246 とある結社の手記:9
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そりゃあ、いちいち占われたら、
いずれは見つかっちまうだろうな。
ピスティオ、おまえだけ。
疑われようと占われようと、
なんともないってわけだ。
[彼のひそやかな優越感を知ってか知らずか、僅かに笑いの気配を伴って声をかける。()]
[宿の一室に取り残されていた子供。それがピスティオである。
彼の両親を肉の塊に変え、ちょうどよい大きさに切り分けて、声なき声で囁きあってはそれを分けあう。
あの子は両親が戻らないことを知っていた。
奇妙な子供だった。
人狼ではない、人間なのに、狼の声を聞く子供。
全ての作業を終えて宿に戻り、「置いていかれちまったのかい」と訊いたのが、どちらの声でだったか。もうすっかり忘れてしまった。]
逃げないってことになったら、
誰か三人、人狼としてでっちあげなけりゃな。
ピスティオ、手伝ってくれるかい?
[怒るでもなく、喜ぶでもなく、人に寄り添って生きた人食い宿屋の主人は、いつもの調子で穏やかに訊いた。]
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行方不明としていたのは、村内に無用な混乱を招かないようにと……いえ、いええ、それはおそらくは保身なのでしょう。
[この自体を招きこんだ張本人に対する言及(>>96)については、力なく首を横に振る]
お父様がこの場に現れる事はないと思いますわ。 人狼がいる、とみなされたこの場所には。
(102) 2018/07/25(Wed) 22時頃
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[激しく詰め寄られ(>>99)、視線を床へと落とす。 何ができただろうか、一人では何もできない自分に]
ロイエ……ロイエ……。
[家の事情に巻き込んでしまった、そう責められる。 名前を呼んで、それでも謝罪の言葉が口をついて出るのを堪える。 こんな時でも我が身を案じてくれる相手に、そうするべきではないと。 そうしてはいけないと]
(106) 2018/07/25(Wed) 22時半頃
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[無論、聞かずとも、誰が殺したのかを知っていた。]
[抱きしめるリンダ()の芳香と体温を全身で味わい―]
……ふぅ。
[その瞳は、恍惚の色を帯びた。]
[恍惚に酔う声なき声が囁く―]
…偽の占い。大変、結構でございます。
もとより老獪狡猾なるルパート様の策略…
若輩のわたくしが、口をはさむ余地はございません。
ええ…ええ…
大変、結構でございます。
[子飼いの"ヒト"がしくじろうと、切り捨てられるだけのこと―]
骨の一欠…
肉の一片…
血の一滴にわたって
わたくしのものでございます。
それさえ守っていただければ……
ええ、どうぞ…あとはご自由に……
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[言葉の中に交じる怒り(>>115)を感じ取り、胸を強く押さえる。 ワインの注がれたグラスに逃避してしまいそうな弱い自分を抑え込むように]
ええ……おじさま……。 私がもっと早く、結社なんかが来る前に皆様に伝えれていれば……。 でも、私、見てしまって。 頭が、真っ白で……。
(119) 2018/07/25(Wed) 23時半頃
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[様子が明らかに変わり、呟く様に言葉を続ける]
人狼がいるだなんて信じたくなくて。 でも、でも、あれがもし人間の仕業なら。 食べるための行為でないのなら。 それは人狼よりも恐ろしいのです……。 私、呼ばれた気がして……。 そこに、人が倒れてて……。 腕が乱暴に引きちぎられて。 赤くて、赤くて、赤くて、赤くて。 体の中は空っぽで。
[なにもない宙を見つめ、止まる]
やめて、そんな風に……そんな目で、私を見ないで。
[この場にいる誰に対してでもなく放ち、力なく傍らに寄り添うロイエに体を預ける。 頬を雫が伝い、暫しの間*意識を手放した*]
(120) 2018/07/25(Wed) 23時半頃
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牧人 リンダは、メモを貼った。
2018/07/25(Wed) 23時半頃
[返って来たこたえは予想通りと言えば予想通りで。青年は黙って肩を落とした。やっぱり簡単にはいかないものか。]
あーあ。残念。
[それは心からの言葉だった。
残念だ。そうすれば少なくとも、無事にここからは逃げ出せただろうに。]
[ああ…忌々しい…
なんと忌々しい…
心労も、心傷も、恐怖も、絶望も…
お嬢様を壊してしまう。
お嬢様の"肉質"を落としてしまう。]
へへ……っ
[占われても疑われても大丈夫。
それはきっと、とてもいいことだ。生き延びられる可能性が上がる。笑みの気配伴って掛けられた声に、青年は無邪気に頷いた。
とおい昔に、声なき声で呼びかけられた時と同じように。]
でっち上げ…でっち上げか。
なあ、でっち上げたら上手く切り抜けられるかな?
