82 【薔薇村企画】 Contagio ―共鳴―
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[水浴びの最中、主は口を開かなかった。 唯一唇が動いても>>555 それを読み取るまではまだ出来ず。
ただ遠くを見つめている様な視線に。
問い掛け直す事も出来ずに着替えを手伝う]
(564) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[泣き過ぎて、疲れて、ぼんやりとした思考で 今日見た光景を記憶に焼き付けていた。
忘れない。 絶対に、忘れない。
シーツを握りしめて、心に誓う。 そして、そのまま疲れのせいか、うとうとと]
(565) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[夜が更けても、ずっと 寝台の上で寄り添って過ごそう。
文字が書けるうちは、 ぽつぽつと言葉を交わして。
キスをして、抱きしめて。ずっとずっと。]
(566) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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――→キリシマの家――
[考えていることは一緒だった>>561らしく それに無意識に唇を綻ばせる。
歩みは変わらず、速いとはとても言えない速度だったが だんだんと彼の家が見えてくる。
近づいてくるたびに先ほど見たサミュエルの姿と 抱きしめたときのドリベルの背中の感覚を思い出す。
まさか、彼も、いや、でも。
ぐるぐると考え不安に襲われながら、 何度かは疲れたといいわけにして足をとめただろう。
ついに玄関の前に立てば、緊張した面持ちで扉をたたいた。]
(567) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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――寝室――
[その足で、寝室へと向かう。]
チアキ?
[>>556>>560寝台の枕に顔を押し付け、 泣いているチアキを見下ろし、後頭部を撫でる。]
……安心しろ、今日はどこにもいかない。
[今は、此処を離れられない。 この状態のチアキを一人にして、出かける事は。
もしかしたら、帰ってこれなくなるかも知れないから。*]
(568) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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― 枕元の板に遺した独白 ―
[翌朝。砕けた黒石の破片が 窓からの光に煌めく寝室に残っているのは 板にチョークで書かれた歪んだ文字の連なり。 その上に大きく「×」の形に線が引かれている。]
《 錬金術師の片割れが病に罹ったと聞いた時 それがドリーじゃなくて本当に良かったと ボクはとても安心した。 安心の対価に何かを失った人たちを見た時 それがドリーじゃなくて本当に良かったと ボクはとても安心した。
その時のボクは とても浅ましい顔をしていたと思う。
ごめんなさい。懺悔します。 》
(569) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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《 ボクはもうすぐ死ぬようだ。 ドリーと 一緒に。
ボクが死んだ後に生き続けるドリーを 少しだけ悲しいと思ってしまったから。 ドリーを遺して死んでしまうボクを とても悔しいと思ってしまったから。
そう思った時にはじめて ドリーがボクの大切な人なんだと気付いたよ。
幸運だね。気付けたんだから。
だから ボクはドリーの手を握って逝くよ。 どこまでも いつまでも 一緒に。
さようなら。ありがとう。 》
(570) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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― 枕元の板に遺した書き置き ―
[「×」で隠滅しようとした痕跡の残る文章の傍に、 先の文章と同じ筆跡による文字が書き足されている。
こちらを読め、と言わんばかりに。大きく。]
《 眠い。眠る。起こさないでね。 》
《 追伸 先生。やっぱり強いね。格好良かった。 》
(571) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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………我が君……ゼリー。 まだ残っておりますが…召し上がりますか…?
[ドリベルが持って来てくれたゼリーを少しだけ残しておいた。 井戸水で冷やしていたのでまだ食べられる筈だ。
戦士としては村長の元へ赴き、被害を確認すべきだろう。 だが今は主の傍を離れると言う考えは生まれなかった]
(572) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[どれ程の血が流れたのか。どれ程の人が砕けたのか。 その数は正確には分からない。
なぜ、自分は生きているのだろう。 そう過る度に、聞こえてくるのは、
―――― 生きて くれ。
優しい兄の声。 今生きているのは、それがあるから、**]
(573) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[器用なトルドヴィンが髪を結うと、気持ちは引き締まる。 ライマーを、ラーマを見送ってきたのは初めてでないが、 ここまで手を焼いた弟子を送るのは初めてで。]
どうするのが、正解なんだろうな。
[戦場でこんなに悩んでいたら死んでいる。]
(574) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[抱きしめられるまま、シーツの上へ倒れこんで。 もう肘から先しか動かない手で、 サミュエルの手を握る。 このまま固まってしまえば、そこからひとつに繋がれるだろうか。]
……エル。
[まだ正常に動く喉。 夢現な彼に、まだ声は聞こえているだろうか。]
(575) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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―→キリシマ邸―
[主と並び、歩を合わせながら。 時折足を止めれば、その度にそっとトレイルの背を撫でた。
ドリベルもまた病に冒されていたことは、既に知っている。 だが、自ら選んだ主と共に死ねる彼を、どこか羨ましくも思っていた。
……無論、そんなことはおくびにも出さないが。]
トレイル様、どうか無理をなさらず……。
[そう声をかけながら。 キリシマ邸まで着けば、じっと主が扉を叩く様を見つめていた。]
(576) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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ん、……あ、……攻芸、
[>>568撫でられる心地良い感触に、 赤い目を向けて、不思議そうな顔をした。 出かけると聞いていたような気がして……]
(577) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[それからの時間。 笑って、触れて、幸せな時を過ごし。
いつしか眠ってしまったサミュエルを、 起こさないようにそっと声を落とす。]
……おやすみなさい。サミュエル。
(578) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[愛しい人の名前を紡いで。囁いて。
とても眠い。 だけど同じくらい、それ以上に幸せ。
眠る顔を目に焼き付けて、笑みを浮かべてそっと目蓋を閉じた。
―――それが、最後。]
(579) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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[ドリー。ボクのドリー。
繋がる手に残る僅かな体温。 ドリベルを抱きしめたまま、目を閉じる。
触れ合う箇所に感覚は薄いはずなのに ひとつになってしまったような 何よりの幸福を感じる。
そのまま。 意識が途絶える瞬間まで。 命が途切れる瞬間まで。
おやすみ、ドリー。愛してる…―――**]
(580) 2013/05/17(Fri) 00時頃
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