246 とある結社の手記:9
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――……この『わたくし』を。
(83) 2018/07/31(Tue) 23時半頃
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[忌まわしき"出生"を言い当てられた。
リンダを"人狼"と疑われた。
身体の芯が、暗く、冷たく、研ぎ澄まされる。]
……よくも…そんな。
[――凍てつくほどの、殺意。]
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[人狼は感染する。それを根拠に、この男は疑いの目を向けてくる。泣きはらした目のまま、茫然と男の顔を視る。命を救われ、かつて慕っていた男の顔を。(>>4:84)]
……そんな……ことで?
(94) 2018/08/01(Wed) 00時頃
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霊能者が別にいる、かあ。
マリオかワンダさん………
その可能性は考えなかったなあ。
ほんと、色々考えるよな。
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[パトリシアの制止する声(>>4:101)が聴こえる。 泣き出すまいと唇をつよく噛み、顔をしかめて、ふるふると頭をふった。震える身体で、リンダの身体を労わるように抱きしめ、力なく口を開く。]
……もう…もう無理なのです。 『守護者』の…… モンド様から疑いが……。
これ以上、口を閉ざせば…… 人狼は……お嬢様を。
もうお嬢様を犠牲を強いることは……。
(107) 2018/08/01(Wed) 00時半頃
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[震える声を強いて、はっきりと言葉を紡いだ。]
ローザス婦人は、『人間』でございます。
そして、ワンダ様は――……『人狼』。
『人狼』……だったのです。 このことをわたくしは……わたくしは、ずっと……。
(108) 2018/08/01(Wed) 00時半頃
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― ロビー ―
[聞くものがあれば、泣きはらした目で、淡々と語り始める。リンダの反応が、どのようなものであったのか。もし、この場を離れることがあれば、追いすがることはしない。]
あの夜、名乗り上げるべき……だったのです。 人には視えぬ霊魂。どう説明すべきか。
考えあぐねているうちに、お嬢様が……。(>>2:395) そして、続くモンド様のお言葉で察しました。 能力をもつ者は、まっさきにお命を狙われると……。 (>>2:413)
名乗らなければ、と……もちろん考えました。 ですが、それは……できなかったのです。 『自身の身を護ろうとするな。おまえの身を護れ。』と、 お嬢様が御命じに……。(>>2:278)
(121) 2018/08/01(Wed) 01時頃
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お嬢様は、このとこをご存じありません わたくしが、……『霊能者』だとは。
ですが……お嬢様は、すでに死を覚悟されておりました。 (>>2:434) 自らの命を犠牲に……どこの誰とも知らぬ 『霊能者』の盾になろうと……。(>>2:420)
能力ある者は、死んではならない。(>>2:428) お嬢様の御身を庇うこともできない。(>>2:464)
わたくしは、ただ……自分を殺し…… 泣きわめくことしか……。(>>2:469)
(122) 2018/08/01(Wed) 01時半頃
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[そしてこのルパートこそ。
――ただの、うそつきなのだが。
うそつきの子供にしたくないということは、当然彼にとっての望みのひとつ。しかして、とっくにもう叶いはしない夢であった。]
[こんな時にしてやれることがない。
そればかりは、殆ど正しかった。]
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……希望を見出したのは、 ユージン様のお言葉でした。
彼は、あえて言葉をぼかし、 自身を偽りました……霊能者。 その……可能性があると。 (>>2:466)
そして、続けて仰ったのです。 霊能者には……重要な使命があると。 占い師の真偽を確かめる、使命が……。 (>>2:479)
わたくしは、一抹の望みにかけようと…… ユージン様、そして、どこかにおわします 『守護者』様が、お嬢様を御護り下さることに。
そして、その間……自身の使命をまっとうしようと。 覚悟を……決めました。
(125) 2018/08/01(Wed) 01時半頃
