131 SACRED JUSTICE ―闇の正義と光の祝福―
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はぁっ、はぁっ…………、…………は。
…………ここ、は……?
[駆けられるだけ駆けて、気付けば其処もまた、見覚えのある場所で。]
……孤児院。 そうだ、ここは……あの“夢”の…………!
[“夢”に出てきた時には。《夢の中の少女》は、此処へ来る事は避けていた筈、だ。 それは、此処を嫌っていたからではなく。逆に、庇護されるより前に悪事に手を染めた少女が、人の良い院長を巻き込まぬよう、例え声を掛けられようと……。]
(281) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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…………?
[だが、“夢”との相違点、一つ。 >>251今、その院の様子を、“夢”でも見た覚えのない妙な男が、窺っていて。]
…………あ、の。
貴方は、此処に。何か、御用ですか?
[恐らく、任務には関わりのない行動。 だが。少女はその目に、はっきりとした“警戒”を宿し、男へと声を掛けた。 スラムの狭い路地を吹き抜ける風に、外套ははためくが。軍服までは、晒さぬままに。]
(282) 2014/08/17(Sun) 10時頃
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いえ……私は、違う。違い、ます。
[>>285男に問われ、言葉につまるが。]
子供の声が、しない?
それは…………おかしい、です。 此処はいつも、子供達や院長の声が絶えない場所の筈なのに……。
[“夢”の中では、此処の子供にも殆ど近寄らなかった、筈。で。 クラウディアの連れてきた子供達を、此処の子供と悟るには、何もかもが足りなすぎた。 だから。男の疑念に、警戒の色は心配へと転じて。]
(286) 2014/08/17(Sun) 11時半頃
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此処、には。 ……一人の男性が、出入りしてて。
凄く、腕っぷしの強い人……の筈、だから。 何かあっても、その人が、居る筈なのに…………?
[記憶を辿りながら、どこか辿々しく繋げる。 所々、語調が“推測”になるのにも構わずに。]
昨今、街を……怖い人、が、うろついてるみたい、だから。 もしかして……何かに、巻き込まれたの、かしら。
[“異教徒”“異分子”と言い掛けて。自分の歳でその単語を持ち出す違和感に、咄嗟に、曖昧な言葉に置き換えて。]
(287) 2014/08/17(Sun) 12時頃
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貴方は、通りすがりの人、ですか? それとも。此処に誰か、知り合いが居るんですか?
[改めて、男に素性を問い掛けて。]
…………あ。
私は、あの。レ…………
[本名を名乗りかけ、止まる。揺らぐ視線は、明からさまな躊躇いを映す。 どもる言葉も併れば、随分とぼろを出してしまった気はするが。]
……………………レット。
[名乗ったのは、《夢の中の少女》の名前。先程流民に呼ばれた、どうやら実在していたらしき少女の名前だった。]
(288) 2014/08/17(Sun) 12時頃
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――――…………え?
[>>290呼び掛けるその声は、夢で見ていた男の物。 自分を呼ぶう名は、《夢の少女》の物]
あ……ええ、と。 久し振り……なの、かな?
…………や、うん。久し振り。
[ならば、と。少女の仕草を思い出しながら、話を合わせるよう振る舞ってはみるが。 視線はさ迷い、落ち着きはなく。]
(291) 2014/08/17(Sun) 12時半頃
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あ、…………ああ。
……悪いヤツに襲われた所を、助けてくれた人が居て。 今は、その人の所に居るんだ。この服も、そう。
[只。その言葉だけは、彼女に取っての真実を、笑みと共に伝える。 本物の《夢の少女》もそんな風に救われていればいい、と。罪悪感の棘は、胸に刺さったが。]
(292) 2014/08/17(Sun) 12時半頃
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この人は……今、此処で会ったばっかり。 中が随分静かだからって、心配してたみたいだよ。
何か、あったの? ……ドナ兄。
[確かめるよう、夢の中で聴いた名を呼ぶ。 尤も。ぎこちない口調は、夢の少女に似せようとするほど、遠ざかってしまうのだが。]
(293) 2014/08/17(Sun) 12時半頃
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大人、に?
