253 緋桜奇譚・滅
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[白珠と黒珠をしまい直して、お姉さんに告げました。]
私、伽耶っていうの。 これから凛とお話があるの。
[また会いたいわね。 そう言って、別れ際に彼女の名前を聞き出せたなら幸いです。*]
(94) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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─翌朝─
[なんだかんだで凛への依頼を済ませた後、その日は酒屋に帰る事にした。
帰ってからの家の留守番蛇──と言っても私の分身なのだが──の報告にも、人の噂に狂い咲きの緋桜の噂も混じっているとのことだった。 七日後を楽しみにしているのに水を差された気分だ。
翌朝、いつものように身支度を整えると、巾着と、酒の入った徳利を下げて家を出た。
実際に紅桜を見ていない事が気になって、 足を向けるは六道珍皇寺。]
(95) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[噂の寺に向かう途中、何処からともなく炎纏う烏>>44がやってきた。
朝から火の玉が浮かんでいると思いきや、遠くに連なる人の悲鳴で我に返り、急降下してくる前に二つの珠を取り出して対処する。]
乱暴なこと。 [呆れたようにそう呟くと、白珠から吹き出した水が空中で弧を描くように回りだした。 あっという間に水の輪刀が出来上がる。
───斬っ と
分かたれた烏は花火の欠片のようにその場に落ちた。]
(98) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[燻った残り火を草履で踏みつける。 砂に塗すようにすれば、 ほんの少し焼け焦げた匂いがした。
黒珠を掲げ、烏を割いた水を吸い上げて、 そうして再び六道珍皇寺へ向かおうとするのだけれど、 本当に辺りが騒がしい。
どうしたものかと、ぐるりと周りを見渡すのだった。]
(99) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[大きな声で叫んでいる男の人が駆けていった。>>91 見覚えのある…爪輔でした。]
え…つまり…。
[私走らないといけないって事? お嬢様に火消しの真似事をさせるんじゃないわよ。 そう内心文句を垂れながら。 爪輔の来た方向にある三峯茶房に向かうのでした。]
(101) 2018/11/08(Thu) 23時半頃
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[店の近くに息を切らせてついたのに、凛が制止している状況から>>92誤解だと知る。
取り出さずに済んだ白珠黒珠を撫でて、店に入る2人を見て、挨拶をしていきたいけれども、本当に挨拶だけになる事も考えて、やはり最初の目的地の六道珍皇寺に向かう事にした*]
(115) 2018/11/09(Fri) 00時頃
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─六道珍皇寺─
[呑気な自称お嬢様は自宅が危険に晒されているとも、それを護るものがいるとも知らず>>109、寺へと向かう。
やがて境内に着けば、この時期見ることのない桜の花びらが、遠く離れても舞ってきて。 遠目に紅い褥を作っているのが見えて。]
綺麗なものでも、毒は頂けないのよ。 明らかにおかしいわね。
[肌を刺す、自分とは相性の悪そうな空気を今すぐ洗い流したいという気持ちに駆られる。 それよりも、近くの井戸の方に目が吸い寄せられた。
新しく生を奪われた魂が>>117、ふよふよと飛んできて井戸の方に向かったと思えば、桜へと引き寄せられて吸われていくのが目に映る。
以前はぼんやりとしか見えなかったのに今は色まではっきりと見える。]
(126) 2018/11/09(Fri) 00時半頃
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― 桜の下 ―
えぇ、えぇ、そうなの ね
[香りをたどって桜に会いにくれば―
―そこには数人の人間、に見える者たちがいた。
蓮と名乗った男がただただ話している。
話の内容はあまり理解できなかったが、とりあえず相槌をうつ。
もちろん話の切れ間に簡単に名乗ったのだが。]
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[空から雨が降ってきた。>>118 空覆う黒雲だ。 恵の雨だ、濡れていこう。 そう思うも、境内の、桜の近くへと脚が進まない。 私がこの寺に踏み込めるのはここまでのよう。
これ以上は私の中の商家の娘が逝きたがる。
人の入れ替わりは多い。 それとなく気になったものがいれば、水幕をを通って傘がわりに手向けただろう。
例えば先ほどまで動かなかったのに、火烏を素手で握りつぶした女性とか。>>127*]