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[今更、然したる感慨のなくなってしまった
人間を食うことを、
人任せにしてみたところで――だ。]
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……ワンダ様の霊魂は、 闇のように暗き狼でございました。
連れて行かれた先から…… おそらく……処刑場のある場所から、 こちらの宿へ走り抜けていったのです。
裂けた口から漏れる声は、ワンダ様のそれで……
……難題で、ございました。 人狼であったと、告げるべきか……否か。 告白すれば、お嬢様は狙われぬでしょう。 ですが、まだこの中には、2名もの……人狼が。
(135) 2018/08/01(Wed) 02時半頃
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わたくしが死ねば、疑惑の占い師3名について、 なんら手がかりが得られぬまま……。
お嬢様は、ワンダ様を人間と……。 ともすれば人狼たちは、疑惑を抱くのではないか、と。 能力を偽ってる、と惑うのではないか、と。 とすれば、まだ猶予が残されている可能性が……。 3名いる占い師と、1名のみの霊能者。 『守護者』様は、どちらをお護りになるか……。
これは……賭けでございました。 お嬢様の命を賭けてしまった……愚かなわたくしの……。
[そういって、鼻を軽くすすり、手にしたグラスに口をつけた。昔は好きだったはずのオレンジジュースは、やけに*苦い味がした*]
(136) 2018/08/01(Wed) 02時半頃
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[どこまでが本心で、どこまでが嘘か、その境はあやふやで、ロイエ自身もわからなかくなっていた。
危険な賭け。
まさに、ロイエは、危険な賭けに打って出ていた。
この宿に囚われてから。
それとも、はるか以前から――。]
…………リンダ。
[こんなときでもお嬢様の心労を案じてしまう自分自身が、とても滑稽で、しかし嫌いではなかった。*お嬢様の顔が見たいと思った*。]
姉妹 ロイエは、メモを貼った。
2018/08/01(Wed) 02時半頃
[やっぱり、仲間が泣き叫んでいるのはとても堪える。
悲しくて、悲しくて、痛くて、苦しくて、いやだな、いやだ。いやだいやだいやだ。やだ。どうして。なんで。ごめんね。どうして?イヴォンさんの名前を書く理由なんて本当になかったのに。苛々する、苛々する、いらいらする。そうだ、今は、涙よりも衝動の方が強い。なんで?なんで。ああ、ああ。ああ──……あ〜あ…。]
[あたしが大声で泣くのは、頭の中でだけです。
わあわあと鳴き声をあげました。誰も聞いていない、ひとりだけの空間で、今までで一番に声を上げて泣きました。
こんなこと、言いたくなんてありませんでした。
それはきっと、ユージンさんがよく知っています。
霊能者が結社に連れて行かれた人の霊を見るみたいに、狼に食べられた人の霊を見られたなら、ユージンさんのことも見えたのでしょうか。
それは、とてもうらやましく――狂おしいほどに、せつない心地でした。]
[もう、あたしの泣き言を聞いて相槌を打つ声も、そっと撫ぜるように響いてくる声も、ありません。
あたしがあの人の弱気に、聞こえないふりをすることも、やっぱり聞こえていて手を伸ばすことも、できません。
独り言も鼻歌も、聞こえてきません*]
[想像して、思うのだ。そうだったら、良かったのにな。
ノアさんが人狼仲間だったら、きっと楽しかったと思うのに。]
かんがえることが、
たくさん、ありすぎる…。
[こんがらがってるのは本当だった。]
[わかるわけがない。
そうじゃない存在だっているが、
その当人たちは言いたがらない。
名乗り出て、自分たちが死んで、それで終わりなんて――
人狼という生をうけた以上、あまりにもばかばかしいじゃないか。それでは死ぬために生まれたようなもの。
人殺しだからどう、なんて。今更じゃないか。]
かわいそうにな。
おれたちが「おれだぜ」と言ってやれば
こんなに。つらい思いをせずに済んだろうにな。
言えなくしたのも結社でしょ?
こーんな状況で言えるわけないじゃない。
[状況が違ったらと言うのはまた別の話だ。]
[口ではなんとでも言えた。
わからねえよ?
まさか。わかっていたさ。
マリオを殺したのは誰?
あの子にしようと最初に言い出したのは、おれだったかもしれねえな。
ユージンを殺したのは?
ごめんな、そいつも話し合って決めたことだ。]
はははははは。なにびびってんだ。
胸をはりな。
別におかしなこといっちゃあねえよ。
あいつはもう、本当に信じてもらうには――
殺されるのがてっとりばやいんだから。
[――さて、こうしていけしゃあしゃあと御託を並べるルパートに、人らしい心は果たしてあるといえるのだろうか?
――誰なら心がねえっていうんだ?
どういうものなら、人間らしいと言って貰えるのだろうか。]
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