……あ、や。 その。助けてくれた人、が。読み書きや、言葉遣い、教えたくれたから。 …………そのせいじゃ、ないかな。
[>>294伸ばされた“知らない掌”に、一瞬身を竦めるが。意を決し力を抜けば、そのまま、されるがままに。 ……何故だろう。知らない手の温かさに、不思議なほどに落ち着いて。]
そん、なの。ドナ兄のせいじゃ、ないよ。 “私”が無茶をしたから…………。
[一瞬歪んだ眼差しは、服に注がれていた。 ……どこに引き取られたか、悟られたのだろうか。何故だろう。目の前の男に、それだけは、言ってはいけない気がしてしまう。]
(298) 2014/08/17(Sun) 13時頃
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子供たちが…………!?
[>>295だが、その言葉に表情は引き締まる。]
ドナ兄。独りじゃ、危ないよ。 私も、手伝う。身を守る方法も、その人が、教えてくれたから。力になれると、思う。
[困り顔に咄嗟に返し、後悔する。 ……自分も、任務の最中なのだ。他の厄介事を受ける暇など、ないはずで。
ああ、でも。 子供を救って、教会で保護するよう持ち掛ければ。それは、神の御手を広げながら不穏分子の排除にも繋がるだろうか、と。 数瞬悩み、切り出そうとして。]
(299) 2014/08/17(Sun) 13時頃
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…………教、団?
[続いた言葉に、凍り付く。 その流れでは、まるで…………]
……子供を連れてったの、教団なの? …………えと、じゃあ。さっき、……教団の方が、何だか騒がしかったの…………もしかして、ドナ兄……なにか、したの?
[まさしくそれが目の前の男の所業、とは、知らぬまま。少女は、恐る恐る問い掛ける。]
(300) 2014/08/17(Sun) 13時頃
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[…………その手は無意識のまま。 側にいた>>297別の男の服の裾を、固く握りしめていて。
時折震える手は、怯えたように、幾度も裾を小刻みに引く。]
(301) 2014/08/17(Sun) 13時半頃
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…………そ、んなこと、ないよ? でも、…………え、と。
[>>302続けられた言葉に。 言葉が続かずに、ひゅっ、と。吐息が凍る。 >>303怖いほどに穏やかな笑みと、“夢”では見ることの出来なかった、銃剣に彩られて。]
――――…………貴方が。
貴方が、あの侵入者!? 警羅の兵を殺し、教団に入り込んだ…………!!
[“異教徒のネズミ”。 そう続けようとして、言葉は止まる。 奇妙な経緯とは言え、知ってしまった相手をそう呼ぶ覚悟は持てずに。]
(308) 2014/08/17(Sun) 16時頃
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なら……ああ、そう言うこと、だったのね。 あんな内部に、あの《白銀の翅》が用もなく入り込むなんて、可笑しいと思っていたもの。
…………なにも貴方が無茶しなくても、手を組んでいたなら、《白銀の翅》の方に子供の救助を頼めば良かったのに。
[たて続いた襲撃は、少女の中で安易に結び付く。 本当に手を組んでいたなら、あの時点で《白銀の翅》に攻撃されていた可能性もあるというのに。 視界が薄く霞み、涙腺に熱が点る。
……けれども。ならば軍属として、やるべき事は一つ。]
…………ヘクターさん、気を付けてください。 どうやらあの人は、先刻教団に侵入した不穏分子の一人のようです。危害が貴方に及ばないよう、私が食い止めますから…………!
