158 Anotherday for "wolves"
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[深く落ちたのは、諦めに似た溜息。
何故同胞は目を覚まそうとしないのか。
何故同胞の手で、同胞を裁かねばならないのか。
人狼が人を食らうことなど”自然”というのに]
…… その前に長を、かね。
[そうかも知れない。それが正しいのかも知れない。
けれど長年をぬるま湯で過ごした男には最早牙はないけど]
やるなら──…
……、上手く「隠さないと」、なあ。
[牙はなくとも知恵はある。
さてどうしたものかと、思案する様子で口を*閉ざした*]
共存のため、共栄のため
『ひと』の為に。
同胞に手をかける。
私達だって『ひと』なんだから。
同胞に手をかけたって
構わないはずよね?
[諦めにも似た溜息が聞こえます。
声ならざる声が向かう先
私は彼に、微笑んで見せました。]
そうね、上手く隠さなくっちゃ。
でなきゃ、殺されちゃうわよ。
───“わたしたち”。
[『味方』なんでしょう、と首を傾いで見せて。]
[腐らない、誇り高き人狼。
…なぁんて謂うつもりは微塵もないけれど。
人間に紛れて、耐えて、黙って生きる。
それが『共存・共栄』だなんて。
初めから天秤なんて水平じゃなかったことに
気付きもしないお馬鹿さんたち。
泡沫の夢にしがみ付いて。
ありもしない理想を描いて。
微温湯に浸かって。
人と獣が仲良く手を取り合って生きていこうだなんて。
本当に、馬鹿みたい。
もう天秤は大きく軋んでしまったのだから。]
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