(130) 2018/11/09(Fri) 01時頃
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[内容はわからないが、ここにいるこどもたちが喜んでいる。
その姿をもう少し見ていたい、それだけで手伝う理由には十分だった。
だが一つだけ引っかかる言葉があった。
『地獄』
人間だった頃、お腹からいなくなったこどもをずっと探してた。村の中も、外も、池も、山も 森も畑も川も街も橋河原家海沼林雪湖洞窟土祠井戸宿虚村池山森畑川街橋河原家海沼林雪湖洞窟土祠井戸宿虚村池山森畑川街橋河原家海沼林雪湖洞窟土祠井戸宿虚村池山森畑川街橋河原家海沼林雪湖洞窟土祠井戸宿虚村池山森畑川街橋河原家海沼林雪湖洞窟土祠井戸宿虚
地獄だけはさがしてないわ]
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[水幕の傘を張れば彼女がこちらに気づいて声をかけてくる。>>133 昔馴染みの按摩を生業とする妖だ。 たまにうちの屋敷の者の為に施術に来てもらっている。
うちには妖に無礼な行いをするような者はいない。 私が憑いて直ぐに横領をしていた番頭を「粛清」してからは、随分行儀が良くなったものだ。]
(137) 2018/11/09(Fri) 08時頃
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この雨は私ではないわ。 風邪を引かないからって、 濡れない方が見目がいいのは分かっているのよ。
[それでも彼女の後ろに流した灰色の髪は濡れて艶を増していたのだけれども。]
私も濡れることは構わないんだけど。 濡れて立ち話ももなんだから、 少し待ってて。
[水幕の傘を自身にも拡げる。 黒珠を取り出し、髪や服など、含んだ水分を吸い込めば、共に見た目は雨の降りかかる前に元どおり。]
(138) 2018/11/09(Fri) 08時頃
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ずっと水幕を貼りながらというのも間抜けね。 あちらで雨宿りしましょう。
[あとどれくらいで止むのか知れない黒雲を見上げて、軒下>>131の方へと彼女を誘導する**]
(139) 2018/11/09(Fri) 08時頃
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─幕間、金烏舞う頃、『かさぎ屋』─
[金烏が京の方々に飛来していた時のかさぎ屋は、伽耶が留守にしていた代わりに一匹の分身蛇が留守番をしていた。
普段は店の片隅でとぐろを巻いてひっそりとしているのだが、妖由来の喧騒を聞いた子蛇はすぅと店内を一周し、店先で慌てる人間の店主>>109を見ても何もせず、そのまま伽耶の住まう離れに向かっていった。
そのうちに、黒雲の心遣いにより、かさぎ屋は金烏の火の粉からは全くの無傷でいられるという結果になった。
伽耶でさえ、黒雲が誰の裁量か知らぬものを分身蛇が知ろうはずもない。]
(168) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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─揺籃と>>157─ 本当に、小さな火でも風向き次第では大火になると聞くわね。
[今回の襲撃は往来を歩く人や妖を狙ったものらしい事は、襲われた現場にいた伽耶にも分かったことだ。 慌てて逃げる人間が火の害を大きくする事もあっただろうけど。
そんなことを喋りながら、黒珠に水気を吸い取らせれば、 こちらもだと見目の良さを褒められる。]
(169) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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赤加賀地、という表現は嬉しいわね。
…妖術って、妖が妖術以外に何を使うのかしら。
[この目がほおずき色というのなら>>158、あの実は本当に可愛らしい。 天狗爺なら神通力、他に遥か西の大陸なら仙術とかあるけれど、揺籃の自分から連想するものがピンと来なくて、ぐるぐると頭を悩ませる。 疑問は呟きとして小さく漏れた。
かの山神ともし口に出して言われても、最近知り合ったいえの龍神様の事だろうか?としか思い至る事がなかっただろう。
軒下へ向かう足はゆっくりと*]
(171) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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[軒下へと近づくと、いえが着こなしは洒落た派手な少女を撫でている姿>>151が目に飛び込んできた。
身体が強張る。
