191 The wonderful world -7 days of MORI-
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── Sequel:ねこの季節はまた巡る ──
[ 今日は、 野良猫がふてぶてしく路上に転がっているくらいの、 気持ちのいい晴れの日で、
おれは、真っ昼間から、ひとり、 注意深く住宅街を歩いていた。
警戒する素振りも見せないその猫に、 おれは、なんだか、吸い寄せられるみたいで、]
…………、
[ きゅうけーい、と、心の中で宣言して、 おれは、道端によいしょと腰を下ろした。
今年も、迷い猫を探していた。]
(553) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ あの、一度迎えた終わりから、数年が経ち、 おれは、まともに食事をとるようになったからか、 5cmくらい背が伸びて、
なんとも、自由気ままなおとなになった。
夢、なんて、大それたものじゃないけれど、 これがしっくりくる、というか、 性に合う、というか、って、 正直、また幼馴染が拳を握りしめそうな、 大雑把な主張を振りかざして、]
(554) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ ── 強いて言うなら、
怪訝そうな顔をした彼に、おれは言った。
── 名探偵然としたおとなが猫を探してる絵面に、 ── 夢を壊されるこどもが、減るように。
畳み掛けるように、おれは言う。
── 得意だったんだ、おれ。猫、探すの。
とまあ、そんな馬鹿げたことを、 いけしゃあしゃあと言えてしまうくらい、 おれは、なんというか、元気に生きている。]
(555) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ 出版社でのオシゴトは、 きみの役に立ててる気がしたり、 きみの作品に関わることができたり、 とても、楽しかったんだけれど、
きっかけがきっかけだから、 ずっと甘えているみたいで、 いつかは離れようと思っていた。
っていうのもあるし、
── 結局のところ、
”ふつう”の暮らしが遠かったおれには、 緩まったままだったり、なくしっぱなしの頭のネジが、 やっぱり、いくらかはあるんだと思う。]
(556) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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……休憩、終わり。
[ 日が暮れちゃうし、って、 おれは、ゆるやかに立ち上がる。 野良猫は、「なあん」って一声鳴いた。
今、なにをして生きてるの、と言われたら、 「なんでもするよ」っていうのが、 たぶん、一番正解に近い。
迷子の猫を探すのが得意だよ。 引っ越しの手伝いでも、ゴミ屋敷の掃除でも、 なにかの列に並ぶとか、送迎とか、 探偵まがいのことでも、何かの助っ人でも、なんでも。
おれの良識と力の範囲内で、 できそうなことなら、なんでも。
っていうと、誰かが笑いそうだけれど。]
(557) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ さてと。おれはまた、慎重に歩き出す。
いつか住んでいた団地の前を通っても、 もう、乱暴な落書きもなにもないし、 おれが脳天気な顔で歩いていても、 視線が気になる、ということもない。
なんだか、ひどく平和で、 やっぱり、たまに、 おれがこんなにのんきに生きてていいのかって、 思うけれど、
とりあえず、今は、これが、 身の丈に合って、しっくりくる、 いつか言われた”おれの幸せ”なのかなあって、 思ったりも、するのだ。]
(558) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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[ それから少しして、 名入りの首輪を付けた猫を捕まえた。 元気そうな様子に安堵していたら、 ケータイに電話がかかってきて、 明日は引っ越しの手伝いをすることになる。
何もかもにも恵まれている、 というわけではないけれど、 おれの生活は順調だ。おれは幸せだよ。 って、今も、伝えたいと、一番に頭をよぎるのは、 やっぱり、他の誰でもない、きみの顔なのだ。
なんせ、きみは、 おれの自慢の、幼馴染であり、恩人である。**]
(559) nabe 2016/06/23(Thu) 03時頃
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