ふらふらとした足取りの颯真を写真に収めた音。
 電波はつながらないけど写真は撮れて良かった。
 と、携帯依存症の郁斗は思う。  ]
 

(827) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
  がんばれがんばれー!
  此処まで来たら持ってやるよぉ?

[ って、踊り場で携帯を構えたまま笑った。

 それにしたって、そんな大量の飲食物を
 一体どうして運んでいるのだろう。 ]

  てかなにソーマ。
  めちゃめちゃ腹減ってんの?
  量多過ぎねえ?ヤバくね?
  お前そんなに大食いだったっけえ?
 

(828) 2020/06/15(Mon) 03時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
[ イマイチ、状況を理解していない。

 閉じ込められてしまっていることも、
 これが誰かの創り出した場所かも知れないってことも、
 その誰かはメールの送り主かもしれないってことも、

 分からないまま笑っている。
 でも、分かってても、笑っているだろう。
 喜多仲郁斗は、そういう男である。 ]*
 

(829) 2020/06/15(Mon) 03時頃

仲買呪術師 ジェルマンは、メモを貼った。

2020/06/15(Mon) 03時頃


【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 

  [ ←─ 幕間 ←─ ]

 

(931) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

── いっくんとあーちゃん3章 ──

トントントン。
包丁を動かすママの背中に、いっくんは話しかけます。

「あーちゃん、だいじょうぶかな」

ママは何も言いません。
聞こえなかったかな?もう一度話しかけてみます。

「あーちゃん、ケガしてるんだよ。だいじょうぶかな」

ママは何も言いません。
いっくんは、ママのエプロンの端を掴みました。
ママはようやく口を開きました。

(932) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン


「あの子と遊んじゃダメってママ言わなかった?」
「でもね」
「ママ頭痛いからちょっと休むね」

そう言って奥の部屋に引っ込んでしまいました。

少し経ってからパパが帰ってきました。
パパは、ママのいないキッチンを見て、
切っている途中で放置されたキュウリを見て、
疲れた顔をして溜息を吐きました。

深い深い溜息だったので、いっくんはその時
とても悪いことをしてしまったのだと気付きました。
 

(933) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
「ちょっと向こう行ってろ」

いっくんは、ちらちらとパパの方を見ながら
その言葉に従うしかありません。

途中、お兄ちゃんとすれ違って
パパとママと同じような目でいっくんを見ました。

いっくんは何も言えませんでした。
 

(934) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
次の日です。

「とおくにいきたい」

と、あーちゃんが言いました。いっくんも大賛成です!

二人で電車に乗ることにしました。
いっくんは自分で切手を買うのははじめてだし、
あーちゃんは電車に乗るのがはじめてです。

まず、バス停までたどり着かなければいけません。
バス停まで二人で歩いたところで
もう二人は、結構疲れていました。

あーちゃんなんて、へとへとで、眠そうです。
 

(935) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
着いた電車の駅は、人で溢れかえっていました。
忙しなく動く人の波が押し寄せて、
いっくんは動けなくなってしまいました。

あーちゃんは今にも眠ってしまいそうです。

「……かえる?」

あーちゃんは頷きました。
でもきっと、いっくんが何と言っても
あーちゃんは頷いたと思います。
 

(936) 2020/06/15(Mon) 19時半頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
帰りのバスの中。うとうととしていたあーちゃんは
ついに眠ってしまいました。

「あーちゃん」

返事はありません。ぐっすり眠っているのでしょう。
いっくんもあーちゃんに寄りかかりました。

あーちゃんは今日、ずっとひょこひょこ歩きでした。
多分、足が痛いんです。足も痛くしたんです。
あーちゃんが身動きすれば袖がずりおちて
あーちゃんの、まだら色の肌が露になります。
それを見るたび、いっくんは泣きたくなります。

あーちゃんの家には悪魔が居ます。
 
悪魔の居る家に、今からいっくんは
あーちゃんのことを送り出さなければいけません。
 

(937) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
悪魔とあーちゃんは
簡単にバイバイすることは出来ません。

いっくんも一つ一つ年を取って、
この世界の仕組みが分かってきました。
握りしめていたお金じゃ電車に乗れないことも
本当は、分かっていました。
 

(938) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
いっくんは、あーちゃんの手のひらが
何かを握りしめていることに気づきます。