切り抜けたら、前と同じように暮らせるよな?
占い師は優先的に出られるらしいし……
[悪くない気がする。
でっち上げ。が、村の誰かを殺すに至ることまでは、気の回らないまま。]
構わないっスよ。手伝いましょうか。
えーっと……。俺っちが占いをしたらいいンすよね?
それで助かるってなら、お安い御用だ。
[いつもの雑用を引き受けるノリで、軽く笑った。**]
止してくれ。
ジジイなことは認めるが
策略なんて大げさな話じゃあない。
連中の言いたいことと、
おれたちの言い分の間をとりたいだけさ。
[ロイエに首を振り、ピスティオに頷く。]
手伝ってくれるか?
ありがとうピスティオ。助かるよ。
ああ、今日からおまえが占い師。
よろしく頼んだぜ。
そうなりゃあ、
おまえを優先的に外に出してやれるかもしれない。
おれたちにとっても願ってもないことだ。
ロイエが腕によりをかけて育ててきた娘さんだしな。
言いたいことはわかる。
なにせ、いいにおいがしているからな。
なるほど、高級な肉ってのは違うもんなんだねえ。
[どこか冗談めかしていう。]
……じゃあ、リンダお嬢様に
おれたちが手を出さないかわりに、
ロイエはおれたちのお願いごとを
守ってくれるってのかい?
[そうじゃなければ、そのお願いごとを聞く理由はどこにあるのだろう。]
[老獪狡猾と称した宿屋の獣から、声なき声が返った。
我を通す"対価"を払え。
温和な声色の奥に、冷たい思惑が見え隠れする。]
……
[どのような無理難題を要求されるか。
先のピスティオが脳裏をよぎる。]
……それで『血の契約』が交わせるのであれば…
はい……御二方の願い…なんなりと…。
[屋敷の獣は、いつもとかわらぬ冷たい口調で返した]
ー リンダの個室 モンドが去った後ー
[ベットの上で弱々しく寝息を立てるリンダの頬を撫でながら、思案する]
······。
[ピスティオが能力者を偽り、身代わりの3名を結社に差し出す。ルパートは、適当に差し障りのない人間を選んで指示するだろう。ピスティオは口が回り、周囲からの信頼も厚い。問題ない。
真贋の効くサイモンは、今夜にでも始末する。“本物”の能力者が邪魔になるようならば、これも始末する。スージーならば、ぬかりなく息の根をとめるだろう。問題ない。
気がかりなのは、ルパートが要求する“お願い事”だ。資産か、利権か、はたまた育てたあげたメイドたちの肉か······。なんにせよ、弱味につけこんでくるのは想像に難くない。
だが構わない。取り返しばいくらでも効く。]
[屋敷の獣は強欲だった。
自らの手を汚すことなく、愉悦に耽溺することを好んだ。今はただ、こうして美しい乙女を愛でるだけでいい。それで万事がうまくいく。
このとき、屋敷の獣は迂闊にも軽んじていた。リンダが口走ったうわ言()は、心労から見た夢()に過ぎないと。サイモン亡きあとの結社は、とるにたらない相手だと。]
[ーだがもしも]
······。
[“お嬢様”の頬を撫でる手が止まる。
同胞たちへの猜疑が首をもたげてくる。
もしも、交わした約束が違われるようなことになれば。
違えなければならない状況になればー]
(······お嬢様の血肉はわたくしのもの···
誰かに奪われるくらいならば、いっそ···)
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― リンダの個室 ―
[小さな小さな頃から、それは見えていた。 物心がついた頃から。
お父様にその話をするとひどく叱られて。 お母様はとてもとても悲しそうな顔をする。 だから、それが見えるということを口にすることはなくなっていった。
なぜあのひとたちはおやしきをみているの? ずっといるけれどおなかはすかないの? どうしてあんなにあんなにこわいおかおをしているの?]
(158) 2018/07/26(Thu) 17時半頃
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んっ……。
[小さな吐息と共に目を覚ます。 ぼんやりとした意識のままで、きっと傍にいるであろうロイエに声を掛ける]
ロイエ、グラスを……お酒をくださいな。
[ゆっくりとゆっくりと、身体を起こして嬉しそうに笑いかける]
ロイエも、私の知らない小さな頃は元気ないたずらっ子だったのね。 村を走り回っていてちょっかいを出した犬に噛まれるだなんて。
[薄っすらとした意識の中、途切れ途切れに聞こえて来た会話を繋ぎ合わせて、そう解釈したようだ]
(159) 2018/07/26(Thu) 17時半頃
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ロイエが、犬に襲われていたときに助けていただいたそうで。 私からもお礼を言わせていただきます。 ええと……モンド?おじさま。
[ベッドの上、それでも優雅に*頭を下げた*]
(160) 2018/07/26(Thu) 17時半頃
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