266 冷たい校舎村7
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[先程の会話に対して 柊が「責められている」>>226と 感じていることに、俺は一生気付かない。
ただ顔色の悪い柊を気遣う素振りを見せながら、 マネキンを運んだだろう。 こういう演技だけは上手いから、 きっと拓海には気付かれなかったと思う。
体育館にマネキンとぬいぐるみを安置すると、 可愛らしいぬいぐるみの頭をひと撫でして立ち上がる]
(247) 2019/06/13(Thu) 00時頃
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じゃあな堅治。
[その間に、拓海と柊が 内緒話をしていたことには気付かずに 俺は拓海に向き直ったんだ]
柊、行っちゃったか。
[慌ただしい奴だな、と軽い口調で言う。 それから、少し真面目な顔をして拓海を見た]
(248) 2019/06/13(Thu) 00時頃
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……拓海。俺、さ。
葉子があのメールの送り主だったら どうしようって怖くなってる。
死んでいい、ってあいつ言ってた。
[そのときはまだ、灰谷のマネキンはここへは 運ばれてきていなかったはずだ]
(249) 2019/06/13(Thu) 00時頃
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俺にも、人並みに罪悪感とかあったんだな。
[自嘲気味に笑って、 体育館を後にしようとするだろう]*
(250) 2019/06/13(Thu) 00時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 00時頃
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―― 食堂へ ――
おい、ちょっと待てって。
[くるりと踵を返して 体育館から去る拓海を追う。>>251 俺は昔から、こいつの背を追いかけてばかりだ。
途中、葉子や京輔や颯太とすれ違った。
意気地なしの俺は 葉子と視線を合わせることができなかったんだ]
(263) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
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[食堂の扉をばたん、と閉める音。 俺のすぐ脇の壁に伸びる拓海の手。>>252
ひょっとしてこれは 壁ドンというやつをしたいのだろうか。 身長差がありすぎて様になってないけど。
いつもなら茶化すところだが、 珍しく拓海が真面目な表情をしていたので 俺は黙って拓海の言葉>>252に耳を傾ける]
(264) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
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だって。 ひとりにしてほしいって言われて。 明確に避けられて。 これ以上どうしようもできないだろう。
……俺は、もうあいつの彼氏じゃない。
[後ろめたさから、 その声は消え入りそうなものだった。
おかしいな。馬鹿どもには興味なかったはずなのに]*
(265) 2019/06/13(Thu) 00時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 00時半頃
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―― 食堂 ――
[馬鹿に馬鹿と言われた。>>271 普段なら激昂をするところだが、 今の俺は拓海に自信なく言葉を返す]
誰だって、傷付きたくはない。だろ。 逃げることの、何が悪いんだ。
[逃げるために、宮古に救いを求めて 自分を傷つける俺を、否定された気がして。 俺は苦しげに呻くだろう。
――本当は、拓海が正しいって分かってるんだ。
拓海を見下ろす俺の瞳が、揺れる]
(279) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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……それは。
[痛いところを突かれて黙り込んだ。>>273
俺は、性格の悪い人間だ。 だから馬鹿がどうなろうと構わないし、 勝手にひとりで死んでろと思う、はずなんだ。
けれど、ああ、認めなければならない。
俺の心は、葉子の死を背負えるほどに 頑丈にはできていない]
(280) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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責任って。 もう別れた彼女に対して、か。 お前、重すぎだろ。
[苦し紛れに、鼻で笑ってやる。 心が痛くて痛くて堪らないのに、 傲慢で高飛車な態度で、すべてを覆い隠そうとする。
責任。そんなものは背負えない。 人の生き死にだなんて。 無理だ。俺は潰れてしまう。 自分のことで、精一杯なのに。
きっと俺の声は、震えていた]
(281) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[誰かに置いて行かれるのは、嫌なんだ]
(282) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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・・・・・ [でも、どうすればいいのか分からない]
(283) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[くるりと踵を返す拓海の背を追う資格は 俺にはなかった。>>275
いつも俺を甘やかしてくれるはずの幼馴染は、 俺に幻滅したような眼差しを向けてくる。 胸が、苦しい。呼吸が荒くなる。
――お願い。置いて行かないで。
脳裏に過ぎった幻聴は、 餓鬼だった頃の自分の声だった]
(284) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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……くそったれ。
[糞なのは俺だ。俺自身だ。 くしゃりと前髪を掻き上げる。
誰もいなくなった食堂に、たったひとりきり。 寂しくて寂しくて仕方がなくって 俺は膝を抱えて、しばらく俯いていた。
いっしょにあそぼ、と 俯く俺に公園で声を掛けてくれた幼馴染は もうここにはいない]
(285) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[なあ、宮古。 俺は全部お前に渡してしまいたいよ]
(286) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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[……でもきっと、もうそれは許されない]**
(287) 2019/06/13(Thu) 02時頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 02時頃
[なあ。
俺はいつの瞬間だって笑って――――、いた、だろ?
