24 ロスト・バタフライ
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紅茶なんて、初めて飲んだ。
[仕えていた場所で、自分の身分は下の下。
水さえまともな水は飲んだ事が無い。]
[1、と数えられた「記号」にふるふると首を横に振る。
それは、自分のものではない。自分が呼ばれていたものは他にあった。忘れてしまったけれど。]
イーラは燃えてしまったのか。
じゃぁここに在るイーラは何だろう?
灰?憤怒。感情の塊。
それを言うなら僕は何の塊だろう。
怠惰?
…ああ、そういえば。
僕、よく旦那様に、怠けてばかりだと怒られていたな。
紅茶を知らぬ? なんだ、勿体無いな
美味かろう?
元はただの不味い葉だ、食う気にもならぬ物だ
使い方一つで、このような味も出す
要は使い道次第だ
イーラはきっと、考えすぎだね。
だから怒る。
僕みたいに何も考えなければきっと、灰すらも残らず跡形もなく消えられたよ。
[笑いながら、そう紡いで。]
うん、美味しい。
そう、全て、想い次第。
僕たちがここに在る様に。
欠けてようが、欠けてまいが。
生きている人は、それすらわからない。
可哀相だね。それに、可愛い。
[首を振る様子に、意味がわからず。何かあるのかとは思ったが、深く思考する事はしなかった。関わりの無い事だ。]
ここにあるのは、憤怒だ
残りカスにあった、かすかな記憶を繋ぎ、形を成す者
怒りの魂に、灰の器
深い深い霧すら焦がす、炎だよ
怠惰、ああ怠惰
そいつも7罪だな
我思う ゆえに我在り だ
何も思わぬと、私は私を保つ事が出来ぬのだよ
[器の表情は無表情、魂の中は逆巻く炎。こいつを内にとどめ置くには、なかなかの努力が必要なんだ。]
人が可愛い? 何を馬鹿な
きぃきぃ煩い、邪魔な物だ
たまに静かな人もいるが、そういう者は特殊なのだ
その特殊な者以外は、いらぬのだよ、この地に
7罪。ああ、だから聴いたことがあったのか。
「怠惰」。旦那様は難しい話が好きだったから。
よく聞かされていた。お前は「怠惰」だって。
…。…。…。
あれ?今僕なんて言ったっけ?
[伏せた瞳を開いた後は、また器用に記憶を消したまま。
くるりと思考を翻して、別の話題に切り替える]
イーラは嫌いなんだね、人間。
可愛いと思うよ。
好きでもないけど。
面白い物だとは思う。
面白い物は嫌いじゃない。
そうだな、君が君を保つ為に、その怒りをぶつけるというのも、
嫌いじゃない。面白いから。
特殊じゃない人間を追い払ってしまって、
特殊な人間だけ残ったら、
ここはとても静かになって、僕たち消えてしまうかもしれないね?
退屈で、退屈で、
ふふ、死んでしまうかもしれない。
[冗談交じりに言った声は、ふわりふわりと掴み所もなく。**]
ん? 怠惰だろう 「Acedia」 どうした?
[記憶が飛んだような様子に、首を折るが。まぁ関わりのない事と、話を聞きだそうとはしなかった。]
嫌い? いいや、そうじゃないな
愛しい事と憎い事は、等しい事なんだよ
私の怒りを導く者は、排除する
それだけの話だ、先の事など知らぬ
怒りの炎は他者を焼き、自身すら焼く
静かな夜が、この地に戻ったなら
私は休もう、静かな人達の涙の溜まった湖の畔で
|
―― 湖畔 ――
[井戸から少し足を伸ばした湖の畔。 何か探すように周囲を見渡していたが、やがて腰を下ろす]
支払ったものは何かに代えられるものなのかね。
[深いため息と共に髪をくしゃりと混ぜた。 ポケットに収まる眼鏡に触れてから、霧深い空を仰ぎ見る]
なあ、悪霊がいるから見えなかったのか。 びびって出てこれないやつじゃないだろう。
[声は霧に呑まれ、応える者は失い]
今、出てこられても困るけどさ。 害成すものを滅せよ…ってさぁ 聖水でもまいてお帰り願えるなら、そう、言うよね…?
[咥える煙草に火を灯し、フィルターを強く噛んだ]
(150) 2011/01/26(Wed) 21時半頃
|
くは くははは。ナハトもイーラもおもしろい
イーラの話もナハトの話も面白い
面白いのは楽しい。
楽しいはおれ
おれは楽しい
うん、すばらしい
ふひひ。
善悪は誰かが決めるものだし興味はないかな
まあでも、人からしたら
、
ひとに死を招くものは
悪いと分類したくもなるかもしれないし
おれたちがいるから他の死者はでてこないんだし
向こうにとったら
おれ達、ただの邪魔者だからねえ
[そう言いながら、きしし。と歯の間から笑う声]
悪と敵視してもらえるのは、
駆除を待つ害虫呼ばわりされないだけマシかもしれないよ?