そうっと手を開かせると、
あの日砕け散ったラムネの瓶から拾い上げた
ビー玉があーちゃんの手のひらに収まっていました。

いっくんはまたあーちゃんに寄りかかって
夢を見るみたいに、目を閉じました。

「だいじょうぶだよ、あーちゃん」

そうです。
いっくんが居るので、あーちゃんは大丈夫です。
 

(939) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
いつか、ずっと遠くに行きたいね。
 

(940) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
めでたし、めでたし
 

(941) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 

  [ ─→ 閑話休題 ─→ ]

 

(942) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

── 現在:階段 ──

  ごっめーん!
  おれこれ以上階段降りたら
  死ぬ病に罹ってんだよなあ!

[ どんな病だよ。って、言われたのならば
 甘んじてそのツッコミは受け止めるのだけれど。

 もし颯真の心の声が聞こえたら、
 実はちょー大食いだったとか?って言うだろう。
 眼鏡の度は合ってます。>>831 ]
 

(943) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
  えーヤバ、ちょ〜がんばってんじゃん?
  ゴチになりまぁす?

[ 奢りではない。と、分かってないので、
 郁斗はどこまでも見当違いな言葉を発する。

 それもまあ、状況説明されてしまえば>>833
 もう言うことなんてなくなるけれど。 ]

  ハア?外に出れない?
  なに言ってんのソーマ?
 

(944) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
[ どう考えても、ウソじゃない。
 って雰囲気を醸し出しているのだから
 郁斗はそれ以上、疑えなくなる。 ]

  マ?……え?ヤバくねえ?
  何始まんの?デスバトル?
  ガチでライオン解放される感じ?

[ 文化祭の装飾が突然現れて、
 その上学校に閉じ込められた。
 ってなると、漫画みたいな展開だって笑った。 ]
 

(945) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
  うわわチョー重いんだけどお!?
  え、てかこれ一人で持ってたのお前!
  フツーにゴリラじゃん!

[ とは言え袋の半分を押し付けられたのなら
 暢気に笑っていられなくもなる。

 食べ物はともかく、飲み物がキツイ。
 空想のデスバトルよりも
 目の前の荷物運びの方が重要だ。 ]
 

(946) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
[ 重い、重い、と騒ぎながら階段を上る。
 たぶん、ペットボトルを2、3本取り出して
 颯真の袋に入れようとしたりした。

 そういうバカ騒ぎは教室まで響くらしい。>>872
 廊下までくれば、ひょい、と飛び出る顔。 ]

  ズーミン!チョーちょーど良いとこに!
  死ぬほど重いんだけどぉ!
  腕ちぎれる!持って!

[ 手は……振れないので、
 とりあえず大声でお願いしてみよう。 ]*
 

(947) 2020/06/15(Mon) 20時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

── 回想:笑顔の気持ち ──

[ “無理矢理笑うたつみん”って玩具があるなら>>929
 たぶん、郁斗は喜んで買う。
 そして爆笑で息が出来なくなる。と思う。

 もちろん、そんな玩具は発売されないし
 今だって玩具にしている訳ではない。
 真剣です。本当です。 ]

  え〜〜〜?

[ 楽しいから笑う。>>930って、言われて
 不満そうな声が口から伸びていく。 ]
 

(1003) 2020/06/15(Mon) 22時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
  楽しいから笑う。んだったらさァ、
  いっつも笑わないたつみんは
  いっつも楽しくないの?って話になるくなぁい?

[ なるくなくっても、なる。
 って前提で郁斗は言葉を続ける。 ]

  おれ、ケッコーたつみん楽しそうに見えるよ。
  いっちーと話してるときとか、
  レイくんと話してるときとかア?
  笑ってなくてもさあ、フツーに。
 

(1004) 2020/06/15(Mon) 22時頃

【人】 仲買呪術師 ジェルマン

 
  逆に楽しくなくってもさ〜、
  マジで人って笑うんだよ?超逆にね。

  悲しくても笑ったりー、
  ムカついてても笑ったりぃ?
  あと辛い時に無理やり笑ってみたりするよ。

  たつみん、知らなかったあ?

[ (笑)。って語尾に付けて
 喜多仲郁斗は幸俊の顔をのぞき込む。 ]
 

(1005) 2020/06/15(Mon) 22時頃

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