[《一般人》を巻き込んだ不甲斐なさに瞳は揺れ、前を開けた外套から、白銀の杖を取り出し構える。 はためく衣の合間に覗く、十字軍の軍服。
目の前の男もまた、教団と一悶着起こした存在であるなどとは、知らぬまま。]
(309) 2014/08/17(Sun) 16時頃
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[頭に響く不快なノイズ音。
同時に途切れ途切れにクラウディア卿の声が響いて顔を顰めた]
面白い力をお持ちの様ですが、
少々頭痛を伴う話術のようですので、ご遠慮致しますよ。
[クラウディア卿の力は《白》の加護を突破する程のものだが、
やはり負荷は掛かるらしい。
素直に断りを入れると、
通信用のアイテムを受け取る事になるだろう]
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……私の名は、レティーシャです。 悪漢から救われてクラウディア卿に見出だされ、魔術を学んだその時から。十字軍の一員として、神の救済を世界にもたらすのが、私の使命!
[>>313杖を構えるかわ、向けられた眼差しには敵意はなく。 空恐ろしさに……否。自分の何かを、誤魔化すように。頭を振って、宣告する。
彼がクラウディア卿に会っているらしいことが、少しばかり引っ掛かったが。 それよりも、侵入者の発見に、気をとられて。]
(326) 2014/08/17(Sun) 18時半頃
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何を……手を組んでいたのでもなければ、あの《白銀の翅》があのような所に赴くとは思いがたい! 貴方もこの世を惑わし、闇をもたらすと言うのなら……!
[これはいよいよ、と。ヘクターを横目で見て、気付く。]
…………その、紋……?
[>>318先程つかんだ辺りに、何やら複雑な紋が垣間見えた。何処かで見たような、と。思い巡らせて。]
(327) 2014/08/17(Sun) 18時半頃
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―――――!!!!!
その、ウサギは……その剣は、なんだ……?
[>>322飛び回る生き物は、ウサギのようにも見えたが。それに加えて目をひかれたのは、漆黒の剣。]
…………よもや、貴様も闇の異教徒か!? おのれっ……ならば纏めて、相手をしてくれる!!!
[不可解な生き物+謎の剣、イコール、悪。 知識を得ども、少女の脳内はやや安直で。
>>0:82「Runatis」の情報までは持たぬ故に、それが教会の捜索対象であるとは知らず。 ましてや。己を始めとする魔法兵の一部に支給された杖が、王の錫と呼ばれた秘宝のレプリカント……の、試作品、などという不安定極まりない物であるとは、もっと、知らずに。構えた杖から風を迸らせ、自身の身を取り巻かせる。]
(328) 2014/08/17(Sun) 18時半頃
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…あら、面白い術式を使うのね。卿の才たるや恐るべきかな。
[ふと通信アイテムを使ったときのように頭の中に響いてくる声に、笑みを浮かべた。ダイレクトに意思を伝える声。自分はその会話には参加しない。ただ傍受しているだけだ]
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っ…………“私”はレティーシャだ、レットなんて名前じゃない!
[>>329『レットではない』と、言い切ればよいのだけれど。 何故か、それはできずに。一直線に向かう刃に、杖に魔力を込める。]
――――…………そんなもの。 才のあるなしじゃ、ない。
ソイツに、神の加護があるかどうかだ。
[夢の中の少女なら、“運”とでも言うのだろう。>>330男のifに、緩く首を振って。]
(333) 2014/08/17(Sun) 19時半頃
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させない!
やましき事なし、関わりも無いと言うのならば。話は神の元、聖堂にて聞かせてもらう!
[>>331>>332片割れの逃走の気配に、杖に纏う風は渦巻いて。 それぞれを取り囲み退路を絶とうと、襲い掛かる。
ただし。 背後の孤児院を傷付けぬよう、規模はぎりぎり、人一人を拘束できるかどうかの物で。]
(334) 2014/08/17(Sun) 19時半頃
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やはり難しいですか。
ではこれを。
[水晶を一つ手渡した。
そして補足的な説明を加える事に。]
私専用の通信手段という訳ではないのです。
他にも王国の為に戦う人が居るのならば。
魔術を教えるか、同じ様な魔法道具を渡すでしょうね。
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……っ……魔道具、だったのか……!
[>>339霧散する風に、舌打ちし。 しかし、拡がる霧に再び杖を掲げて。自身を風……空気の膜で覆えば、霧の央、より密な水へと”呼び掛ける“。]
雷光の元に飛沫よさざめき、身を焦がさんばかりの熱を………エレクトラウェイブ!