ちゃんと笑っていただろう。
あなたたちが喜ぶように子供らしく。
母親が母親である前に「一人の女」だって気づいても
父親が父親である前に「一人の男」だって気づいても
俺はあなたたちの「 」だったから。
俺はあなたたちの子供だったから。
「 」が笑うためにピエロになって、
それでも駄目だからいぬになって、それでも、
わからないんだ。
あなたたちが笑わなくなって、
崩れていった理由がわからなかった。
何が足りなかったんだろうなあ。]
[…………………答え? 知ってるよ。
こんなことはよくあることで
大して痛くはもうないのだけれど
概していきていたいとも思いませんので
たかが染色体の組み合わせの結果
生存するために「社会」と「肥大した自我」という
手段を選んだだけの動物
そういった価値の無いものである自分のおしまいを
自分で決めてしまおうと、思ったのです。**]
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[高飛車で、傲慢で、お高くとまって。 それが高本悟という男だ。 ずっとずっと、そうだったじゃないか。
――拓海は、よく知っているだろう]
(325) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[いつまでって、言われても。>>289 そんな俺でも受け入れてくれるお前に 俺は甘えきっていたんだ]
(326) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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―― 現在 / 図書館 ――
[そのあと、食堂で何を食べたかは覚えていない。 ただ、紙粘土を食べているような感覚に ひどく吐き気を感じたのは覚えている。
この傲慢さも、プライドも すべてを捨ててしまえばいいのは知っている。 けれど性格の悪い俺は、 そう簡単にそれを手放すことはできないんだ。
――誰かに全てを渡してしまえるのなら。でも。
ふらり、と俺は食堂を後にする]
(327) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[俺は誰かに甘えてばかりだ]
(328) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[次に俺が足を踏み入れたのは、 陽気な文化祭の装飾が施された図書館だった。 そこで汁粉を飲む彼女>>262の背に、 俺は穏やかに声を掛ける]
……宮古。
[努めて冷静さを心がけようとして]
ペット候補、卒業させてほしい。
[きっと俺は、泣きそうな顔をしている]
(329) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[俺も宮古を利用している、だなんて言い訳だった]
(330) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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[きっと、このままお前に甘えていたら 俺は本当の屑男になってしまう]**
(331) 2019/06/13(Thu) 16時半頃
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R団 タカモトは、メモを貼った。
2019/06/13(Thu) 17時頃
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―― 図書室 ――
[そっか、と気の抜けたような返事が 俺に返ってきた。>>339
あまりにも彼女は いつもと変わらぬ様子で。 本当に、普段通りで。
息を飲み、二の句を告げずにいると、 俺の頬に宮古の指先が触れる。
思わず、目をつむった]
(361) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[一瞬、そのまま叩かれたいと願ってしまった]
(362) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[心の奥底で、彼女からの罰を望んでいた]
(363) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[けれど、彼女はあっさりと頷く。 まるで何ということもないというように。 いいよ、とただ一言を発する。>>340
――だって、俺はただの“候補くん”。 ――穴埋めのための代用品。 きっと俺は不甲斐ない顔をしているのだろう。 もう、彼女に甘えることはできないのだ。
あの居心地の良い時間は、 きっと2度と訪れない]
(364) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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[きっと俺は、宮古に依存していた]
(365) 2019/06/13(Thu) 21時半頃
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