[話の合間の相槌のような言葉に本気はどこまでも薄く]
|
抽象的にならざるを得ないのか。どうなのか。
生き残りましょう。じゃないところが、 なんともまあ…どうしたものかな。
[吐き出す煙は漂うのに、落とす息は重くなる]
とりあえず。
[呟き、消して、投げ捨てかけた吸殻。 静かな湖面、放る気になれなくて ズボンのポケットへとねじ込んだ]
歩け。
[羽ばたくには重い足。ぱしりと叩き立ち上がる]
(165) 2011/01/26(Wed) 22時頃
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害虫なのは間違いないだろうな
少なくとも、私は駆除の対象だろう
怒りのままに暴走する、最も悪質な存在だろうからな
[客観的に、悪霊とは自分を指した者のような気がするし]
[ イーラの声に、ころころ笑う気配]
怒りで暴走するのと──
───暴走しなくても意図的にもてあそぶのとだと
どっちが悪霊って呼んでもらえるかな?
[問う声は、ごくごく、楽しそう]
|
―― 湖畔の小屋へ ――
ただいま。 さすがに重いな、男子、誰か手伝ってくれないかい。
[井戸水で満たした桶。 扉を開ける為に下ろした位置に置いたまま中へと声を掛ける]
おや、ニール。こんにちわ。 きちんとたどり着けたようで良かった。
[姉妹が話し始めた時には見えなかった姿。 話はもう聞けたのかと、ゆるく首を傾げてみせる]
(168) 2011/01/26(Wed) 22時頃
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さぁな、生者に聞くと良い
私は、どちらもかわらないと思うがな
[少なくとも、玩具にする気はないのだ。破壊衝動の出口になったなら、楽しみなどいらないのだから]
と──
まあ、ちょっぴり悪ぶってみたところで、
所詮、今、媒介になってる身体が朽ちたら
遊びも、今ここに混じって在るおいらとしてのおれも、
さっぱりそこまでで消えるんだけどさ
|
ありがとう助かるよ。 遺伝かな、それとも肉を沢山食べるとそんなにがっしりするのかな。
トニーもありがとう。 お駄賃はもうロビンの紅茶を飲んだだろう。 働かせすぎて倒れられたらもう飲めないぞ。
[手伝ってくれる二人へ桶を任せて。 自分も残る桶を手に迎え入れてくれるそれぞれへと笑みを返す]
力仕事は女の子はいいよ。 余裕が出てきたら食器の片付けとかをしてくれると助かるかな。
[立ち上がるレティーシャへと手で制して、 残る桶を手に台所へと置きに向かう]
(178) 2011/01/26(Wed) 22時半頃
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ガウは、呼んで欲しいの?
悪霊、と。
朽ちる媒体が在るのなら、
僕らも人間も同じ。
なんて、単純な話なのにね。
[眉を顰めて見るも、気にした様子は特になく。]
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…? どうかした。
[ニールが何かに視線を向ける様子。 つられて見るも、自分には何も判らずに]
ああ、うん。いってらっしゃい?
[どこかへ行くのだろうか。 見送り、彼の分の桶はそのままその場に]
また汲みに行くときはお願いするよ。
[ノックスの申し出に、小さく礼を添えて答えた]
(182) 2011/01/26(Wed) 22時半頃
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悪霊と、人間を見分ける。
簡単だよ。僕たちは「悪霊」で、彼女たちは「そうでない」。
悪霊が「わかる」と嘯くのも、面白いかもしれないね?
機会があればやってみよう。
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二人ともどんな話してたの?
[なにやら話を中断させてしまったようだ。 ニールとトニーと共に桶を運びつつ気軽に尋ねてみる]
(196) 2011/01/26(Wed) 23時頃
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どうかな?
悪霊と呼ばれることが楽しいわけじゃないけど
[ ナハトの問いに首を傾げる。]
おれを悪霊と知ってて、
それで、ひとが、どんな顔でおれを悪霊と呼ぶのか、
ちょっと興味はあるかもね。
きししっ
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[トニーのよろける背をぽふと叩くように支えた]
いい子にしてたら、 今度は美味しいご飯が食べられるみたいだよ。
[お駄賃欲しがる子供へ、言い聞かせるよう。 合流するニールの返答に瞬き二人を見比べて]
なるほど。 悪霊に手を挙げて貰えれば、 話す余地もあるかもしれないねぇ
[試してみようか。冗談半分提案してみる]
ニールが悪霊になったら痩せ細ってしまうかな。 それはそれでだいぶ気の毒というか、お供えの意味が判りもするね。
[水桶を台所へ置き終われば、暖炉の傍へ戻ろうかと促した]
(209) 2011/01/26(Wed) 23時半頃
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片羽の話もか。
そうだね、二人とも体のどこかが欠けているわけではないし。 ニールは少し記憶が無いんだろう? トニーは、……落ち着きが足りない。 けど、落ち着いているトニーは逆に心配になってしまうね。
ああ、桶はそこでいいよ。
僕はもっとおじさんだったんだよ。 ここに居るみんなくらいの子供が居てもおかしくないくらいにね。
どうかな、僕の時間は何に代わるのか、 何処にあるのか検討がつかないな。 何かに代えられるものなのかもね。
(214) 2011/01/26(Wed) 23時半頃
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