[霧。即ち、雷を通す水へと、微細な雷を波状に流し込む。 留まりきれなくなった水は微動を繰返し、熱を貯え、やがてはそれ自体が熱へと転じる。 様々な元素を同時に操れるからこそ取れる、力業だが。これも恐らくあの刃に掛かれば、直ぐ様解かれる、手稼ぎでしかなく。]
(343) 2014/08/17(Sun) 20時頃
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[だが、そんな中で聞こえる声は。]
…………新手、ですか。
[>>342>>343もう一人の男、ヘクターへと掛けていた風の術が、するすると取り払われる。 遊ぶ風をいなされるように、たやすく。
ぼろぼろな衣服は、見た事の無い様式。 スラムの者、だろうか? 一瞬胸元に視線を感じ、杖を握る手に更に魔力を込める。
……注意の逸れた一瞬に、>>346間合いへと踏み込む影。]
な、っ…………!!!
…………フレアバレット!!!
[振りかざされる獲物の気配に、小さな火球を幾つも地面へと撃ち込む。 弾丸《バレット》の名の通り、鋭く勢いのある弾丸を、幾つも。]
(350) 2014/08/17(Sun) 20時半頃
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っ…………!!!
[>>354詰まる距離に、斬撃を覚悟して。 ……しかし、訪れたのは一瞬の停止。事態は解らねど機は逃すまいと、杖を掲げて斬撃を受け流し。]
多勢に無勢…………っ、それに、これ以上派手に動けば……!
[孤児院を巻き込むのは、必至。 ならば、と。鳩尾目掛けて杖を突き、それと共に路地の影へ。]
(357) 2014/08/17(Sun) 21時頃
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…………覚えておけ。
世界を包む闇の意思は、教会の光に満ちた裁きの元、必ずや浄化されるのだと!
[捨て台詞に、人ではなく思想の浄化を解いて。 外套を羽織り直しながら、狭い路地を一気に駆け抜ける。
…………“レット”の頃の記憶が、足を動かしているかの如く。]
(358) 2014/08/17(Sun) 21時頃
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…………後、人をつかまえてバインとはなんだバインとは!!! ざけんなっ!! “俺”はレティーシャだっつってんだろうが!!!
[>>356だが。 去る間際、風の運んだ言の葉に、咄嗟に同じく炎の弾丸を1発。
名乗りもない、素性もしれない相手への、いきなりの砲撃は。 “レティーシャ”の意識を、“レット”の潔癖さが凌駕した、一瞬に。無意識に*]
(363) 2014/08/17(Sun) 21時頃
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― 路地裏 ―
[場を逃れ、姿が見えなくなった所で足を止め。蹲る。]
っ…………好きで、こんな体付きなワケじゃ、ないのに……!!!
[>>367昏倒する様は見て取れた……が。 そもそもこの体付きは、偽りの記憶では心的外傷《トラウマ》であり、真実の記憶でも無用なトラブルの元。 巧い立ち回りの手本もなく言葉に晒され続けた心が、クラウディアの言葉に母性を見出だし。神の徒ならば性を問われぬ、と、実状はともあれ認識し安堵したのも。脳を加速させる原因となっており。
それを揺らせば、どうなるか?
…………“レット”も“レティーシャ”も、ただただ。路地裏に膝を抱え、泣きじゃくるのみ。]
(372) 2014/08/17(Sun) 21時半頃
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やだよ……怖いよぉ…………!
助けて、助けて……。 クラウディアさま、ドナ兄……助けて…………!
[路地裏に、押し殺した泣き声が響く。 己の天へと座する者や、己が拒絶した相手への、身勝手な懇願と共に。 独りそうして生きてきたように、小さく、身を守りながら。
……其処が教会に追われる医師崩れの隠れ家の真ん前、とは。知らぬまま、に。]
(373) 2014/08/17(Sun) 21時半頃
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