見知らぬ少女に気安く声をかける揺籃も、それに答える派手な少女も、嫉妬に拍車をかけて、 話しかける様を少し後ろから、袖で表情を隠すように見つめていた。]
(179) 2018/11/09(Fri) 21時頃
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[後ろでひっそりしていると、天狗爺に声をかけられた>>174 それをきっかけに表情を取り戻すと、にこやかに挨拶を。]
あら爺さま、ごきげんよう。 いつも悪いわね。
[薬を受け取ると、代わりに手持ちの徳利を押し付けた。]
今お代は持ち合わせがないんだけど、 いいものをあげるわ。仁右衛門より先に会ったから、これは爺さまのものよ。
(189) 2018/11/09(Fri) 21時半頃
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[先程の騒動の事を聞かれると、心当たりがないという仕草で。]
余所者の仕業なのかしら。 変な噂は流れるし、ここの気配は変だし、火烏は飛ぶしで、 何から手をつければいいのかしらね。
そもそも犯人がいる、と考えればだけど…
[それから先は口を濁す。手を打とうにも、誰が協力的で、誰が非協力的かすらわからない。*]
(190) 2018/11/09(Fri) 21時半頃
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─暖琴と─
[こちらに礼儀正しく自己紹介してくれる派手な少女の差し伸べる手に>>186こちらも手のひらを重ねてにこやかな笑みを。]
季節を二つ超えた南瓜が、形を崩さずに居られるのは、こちらの風が良いからでしょうか? 畑の土に抱かれるのを恋しく思わないのでしょうか?
[言ってる意味は 真冬は夏野菜が腐らずに居られる時期じゃないのよ。さっさとおうちに帰りなさい。 だったけれども、果たして彼女に通じたかどうか。
最後にぎゅっと力を込めて、握手から手を引いた*]
(207) 2018/11/09(Fri) 22時頃
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─ちょっと前、揺籃と─
[彼女に言われて隠している事と納得した>>183 そして八岐大蛇に似ていると言われれば、目を丸くして]
八岐大蛇って白蛇赤目だったんだ… 確かに似てるけど、私の本性ってそこまで大きくないのよ。
[そもそも蛇妖は多種多岐に渡る。それぞれにいわれが多いのも、自身の種族を特定出来ない原因だったのだ。 そんな遥か昔のよく昔語りに退治されてる者を持ち出されても、もしかしたらご先祖かもとは思っても、私そこまで妖力すごくない。
とかなんとか言っていた*]
(218) 2018/11/09(Fri) 22時頃
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─ヤツデと─
[火を操る鳥は絞れないと聞いて>>213 物知りの天狗爺でも知らないのかと少しの落胆。 それでも直ぐに対処を思いついて、練り物は得意かとこちらに問う天狗爺に]
あら、お薬のお手伝いですの? 是非ともお勉強させて下さいませ。
[と、快諾する。 お鬼の…と言う視線の先にいえがいるのを、いえと天狗爺とを交互に見渡して、
揺籃の後ろ、天狗爺のそばから、いえに寄り添う様に立ち位置を変えていた*]
(223) 2018/11/09(Fri) 22時半頃
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お姉さま……またお会い出来ましたね。
[恋は盲目。いえの正体が龍神様の妻であろうと、鬼であろうと、今の伽耶には関係ない。 熱っぽい視線でいえの挙動を見つめていた*]
(226) 2018/11/09(Fri) 22時半頃
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[遠回しに嫌味を言えば、彼女には通じなかったもよう>>214 そもそもいえのそばではいい子でいると心に決めたのだから、これぐらい言ってもいいだろう。 往来で猫の子のように喧嘩をするのを控えたのだ。 私偉い、と自分を褒めつつ、
彼女のにこやかな笑みは取り繕った自分のそれと違って、燦然と輝いて、 嫉妬を更に深くするのでした*]
(233) 2018/11/09(Fri) 23時頃
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[抱えて飛んでくれるのなら有り難い>>231 仁右衛門には挨拶に来ただけだし、話し合いならばこちらの爺との方が有益そうだ。]
お爺様、私を連れて行ってくださいまし。
[名残惜しく思いつつも、軒下の華やぎから離れて天狗爺に身を預けた。]
擽ったくしないでくださいましね。
[と、付け加えるのも忘れない*]
(238) 2018/11/09(Fri) 23時頃
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